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SharePoint Foundation およびボリューム シャドウ コピー サービスの概要

最終更新日: 2010年7月29日

適用対象: SharePoint Foundation 2010

バックアップ ベンダーの場合、Volume Shadow Copy Service (VSS) を使用すると、集中化された API により Microsoft サーバー ソリューションのバックアップが簡単になります。Microsoft SharePoint Foundation には Windows VSS バックアップ フレームワークと統合する参照用の VSS ライター (以後、"SPF-VSS ライター" と呼びます) が含まれており、バックアップ アプリケーションは SharePoint Foundation のデータをバックアップおよび復元できます。このライターは、ファーム全体の壊滅的な上書きシナリオをサポートします (検索インデックスを含む)。回復時には、データベースをフックして、サイトのマッピングを同期します。

次の図では、システムの主要なコンポーネントである Microsoft Windows Server 2008 (および Volume Shadow Copy Service)、SharePoint Foundation (および Windows Server 2008 Volume Shadow Copy Service 用の SPF-VSS ライター)、およびサードパーティの (またはカスタム) バックアップ/復元アプリケーション (リクエスターとプロバイダーを含む) が示されています。

SharePoint と VSS 依存関係

VSS は、Windows Server 2008 ファイル システムと通信し、またサードパーティ (またはカスタム) プロバイダーを経由して大容量記憶装置のデバイス ドライバーと通信します。ハードウェア プロバイダーは、シャドウ コピーを作成する場所を決定する必要があります。VSS はハードウェア固有のシャドウ コピーを抽象化するので、バックアップ/復元アプリケーションは、ハードウェアの実装の詳細を知らなくても、一定の方法でシャドウ コピーにアクセスできます。

SharePoint Foundation ストアは、SharePoint Foundation のコンポーネントであり、Windows Server 2008 ファイル システムで SharePoint Foundation ストレージ グループにアクセスします。ファイル システムでは、各 SharePoint Foundation ストレージ グループに、構成、コンテキスト、検索データベース、および構成データベースと検索インデックス ファイルに登録されているすべてのサードパーティ データベースが含まれます。また、SharePoint Foundation Service Application Framework に基づくすべてのサービスも含まれます。

VSS をサポートするため、SharePoint Foundation には、SPF-VSS ライターが含まれます。SPF-VSS ライターは、SharePoint Foundation ストア (リクエスターの代わりに動作します) と連携して、バックアップする前にストレージ グループをフリーズおよびマウント解除し、バックアップが完了した後でストレージ グループをフリーズ解除およびマウントします。

回復の際には、バックアップ/復元アプリケーションは、SPF-VSS ライターに対し、SharePoint Foundation ストア (リクエスターの代わりに動作します) と連携して、ストレージ グループをマウント解除し、データベース ファイルを置き換えて、ストレージ グループをマウントするように指示します。

注意

復元に関する重要な情報については、「VSS リクエスターと SharePoint Foundation」の復元に関するトピックを参照してください。

リクエスターは、VSS を使用して SharePoint Foundation のデータを適切にバックアップおよび復元するように設計されている、サードパーティ (またはカスタム) のアプリケーションです。リクエスターは、VSS と通信して、SharePoint Foundation に関する情報を取得し、シャドウ コピーの作成を命令して、バックアップのためにデータにアクセスします。

復元時にも、リクエスターは VSS と通信して、復元操作用にシステムを準備した後、大容量記憶装置デバイスにデータを戻します。また、バックアップ/復元アプリケーションも、Windows Server 2008 と連携して、テープ アーカイブ、ストレージ エリア ネットワーク、その他のバックアップ メディアなど、ストレージ バックアップ メディアからデータを読み取ったり、メディアにデータを書き込んだりする必要があります。

SharePoint Foundation、VSS、およびバックアップ/復元アプリケーションの間で正常にバックアップおよび復元操作を完了するために必要な情報は、SPF-VSS ライターのメタデータの一部として転送されます。

以下は、バックアップまたは復元操作時のイベントの大まかなシーケンスです。

  1. バックアップ プログラム (またはエージェント) によりスケジュールされたジョブが実行されます。

  2. バックアップ/復元アプリケーションの VSS リクエスターが、VSS にコマンドを送信し、選択した SharePoint Foundation ストレージ グループのシャドウ コピーを取得します。

  3. VSS は、SPF-VSS ライターと通信して、スナップショット バックアップの準備をします。SharePoint Foundation は、ストレージ グループに対する管理アクションを禁止し、ボリュームの依存関係を検査して、データベースおよびトランザクション ログ ファイルへのすべての書き込み操作を一時停止します。ただし、読み取り専用アクセスは許可します。

  4. VSS は、適切なストレージ プロバイダーと通信し、SharePoint Foundation ストレージ グループを含むストレージ ボリュームのシャドウ コピーを作成します。

  5. VSS は、SharePoint Foundation を解放して通常の操作を再開します。

  6. VSS リクエスターは、バックアップ セットの完全性を検証した後で、バックアップが成功したことを通知します。SharePoint Foundation は、データベースの最終バックアップの時刻を記録します。