Exchange でインスタント メッセージングとOutlook on the webの統合を構成する

  • [アーティクル]

Exchange 2016 または Exchange 2019 でSkype for Business ServerとOutlook on the web (旧称 Outlook Web App) の間でインスタント メッセージング (IM) 統合を構成するには、Exchange 管理シェルを使用する必要があります。 これは web.config ファイルを編集する必要のあった Exchange の以前のバージョンとは異なっています。 このトピックの手順を使用する代わりに web.config ファイルを編集すると、設定が無視され、Web 上の Outlook ユーザーに次のエラー メッセージが表示されます。

There's a problem with instant messaging. Please try again later.

また、Exchange サーバーで次の正常性設定エラーが生成されます。

  • HealthSet: OWA.Protocol.Dep

  • 件名: OWA.Protocol.Dep health set unhealthy (OwaIMInitializationFailedMonitor/OWA.Protocol.Dep) - Owa InstantMessaging provider failed to intialize

  • メッセージ: Owa InstantMessaging provider failed to initialize due to incorrect IM configuration on the server. Signin attempts to OWA IM will fail. Error Message: {Instant Messaging Certificate Thumbprint is null or empty on web.config).

これらのエラーを修正し、Skype for Business Serverと Exchange 2016 または Exchange 2019 の間で IM 統合を構成するには、このトピックの手順を使用します。 Lync Server 2013 と Exchange 2016 以降の IM 統合はサポートされていません。 Outlook on the web (旧称 Outlook Web App) を使用してSkype for Business Serverを設定する方法の詳細については、「オンプレミスのSkype for Business Server と の統合を構成する」を参照してください。Outlook Web App

はじめに把握しておくべき情報

  • 予想所要時間 : 5 分

  • Exchange と Skype for Business の統合では、すべての関連するサーバーによって信頼されているサーバー証明書が必要です。 このトピックの手順では、必要な証明書が既にあることを前提としています。 詳細については、「Skype for Business と Exchange の統合の計画」を参照してください。 必要な IM 証明書の拇印は、IIS サービスに割り当てられているExchange Server証明書を参照します。

  • この手順を実行するには、PowerShell を使用する必要があります。 オンプレミスの Exchange 組織で Exchange 管理シェルを開く方法については、「 Open the Exchange Management Shell」をご覧ください。

  • この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可が割り当てられている必要があります。 必要なアクセス許可を確認するには、「クライアント とモバイル デバイスのアクセス許可 」トピックの「クライアント アクセス仮想ディレクトリ設定」エントリを参照してください。

  • Skype for Business Server トポロジによっては、複数の FrontEnd プールがある場合があります。リージョン エンドポイント (Exchange AD サイトに最も近いプール) IMServerName=<Skype Server\pool Name>を選択する必要があります。

ヒント

問題がある場合は、 Exchange Server、Exchange Online、Exchange Online Protection。 必要な作業 シェルを使用して送信者フィルターを有効または無効にする

Exchange 管理シェル を使用して、Web 上の Outlook での IM 統合を構成します。

手順 1:IM サーバーおよび IM 証明書の拇印を指定する

Exchange 管理シェル で次の構文を使用して、IM サーバーおよび IM 証明書の拇印を指定します。

New-SettingOverride -Name "<UniqueOverrideName>" -Component OwaServer -Section IMSettings -Parameters @("IMServerName=<Skype server/pool  name>","IMCertificateThumbprint=<Certificate Thumbprint>") -Reason "<DescriptiveReason>" [-Server <ServerName>]

注:

  • Active Directory フォレスト内のすべての Exchange 2016 サーバーと Exchange 2019 サーバーで同じ設定を構成するには、 Server パラメーターを使用しないでください。

  • 特定の Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで設定を構成するには、 サーバー パラメーターとサーバーの名前を使用します (完全修飾ドメイン名または FQDN は使用しないでください)。 このメソッドは、別の Exchange サーバーで異なる設定を指定する必要がある場合に役立ちます。

この例では、組織内のすべての Exchange 2016 および Exchange 2019 サーバーで IM サーバーと IM 証明書の拇印を指定します。

  • オーバーライド名の設定: "IM Override" (一意である必要があります)

  • Skype for Business サーバー名: skype01.contoso.com

  • 証明書の拇印: CDF34A740E9D225A1A06193A9D44B2CE22775308

  • オーバーライドの理由: IM を構成する

New-SettingOverride -Name "IM Override"  -Component OwaServer -Section IMSettings -Parameters @("IMServerName=skype01.contoso.com","IMCertificateThumbprint=CDF34A740E9D225A1A06193A9D44B2CE22775308") -Reason "Configure IM"

この例では、IM サーバーおよび IM 証明書の拇印を指定しますが、Mailbox01 という名前のサーバー上でのみ指定します。

New-SettingOverride -Name "Mailbox01 IM Override"  -Component OwaServer -Section IMSettings -Parameters @("IMServerName=skype01.contoso.com","IMCertificateThumbprint=CDF34A740E9D225A1A06193A9D44B2CE22775308") -Reason "Configure IM" -Server Mailbox01

手順 2:Exchange サーバーで IM の設定を更新する

Exchange 管理シェル で次の構文を使用して、サーバーの IM の設定を更新します。 これは、Outlook on the webに使用されるすべての Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで行う必要があります。

Get-ExchangeDiagnosticInfo -Server <ServerName> -Process Microsoft.Exchange.Directory.TopologyService -Component VariantConfiguration -Argument Refresh

この例では、Mailbox01 という名前のサーバー上で IM の設定を更新します。

Get-ExchangeDiagnosticInfo -Server Mailbox01 -Process Microsoft.Exchange.Directory.TopologyService -Component VariantConfiguration -Argument Refresh

手順 3: Exchange サーバー上のOutlook on the web プールを再起動する

サーバーの Exchange 管理シェル または Windows PowerShell で次のコマンドを実行します。 これは、Outlook on the webに使用されるすべての Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで行う必要があります。

Restart-WebAppPool MSExchangeOWAAppPool

Exchange 管理シェルを使用して、Exchange IIS 証明書の更新または変更時に Outlook on the Web との既存の IM 統合を更新する

手順 1: 既存のオーバーライドで IM 証明書の拇印を更新する

Exchange 管理シェルで次の構文を使用して、新しい IM 証明書の拇印を指定します。

Set-SettingOverride -Name "<UniqueOverrideName>" -Parameters @("IMCertificateThumbprint=<Certificate Thumbprint>") -Reason "<DescriptiveReason>" [-Server <ServerName>]

注:

  • Active Directory フォレスト内のすべての Exchange 2016 および Exchange 2019 サーバーで拇印を更新するには、 Server パラメーターを使用しないでください。

  • 特定の Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで拇印を更新するには、 Server パラメーターとサーバーの名前を使用します (完全修飾ドメイン名または FQDN は使用しないでください)。 このメソッドは、別の Exchange サーバーで異なる設定を指定する必要がある場合に役立ちます。

次の使用例は、組織内のすべての Exchange 2016 および Exchange 2019 サーバーで IM 証明書の拇印を更新します。

  • オーバーライド名の設定: "IM Override" (新しいを作成せず、更新中であるため、前の手順で既に設定されている名前を使用する必要があります)

  • Skype for Business サーバー名: skype01.contoso.com

  • 証明書の拇印: NKT34A740E9D225A1A06193A9D44B2CE22771080

  • オーバーライドの理由: IM を構成する

Set-SettingOverride -Name "<UniqueOverrideName>" -Component OwaServer -Section IMSettings -Parameters @("IMServerName=<Skype server/pool  name>","IMCertificateThumbprint=<Certificate Thumbprint>") -Reason "<DescriptiveReason>" [-Server <ServerName>]

この例では、IM サーバーおよび IM 証明書の拇印を指定しますが、Mailbox01 という名前のサーバー上でのみ指定します。

Set-SettingOverride -Identity "Mailbox01 IM Override"  -Parameters @("IMServerName=skype01.contoso.com","IMCertificateThumbprint=NKT34A740E9D225A1A06193A9D44B2CE22771080") -Reason "Configure IM" -Server Mailbox01

手順 2:Exchange サーバーで IM の設定を更新する

Exchange 管理シェル で次の構文を使用して、サーバーの IM の設定を更新します。 これは、Outlook on the webに使用されるすべての Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで行う必要があります。

Get-ExchangeDiagnosticInfo -Server <ServerName> -Process Microsoft.Exchange.Directory.TopologyService -Component VariantConfiguration -Argument Refresh

この例では、Mailbox01 という名前のサーバー上で IM の設定を更新します。

Get-ExchangeDiagnosticInfo -Server Mailbox01 -Process Microsoft.Exchange.Directory.TopologyService -Component VariantConfiguration -Argument Refresh

手順 3: Exchange サーバー上のOutlook on the web プールを再起動する

サーバーの Exchange 管理シェル または Windows PowerShell で次のコマンドを実行します。 これは、Outlook on the webに使用されるすべての Exchange 2016 または Exchange 2019 サーバーで行う必要があります。

Restart-WebAppPool MSExchangeOWAAppPool

正常な動作を確認する方法

エラー メッセージが表示されなくなる時点で、Web 上の Outlook での IM 統合が正常に構成されたことがわかり、クライアントは IM にサインインすることができます。

Exchange サーバーの IMServerName プロパティと IMCertificateThumbprint プロパティの値を確認するには、ServerName> を (FQDN ではなく) サーバーの名前に置き換えて<、次のコマンドを実行します。

[xml]$diag=Get-ExchangeDiagnosticInfo -Server <ServerName> -Process MSExchangeMailboxAssistants -Component VariantConfiguration -Argument "Config,Component=OwaServer"; $diag.Diagnostics.Components.VariantConfiguration.Configuration.OwaServer.IMSettings

注: Exchange 2016 CU3 以前では、いくつかのパラメーターに異なる値を使用する必要があります。

  • プロセス: Microsoft.Exchange.Directory.TopologyService (ではなく MSExchangeMailboxAssistants)。

  • 引数: Config (ではなく "Config,Component=OwaServer")。