ユーティリティ スポットライトRobocopy GUI

Joshua Hoffman

この記事で使用しているコードのダウンロード: UtilitySpotlight2006_11.exe (1052KB)

基本的なことをお話します。IT 担当者であれ、自宅でコンピュータを操作するユーザーであれ、ファイルのコピーを一度は行ったことがあるはずです。行っている作業が、デスクトップ展開用のマスタ イメージの構築、Web サーバーへの新しいページの公開、独自のドキュメントと写真のバックアップや再編成のいずれであっても、ファイルのコピーはコンピュータを扱う日常の対話的操作で必ず実行する主な操作の 1 つです。

ところが、ここで問題があります。Microsoft® Windows® に従来から組み込まれている "コピーと貼り付け" の機能には限界があります。(ドキュメントをあるディレクトリから別のディレクトリに移動するなどの) 単純な作業には十分機能しますが、IT 担当者が職場で必要とする高度な機能は不足しています。たとえば、このコピーと貼り付けの操作には、短時間でもネットワークが中断すると、操作を回復できるほど高い復元性はありません。また、特にディレクトリ全体をコピーするときは、一か八かの試みになります。UI を使用すると、新しいファイルや更新されたファイルのみを選択してコピーすることはできません。ファイルを個別にコピーするか、ディレクトリ全体をコピーするか、何もコピーしないかのいずれかです。

ここに登場するのが Robocopy です。この強力なツールは、Microsoft Windows Server® 2003 の リソース キット ツール (英語) に付属しており、あらゆる高度な機能が使用可能です。Robocopy によってこれまでよりも高度なファイル複製作業が可能になるため、仕事が実に簡単になります。最大のメリットは、不要なファイルをコピーしないで、(選択した場合はすべてのサブディレクトリとファイルを含めて) 2 つのファイル構造の完全なミラー コピーを作成する機能です。コピー元の場所にある新しいファイルや更新されたファイルのみがコピーされます。Robocopy では、タイムスタンプやセキュリティ アクセス制御リスト (ACL) など、関連ファイル情報をすべて保存することもできます。

もちろん、開発者によって作業方法の好みは異なります。コマンド ラインを好む開発者にとっては、Robocopy ツールは出荷当初から優れたツールでした。しかし、ポイントしてクリックする方法を好む開発者もいます。そのような開発者向けに Robocopy GUI があります。この歓迎すべき Robocopy へのアドオンは、マイクロソフトの MSN Search グループのシステム エンジニア、Derk Benisch が作成したものです。Derk のユーティリティを使えば、ユーザーは単純で使い慣れたグラフィカル インターフェイス (図 1 を参照) を使用して、Robocopy スクリプトをカスタマイズできます。

図 1

図 1(画像を拡大するには、ここをクリックします)

Robocopy GUI を使用すれば、コピー元とコピー先のパスだけでなく、適用すべき任意のカスタム オプションやフィルタ、ネットワーク ドライブの割り当てを作成するかどうか、コピー結果のログを保存する場所なども指定できます。これらはすべて、従来の Robocopy コマンド ライン機能を使用しても同様に実行できる機能ですが、多くの場合、これらのオプションをグラフィカル インターフェイスに整理統合することでプロセスが簡素化されます。

また、Robocopy GUI では、いくつか非常に興味深い方法で既存の Robocopy ツールの機能が拡張されています。たとえば、このツールはマルチスレッド アプリケーションなので、Robocopy スクリプトを作成して実行し、最初のスクリプトの実行中でも別のスクリプトの作成を開始することができます。共通スクリプトのライブラリを作成したり、同僚とスクリプトを共有したりできるように、スクリプトを保存することもできます。スクリプトを保存する際は、実際に実行しなくてもかまいません。最も重要なことは、Robocopy GUI では既定の設定を保存できるため、毎回最初から始める必要がないことです。

Robocopy GUI には、独自のヘルプ ファイルだけでなく、完全な Robocopy のリファレンス ガイドのコピーが組み込まれています。このリファレンスには、使いたい設定を判断するのに役立つ、すべての Robocopy コマンドと構文の完全なインデックスが含まれています。

こうした役立つ機能をすべて備える Robocopy GUI は、すべての IT 担当者にとって強力な味方になります。Robocopy GUI のコピーは、この Web サイトの「Code Downloads」(英語) から入手できます。

Joshua Hoffman は、TechNet Magazine の技術面と買い付けを担当する編集者です。

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