マイクロソフト セキュリティ情報 MS14-024 - 重要

Microsoft コモン コントロールの脆弱性により、セキュリティ機能のバイパスが起こる (2961033)

公開日:2014 年 5 月 14 日

バージョン: 1.0

概説

概要

このセキュリティ更新プログラムは、MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリの実装に存在する 1 件の非公開で報告された脆弱性を解決します。この脆弱性により、COM コンポーネントのインスタンス化機能を持つ Web ブラウザー (Internet Explorer など) で、特別に細工された Web ページを閲覧すると、セキュリティ機能のバイパスが起こる可能性があります。Web 閲覧攻撃シナリオでは、この脆弱性を悪用することに成功した攻撃者は、広い範囲の脆弱性からユーザーを保護する Address Space Layout Randomization (ASLR) セキュリティ機能をバイパスする可能性があります。セキュリティ機能のバイパス自体では、任意のコードが実行されることはありません。しかし、攻撃者はこの ASLR バイパスの脆弱性を、リモートでコードが実行される脆弱性など別の脆弱性と組み合わせて使用し、ASLR バイパスを利用することで、任意のコードを実行する可能性があります。

このセキュリティ更新プログラムは、サポートされているエディションの Microsoft Office 2007、Microsoft Office 2010、および Microsoft Office 2013 について深刻度「重要」と評価されています。詳細については、セクション「影響を受けるソフトウェアおよび影響を受けないソフトウェア」を参照してください。

このセキュリティ更新プログラムでは、Microsoft Office ソフトウェアに含まれる MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリが ASLR を適切に実装できるようにすることで、この脆弱性を解決します。この脆弱性の詳細については、このセキュリティ情報の後半にある「脆弱性の情報」のセクションの特定の脆弱性に関するサブセクション「よく寄せられる質問 (FAQ)」を参照してください。

推奨する対応策: お客様は Microsoft Update サービスを使用して Microsoft Update からオンラインで更新プログラムをチェックするための自動更新を構成することができます。Microsoft Update から更新プログラムをオンラインでチェックするために自動更新を有効にし、構成しているお客様は、通常このセキュリティ更新プログラムは自動でダウンロードおよびインストールされるため、特に操作をする必要はありません。自動更新を有効にしていない場合、この更新プログラムを手動で Microsoft Update で確認し、インストールする必要があります。自動更新の具体的な構成オプションの詳細については、サポート技術情報 294871 を参照してください。

管理者およびエンタープライズのインストール、またはこのセキュリティ更新プログラムを手動でインストールしたいエンドユーザーは、更新プログラムの管理ソフトウェアまたは Microsoft Update サービスで更新プログラムを確認して、この更新プログラムをできる限り早期に適用することを推奨します。

このセキュリティ情報の後半の「検出および展開ツールとガイダンス」を参照してください。

サポート技術情報

  • サポート技術情報:2961033
  • ファイルに関する情報:あり
  • SHA1/SHA2 ハッシュ:あり
  • 既知の問題:なし

 

ここに記載されているソフトウェアをテストし、影響を受けるバージョンまたはエディションを確認しました。その他のバージョンまたはエディションはサポート ライフサイクルが終了したか、または影響を受けません。ご使用中のソフトウェアのバージョンまたはエディションのサポート ライフサイクルを確認するには、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。

影響を受けるソフトウェア 

ソフトウェア

最も深刻な脆弱性の影響

総合的な深刻度

置き換えられる更新プログラム

Microsoft Office 2007

Microsoft Office 2007 Service Pack 3 (mscomct2)
(2596804)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2007 Service Pack 3 (mscomctlocx)
(2817330)

セキュリティ機能のバイパス

重要

MS12-060 の 2687441

Microsoft Office 2007 Service Pack 3 (msaddndr)
(2880508)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2007 Service Pack 3 (msstdfmt)
(2880507)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) (mscomct2)
(2589288)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版) (mscomct2)
(2589288)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) (mscomctlocx)
(2810073)

セキュリティ機能のバイパス

重要

MS12-060 の 2597986

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版) (mscomctlocx)
(2810073)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版) (msaddndr)
(2880971)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版) (msaddndr)
(2880971)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版) (mscomct2)
(2589288)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版) (mscomct2)
(2589288)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版) (msaddndr)
(2880971)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版) (msaddndr)
(2880971)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 および Microsoft Office 2013 RT

Microsoft Office 2013 (32 ビット版) (mscomct2)
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (32 ビット版) (mscomct2)
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 (32 ビット版) (mscomctlocx)
(2880502)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (32 ビット版) (mscomctlocx)
(2880502)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 (64 ビット版) (mscomct2)
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (64 ビット版) (mscomct2)
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 RT (mscomct2)[1]
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

Microsoft Office 2013 RT Service Pack 1 (mscomct2)[1]
(2760272)

セキュリティ機能のバイパス

重要

なし

[1] この更新プログラムは、Windows Update を介して入手可能です。

 

影響を受けないソフトウェア

Office およびその他のソフトウェア

Microsoft Office for Mac 2011

Internet Explorer はどのようにこの脆弱性の影響を受けますか? 
この脆弱性は、Microsoft Office ソフトウェアに含まれる MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリに存在します。Web ベースの攻撃のシナリオで、COM コンポーネントをインスタンス化する際に、このバージョンの MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリが Internet Explorer により読み込まれる可能性があります。

システムにインストールしていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか? 
Microsoft Office の更新プログラムに関するサービス モデルが原因で、システムにインストールしていないソフトウェアに対応する更新プログラムが提供される可能性があります。たとえば、Office の特定の製品をインストールしていない場合でも、その Microsoft Office 製品に対応する更新プログラムが提供される可能性があります。この動作と推奨事項の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。

「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていないソフトウェアに対して、この更新プログラムが提供されます。なぜ、この更新プログラムが提供されるのですか? 
更新プログラムが、複数の Microsoft Office 製品間で共有されているか同じ Microsoft Office 製品の複数のバージョン間で共有されているコンポーネントに存在する、脆弱性の影響を受けるコードに対応する場合、その更新プログラムは、脆弱性の影響を受けるコンポーネントが含まれるすべてのサポートされる製品およびバージョンに適用可能であると見なされます。

たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2007 製品に適用される場合は、Microsoft Office 2007 のみが「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2007、Microsoft Excel 2007、Microsoft Visio 2007、Microsoft 互換機能パック、Microsoft Excel Viewer、その他の Microsoft Office 2007 製品に適用される可能性があります。

たとえば、更新プログラムが Microsoft Office 2010 製品のみに適用される場合は、Microsoft Office 2010 が「影響を受けるソフトウェア」の表に記載されている可能性があります。しかしその更新プログラムは、「影響を受けるソフトウェア」の表に特に記載されていない Microsoft Word 2010、Microsoft Excel 2010、Microsoft Visio 2010、Microsoft Visio Viewer、その他の Microsoft Office 2010 製品に適用される可能性があります。

この動作と推奨事項の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 830335 を参照してください。更新プログラムが適用される可能性のある Microsoft Office 製品については、特定の更新プログラムに関連するサポート技術情報を参照してください。

このセキュリティ情報で説明しているソフトウェアの旧バージョンを使用しています。どうすればよいですか? 
このセキュリティ情報の一覧の影響を受けるソフトウェアのテストを行い、影響を受けるリリースを確認しました。その他のリリースは、サポート ライフサイクルが終了しました。製品のライフサイクルに関する詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクルの Web サイトを参照してください。

今後、脆弱性の影響を受けないようにするため、旧リリースのソフトウェアを使用しているお客様は、サポート対象のリリースに移行することを強く推奨します。使用するソフトウェアのサポート ライフサイクルを確認するには、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。これらのソフトウェアのリリースのサービス パックの詳細については、サービスパック ライフサイクル ポリシーを参照してください。

以前のソフトウェアに関するカスタム サポートが必要なお客様は、担当営業、またはマイクロソフト アカウント チームの担当者、担当テクニカル アカウント マネージャー (TAM)、またはカスタム サポート オプションのマイクロソフト パートナー担当者までご連絡ください。プレミア契約をお持ちでないお客様は、マイクロソフト サポート契約センター (営業時間 9:30-12:00 13:00-19:00 土日祝祭日を除く TEL:0120-17-0196 FAX:03-5388-8253) までお問い合わせください。連絡先の情報は、Microsoft Worldwide Information Web サイトの Contact Information のプルダウン リストから国を選択し、[Go] ボタンをクリックすると、連絡先の電話番号が表示されます。お問い合わせの際、お住まいの地域のプレミア サポート営業担当にご連絡ください。詳細については、マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシー FAQ を参照してください。

次の深刻度の評価は、脆弱性の影響が最も深刻な場合を想定しています。深刻度の評価およびセキュリティ上の影響に関連して、このセキュリティ情報の公開から 30 日以内にこの脆弱性が悪用される可能性に関する情報については、5 月のセキュリティ情報の概要の Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。詳細については、Microsoft Exploitability Index (悪用可能性指標) を参照してください。

影響を受けるソフトウェアごとの脆弱性の深刻度および最大のセキュリティ上の影響

影響を受けるソフトウェア

MSCOMCTL ASLR の脆弱性 - CVE-2014-1809

総合的な深刻度

Microsoft Office 2007

Microsoft Office 2007 Service Pack 3

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2010

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (32 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (32 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2010 Service Pack 1 (64 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2010 Service Pack 2 (64 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 および Microsoft Office 2013 RT

Microsoft Office 2013 (32 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (32 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 (64 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 Service Pack 1 (64 ビット版)

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 RT

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office 2013 RT Service Pack 1

重要 
セキュリティ機能のバイパス

重要

Microsoft Office ソフトウェアによって使用される MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリが Address Space Layout Randomization (ASLR) を適切に実装していないため、セキュリティ機能のバイパスの脆弱性が存在します。この脆弱性により、攻撃者は広い範囲の脆弱性からユーザーを保護するのに役立つ ASLR セキュリティ機能をバイパスできるようになります。セキュリティ機能のバイパス自体では、任意のコードが実行されることはありません。しかし、攻撃者はこの ASLR バイパスの脆弱性を、リモートでコードが実行される脆弱性など別の脆弱性と組み合わせて使用し、ASLR バイパスを利用することで、任意のコードを実行する可能性があります。

Common Vulnerabilities and Exposures のリストの標準のエントリとしてこの脆弱性を確認するには、CVE-2014-1809 を参照してください。

問題を緩和する要素

緩和する要素は、既定の状態における設定、一般的な構成または最善策を示し、脆弱性悪用の深刻度が下がる場合があります。お客様の状況で、次の「緩和する要素」が役立つ場合があります。

  • この脆弱性は、電子メールを介して、自動的に悪用されることはありません。ユーザーが電子メール メッセージで送信された添付ファイルを開くかプレビューしない限り、または電子メール メッセージ内のリンクをクリックしない限り、攻撃は行われません。
  • Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者はこの脆弱性の悪用を意図した Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかしどのような場合でも、攻撃者は、攻撃者自身が制御するコンテンツをユーザーに強制的に閲覧させることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーに何らかの操作を実行するように仕向けます。一般的には、ユーザーに電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージのリンクをクリックさせ、攻撃者の Web サイトへ誘導しようとします。
  • 既定で、Windows Server 2003、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 上の Internet Explorer は、「セキュリティ強化の構成」と呼ばれる制限されたモードで実行されます。このモードでは、Internet Explorer を介したこの脆弱性の悪用が緩和されます。Internet Explorer のセキュリティ強化の構成に関する詳細情報については、この脆弱性に関する「よく寄せられる質問」を参照してください。

回避策

マイクロソフトは、この脆弱性の回避策を確認していません。

よく寄せられる質問

この脆弱性により、どのようなことが起こる可能性がありますか? 
これはセキュリティ機能のバイパスの脆弱性です。

何が原因で起こりますか? 
この脆弱性は、Microsoft Office ソフトウェアに含まれる MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリが Address Space Layout Randomization (ASLR) を適切に実装していないために存在します。そのため、攻撃者は特定のコール スタック内の特定のインストラクションのメモリ オフセットを、かなりの確率で予想することができます。

ASLR とは何ですか? 
Address Space Layout Randomization (ASLR) によって、システムが起動すると実行可能画像がランダムな場所に移動され、攻撃者が予測しやすい場所にあるデータを悪用するのを防止します。コンポーネントで ASLR をサポートするには、読み込まれるコンポーネントもすべて ASLR をサポートする必要があります。たとえば、A.exe によって B.dll と C.dll が使用される場合、3 つのファイルすべてが ASLR をサポートする必要があります。既定では、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows 8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 によって、システム DLL および EXE ファイルがランダム化されます。ただし、Independent Software Vendors (ISV) が作成した DLL と EXE は、ASLR をサポートするために /DYNAMICBASE リンカー オプションを使用してオプトインする必要があります。

また、ASLR ではヒープ メモリとスタック メモリがランダム化されます。

  • アプリケーションによって Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 でヒープが作成されると、ヒープベースのバッファー上書きの悪用を防止するため、ヒープ マネージャーによってヒープがランダムな場所に作成されます。ヒープのランダム化は、Windows Vista 以降で実行されているアプリケーションでは、既定で有効になっています。
  • /DYNAMICBASE にリンクされたプロセスでスレッドが開始されると、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows 7、Windows Server 2008 R2、Windows 8、Windows 8.1、Windows RT、Windows RT 8.1、Windows Server 2012、および Windows Server 2012 R2 によってスレッドのスタックをランダムな場所に移動してヒープベースのバッファーの上書きが悪用されることを防止します。

攻撃者は、この脆弱性を悪用して何を行う可能性がありますか? 
攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、ASLR セキュリティ機能がバイパスされる可能性があります。セキュリティ機能のバイパス自体では、任意のコードが実行されることはありません。しかし、攻撃者はこの ASLR バイパスの脆弱性を、リモートでコードが実行される脆弱性など別の脆弱性と組み合わせて使用し、ASLR バイパスを利用することで、任意のコードを実行する可能性があります。

攻撃者はこの脆弱性をどのように悪用する可能性がありますか? 
Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者はこの脆弱性の悪用を意図した Web サイトをホストする可能性があります。また、攻撃者は IE のレンダリング エンジンをホストするアプリケーションまたは Microsoft Office 文書に「安全な初期化」とマークされている ActiveX コントロールを埋め込む可能性があります。さらに、侵害された Web サイトやユーザー提供のコンテンツを受け入れたりホストしたりする Web サイトに、特別に細工したコンテンツが含まれていて、この脆弱性が悪用される可能性があります。攻撃者は、特別に細工した Web サイトにユーザーを強制的に訪問させることはできません。その代わり、攻撃者はユーザーにアクションを起こさせる必要があります。たとえば、攻撃者はユーザーを騙してリンクをクリックさせ、攻撃者のサイトへ誘導する可能性があります。

ユーザーが COM コンポーネントのインスタンス化が可能な Web ブラウザー (Internet Explorer など) を使って、悪意のあるコンテンツが含まれている Web サイトにアクセスすると、影響を受ける Microsoft Office コンポーネントが読み込まれ、ASLR がバイパスされる可能性があります。

攻撃者はこのセキュリティ機能バイパスの脆弱性を別の脆弱性 (通常はリモートでコードが実行される脆弱性) と組み合わせて、新たな脆弱性を引き起こす可能性があります。この新たな脆弱性では、セキュリティ機能のバイパスが悪用されます。たとえば、リモートでコードが実行される脆弱性は ASLR によってブロックされますが、ASLR のバイパスに成功すると、この脆弱性が悪用される可能性があります。

主にどのようなコンピューターがこの脆弱性による危険にさらされますか? 
Web 閲覧のシナリオで、この脆弱性が悪用されるには、ユーザーがログオンし COM コンポーネントのインスタンス化ができる Web ブラウザーを使用して Web サイトを訪問していることが攻撃者にとっての必要条件となります。このため、ワークステーションまたはターミナル サーバーなど、Web ブラウザーを頻繁に使用するコンピューターが、最もこの脆弱性の危険にさらされる可能性があります。管理者がユーザーにサーバー上での閲覧および電子メールの読み取りを許可している場合、影響を受ける可能性が増加します。しかし、最善策では、これを許可しないことを強く推奨しています。

EMET はこれらの脆弱性を悪用しようとする攻撃の緩和に役立ちますか? 
はい。Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) により、セキュリティの緩和技術を管理すれば、攻撃者は特定のソフトウェアの脆弱性を悪用することが困難になります。EMET がインストールされ、Microsoft Office ソフトウェアと連携するように構成されているシステムでは、EMET で Microsoft Office のこの脆弱性を緩和することができます。

EMET の詳細については、Enhanced Mitigation Experience Toolkit を参照してください。

この更新プログラムはどのように問題を修正しますか? 
この更新プログラムでは、Microsoft Office ソフトウェアに含まれる MSCOMCTL コモン コントロール ライブラリが ASLR を適切に実装できるようにすることで、この脆弱性を解決します。

このセキュリティ情報のリリース時に、この脆弱性は一般に公開されていたのですか? 
いいえ。マイクロソフトは、協調的な脆弱性の公開を通じてこの脆弱性に関する情報を得ました。

このセキュリティ情報のリリース時に、マイクロソフトはこの脆弱性が悪用されたという報告を受けていましたか? 
はい。マイクロソフトはこの脆弱性を悪用しようとする限定的な標的型攻撃を確認しました。

管理者がセキュリティ更新プログラムを展開するときに役立つリソースがいくつかあります。 

  • Microsoft Baseline Security Analyzer (MBSA) を使用して、管理者はローカル システムとリモート システムの不足しているセキュリティ更新プログラムと一般的な誤ったセキュリティ構成をスキャンできます。 
  • Windows Server Update Services (WSUS)、Systems Management Server (SMS)、および System Center Configuration Manager は、管理者がセキュリティ更新プログラムを配布するときに役に立ちます。 
  • Application Compatibility Toolkit に含まれている Update Compatibility Evaluator コンポーネントは、インストールされているアプリケーションに対する Windows の更新プログラムのテストおよび確認を効率化する手助けをします。 

利用可能なこれらのツールおよび他のツールの詳細については、「セキュリティ ツール」を参照してください。 

Microsoft Office 2007 (すべてのエディション) および Office 互換機能パック

参照表

次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

セキュリティ更新プログラムのファイル名

Microsoft Office 2007
mscomct22007-kb2596804-fullfile-x86-glb.exe
mscomctlocx2007-kb2817330-fullfile-x86-glb.exe
msstdfmt2007-kb2880507-fullfile-x86-glb.exe
msaddndr2007-kb2880508-fullfile-x86-glb.exe

インストール スイッチ

サポート技術情報 912203 を参照してください。

再起動の必要性

この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。

削除に関する情報

[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。

ファイルに関する情報

Microsoft Office 2007
参照先: サポート技術情報 2596804
サポート技術情報 2817330
サポート技術情報 2880507、および
サポート技術情報 2880508

レジストリ キーの確認

対象外

 

Microsoft Office 2010 (すべてのエディション)

参照表

次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

セキュリティ更新プログラムのファイル名

Microsoft Office 2010 (32 ビット版)
mscomct22010-kb2589288-fullfile-x86-glb.exe
mscomctlocx2010-kb2810073-fullfile-x86-glb.exe
msaddndr2010-kb2880971-fullfile-x86-glb.exe

 

Microsoft Office 2010 (64 ビット版):
mscomct22010-kb2589288-fullfile-x64-glb.exe
msaddndr2010-kb2880971-fullfile-x64-glb.exe

インストール スイッチ

サポート技術情報 912203 を参照してください。

再起動の必要性

この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。

削除に関する情報

[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。

ファイルに関する情報

Microsoft Office 2010:
参照先: サポート技術情報 2589288
サポート技術情報 2810073、および
サポート技術情報 2880971

レジストリ キーの確認

対象外

 

Microsoft Office 2013 (すべてのエディション)

参照表

次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

セキュリティ更新プログラムのファイル名

サポートされているエディションの Microsoft Office 2013 (32 ビット版):
mscomct22013-kb2760272-fullfile-x86-glb.com
mscomctlocx2013-kb2880502-fullfile-x86-glb.com

 

サポートされているエディションの Microsoft Office 2013 (64 ビット版):
mscomct22013-kb2760272-fullfile-x64-glb.com

インストール スイッチ

サポート技術情報 912203 を参照してください。

再起動の必要性

この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。

削除に関する情報

[コントロール パネル] の [プログラムの追加と削除] を使用します。

ファイルに関する情報

サポートされるエディションの Microsoft Office 2013:
参照先: サポート技術情報 2760272 および
サポート技術情報 2880502

レジストリ キーの確認

対象外

 

Microsoft Office 2013 RT (すべてのエディション)

参照表

次の表では、このソフトウェア用のセキュリティ更新プログラムの情報を記載しています。

適用

Microsoft Office 2013 RT の更新プログラム 2760272 は、Windows Update を介して利用可能です。

再起動の必要性

この更新プログラムは、システムの再起動が必要ない場合もあります。必要なファイルが使用中の場合、この更新プログラムは再起動が必要です。この動作が起きた場合、再起動のメッセージが表示されます。

再起動が必要になる可能性を低減するために、このセキュリティ更新プログラムのインストール前に、すべての影響を受けるサービスを停止し、影響を受けるファイルを使用している可能性のあるすべてのアプリケーションを閉じてください。再起動が必要となる理由の詳細については、マイクロソフト サポート技術情報 887012 を参照してください。

削除に関する情報

[コントロール パネル]、[システムとセキュリティ]、[Windows Update]、[インストールされた更新プログラム] の順にクリックし、更新プログラムの一覧から選択します。

ファイルに関する情報

サポート技術情報 2760272 を参照してください。

Microsoft Active Protections Program (MAPP)

お客様のセキュリティ保護をより向上させるために、マイクロソフトは、月例のセキュリティ更新プログラムの公開に先立ち、脆弱性情報を主要なセキュリティ ソフトウェア プロバイダーに提供しています。セキュリティ ソフトウェア プロバイダーは、この脆弱性の情報を使用し、ウイルス対策、ネットワーク ベースの侵入検出システムまたはホスト ベースの侵入防止システムを介して、お客様に最新の保護環境を提供します。このような保護環境を提供するセキュリティ ソフトウェア ベンダーの情報については、Microsoft Active Protections Program (MAPP) パートナーに記載されている各社の Web サイトを参照してください。

サポート

このセキュリティ更新プログラムに関するヘルプとサポートを受ける方法

免責

この文書に含まれている情報は、いかなる保証もない現状ベースで提供されるものです。Microsoft Corporation 及びその関連会社は、市場性および特定の目的への適合性を含めて、明示的にも黙示的にも、一切の保証をいたしません。さらに、Microsoft Corporation 及びその関連会社は、本文書に含まれている情報の使用及び使用結果につき、正確性、真実性等、いかなる表明・保証も行いません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの権限ある代理人による口頭または書面による一切の情報提供またはアドバイスは、保証を意味するものではなく、かつ上記免責条項の範囲を狭めるものではありません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの者の供給者は、直接的、間接的、偶発的、結果的損害、逸失利益、懲罰的損害、または特別損害を含む全ての損害に対して、状況のいかんを問わず一切責任を負いません。結果的損害または偶発的損害に対する責任の免除または制限を認めていない地域においては、上記制限が適用されない場合があります。

更新履歴

  • V1.0 (2014/05/14):このセキュリティ情報ページを公開しました。

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