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SharePoint Foundation VSS Writer

最終更新日: 2010年4月2日

適用対象: SharePoint Foundation 2010

Windows Server 2003 と 2008 に搭載されているボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) は、組み込みのシャドウ コピー機能を提供するインフラストラクチャです。VSS によって作成されるシャドウ コピーは、ストレージ管理者のテープ バックアップ アーカイブ ソリューションを補強し、簡単かつ効果的に作成および復元できる高信頼性の特定時点コピーを提供することで、ストレージおよびデータの管理のさまざまな面に役立ちます。Microsoft SharePoint Foundation は、VSS を使用して、バックアップと復元の操作を簡素化します。SharePoint Foundation VSS ソリューションの機能と特徴は次のとおりです。

  • **単一の VSS 参照ライター。**アプリケーションがバックアップのためにデータを記述する簡単な方法がありませんでした。さまざまな Windows プラットフォーム アプリケーションを正しくバックアップするために、バックアップ アプリケーションには固有のコードを記述する必要のある多くの API があります。SharePoint Foundation VSS ライター ("SPF-VSS ライター") を使用すると、バックアップ アプリケーションは単一のライターを利用して SharePoint Foundation をバックアップできます。

  • **大きな災害に備えたファーム全体のバックアップと復元。**SPF-VSS ライターを使用すると、バックアップ アプリケーション (リクエスター) は、VSS API にアクセスし、単一ボックス セットアップまたはファーム構成を含む SharePoint Foundation ファーム全体のバックアップおよび復元操作を要求できます (主に applicationhost.config である IIS 構成ストアは含まれません。この IIS 構成ストアは個別にバックアップおよび復元する必要があります)。

  • **データベース レベルの詳細さ。**SPF-VSS ライターを使用すると、リクエスターは、バックアップと復元の両方の操作について、全データベース、データベースのセグメント (複数選択)、または単一データベース (単一選択) を選択できます。構成およびサーバーの全体管理のコンテンツ データベースを除くすべてのデータベースを、ライターを使用して選択できます。構成およびサーバーの全体管理のコンテンツ データベースは、ファーム全体の一部としてバックアップまたは復元する必要があります (IIS 構成ストアは含まれません。この IIS 構成ストアは個別にバックアップおよび復元する必要があります)。

  • **データベースのインベントリ。**バックアップを行う前に、SPF-VSS ライターは、ファーム内でバックアップ対象に選択されているデータベースのフラット リストを生成します。リストはリクエスターに返されるので、データベースが物理的に存在する場所でバックアップを実行できます。

  • **ファームのサポート。**ライターは、SharePoint Foundation ファームでのバックアップと回復の同期を、限定的に認識してサポートします。ライターは、ファームに関連付けられたサーバー、データベース、およびファイルのインベントリのリストをリクエスターに提供します。リクエスターは、サーバーごとに異なる接続を確立し、そのサーバーで SPF-VSS ライターを呼び出して、バックアップを生成したり復元操作を実行したりする必要があります。

  • **中断のないコンテンツ バックアップ。**バックアップ中に、アプリケーションによってファイルが変更されると、ファイルが壊れる可能性があります。VSS では、シャドウ コピーにアプリケーションのスナップショットをすばやく作成できるので、アプリケーションを元の場所で中断することなく実行できます。

  • **サードパーティのプラグ可能なデータベース バックアップおよび復元。**SPF-VSS ライターは、SharePoint Foundation を基に構築されているサードパーティのソリューションに対して、プラグ可能で拡張可能なバックアップを提供します。ただし、ライターに含まれるのは、構成データベース内で登録されているデータベースだけです。追加ファイルおよび登録されていないデータベースは含まれません。

  • **検索インデックス ファイルのバックアップと回復。**検索インデックス ファイルはファイル システムに格納されているので、それをバックアップするには、別のファイル ライタが必要です。これを解決するため、SharePoint Foundation には、検索インデックス ファイルを処理する独立した検索ライタが含まれます。バックアップ アプリケーション ライタの処理を簡単にするため、SharePoint Foundation では、ライタ間の依存関係が宣言されており、ファーム内の登録済みデータベースをバックアップすると、検索インデックス ファイルもバックアップまたは回復されます。

  • **完全なロールバック。**SPF-VSS ライターは、構成データベース、コンテンツ データベース、検索データベース、インデックスなど、SharePoint Foundation 展開内のすべてのコンポーネントを処理します。既に説明したように、ライターは検索ライターにも依存しており、検索ライターはすべての検索インデックス ファイルをバックアップおよび回復用に処理します。回復時には、ライターは、前のファーム バックアップを復元することで、SharePoint Foundation 展開全体をロールバックできます (IIS 構成ストアは含まれません。この IIS 構成ストアは個別にバックアップおよび復元する必要があります)。

    注意

    復元に関する重要な情報については、「VSS リクエスターと SharePoint Foundation」の復元に関するトピックを参照してください。

  • **復元後のデータベースの同期。**復元操作が完了した後ですべてのデータベースがファームと同期していることを保証するため、各データベースは、回復の後で、自動的にファームとの接続を解除して再接続します。管理者は、復元されたデータベースの同期をとるために余分な手順を実行する必要はありません。

重要重要

SharePoint Foundation ファームで SQL エイリアスを使用して SQL Server に接続する場合、SPF-VSS ライターを使用してバックアップと復元を行うために、ファーム サーバーに SQL クライアント接続コンポーネントをインストールする必要があります。コンポーネントには、構成管理用の SQL WMI プロバイダーが含まれています。これは、SPF-VSS ライターが SQL エイリアスを適切な SQL Server に解決するのに必要です。SQL Management Studio などの管理ツールをインストールする必要はありません。インストール ソースとしては、完全な SQL Server 製品をインストールするときに使用するものと同じソース (データ DVD など) を使用します (スタンドアロン バージョンの個別のクライアント コンポーネントは使用しないでください。このバージョンには SQL WMI プロバイダーは含まれません)。カスタム インストールを選択して、インストールするクライアント コンポーネントのみを選択してください。

SPF-VSS ライターが実行する機能

SPF-VSS ライターは以下の機能を実行します。

  1. SharePoint Foundation コンポーネントを構築します。

    • SharePoint Foundation ファーム内の全コンポーネントの完全なリストを生成します。

    • バックアップ プロセスまたは復元プロセスとは必ずしも結びつけられません。

    SharePoint とボリューム シャドウ コピー サービス

  2. ファームまたはデータベースをバックアップします。

    • VSS を通して SharePoint Foundation (ファーム/データベース) のバックアップを要求します。

    SharePoint とボリューム シャドウ コピー サービス

  3. ファームまたはデータベースを復元します。

    • VSS を通して SharePoint Foundation (ファーム/データベース) の回復を要求します。

    • サイトのテーブルの同期をとるために postRestore() を実装します。

    SharePoint とボリューム シャドウ コピー サービス