次の方法で共有


Analysis Services DMX クエリ デザイナの使用

Microsoft SQL Server Analysis Services データ ソースを使用してデータセットを作成すると、レポート デザイナには、既定で多次元式 (MDX) クエリ デザイナが表示されます。データ マイニング予測 (DMX) クエリ デザイナに切り替えるには、ツール バーの [Command Type DMX] (DMX クエリ言語ビューへの変更) ボタンをクリックします。DMX クエリ デザイナを使用すると、グラフィカルな要素を使用して対話的に DMX クエリを作成できます。DMX クエリ デザイナを使用するには、指定するデータ ソースが、データを提供するデータ マイニング モデルを既に備えている必要があります。クエリ結果は、レポートで使用できるようにフラットな行セットに変換されます。

ms155812.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
レポートをデザインする前に、モデルのトレーニングを行う必要があります。詳細については、「データ マイニングの操作」を参照してください。

DMX クエリ デザイナは、デザイン モードで開きます。デザイン モードには、単一のデータ マイニング モデルと入力テーブルを選択するためのグラフィカルなデザイン画面、および予測クエリを指定するためのグリッドが含まれています。DMX クエリ デザイナには、この他に、クエリ モードと結果モードの 2 つのモードがあります。クエリ モードでは、デザインモードのグリッドがクエリ ペインに置き換えられ、これを使用して DMX クエリを入力することができます。結果モードでは、クエリによって返された行セットがデータ グリッドに表示されます。

DMX クエリ デザイナのモードを変更するには、クエリのデザイン画面を右クリックし、[デザイン][クエリ]、または [結果] をクリックします。詳細については、「Analysis Services の DMX クエリ デザイナのユーザー インターフェイス」を参照してください。

Analysis Services のデータ処理拡張機能では、ツール バーの汎用クエリ デザイナ (汎用クエリ デザイナ ボタンのアイコン) ボタンが無効になります。

DMX データセットを作成するには

  1. [データ] タブの [データセット] ドロップダウン リストで、[<新しいデータセット>] を選択します。

  2. [データセット] ダイアログ ボックスのデータ ソース ドロップダウン リストで、[新しいデータ ソース] を選択します。

  3. [データ ソース] ダイアログ ボックスの [種類] ドロップダウン リストで、[Microsoft SQL Server Analysis Services] を選択します。

  4. Analysis Services データ ソースに対応する接続文字列を指定します。接続情報については、データベース管理者に問い合わせてください。
    次の接続文字列の例では、ローカル サーバーに Analysis Services データ ソースの Adventure Works DW サンプル データ ウェアハウスを指定しています。

    Data Source=(local);Initial Catalog="Adventure Works DW"
    
  5. [データ ソース] ダイアログ ボックスの [資格情報] タブにデータベース資格情報を設定します。

詳細については、「データ ソースへの接続」を参照してください。

例 : データ マイニング モデルからのデータの取得

  1. AdventureWorks サンプル レポートをインストールしてパブリッシュし、「AdventureWorks サンプル レポート」の指示に従って Analysis Services キューブを配置します。
  2. AdventureWorks サンプル レポート プロジェクトを開き、空のレポート定義 (.rdl) ファイルをプロジェクトに追加します。
  3. AdventureWorksAS 共有データ ソースを使用して、新しいデータセットを作成します。クエリは省略できます。後ほど DMX クエリ デザイナを使用してクエリを作成します。
  4. ツール バーの [Command Type DMX] (DMX クエリ言語ビューへの変更) ボタンをクリックします。
  5. [はい] をクリックして DMX クエリ デザイナに切り替えます。
  6. [モデルの選択] をクリックし、[Target Mailing] を展開して、[TM Decision Tree] を選択します。[OK] をクリックします。
  7. [ケース テーブルの選択] をクリックし、スクロールして [vTargetMail (dbo)] を選択します。[OK] をクリックします。
  8. グリッド ペインで、[ソース] をクリックし、[TM Decision Tree mining model] を選択します。[Bike Buyer][フィールド] 列に表示されます。
  9. 次の行で、[ソース] をクリックし、[vTargetMail Table] を選択します。[CustomerKey][フィールド] 列に表示されます。
  10. ファイルを保存します。次に、クエリ デザイン ペインを右クリックし、[結果] をクリックして行セットを表示します。18,484 行を含む行セットが結果ビューに表示されます。デザイン モードに切り替えるには、結果ペインを右クリックし、[デザイン] をクリックします。

予測クエリのデザイン

デザイン モードのクエリ デザイン ペインには、[マイニング モデル][入力テーブルの選択] の 2 つのウィンドウがあります。[マイニング モデル] ウィンドウでは、クエリで使用するマイニング モデルを選択します。[入力テーブルの選択] ウィンドウでは、予測の基盤とするテーブルを選択します。入力テーブルではなく、単一クエリを使用する場合は、クエリ デザイン ペインで右クリックし、[単一クエリ] をクリックします。[入力テーブルの選択] ウィンドウは、[単一クエリ入力] ウィンドウに置き換えられます。

デザイン モードで、[マイニング モデル] ウィンドウおよび [入力テーブルの選択] ウィンドウから、グリッド ペインの [フィールド] 列にフィールドをドラッグします。必要に応じて、別名、結果にフィールドを表示するかどうか、フィールドをグループ化するかどうか、および引数の条件かを指定できます。クエリ モードを使用している場合は、クエリ ペインで MDX クエリを直接入力します。

DMX クエリ デザイナを使用した DMX 予測クエリの構築の詳細については、「予測クエリ ビルダを使用した DMX 予測クエリの作成」を参照してください。

パラメータの使用

レポート パラメータを DMX クエリ パラメータに渡すことができます。このためには、DMX クエリにパラメータを追加し、[クエリ パラメータ] ダイアログ ボックスでクエリ パラメータを定義して、関連付けられたレポート パラメータを変更します。クエリ パラメータを定義するには、ツール バーの [クエリ パラメータ] ([クエリ パラメータ] ダイアログ ボックスのアイコン) ボタンをクリックします。DMX クエリでのパラメータの定義については、「Analysis Services の MDX および DMX クエリ デザイナでパラメータを定義する方法 (レポート デザイナ)」を参照してください。

レポート パラメータとクエリ パラメータとの間のリレーションシップを管理するには、ツール バーの [選択したデータセットの編集] (選択したデータセットを編集するための省略記号 (ピリオド 3 つ)) ボタンをクリックして、[データセット] ダイアログ ボックスを開きます。次に、[パラメータ] タブをクリックします。レポート パラメータを編集または削除するには、[レポート] メニューの [レポート パラメータ] を選択します。詳細については、「Reporting Services でのパラメータを使用した作業」を参照してください。

次のクエリを使用して、自転車を購入する見込みのある顧客と、その可能性を示すレポート データを取得できます。

SELECT
  t.FirstName, t.LastName,
  (Predict ([Bike Buyer])) as [PredictedValue],
  (PredictProbability([Bike Buyer])) as [Probability]
From
  [TM Decision Tree]
PREDICTION JOIN
  OPENQUERY([Adventure Works DW],
    'SELECT
      [FirstName],
      [LastName],
      [CustomerKey],
      [MaritalStatus],
      [Gender],
      [YearlyIncome],
      [TotalChildren],
      [NumberChildrenAtHome],
      [HouseOwnerFlag],
      [NumberCarsOwned],
      [CommuteDistance]
    FROM
      [dbo].[DimCustomer]
    ') AS t
ON
  [TM Decision Tree].[Marital Status] = t.[MaritalStatus] AND
  [TM Decision Tree].[Gender] = t.[Gender] AND
  [TM Decision Tree].[Yearly Income] = t.[YearlyIncome] AND
  [TM Decision Tree].[Total Children] = t.[TotalChildren] AND
  [TM Decision Tree].[Number Children At Home] = t.[NumberChildrenAtHome] 
AND
  [TM Decision Tree].[House Owner Flag] = t.[HouseOwnerFlag] AND
  [TM Decision Tree].[Number Cars Owned] = t.[NumberCarsOwned] AND
  [TM Decision Tree].[Commute Distance] = t.[CommuteDistance]
WHERE
 (Predict ([Bike Buyer]))=@Buyer AND
 (PredictProbability([Bike Buyer]))>@Probability
ms155812.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
この例では、入力テーブルとして DimCustomer テーブルを使用しています。これはあくまでも参考です。AdventureWorks データベースでは、DimCustomer テーブルを使用して、この例で使用するモデルのトレーニングを行いました。通常、トレーニングに使用したことのない入力テーブルを使用します。

この例では、クエリを作成後、[クエリ パラメータ] ダイアログ ボックスを使用してクエリ パラメータを定義する必要があります。それには、クエリ デザイナ ツール バーの [クエリ パラメータ] ([クエリ パラメータ] ダイアログ ボックスのアイコン) ボタンをクリックします。

次のようにしてパラメータを追加します。各パラメータには、既定値も必要です。

パラメータ 既定値

Buyer

1

Probability

.75

ms155812.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
[クエリ パラメータ] ダイアログ ボックスで指定したパラメータは、アット マーク (@) がない以外はクエリのパラメータと同じである必要があります。

レイアウト ビューに切り替えてレポートを作成する際に、クエリ パラメータから新しいレポート パラメータが作成されます。レポートが実行されると、レポート パラメータがユーザーに示されます。レポート パラメータを更新し、ユーザーが選択できる値の一覧の提供、既定値の指定、または他のレポート パラメータ プロパティの変更を行うことができます。

レポート パラメータの操作については、以下を参照してください。

参照

概念

レポート データセットの定義 (Analysis Services の多次元データおよびデータ マイニング予測データ)
Analysis Services の MDX クエリ デザイナの使用 (デザイン モード)
Analysis Services の MDX クエリ デザイナの使用 (クエリ モード)
Reporting Services のクエリ デザイン ツール

その他の技術情報

データ マイニングの操作

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手