Apple iPad デバイスでのレポートとスコアカードの表示 (SharePoint Server 2010)

 

適用先: SharePoint Server 2010 Enterprise

トピックの最終更新日: 2014-01-15

Microsoft SharePoint Server 2010 の累積的な更新プログラム 2011-12 (CU 2011-12) を使用すると、iOS 5 Safari ブラウザーが採用されている Apple iPad デバイスで特定の種類のレポートおよびスコアカードを表示できます。この記事では、ユーザーが iPad で表示できるビジネス インテリジェンス コンテンツ、レポートおよびスコアカードを適切に表示できるように構成する方法、および iPad でビジネス インテリジェンス コンテンツ内を移動する方法について説明します。

重要

iPad デバイスでビジネス インテリジェンス コンテンツを表示するには、コンテンツが存在する SharePoint Server コンピューターに CU 2011-12 をインストールする必要があります。詳細については、「Description of the SharePoint Server 2010 cumulative update package (SharePoint server-package): December 13, 2011 (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=237662&clcid=0x411) (英語) を参照してください。
また、iPad ユーザーは、SharePoint Server に接続できなければなりません。iPad デバイスでは、iOS 5 Safari ブラウザーが実行されている必要があります。
すべてのレポートおよびスコアカードが iPad デバイスで正しく表示されるわけではありません。iPad デバイスにダッシュボード コンテンツを表示できるように制限付きテストが実行されましたが、SharePoint Server 2010 は、Apple iPad デバイスに表示されるように完全にはサポートされていません。

この記事の内容

  • Apple iPad で表示できるレポートとスコアカードの種類

  • ビジネス インテリジェンス コンテンツを iPad に適切に表示できるように構成する方法

  • iPad でビジネス インテリジェンス コンテンツを表示し、コンテンツ内を移動する方法

Apple iPad で表示できるレポートとスコアカードの種類

CU 2011-12 を使用すると、iPad ユーザーが、特定の種類のレポートとスコアカードを表示できます。たとえば、iPad の Safari ブラウザーを使用して、PerformancePoint スコアカード、分析グラフと分析グリッド、および Excel Services レポートを表示することができます。ただし、すべての種類のレポートを iPad で表示できるわけではありません。たとえば、Visio Services レポートや PerformancePoint 戦略マップについては、iPad デバイスがサポートできないクライアント側の要件があるので表示できません。次の表は、iPad で表示できるダッシュボード アイテムの種類をまとめたものです。

項目 iPad で表示可能かどうか

ビジネス インテリジェンス センター サイト (PerformancePoint Services サイトを含む)

可能

ただし、PerformancePoint Services サイトから PerformancePoint ダッシュボード デザイナーを開くことはできません。

フィルターおよびリンクされたアイテムが含まれるダッシュボード

可能

Excel Services レポート (PerformancePoint Web パーツまたは Excel Web Access Web パーツに表示される PivotChart レポート、PivotTable レポート、名前付きアイテム、およびブックを含む)

可能

Reporting Services レポート (PerformancePoint Web パーツまたはレポート ビューアー Web パーツに表示されるレポートを含む)

不可

PerformancePoint スコアカード

可能

PerformancePoint KPI 詳細レポート

可能

PerformancePoint 分析グラフと分析グリッド

可能

PerformancePoint 戦略マップ

不可

Web ページ レポート (PerformancePoint Web パーツに表示される Web サイトを含む)

可能

ProClarity 分析サーバー ページ レポート (PerformancePoint Web パーツに表示される ProClarity Server レポートを含む)

不可

SQL Server Analysis Services データを使用する分析レポートおよび PerformancePoint スコアカードの値から開かれる分解ツリー

不可

レポートおよびスコアカードを iPad に適切に表示できるように構成する方法

一般的に、iPad に表示するレポートおよびスコアカードを作成するプロセスは、ビジネス インテリジェンス コンテンツを SharePoint Server に発行するプロセスと同じです。ビジネス インテリジェンス コンテンツは、iPad でもコンピューターのブラウザー ウィンドウと同様に表示され動作します。ただし、iPad デバイスで表示できるようにレポートおよびスコアカードを構成するときに、考慮しなければならない点がいくつかあります。次の表は、こうした項目をまとめものです。

項目 説明

ダッシュボードページに表示するコンテンツの量によっては、レポート、スコアカード、およびダッシュボードが iPad に非常に小さく表示され、コンテンツが見えにくくなる場合があります。

iPad デバイスに表示されるレポート、スコアカード、およびダッシュボードを作成するときは、1 つのページにあまり多くのアイテムを表示しないようにします。たとえば、スコアカードの列や行の数はなるべく少なくすること、また、ダッシュボードでは 1 ページに含めるレポートの数を 4 つ以下に抑えることを検討してください。

iPad では画面を拡大/縮小できますが、ビジネス インテリジェンス コンテンツは、小さな画面でも無理なく表示されるように構成することをお勧めします。何もかもを 1 つのページに収めようとするのではなく、複数のページとレポートを作成することを検討してください。

スコアカード、レポートなどのアイテムのフォント設定については、他のコンピューターと同じようには iPad に表示されないことがあります。たとえば、Windows ベースのコンピューターで使用できるすべてのフォントが iPad で使用できるとは限りません。

iPad の Safari ブラウザーでサポートされるフォントはスケーラブル ベクター グラフィックス (SVG) フォントのみです。iPad の Safari ブラウザーでサポートされていないフォントをレポートおよびスコアカードで使用すると、これらのアイテムは、iPad では Times New Roman フォントで表示されます。

レポートおよびスコアカードを作成する場合は、iPad でフォントが正しく表示されるようにフォント設定を指定してください。たとえば、ArialMT、Verdana などのフォントを使用することができます。

Windows ベースのコンピューターでビジネス インテリジェンス コンテンツを表示するように、iPad でハイパーリンクやコンテキスト メニューを開くにはどうすればいいのかユーザーが知らないことがあります。

Apple iPad では、SharePoint フォルダーを開くときに右クリックやダブルクリックを使用しませんが、だからといって、コンテキスト メニューを使用できないわけではありません。iPad の Safari で SharePoint フォルダーを開いたり、ショートカット メニューやハイパーリンクを使用したりするには、その場所を、約 1 ~ 2 秒タップしたまま押さえます。これによりメニューが開き、必要なオプションを選択できます。

iPad のスコアカードで 1 つのセルまたは主要業績評価指標 (KPI) を選択しようとすると、スコアカード全体が選択されたように表示されます。

スコアカードで 1 つのセルまたは KPI をタップして、スコアカードに接続されている可能性のある KPI Details レポートまたはその他のレポートに追加情報を表示することができます。スコアカード全体が選択されているように見えますが、実際は、ユーザーがタップしたセルまたは KPI しか選択されていません。スコアカードに接続されているすべてのレポートが予期したとおりに表示されます。

スライサーは iPad に表示される Excel Services レポートでは動作しない可能性があります。特に、単一アイテムのスライサーは適用できますが、複数選択が含まれるスライサーは適用できません。

スライサーではなく、ダッシュボード デザイナーを使用して作成できるダッシュボード フィルターなどを使用することを検討します。詳細については、「ダッシュボード デザイナーを使用してフィルターをレポートまたはスコアカードに接続する」を参照してください。

一部のアイテムの [Web パーツ] メニューで、[PowerPoint へのエクスポート] コマンドまたは [Excel へのエクスポート] コマンドを使用できません。

一部のレポートおよびスコアカードについては、必要なソフトウェアが iPad デバイスにインストールされていればエクスポートできます。

  • [PowerPoint へのエクスポート] コマンドを使用するには、iPad、iPhone、および iPod タッチ用 Keynote などのアプリケーションが iPad デバイスにインストールされている必要があります。

  • [Excel へのエクスポート] コマンドを使用するには、iPad、iPhone、および iPod タッチ用 Numbers などのアプリケーションが iPad デバイスにインストールされている必要があります。

iPad でビジネス インテリジェンス コンテンツを表示し、コンテンツ内を移動する方法

iPad に表示できるビジネス インテリジェンス コンテンツには、SharePoint Server 2010 に発行されたレポート、スコアカード、ダッシュボードなどがあります。iPad でビジネス インテリジェンス コンテンツを表示し、コンテンツ内を移動するには、次の手順を実行します。

iPad でビジネス インテリジェンス コンテンツを表示し、コンテンツ内を移動するには

  1. ビジネス インテリジェンス コンテンツが存在するイントラネットに接続されていることを確認します。企業ネットワークに接続するか、接続が有効になるようにファイアウォールを構成する必要があります。詳細については、「モバイル デバイスの計画 (SharePoint Server 2010)」を参照してください。

  2. iPad デバイスで Safari ブラウザーを開きます。

  3. ビジネス インテリジェンス コンテンツが存在する SharePoint の場所に移動します。

    • サイド リンク バーに表示されている SharePoint リストまたはドキュメント ライブラリを開くには、名前をタップします。たとえば、ダッシュボードを表示するには、サイド リンク バーで [ダッシュボード] をタップします。

    • ライブラリのフォルダーを開くには、フォルダーの名前を 1 ~ 2 秒タップしたまま押さえ、表示されたメニューで [開く] (または [新しいタブで開く]) をタップします。

    • ダッシュボード、レポートなどのアイテムを開くには、アイテムの名前を 1 ~ 2 秒タップしたまま押さえ、[開く] (または [新しいタブで開く]) をタップしてそのアイテムをブラウザー ウィンドウに表示します。

  4. 表示用に開いたダッシュボード ページまたはレポートのコンテンツ内を移動するには、次の操作を行います。

    • ページをパンするには、2 本の指でタップしたまま押さえ、ページ内を移動します。

    • 拡大するには、2 本の指でアイテムをタッチして、そのアイテムを伸ばすように指を広げます。

    • 縮小するには、2 本の指でアイテムをタッチして、そのアイテムをつまむように指を動かします。

    • レポートまたはスコアカードの行あるいは列を展開するには、その行または列のプラス記号 (+) をタップします。

    • レポートまたはスコアカードの行あるいは列を折りたたむには、その行または列のマイナス記号 (-) をタップします。

    • ダッシュボード フィルターを適用するには、そのフィルターをタップして開き、フィルターとして使用するアイテムをタップします。アイテムを 1 つしか選択できないコントロールを使用するフィルターや、複数のアイテムを選択できるコントロールを使用するフィルターがあります。

  5. 各レポートに [Web パーツ] メニューがあり、そのメニューには [表示のリセット]、[新しいウィンドウで開く] などのコマンドが含まれます。Web パーツを開いて使用するには、次の操作を行います。

    1. [Web パーツ] メニューを開くレポートまたはスコアカードをタップします。小さな下矢印が表示されます。

    2. 下矢印をタップして [Web パーツ] メニューを表示します。

    3. 使用する Web パーツ コマンドを 1 ~ 2 秒タップしたまま押さえます。

See Also

Concepts

ビジネス インテリジェンスのシナリオとソリューション
モバイル デバイスの計画 (SharePoint Server 2010)