ツールボックスIT プロフェッショナル向けの新製品

Greg Steen

このコラムに記載されている見解は、執筆者の個人的な見解であり、必ずしもマイクロソフトの見解を反映するものではありません。すべての価格は 2008 年 10 月 2 日時点のものであり、変更される可能性があります。

パーティションを管理する

GParted Live

gparted.sourceforge.net/livecd.php

一般的なコンピュータ ユーザーは、おそらくシステムのパーティション構成を変更する必要はないと思います。ただし、IT ビジネスに携わっている方や本格的なコンピュータ ユーザー、またはその両方を兼ねている方は、おそらくシステム ドライブのパーティション構成を変更する必要に迫られた経験があるでしょう。

後者に該当する方は、今回紹介する、パーティション管理に役立つ GParted という優れた無償ツールの存在を知って嬉しく思うのではないでしょうか。GParted (別名 Gnome Partition Manager) は、コミュニティによってサポートされているオープン ソース プロジェクトで、パーティションおよびパーティション上のファイル システムを作成、削除、サイズ変更、チェック、およびコピーするための非常に強力なパッケージです。

このレビューで紹介するのは、このプロジェクトの付随的なツールである GParted Live です。基本的には、これは GParted アプリケーションで、未使用の CD-ROM に書き込んで起動可能 CD-ROM として使用する小型バージョンの Debian GNU/Linux に同梱されています。このツールを使用すると、最新バージョンの GParted の機能をすべて使用できます。

使用を開始するために必要な作業は、プロジェクトの Web サイトから .iso ファイルをダウンロードし、それを CD-ROM に書き込むことだけです。この作業が完了したら、システムを CD から再起動します。これにより、GParted Live の動作が開始され、メモリ内で小さな Linux インスタンスが起動します。続いて、GParted Live によって自動的にサブシステムが検出され、XWindows が起動した後、GParted 用のグラフィカル UI が表示されます。

デスクトップには、シェル (コマンド プロンプト) の起動、画面解像度の変更、USB ドライブのマウント、スクリーンショットの作成、およびシステムの再起動を行うための大きなボタンが表示されます。GParted Live が起動し、グラフィカル UI が表示されたら、ドライブ上のパーティションを簡単に作成、移動、サイズ変更、起動可能としてマーク、および削除できます。このようなパーティション上のほぼどのような種類のファイル システムに対しても、同じ処理を実行できます。また、パーティションを起動可能としてマークするだけでなく、隠しパーティション、LVM パーティション、RAID パーティションなどのフラグを設定することもできます。

プロジェクトの Web サイトでは、起動可能 USB バージョンの GParted のマニュアルおよびダウンロード ファイルが提供されています。また、Windows Vista のシステム パーティションのサイズを変更するときに発生する問題への対処方法に関する説明が記載された多数のチュートリアルへのリンクも用意されています。堅牢で使いやすいパーティション管理ソリューションをお探しの場合は、GParted Live の導入をご検討ください。

価格: 無償

gparted.gif

GParted Live によるシステム パーティションの管理 (画像をクリックすると拡大表示されます)

サイト リンクを確認する

Xenu's Link Sleuth

home.snafu.de/tilman/xenulink.html

コンテンツ主体の非常に大規模な Web サイトを運営している場合や、社内のイントラネットを管理している場合、または単に個人のブログを持っている場合でも、ある程度の期間が経過したときに、コンテンツ内やサイト上のリンクが引き続き有効であるかどうかを確認することをお勧めします。無効になったリンクの特定に役立つツールの 1 つに、Xenu から無償で提供されている Link Sleuth があります。

Link Sleuth は設計が単純で、使いやすいツールです。開始点として使用する (1 つまたは複数の) URL を指定して [OK] をクリックするだけで、該当するサイトのクロールが開始されます。SSL リンクも確認の対象に含めることができます。

次に、Link Sleuth は、複数の並列スレッドを起動して、開始点として指定したページで参照されているページを要求します。並列スレッドの処理が進むと、返される結果に、色分けされた一連のリンクが含まれます。緑は有効を意味し、赤は無効を意味します。

UI には、サイト上のリンクだけでなく、要求への応答の具体的な状態コード、応答のコンテンツの種類 (text/xml、text/html など)、ページ要求のサイズ (バイト単位)、ページ タイトル、要求されたページへのリンクの数や要求されたページから他のページへのリンクの数、Web サーバーの種類、エラーの種類 (要求時にエラーが発生した場合)、および要求への完全な応答を得るまでにかかった時間も表示されます。返されるエラー メッセージには、応答コードだけでなく、参考になるメッセージも含まれます。

また、オプションを使用して、検出された外部リンクを追跡し、リンク先の外部コンテンツが有効であるかどうかを確認できます。さらに、報告するリンクの種類 (リダイレクト、無効になったリンク、FTP URL、テキスト URL、孤立したファイルなど) を選択することもできます。

既定では、Link Sleuth はサイトをクロールするときに 30 個のスレッドを並列で起動しますが、ユーザーは環境に合わせてスレッドの数を 1 ~ 100 個の間で調整できます。処理が完了すると、Link Sleuth では、検出されたリンクの HTML レポート、サイト マップ、および検出された要素に関する、一連の役立つ集計データ レポートを生成できます。UI から、無効になったリンクの再確認や、タブ区切りファイルへの結果のエクスポートを行うこともできます。全体的に見て、Link Sleuth は、便利で単純な無償のリンク確認ツールであると言えます。

価格: 無償

xenu.gif

Link Sleuth によるサイト リンクの確認 (画像をクリックすると拡大表示されます)

環境を管理する

Desktop Authority

scriptlogic.com/products/desktopauthority

組織内のすべてのデスクトップを一元管理できたら、時間が大幅に節約されるでしょう。また、それによって、企業のポリシーやセキュリティ対策を適用したり、最新のウイルス対策ソフトウェア、スパイウェア対策ソフトウェア、および該当する最新の更新プログラムを確実にコンピュータに適用して脅威を軽減したりできるようになります。ただし、最も重要なのは、それぞれのコンピュータのところまでわざわざ行かずに、これらすべての作業を完了することです。

環境の管理に役立つアプリケーションの 1 つとして、ScriptLogic の Desktop Authority があります。Desktop Authority を使用すると、一元化されたグラフィカル ユーザー インターフェイスから Windows クライアント (Windows 95 から Windows Vista まで) を管理できます (ただし、一部の機能は Windows 2000 以降でのみサポートされます)。Desktop Authority を使用すると、環境内のすべてのコンピュータに企業の基準や規制を遵守させることができます。

Desktop Authority が他のいくつかの競合製品よりも優れている点の 1 つは、管理タスクをきめ細かく実行し、さまざまな種類のエンド ユーザーのニーズに合わせて構成を調整できることです。たとえば、クライアント コンピュータの Windows ファイアウォールの例外を有効にしたり、その例外を変更したりできます。また、プリンタの追加、ネットワーク ドライブの割り当て、環境変数の設定、およびファイルのアクセス許可の指定も可能です。Outlook プロファイル、Microsoft Office 環境設定、および Internet Explorer の既定の設定を管理できるプロファイル オプションも用意されています。

また、電源設定、操作が一定時間行われない場合のタイムアウト、レジストリ設定の変更、法的通知の表示、およびドメイン内のすべてのコンピュータへのグループ ポリシー テンプレートの適用も簡単に行うことができます。ユーザーは、必要に応じて、ログオン前やログオン後に実行する任意のカスタム スクリプトを追加できます。さらに、Microsoft インストーラのリモート展開を通じてアプリケーションのインストールや更新を定期的に調整することもできます。

すべてのユーザー プロファイル、カスタマイズ、およびハードウェア インベントリやソフトウェア インベントリの情報は、一元管理用の SQL Server データベース (Desktop Authority のインストール要件の 1 つ) に格納されます。このため、回復や監査を簡単に実行できます。

Desktop Authority には、環境内のコンピュータを監査するときに役立つレポート ツールが含まれています。このレポート ツールでは、ハードウェア インベントリやソフトウェア インベントリ、更新プログラムや OS の状態、およびプロファイルの詳細 (Outlook 設定、電源設定、Windows ファイアウォールの設定など) を記録する複数の構成済みレポートが提供されます。

ほとんどのレポートはカスタマイズ可能ですが、要件が非常に特殊な場合は、レポート ウィザードを使用して、希望どおりのデータを生成できます。レポートのレイアウト、グラフィックス、および詳細はすべてカスタマイズ可能で、レポートは PDF、Excel ワークシート、RTF、テキスト、TIFF、および HTML 形式で生成できます。また、レポートをスケジュールして電子メールで送信し、自動的に環境を監視できる点も便利です。

ScriptLogic は、ワークステーションをより細かく管理できるアドオン コンポーネントをオプションとして提供しています。USB and Port Security オプションを使用すると、USB ポート、Bluetooth デバイス、PCMCIA コントローラ、WiFi デバイスなどの使用を制限できます。Patch Management オプションを使用すると、スケジュール、検証、およびユーザーが適用することを決めた更新プログラム クラス ロジックに基づいて、オペレーティング システムやその他のアプリケーション用の更新プログラムを自動的にダウンロードして配布できます。また、Spyware Detection and Removal オプションを使用すると、環境内のマルウェアのスキャン、削除、および報告を一元管理できます。

価格: 管理対象のデバイス 1 台あたり 39 ドル~

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Desktop Authority による環境の管理 (画像をクリックすると拡大表示されます)

ブック レビュー

How to Cheat at Administering Office Communications Server 2007

elsevierdirect.com

Microsoft Office Communications Server (OCS) 2007 は、Live Communications Server (LCS) 2005 を拡張したアプリケーションであり、以前のバージョンである LCS 2003 から大幅に進化しています。このサーバー アプリケーション セットを使用すると、組織内で発生するリアルタイム通信の管理を統合できます。この対象となるのは、ボイス オーバー IP (VoIP)、ボイスメール、IM、および Web 会議です。また、PBX システムとの統合もサポートされます。

OCS 2007 では、明らかに多くの新機能が導入されます。さいわい、『How to Cheat at Administering Office Communications Server 2007』(Syngress、2007 年) を読むと、新しい展開を計画している場合や、既存の展開を管理している場合、または単に OCS 2007 でどのようなことが実現できるかを知りたい場合でも、必要な情報をすぐに得ることができます。

"How to Cheat at" シリーズの他の書籍を読み慣れている方は、この書籍が慣れ親しんだ形式に従って執筆されていることに気付くでしょう。最初の章では、統合コミュニケーションがどのようなものであるかを説明しています。この章には、ソフトウェア通信の簡単な歴史、IP 通信の出現 (およびそれに関する技術的な課題)、およびマイクロソフトの統合戦略に関する説明も記載されています。

続いて、"拡張プレゼンス" 機能 (参考までに説明すると、接続先ユーザーのプレゼンス状態、接続状態、および場所を OCS 2007 が提供する方法に関連する機能です)、グループ IM、Web 会議、アーカイブ、強化されたフェデレーションなど、OCS 2007 の新機能や強化された機能の一部が概説されています。また、さまざまなサーバーの役割コンポーネント (フロントエンド サーバー、エッジ サーバー、仲介サーバー、アーカイブ サーバー、および Communicator Web Access) の概要も記載されています。

導入章の後には、フロントエンド サーバーのインストール手順に関する説明が続きます。このサーバーは、基本的なプレゼンス機能と認証を提供し、SPIM (迷惑インスタント メッセージ) のフィルタ処理を行います。また、VoIP 通話、IM、および会議トラフィックのルーティングも行います。

続いて、この書籍では新しい Microsoft Office Communicator 2007 を扱っています。このアプリケーションは基本的に、OCS に対するエンド ユーザーのフロントエンドとして機能します。ユーザーは、Microsoft Office Communicator 2007 を使用すると、プレゼンス、連絡先、履歴、および通知を管理できます。また、音声通話やビデオ会議用の音声機能や視覚機能も管理できます。この書籍では、これらの機能について説明すると共に、環境に合わせてメニューや機能を調整することによって Office Communicator をカスタマイズする方法の基礎となる情報も提供しています。

その後のいくつかのセクションでは、アクセス エッジ、A/V エッジ、Web 会議エッジという 3 つのエッジ サービスがすべて 1 台のコンピュータに集約された統合エッジ サーバー (OCS 環境を外部に接続するサービス) を構成する方法について説明しています。続いて、OCS 展開の仲介サーバー コンポーネントについて取り上げ、PBX と公衆交換電話網 (PSTN) レガシ システムとの統合を行うためのインストール オプションや構成オプションを紹介しています。

現在、アーカイブや規制遵守は法律上の必要事項となり、インフラストラクチャや通信の多くの部分に影響を与えています。次の章では、このことに重点を置き、OCS 2007 がアーカイブと通話詳細記録 (CDR) に関するサーバーの役割を通じてこのような問題にどう対処するかを詳しく説明しています。ここでは、医療保険の携行性と責任に関する法律 (HIPAA)、米国証券取引委員会 (SEC) 規則、および米国企業改革法の遵守についても説明しています。これらの法律は、IM 履歴、会議、および通話履歴に関係します。

次に、OCS 展開で会議サービスを構成する方法、および Office Communicator をビデオ会議用に構成して使用する方法を紹介しています。また、Office Communicator がどのように Outlook と統合されるか、およびオンプレミス Live Meeting 会議とホストされた Live Meeting 会議の違いについて説明しています。このセクションには、Live Meeting クライアントを使用してアプリケーション、デスクトップ、およびホワイトボードを共有する方法、および会議の進捗状況に応じてリアルタイムの投票や Q&A セッションを実施する方法も記載されています。

会議に関する話題の次は、その他の統合形式について説明しています。たとえば、エンタープライズ ボイス オプション (コンピュータのマイク、およびスピーカーやヘッドセットを使用します)、および従来の PBX システムやリモート通話コントロール (RCC。Office Communications クライアントによって送信された通話のデータが PBX 電話によって処理される機能) に接続するためのゲートウェイ デバイスという 2 つのボイス ソリューションを使用して、PBX システムと IP-PBX システムを展開に含める方法について説明しています。

この書籍では、OCS 2007 を Exchange 2007 のユニファイド メッセージング機能と連携させる方法に関する有益な情報も提供されます。これには、2 つのシステムを構成および統合する方法の基礎となる情報が含まれます。この作業を行うことによって、ユーザーがボイスメールの作成やボイスメールへのアクセスを Communicator クライアントから行ったり、Outlook と Communicator で不在着信通知を受け取ったりできるようになります。LCS 2005 インフラストラクチャを既に導入している場合は、アップグレード、オプション、および移行戦略に関する説明が記載された章が非常に役立ちます。

最後のセクションでは、OCS 2007 の管理について取り上げ、ログ、使用法レコード、ルート ヘルパー、および展開を調整および監視できる Snooper ツールの使用方法について説明しています。

価格: 49.95 ドル

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。