更新プログラムおよびアップグレードに関する Windows 10 のサービス オプション

この記事では、Windows 10、Windows 10 Mobile、IoT Core で利用できる新しいサービス オプションの概要を示し、企業がそれらのオプションを利用して、最新の機能アップグレードでデバイスを最新状態に維持する方法について説明します。 また、企業が Windows Update をさらに活用する方法や、サポート ライフサイクルにとって新しいサービス オプションが持つ意味など、関連トピックについても説明します。

  

この記事のいくつかの図には、時間の経過と共に Microsoft によってリリースされている Windows の複数の機能アップグレードが示されています。 これらの図は、例としてわかりやすくするために選ばれた日付を使って作成されたもので、リリースのロードマップを正確に示していません。計画を立てるために使わないでください。

 

はじめに

企業の IT 環境では、最新の技術をユーザーに提供するという要求と、管理容易性およびコスト管理のニーズのバランスを取る必要があります。 従来、多くの企業は Windows の展開を均一に管理し、3 ~ 6 年ごとに Windows の新しいリリースへの大規模なアップグレードを (多くの場合、大規模なハードウェア アップグレードと並行して) 実施しました。 現在では、デバイスのようなエクスペリエンスが得られるプラットフォームとして Windows が素早く進化したため、企業はアップグレード戦略を再考しています。 特に、Windows 10 がリリースされたことで、最新リリースの Windows で企業のデバイスの大部分を最新に保つことはビジネス上の意味があります。 たとえば、Windows 10 の開発中に Microsoft は次のことを行いました。

  • ユーザーが求める機能やエクスペリエンスを Microsoft がこれまでより素早く提供できるように、Windows 製品のエンジニアリングおよびリリース サイクルを合理化しました。

  • 機能アップグレードとサービス更新プログラムを配信およびインストールするための新しい手段を開発しました。これにより、展開および継続的な管理が簡略化され、最新の Windows の機能とエクスペリエンスによって最新の環境に保たれる従業員の基盤が広がり、総保有コストが削減されます。

  • Current Branch (CB)、Current Branch for Business (CBB)、および Long-Term Servicing Branch (LTSB) と呼ばれる新しいサービス オプションを実装しました。これらは、エンタープライズ環境で以前より多くのデバイスをより新しい状態に保つための実際的なソリューションを提供します。

この記事の残りの部分では、これらの各分野に関する追加情報を提供します。 また、IT 管理者が Windows 10 の展開プロジェクトを開始する前に概念的に基礎が理解できるように、Windows 10 の 3 つのサービス オプションの概要 (表 1) についても説明します。

表 1. Windows 10 のサービス オプション

サービス オプションインストールでの新しい機能アップグレードの利用可能性サービスのライフタイムの最短期間主な利点サポートされるエディション
Current Branch (CB)Microsoft が最初に発行した直後約 4 か月できるだけ早く新機能をユーザーに利用可能にするHome、 Pro、Education、Enterprise、Mobile、IoT Core、Windows 10 IoT Core Pro (IoT Core Pro)
Current Branch for Business (CBB)Microsoft が最初に発行してから約 4 か月後約 8 か月展開の前に新しい機能アップグレードをテストするための 追加時間を提供する Pro、 Education、 Enterprise、Mobile Enterprise、IoT Core Pro
Long-Term Servicing Branch (LTSB)Microsoft が発行した直後10 年低料金構成で選択された Windows 10 リリースの長期的な展開を可能にするエンタープライズ LTSB

 

合理化された製品の開発およびリリース サイクル

製品サイクルとビルド

Windows エンジニアリング チームは、開発、テスト、リリースの各フェーズで構成される製品サイクルを通じて Windows に新機能を追加します。 製品サイクル中の毎日、チームはソース コードを Windows 向けにコンパイルし、ユーザーが自社のデバイスにインストールできるビルドに出力をアセンブルします。 ビルドを最初に受け取るのは、Microsoft でセルフホスト テストと呼ばれる作業を始める Microsoft の従業員です。

Windows 10 より前のテストとリリース

Windows 10 より前には、Microsoft は社外でテストするビルドを選ぶ前に、多くのビルドを発行して社内で広範囲にわたってテストしました。 社外テスト サイクルを数回繰り返してビルドの品質が徐々によくなった後、エンジニアリング チームはリリース フェーズに入るビルドを選びました。 このフェーズの最後に、チームはそのビルドを新しいバージョンの Windows として公開します。これは、Release to Manufacturing (RTM) マイルストーンと呼ばれるイベントです。 全体で、製品サイクルは完了するのに 1 ~ 3 年かかります。その間にかける合計時間の半分は、テストおよびリリース プロセスが消費します。

Windows 10 での異なるアプローチ

現在の環境では、ユーザーはデバイス中心のエクスペリエンスで期待を抱くことが多いため、完全な製品サイクルを年ではなく月で測定する必要があります。 また、新しいリリースは頻繁に入手可能にする必要があり、ユーザーへの影響を最小限に抑えて展開できる必要があります。 Microsoft は革新的な機能を開発および配信するための新しいアプローチを実装することで、これらの要件を満たすように Windows 10 を設計しました。このアプローチは、サービスとしての Windows (WaaS) と呼ばれます。

高い品質レベルを維持しながら、非常に短い製品サイクルを実現するためにキーとなるのは、Microsoft が Windows 10 向けに実装したテストに対するコミュニティ中心の革新的なアプローチです。 Windows Insider として知られるこのコミュニティは、世界中の何百万ものユーザーで構成されています。 Windows Insider はコミュニティにオプトインすると、製品サイクルの経過と共に数多くのビルドをテストし、Insider プレビュー ビルドという反復的な方法で Microsoft にフィードバックを提供します。

Insider プレビュー ビルドとして配布されるビルドは、実際の使用中にビルドが適切に実行されるかどうかに関する重要なデータを Windows エンジニアリング チームに提供します。 また、Windows Insider による Insider プレビュー ビルドを利用することで、Microsoft は以前よりはるかに多様なハードウェア、アプリケーション、およびネットワーク環境でビルドをテストし、より早く問題を特定することができます。 その結果、Microsoft はコミュニティに重点を置いた Insider プレビュー ビルドによって、これまでより速いペースで革新的機能を配信でき、より高品質な一般リリースを公開できると考えています。

Windows 10 のリリースの種類と更新間隔

Microsoft は Windows Insider に Insider プレビュー ビルドをリリースしますが、それに加えて継続的に次の 2 種類の Windows 10 リリースを広く一般に公開します。

  • 機能アップグレード : 既に Windows 10 を実行しているデバイスに、最新の機能とエクスペリエンスをインストールします。 機能アップグレードには Windows の全体のコピーが含まれているため、Windows 7 または Windows 8.1 を実行している既存のデバイス、およびオペレーティング システムがインストールされていない新しいデバイスに Windows 10 をインストールするためにも使用できます。

  • サービス更新プログラム : セキュリティ修正プログラムとその他の重要な更新プログラムのインストールに重点を置いています。

Microsoft は、平均して 1 年間に 2 ~ 3 個の新しい機能アップグレードを公開し、サポートが継続しているすべての機能アップグレードに関して必要に応じてサービス更新プログラムを公開することを想定しています。 Microsoft は、Update Tuesday (Patch Tuesday とも呼ばれます) のサービス更新プログラムの公開を継続します。 また、Microsoft はユーザーのニーズへの対応が必要なとき、Update Tuesday のプロセス以外で Windows 10 向けの追加のサービス更新プログラムを公開することがあります。

Windows 10 のすべてのリリースの累積的な特性

リリースの品質を向上させ、展開を簡略化するために、Microsoft が Windows 10 向けに公開するすべての新しいリリースは累積的であることに注意してください。 つまり、新しい機能アップグレードやサービス更新プログラムには、以前のすべてのリリースのペイロードが含まれていて (ストレージとネットワークの要件を下げるために最適化された形式で)、デバイスにリリースをインストールすると、デバイスは完全に最新の状態になります。 また、以前のバージョンの Windows とは異なり、Windows 10 のサービス更新プログラムの内容のサブセットをインストールすることはできません。 たとえば、サービス更新プログラムに 3 つのセキュリティの脆弱性と 1 つの信頼性の問題の修正が含まれている場合、更新プログラムを展開すると、4 つすべての修正がインストールされます。  

新しい Windows 10 の配信とインストールの代替手段

Windows の以前のリリースの場合と同様に、Windows 10 には Windows Update、Windows Server Update Services、System Center Configuration Manager、およびサード パーティの構成管理ツールを使用した、新しいリリースの展開のサポートが含まれます。 企業にイノベーションを届ける上で「サービスとしての Windows (WaaS)」のアプローチが重要であり、消費者や小規模企業に迅速かつシームレスにリリースを展開する Windows Update の機能は実績があるため、Windows 10 での最大の投資のいくつかは企業内での Windows Update の使用を広めることに重点を置いています。

消費者や小規模企業による Windows Update の使用

Microsoft が Windows 95 で第 1 世代の Windows Update を導入して以来、Windows Update は、消費者や小規模企業が Windows を実行するデバイスをセキュリティで保護されて信頼性の高い動作が可能な状態に維持するための標準的な方法になるように進化してきました。 ほぼ 10 億個の Windows デバイスが定期的に Windows Update サービスと通信します。 更新プログラムをダウンロードしてインストールするプロセスは、ユーザーに目立たないように徐々に進化してきました。 最近では、Microsoft は Windows 8 から Windows 8.1 へのアップグレードなど、機能中心の大規模な更新プログラムを配信するために Windows Update を使用しました。また、Windows 7 や Windows 8.1 を実行しているデバイスを Windows 10 にアップグレードするために Windows Update を使用しています。

企業内での Windows Update の使用

Windows Update によって、更新プログラムの展開が大幅に簡略化され高速化されますが、大企業は消費者や小規模企業ほど広く Windows Update を使用していません。 これは主に、インストールする更新プログラムおよびインストールのタイミングの制御を Windows Update が保持しているためです。 これにより、IT 管理者が特定の環境で展開する前に更新プログラムをテストすることが困難になります。

Windows Server Update Services の役割

IT 管理者が抱えるそのような問題を解決するために、Microsoft では 2005 年に Windows Server Update Services をリリースしました。 IT 管理者は、Windows Server Update Services を使用することで、Windows Update で企業内のデバイスに適用されると判断された更新プログラムを取得し、更新プログラムに追加のテストと評価を実行してから、インストールする更新プログラムを選択できます。 また、Windows Server Update Services では、承認された更新プログラムをいつインストールするかに関して、IT 管理者が絶対的な決定権を持ちます。 最終的には、Windows Update によって識別された更新プログラムのほとんどを IT 管理者が選択してインストールするため、多くの企業での Windows Server Update Services の役割は、展開する前に更新プログラムの品質に確信を得るために必要な追加の時間を IT 管理者に提供することです。

Windows 10 で導入された Windows Update の新機能

企業でより多くのデバイスを直接 Windows Update で管理できるようにするために、Windows 10 では IT 管理者に対して、Windows Update による新しい機能アップグレードのインストールを、それらが Microsoft によって公開されてから約 4 か月間遅らせるようにデバイスを構成する方法が用意されています。 この猶予期間によって、展開の前にテストを実行でき、リリースが市場である程度成熟するまで待つ時間が確保されます。

約 4 か月間が過ぎると Microsoft によって一連の処理が実行され、企業の IT 管理者による操作は不要です。 Microsoft では最初に、元のインストール メディアと、元のメディアのリリース以降に Microsoft によって公開されたすべてのサービス更新プログラムを組み合わせて、機能アップグレード用の新しいインストール メディアを作成します。 これにより、デバイスに機能アップグレードをインストールするための時間が短縮されます。 次に、Microsoft では、"新しい機能アップグレードの遅延インストールが構成されているデバイスにこのメディアをインストールする" ことを (実質的に) 指示するターゲット命令によって、新しいメディアを Windows Update に再公開します。 この時点で、インストールを遅延するよう構成されているデバイスでは、機能アップグレードの受信とインストールが自動的に開始されます。

Windows Update for Business の役割

Windows 10 では、IT 管理者が Windows Update による新しい機能アップグレードのインストールを遅延することができますが、企業では Windows Update でリリースがインストールされる方法およびタイミングをさらに細かく管理したい場合もあります。 そのようなニーズに配慮し、Microsoft では 2015 年 5 月に Windows Update for Business を発表しました。 Windows Update for Business は、IT 管理者に対して Windows Update を中心とした追加の管理機能を提供するように設計されています。これには、更新プログラムをデバイスのグループに展開する機能や、リリースをインストールするためのメンテナンス ウィンドウを定義する機能などが含まれています。 この記事は、Windows 10 デバイスへのサービスに関する Windows Update for Business の役割について、追加の情報が提供された時点で更新されます。

Windows 10 のサービス オプション

従来は、新しいバージョンの Windows がリリースされるまでの期間が長く、展開のライフタイム中に新しいバージョンの Windows にアップグレードされる企業内のデバイス数も比較的少なかったため、ほとんどの IT 管理者は、Microsoft によって毎月公開される更新プログラムをインストールするようサービスを定義していました。 ただし今後は、Microsoft が新しい機能アップグレードを継続的に公開していくため、新しい機能アップグレードをその公開のたびにインストールすることが (企業のデバイスの一部に対して) サービスに含まれるようになります。

実際、デバイスへの Windows 10 の展開を計画する際に、IT 管理者にとって最も重要な質問の 1 つは、"Microsoft が新しい機能アップグレードを公開したときに、このデバイスがどのような影響を受けるのか" ということです。 これは、Microsoft が Windows 10 の設計時に、機能アップグレードをさまざまな割合で採用できるようにすることを中心に、企業に複数のサービス オプションを用意しているためです。 特に、IT 管理者は Windows 10 デバイスを次のように構成できます。

これらのカテゴリによる会社のデバイスの分類は、業界やその他の要因によって大きく変わります。 最も重要なのは、企業にとって何が最も適切かを企業自身が決定でき、異なるデバイスに対して異なるオプションを選択できることです。

Windows 10 の展開計画

この記事の残りの部分では、この 3 つのオプションに焦点を当て、それらの計画に関する考慮事項について詳しく説明します。 IT 管理者が実際に Windows 10 デバイスの展開を計画するときには、2 つの領域に着目する必要があります。

  • 新しい機能アップグレードをいつ展開するか。 新しい機能アップグレードが Microsoft によって公開されたときに、デバイスにインストールする必要があるかどうかを検討します。 インストールする必要がある場合は、インストールを直ちに実行するか、ある程度時間を置いてから実行するかを検討します。

  • デバイスにリリースをどのようにインストールするか。 Windows Update や Windows Server Update Services を使用して新しいリリースをインストールするか、または Configuration Manager などの構成管理システムを使用してインストールを実行するかを検討します。

以降の内容では、IT 管理者に対して、これらの領域がなぜ重要であるかを理解するために必要なコンテキストと、いくつかの選択肢を示します。

Microsoft が Windows 10 の機能アップグレードをリリースする方法

Microsoft では、Windows 10 の新しい機能アップグレードとしてビルドをリリースする時期になると、いくつかのプロセスを順番に実行します。 最初のプロセスには、ソース コード管理システムで 1 つまたは 2 つのサービス ブランチを作成する作業が含まれます。 これらのブランチ (図 1 を参照) は、機能アップグレードのインストール メディアおよびサービス更新プログラム パッケージを生成するために必要となります。これらは、異なる構成で実行されているさまざまなエディションの Windows 10 で展開できます。

図 1

図 1. 機能アップグレードとサービス ブランチ

いずれの場合にも、Microsoft では、約 1 年にわたってリリースの生成に使用するサービス ブランチ (図 1 の "サービス ブランチ #1") を作成します (ブランチのライフタイムは、最終的には、Microsoft が機能アップグレードの次回のリリースをいつ公開するかによって決まります)。 機能アップグレードに長期的なサービスのみのサポートを提供するよう Microsoft が選択した場合は、最大 10 年間にわたってサービス更新プログラムのリリースを生成するための第 2 のサービス ブランチ (図 1 の "サービス ブランチ #2") も作成されます。

図 2 に示すように、Microsoft が新しい機能アップグレードを公開するときには、サービス ブランチ #1 を使用して、OEM、企業、消費者が Windows 10 Home、Pro、Education、Enterprise の各エディションをインストールするときに必要となるさまざまな形式のメディアを生成します。 また、Microsoft では、Windows Update で機能アップグレードを配布してインストールするために必要なファイルと共に、機能アップグレードの即時インストールが構成されているデバイスにのみファイルをインストールするよう Windows Update に指定するターゲット情報も生成します。

図 2

図 2. サービス ブランチからの機能アップグレードの生成

Microsoft では、機能アップグレードの公開から約 4 か月後に、再度サービス ブランチ #1 を使用して、Windows 10 の Pro、Education、Enterprise の各エディション用の更新されたインストール メディアを再公開します。 更新されたメディアには、元のメディアに含まれていたのとまったく同じ機能アップグレードが含まれますが、機能アップグレードの最初の公開時以降に公開されたすべてのサービス更新プログラムも追加されています。 これによって、デバイスに機能アップグレードをよりすばやく、ユーザーにあまりに目立たない方法でインストールできるようになります。

同時に、Microsoft では、機能アップグレードを Windows Update サービスで公開する方法も変更します。 特に、Windows Update で機能アップグレードの配布とインストールに使用されるファイルは、更新されたバージョンに置き換えられ、それらの更新された機能アップグレードを機能アップグレードの遅延インストールが構成されているデバイスにインストールするように、ターゲット命令が変更されます。

Microsoft が Windows 10 Enterprise LTSB エディションを公開する方法

機能アップグレードに長期的なサービスのサポートを提供するように Microsoft が選択した場合は、サービス ブランチ #2 が使用され、Windows 10 Enterprise LTSB エディションをインストールするために必要なメディアが公開されます。 長期的なサービスのサポートを受ける機能アップグレードがリリースされる間隔は、1 年~ 3 年と幅があり、長期的なエンタープライズ展開のためのリリースの準備に関するお客様からの意見に大きく左右されます。 図 2 では、Windows 10 Enterprise LTSB エディションが他のエディションの Windows 10 と同時に公開されています。これは、2015 年 7 月に Windows 10 のエディションが実際に公開されたときの方法を反映しています。 重要な点として、このメディアは展開のために Windows Update に公開されることはありません。 デバイスに Enterprise LTSB エディションをインストールするには、別の方法を実行する必要があります。

Microsoft が Windows 10 のサービス更新プログラムをリリースする方法

図 3 に示すように、サービス ブランチは、Microsoft でセキュリティの脆弱性およびその他の重要な問題に対する修正プログラムを含むサービス更新プログラムを生成するためにも使用されます。 サービス更新プログラムは、インストールの対象となる Windows 10 エディションを指定するような方法で公開されます。 たとえば、特定のサービス ブランチから生成されたサービス更新プログラムは、同じサービス ブランチから生成された Windows 10 エディションを実行しているデバイスにのみインストールできます。 さらに、Windows 10 Home は機能アップグレードの遅延インストールをサポートしていないため、サービス ブランチ #1 から生成されたサービス更新プログラムは、Microsoft が遅延インストール用の機能アップグレードを公開するまでは、Windows 10 Home を実行しているデバイスのみを対象とします。

図 3

図 3. サービス ブランチからのサービス更新プログラムの生成

リリースのインストールの代替手段

IT 管理者が機能アップグレードとサービス更新プログラムの展開用に Windows Update または Windows Server Update Services を選択すると、Windows 10 および Windows Update では、3 つのサービス オプションのそれぞれに対して適切なリリースを適切なタイミングで決定して展開します。 長期的なサービスのサポートを受ける複数の機能アップグレードが同時に存在する場合、Windows Update では各デバイスに対して、実行されている機能アップグレードに適した更新プログラムを選択します。

IT 管理者は、Configuration Manager などの構成管理製品を使って機能アップグレードとサービス更新プログラムの展開を直接管理する場合は、機能アップグレードとサービス更新プログラムの両方のインストールのタイミングを管理する必要があります。 IT 管理者が新しいサービス更新プログラムをインストールするまで、デバイスにはセキュリティの脆弱性が残る可能性があることに注意してください。 そのため、展開を直接管理する場合は、IT 管理者は新しいサービス更新プログラムをできるだけ早く展開する必要があります。

サービス オプションとサービス ブランチの呼称

サービス オプションには、展開計画の決定に影響するいくつかの異なる属性があります。 たとえば、各サービス オプションには次の属性があります。

  • 一部の Windows 10 エディションでのみサポートされている (3 つすべてのサービス オプションをサポートしている Windows 10 エディションはありません)

  • Microsoft が特定の機能アップグレードのためのサービス更新プログラムを生成する期間を定めるポリシーがある

  • Windows Update または Windows Server Update Services によって管理されているデバイスに Microsoft から入手可能になった新しい機能アップグレードがインストールされるタイミングを決定するポリシーがある

機能アップグレードのサービス ライフタイムは、通常は次の機能アップグレードのサービス ライフタイムが始まるまでであるため、サービス ライフタイムの長さも一定ではありません。 こうした範囲への言及を簡略化するため、Microsoft では、3 つの時間範囲/サービス ブランチの組み合わせごとに、サービス ブランチの呼称を作成しています。 その呼称は、Current Branch (CB)、Current Branch for Business (CBB)、Long-Term Servicing Branch (LTSB) です。

サービス オプションとサービス ブランチの呼称には 1 対 1 の対応があるため、Microsoft では、サービス ブランチ向けの用語を使ってサービス オプションについて説明することがあります。 以下のセクションでは、用語、サービス ライフタイムのポリシー、アップグレードの動作、エディションのサポートなど、サービス オプションとサービス ブランチの呼称についてさらに詳しく説明します。

サービス ライフタイムと機能アップグレードのインストール パス

Microsoft は 1 年あたりおよそ 2 ~ 3 件の機能アップグレードをリリースする予定ですが、実際のリリースの頻度とタイミングは異なります。 機能アップグレードのサービス ライフタイムは、通常は次の機能アップグレードのサービス ライフタイムが始まるまでであるため、サービス ライフタイムの長さも一定ではありません。

図 4

図 4. 複数の機能アップグレードのリリース間隔の例

サービス ライフタイムの多様性のほか、Windows Update と Windows Server Update Services が展開に使用されているときに機能アップグレードのインストールが行われるパスを示すために、図 4 には、3 件の機能アップグレードのリリース (XYZ のラベル) と、関連するサービス ブランチが含まれています。 X が公開されてから Y が公開されるまでの期間は 4 か月で、Y が公開されてから Z が公開されるまでの期間は 6 か月です。 X と Z には長期間のサービスのサポートがあり、Y はそれよりも短期間のサービスのサポートのみです。

基になっている同じ図は、3 つのサービス オプションすべてについて詳しく示すために、後の図でも使用されます。 図 4 はサービスの概念を示す目的でのみ提供されているため、実際の Windows 10 のリリース計画には使わないようにしてください。

この後のサービス ライフタイムと機能アップグレードの動作の説明を簡略化するために、このドキュメントでは、特定の機能アップグレードのブランチの呼称を +0 バージョンとし、その +0 バージョンの次の機能アップグレードの呼称は +1 (後続) バージョンとします。さらに、その +1 バージョンの次の機能アップグレードの呼称は +2 (第 2 後続) バージョンとします。

Current Branch (CB) サービスでの機能アップグレードの即時インストール

図 5 に示すように、Current Branch (CB) という呼称は、即時インストールが構成されたデバイス向けの機能アップグレードが公開されてから、即時インストールが構成されたデバイス向けの後続の機能アップグレードが公開されるまでの期間のサービス ブランチ #1 を示しています。

図 5

図 5. Current Branch サービスでの即時インストール

CB 期間中のサービス ブランチ #1 の役割は、新しい機能アップグレードの即時インストールが構成された Windows 10 デバイスの機能アップグレードとサービス更新プログラムを生成することです。 Microsoft では、このように構成されているデバイスを CB のサービスを受けているといいます。 CB のサービスをサポートしている Windows 10 のエディションは、Home、Pro、Education、Enterprise です。 Current Branch という呼称は、この方法でサービスを受けるデバイスは、最新の Windows 10 機能アップグレードのリリースにより、可能な限り最新の状態に保たれるという事実を反映したものです。

Windows 10 Home は、リリースの展開のために Windows Update をサポートしています。 Windows 10 の各種エディション (Pro、Education、Enterprise) では、Windows Update、Windows Server Update Services、Configuration Manager、その他の構成管理システムがサポートされています。

  • IT 管理者が Windows Update を使って展開を管理する場合、機能アップグレードの即時インストールが構成されたデバイス向けの新しい機能アップグレードとサービス更新プログラムが Microsoft によって Windows Update サービスで公開されるとすぐに、デバイスに届きます。

  • デバイスが Windows Server Update Services を使って管理されている場合、インストールの開始前に IT 管理者がリリースを承認する必要があることを除き、Windows Update と同じワークフローが実行されます。

  • Configuration Manager などの構成管理システムを使って展開を管理する場合、IT 管理者は、Microsoft からインストール メディアを入手し、標準的な変更管理プロセスで新しい機能アップグレードをすぐに展開できます。 構成管理システムを使用する IT 管理者は、Microsoft によって公開されたすべてのサービス更新プログラムをできるだけ早く入手し、展開する必要もあります。

CB のサービスを受けるデバイスは、最新の状態を保つために 1 年あたり 2 ~ 3 個の機能アップグレードをインストールし、サービス更新プログラムを受信し続ける必要があることに注意してください。

Current Branch for Business (CBB) サービスでの機能アップグレードの遅延インストール

図 6 に示すように、Current Branch for Business (CBB) という呼称は、遅延インストールが構成されたデバイス向けの機能アップグレードが再公開されてから、遅延インストールが構成されたデバイス向けの第 2 後続機能アップグレードが再公開されるまでの期間のサービス ブランチ #1 を示しています。

図 6

図 6. Current Branch for Business サービスでの遅延インストール

CBB 期間中のサービス ブランチ #1 の役割は、新しい機能アップグレードの遅延インストールが構成された Windows 10 デバイスの機能アップグレードとサービス更新プログラムを生成することです。 Microsoft では、このように構成されているデバイスを CBB のサービスを受けているといいます。 CBB のサービスをサポートしている Windows 10 のエディションは、Pro、Education、Enterprise です。 Current Branch for Business という呼称は、多くの企業で IT 管理者が実際の展開の前に機能アップグレードをテストすることが求められており、CBB のサービス デバイスは、テストに制約のある企業にとって、できるだけ最新の状態を保つうえでの現実的なソリューションとなっているという事実を反映したものです。

Windows 10 (Pro、Education、Enterprise の各エディション) では、Windows Update、Windows Server Update Services、Configuration Manager、その他の構成管理システムを使ったリリースの展開がサポートされています。

  • IT 管理者が Windows Update を使って展開を管理する場合、機能アップグレードの遅延インストールが構成されたデバイス向けの新しい機能アップグレードとサービス更新プログラムが Microsoft によって Windows Update サービスで公開されるとすぐに、デバイスに届きます。 デバイスに遅延インストールが構成されている場合でも、デバイスで実行されている機能アップグレードに適用可能なサービス更新プログラムは、Microsoft によって Windows Update サービスで公開された直後にインストールされることに注意してください。

  • デバイスが Windows Server Update Services を通じて管理されている場合、インストールの開始前に IT 管理者がリリースを承認する必要があることを除き、Windows Update と同じワークフローが実行されます。

  • Configuration Manager などの構成管理システムを使って展開を管理する場合、IT 管理者は、Microsoft から遅延インストール用のメディアを入手し、標準的な変更管理プロセスで新しい機能アップグレードを展開できます。 機能アップグレードのインストールを遅延させる場合でも、IT 管理者は、適用可能なサービスの更新プログラムが Microsoft から入手可能になったらすぐに展開する必要があります。

Microsoft は、CBB の場合はサービス更新プログラムが CB の約 2 倍の期間 (月数) 配信されるように Windows 10 サービス ライフタイム ポリシーを設計しています。 これにより、2 つの CBB で同時にサービスのサポートを受けることができ、企業で新しい機能アップグレードを展開するときの柔軟性が増します。 ただし、Microsoft は、対応する CBB のサービス ライフタイムが終了した後は、機能アップグレード用のサービス更新プログラムを生成しないことに注意してください。 つまり、機能アップグレードの展開を無期限に延長することはできず、IT 管理者は CBB が終了する前にデバイスに新しい機能アップグレードを展開する必要があります。

Long-Term Servicing Branch (LTSB) サービスを使ったサービス更新プログラムのみのインストール

図 7 に示すとおり、Long-Term Servicing Branch (LTSB) という呼称は、開始から終了までのサービス ブランチ 2 を示しています。 LTSB の期間は、長期サポートの機能アップグレードが Microsoft によって公開されてから 10 年が経過するまでです。 長期サービスがサポートされるのは Windows 10 Enterprise LTSB エディションのみであることと、このエディションと他の Windows 10 エディションの間にはアップグレードの可否と機能セットに関して重要な違いがあることに注意してください (以下の「サービス更新プログラムのみをインストールするようデバイスを構成する際の考慮事項」セクションで説明します)。

図 7

図 7. LTSB サービスを使ったサービス更新プログラムのみのインストール

LTSB の役割は、サービス更新プログラムのみをインストールするように構成された Windows 10 を実行しているデバイスのサービス更新プログラムを生成することです。 このように構成されているデバイスを LTSB のサービスを受けているといいます。 Long-Term Servicing Branch という呼称は、展開の期間中、デバイスで実行されているソフトウェアに対する変更を特に重要な更新プログラム (セキュリティの脆弱性やその他重要な問題に対処するためのもの) に限る必要があるシナリオ向けである事実を反映したものです。

Windows 10 Enterprise LTSB では、Windows Update、Windows Server Update Services、Configuration Manager、その他の構成管理システムを使ったリリースの展開がサポートされています。

  • IT 管理者が Windows Update を使用して展開を管理する場合、Windows Update ではサービス更新プログラムのみがインストールされます。サービス更新プログラムは、Windows Update サービスで Microsoft によって公開されるとすぐにインストールされます。 Windows Update では、長期的なサービス用に構成されたデバイスに機能アップグレードはインストールされません。

  • デバイスが Windows Server Update Services を使用して管理されている場合は、インストールの開始前に IT 管理者がリリースを承認する必要があることを除き、Windows Update と同じワークフローが実行されます。

  • System Center Configuration Manager などの構成管理システムを使用して展開を管理する場合、IT 管理者は、Microsoft によって公開されたすべてのサービス更新プログラムをできるだけ早く取得して展開する必要があります。

  

ここでも、すべての機能アップグレードに LTSB があるわけではないことに注意してください。 2015 年 7 月に公開された Windows 10 の初期リリースには LTSB がなく、Microsoft では長期的なサポートのために次の 12 か月間で 1 つの追加機能アップグレードを指定する予定です。 その後は、長期的なサポートを含めた機能アップグレードを約 2 ~ 3 年に 1 回の割合で公開する予定です。 Microsoft では、IT 管理者が適切な情報に基づいて展開計画の意思決定を行えるように、新しい機能アップグレードを公開する前に追加情報を提供します。

 

サービス更新プログラムのみをインストールするようデバイスを構成する際の考慮事項

LTSB ベースのサービスを使用するようデバイスを構成する前に、IT 管理者は、後で異なるサービス オプションに変更することの意味、および Windows 10 Enterprise LTSB の使用がインボックス アプリケーションの可用性にどのように影響するかを慎重に考慮する必要があります。

エディションの変更については、Windows 10 Enterprise LTSB を実行しているデバイスを、デバイスに既に存在するデータとアプリケーションを保持した状態で、Windows 10 Enterprise を実行するように再構成できます。 Windows 10 Enterprise LTSB を実行しているデバイスを他のエディションの Windows 10 を実行するように再構成する場合、IT 管理者は、デバイスに他のエディションをインストールした後で、データの復元やアプリケーションの再インストールが必要になる可能性があります。

インボックス アプリケーションに関して、Windows 10 Enterprise LTSB には、他の Windows 10 エディションに含まれているユニバーサル アプリがすべては含まれていません。 これは、Windows 10 に含まれているユニバーサル アプリは Microsoft によって継続的にアップグレードされ、インボックス ユニバーサル アプリの新しいリリースが Windows 10 Enterprise LTSB の機能アップグレードとの互換性をそのサービス ライフタイムにわたって引き続き保持する可能性は低いためです。 Windows 10 Enterprise LTSB に含まれないアプリには、Microsoft Edge、Windows ストア クライアント、Cortana (制限付きの検索機能は引き続き利用可能)、Outlook のメール、Outlook のカレンダー、OneNote、天気、ニュース、スポーツ、Money、フォト、カメラ、ミュージック、時計などがあります。

Windows 10 Enterprise LTSB には Internet Explorer 11 が含まれ、Windows 32 バージョンの Microsoft Office と互換性があります。 また、IT 管理者は、デバイスで実行されている機能アップグレードと互換性のあるユニバーサル アプリをデバイスにインストールできます。 ただし、Windows 10 Enterprise LTSB を実行しているデバイス用のサービス更新プログラムには、ユニバーサル アプリ用のセキュリティ修正プログラムやセキュリティ以外の修正プログラムが含まれないため、インストールする場合には注意が必要です。 さらに、Microsoft では、そのアプリが含まれていた Windows 10 の機能アップグレードのサービス ライフタイムが終了した後は、どの Windows 10 エディションでもアプリの特定のリリースのためのサービス更新プログラムを提供しません。

サービス オプションの概要

表 2. サービス オプションの概要

比較Windows 10 のサービス オプション
Current Branch (CB)Current Branch for Business (CBB)Long-Term Servicing Branch (LTSB)
インストールでの新しい機能アップグレードの利用可能性即時約 4 か月後適用なし
サポートされるエディションWindows 10 Home、Windows 10 Pro、Windows 10 Education、Windows 10 Enterprise、Windows 10 Mobile、 IoT Core、IoT Core ProWindows 10 Pro、 Windows 10 Education、 Windows 10 Enterprise、Windows 10 Mobile Enterprise、 IoT Core ProWindows 10 Enterprise LTSB
サービスのライフタイムの最短期間約 4 か月約 8 か月10 年
サービス更新プログラムを受信するには新しい機能アップグレードの継続的なインストールが必要はいはいいいえ
リリースの展開のために Windows Update をサポートはいはいはい
リリースの展開のために Windows Server Update Services をサポートはい (Home を除く) はいはい
リリースの展開のために Configuration Manager/構成管理システムをサポートはい (Home を除く) はいはい
含まれるファースト パーティ製ブラウザーMicrosoft Edge、Internet Explorer 11Microsoft Edge、IE11IE11
削除される主な Windows システム アプリなしなしMicrosoft Edge、Windows ストア クライアント、Cortana (制限付きの検索は利用可能)
削除される主な Windows ユニバーサル アプリなしなしOutlook のメール/カレンダー、OneNote、天気、ニュース、スポーツ、Money、フォト、カメラ、ミュージック、時計

 

関連トピック

Windows 10 の展開計画
Windows 10 の展開
Windows 10 の管理と更新

 

 

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