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Hyper-V 仮想マシンのバックアップ

Mark Galioto|最終更新日: 2016/12/01
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適用対象: System Center 2016 - Data Protection Manager

DPM は、仮想マシンのデータをバックアップして、Hyper-V 仮想マシンを保護します。 Hyper-V ホスト レベルでデータをバックアップして VM レベルとファイル レベルのデータ回復を有効にすることも、ゲスト レベルでバックアップしてアプリケーション レベルの回復を有効にすることもできます。

サポートされるシナリオ

DPM では、次のシナリオにおいて Hyper-V ホスト サーバーで実行されている仮想マシンをバックアップできます。

  • ローカルまたは直接記憶域を持つ仮想マシン - ローカルまたは直接接続された記憶域を持つ Hyper-V ホスト スタンドアロン サーバーでホストされている仮想マシンをバックアップします。 これらの記憶域は、ハード ドライブ、ストレージ エリア ネットワーク (SAN) デバイス、またはネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイスなどを指します。 DPM 保護エージェントは、すべてのホストにインストールする必要があります。

  • CSV 記憶域を使用するクラスターの仮想マシン - クラスター共有ボリューム (CSV) ストレージを使用する Hyper-V クラスターでホストされている仮想マシンをバックアップします。 DPM 2012 SP1 では、高速完全バックアップ、並列バックアップ、および CSV バックアップのクラスター クエリの機能強化が導入されました。 DPM 保護エージェントは各クラスター ノードにインストールされます。

  • SMB 記憶域を持つ仮想マシン - Hyper-V スタンドアロン サーバーまたは SMB 3.0 ファイル サーバー記憶域を持つクラスターでホストされている仮想マシンをバックアップします。 SMB 共有は、スタンドアロン ファイル サーバーまたはファイル サーバー クラスターでサポートされます。 外付けの SMB 3.0 ファイル サーバーを使用している場合、DPM 保護エージェントをそのサーバーにインストールする必要があります。 記憶域サーバーがクラスター化されている場合、クラスター ノードごとに保護エージェントをインストールする必要があります。 SMB 共有のアプリケーション サーバーの machine$ アカウントには、完全共有レベルおよびフォルダー レベルのアクセス許可が必要です。

  • ライブ マイグレーション用に構成されている仮想マシンのバックアップ - ライブ マイグレーションでは、アクセスを中断せずに 1 つの場所から仮想マシンを移動させることができます。 2 台のスタンドアロン サーバー間、1 つのクラスター内、またはスタンドアロン ノードとクラスター ノード間で仮想マシンを移行できます。 複数のライブ マイグレーションを同時に実行することができます。 仮想マインを実行中に新しい記憶域の場所に移動できるように、仮想マシンの記憶域のライブ マイグレーションも実行できます。 DPM では、ライブ マイグレーション用に構成されている仮想マシンをバックアップできます。 詳細情報を参照してください。

  • レプリカ仮想マシンのバックアップ - セカンダリ サーバーで実行されているレプリカ仮想マシンをバックアップします (DPM 2012 R2 のみ)。

サポートされている DPM と Hyper-V バージョンの詳細については、「DPM でバックアップできる内容」を参照してください 。

ホストとゲストのバックアップ

DPM では、Hyper-V VM のホストまたはゲスト レベルのバックアップを実行することができます。 ホスト レベルでは、DPM 保護エージェントは Hyper-V ホスト サーバーまたはクラスターにインストールされ、そのホストで実行されている VM とデータ ファイル全体を保護します。 ゲスト レベルでは、エージェントは各仮想マシンにインストールされ、そのマシン上に存在するワークロードを保護します。

以下のように、いずれの方法にも長所と短所があります。

  • ホスト レベル バックアップには柔軟性があります。ゲスト マシンで実行されている OS の種類に関係なく機能し、VM ごとに DPM 保護エージェントをインストールする必要がないからです。 ホスト レベル バックアップを展開した場合、仮想マシン全体を回復することも、ファイルとフォルダーを回復 (項目レベルの回復) することもできます。

  • 仮想マシンで実行されている特定のワークロードを保護する場合は、ゲスト レベルのバックアップが便利です。 ホスト レベルでは、VM 全体や特定のファイルを回復できますが、特定のアプリケーションのコンテキストでの回復を行うことはできません。 たとえば、バックアップされた VM から特定の SharePoint 項目を回復できるようにするには、その VM のゲスト レベル バックアップを行う必要があります。 パススルー ディスクに格納されたデータを保護する場合は、ゲスト レベルのバックアップを使用する必要があることに注意してください。 パススルーでは仮想マシンが記憶装置に直接アクセスでき、VHD ファイルに仮想ボリューム データは保存されません。

オンライン バックアップとオフライン バックアップ

DPM は Hyper-V ボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) ライターとシームレスに連携し、仮想マシンのアクセスに影響を及ぼすことなく、キャプチャおよび保護されている仮想マシンのバージョンの整合性を確認します。 開いているファイルをバックアップする機能は、ビジネスの継続性にとって不可欠です。 既定では、DPM は仮想マシンの可用性に影響を与えることなくオンライン バックアップを実行します。 オンライン バックアップを実行するには、以下が次が必要です。

  • 仮想マシンで実行されているオペレーティング システムで Hyper-V 統合サービスをサポートするには、バックアップ統合サービスを有効にする必要があります。

  • ゲスト オペレーティング システムは VSS をサポートする必要があります (Windows 2003 Server 以降)。 仮想マシンで Linux を実行している場合、オンライン バックアップはサポートされません。

  • 仮想マシンにダイナミック ディスクがないものとします。

  • すべてのボリュームが NTFS である必要があります。

  • ボリュームの VSS の記憶域割り当てを変更しないでください。

  • 仮想マシンを実行する必要があり、その仮想マシンがクラスター内にある場合、クラスター リソース グループをオンラインにする必要があります。 仮想マシン内部のボリュームのシャドウ コピー記憶域の割り当てを、そのボリューム以外の別のボリュームに明示的に設定しないでください。

これらの条件を満たしていない場合、スナップショットが作成される間に、仮想マシンが一時停止し、保存された状態に置かれた場所で DPM がオフライン バックアップを実行した後、仮想マシンが再開されます。 これは、仮想マシンがバックアップ中に使用できなくなることを意味します。この使用不能な時間は、多くの環境では通常 1 分に満たない短時間です。

バックアップ処理のしくみ

DPM では、次のように VSS を使用してバックアップを実行します。 以下の説明では、わかりやすくするために、各手順に番号を付けてあります。

  1. DPM ブロックベースの同期エンジンにより、保護された仮想マシンの初期コピーが作成され、仮想マシンのコピーの完全性と整合性が確保されます。

  2. 初期のコピーが作成され検証されると、DPM は Hyper-V VSS ライターを使用してバックアップをキャプチャします。 VSS ライターにより、DPM サーバーと同期するディスク ブロックのデータの整合性があるセットが用意されます。 この方法により、ネットワークで転送が必要となるバックアップ データを最小限に抑えながら、DPM サーバーの "完全バックアップ" のメリットが得られます。

  3. Hyper-V を実行するサーバーの DPM 保護エージェントは、既存の Hyper-V API を使用して、VSS もサポートする保護された仮想マシンを判別します。

    • 仮想マシンがオンライン バックアップの要件を満たしており、Hyper-V 統合サービス コンポーネントがインストールされている場合、Hyper-V VSS ライターは、その仮想マシンのすべての VSS 対応プロセスに VSS 要求を再帰的に転送します。 この操作は、仮想マシンにインストールされている DPM 保護エージェントなしで行われます。 再帰的な VSS 要求によって、Hyper-V VSS ライターは、データを損失することなく VSS スナップショットがキャプチャされるように、ディスク書き込み操作が同期されるようにできます。

      Hyper-V 統合サービス コンポーネントは、仮想マシンのボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) にある Hyper-V VSS ライターを開始して、アプリケーション データが確実に整合性のある状態になるようにします。

    • 仮想マシンがオンライン バックアップの要件を満たしていない場合、DPM は自動的に Hyper-V API を使用して、仮想マシンを停止してからデータ ファイルをキャプチャします。

  4. 仮想マシンの初期ベースライン コピーが DPM サーバーと同期した後に、仮想マシンのリソースに行われたすべての変更が、新しい回復ポイントでキャプチャされます。 回復ポイントは、特定の時間の仮想マシンの整合性のある状態を表します。 回復ポイントのキャプチャは、少なくとも 1 日に 1 回発生する可能性があります。 新しい回復ポイントが作成されると、DPM は Hyper-V VSS ライターと連携し、ブロック レベルのレプリケーションを使用して、前回の回復ポイントが作成されてから Hyper-V を実行するサーバー上で変更されたブロックを判別します。 その後、これらのデータ ブロックは DPM サーバーに転送され、保護されたデータのレプリカに適用されます。

  5. DPM サーバーは、複数のシャドウ コピーを使用できるように、回復データをホストするボリュームで VSS を使用します。 シャドウ コピーには、それぞれ別個の回復があります。 VSS 回復ポイントは DPM サーバーに保存されます。 DPM の同期中に保存されるのは、Hyper-V を実行しているサーバーで作成された一時的なコピーのみです。

バックアップの前提条件

DPM で Hyper-V 仮想マシンをバックアップする場合、次の前提条件があります。

前提条件説明
DPM の前提条件- 仮想マシンの項目レベルの保護 (ファイル、フォルダー、ボリュームの保護) を行う場合は、DPM サーバーに Hyper-V ロールをインストールする必要があります。 項目レベルではなく、仮想マシンのみを回復する場合、ロールは必要ありません。
- 1 台の DPM サーバー上でそれぞれ 100 GB の仮想マシンを 800 台まで保護でき、より大きなクラスターをサポートする複数の DPM サーバーを使用できます。
- DPM は増分バックアップからページ ファイルを除外して、仮想マシンのバックアップのパフォーマンスを向上させます。
- DPM では、DPM サーバーと同じドメイン、子ドメイン、信頼されたドメイン内にある Hyper-V サーバーまたはクラスターをバックアップできます。 ワークグループまたは信頼されていないドメイン内にある Hyper-V をバックアップする場合は、認証を設定する必要があります。 単一の Hyper-V サーバーの場合は、NTLM または証明書の認証を使用できます。 クラスターの場合は、証明書の認証のみを使用できます。
- ホストレベルのバックアップを使用するパススルー ディスク上での仮想マシン データのバックアップはサポートされていません。 このシナリオでは、VHD ファイルのバックアップにホストレベルのバックアップを使用し、ホストに表示されていない他のデータのバックアップにゲストレベルのバックアップを使用することをお勧めします。
- スケールアウト DPM 保護を使用して Hyper-V クラスターを保護する (複数の DPM サーバーで大規模な Hyper-V クラスターを保護する) 場合、保護されている Hyper-V ワークロードに対して二次的な保護を追加することはできません。
- レプリカ仮想マシンをバックアップできるのは、DPM が System Center 2012 R2 を実行しており、Windows Server 2012 R2 で Hyper-V ホストが実行されている場合のみです。
- 重複除去されたボリュームをバックアップすることができます。
Hyper-V VM の前提条件- 仮想マシンで実行される統合コンポーネントのバージョンは、Hyper-V を実行するサーバーの Hyper-V のバージョンと同じである必要があります。
- 仮想マシンの各バックアップでは、バックアップ時に差分ディスク (AVHD) に十分な Hyper-V 領域を確保するために、バーチャル ハード ディスク ファイルをホストしているボリュームに空き領域が必要になります。 この領域は、最初のディスク サイズ * チャーン率 * バックアップという式で算出した値以上でなければなりません。 クラスターで複数のバックアップを実行する場合は、この計算を使用して仮想マシンごとに AVHD を確保するために十分な記憶域容量が必要になります。
- Windows Server 2012 R2 を実行している Hyper-V ホスト サーバーにある仮想マシンをバックアップする場合は、仮想マシンがどこにも接続されていない場合でも、SCSI コントローラーを指定する必要があります。 これは、Windows Server 2012 R2 でのオンライン バックアップでは、Hyper-V ホストが VM で新しい VHD をマウントし、後でマウントを解除するためです。 これは SCSI コントローラーでのみサポートされるため、仮想マシンのオンライン バックアップで必要になります。 これが SCSI コントローラーを必要とする理由です。 この設定がないと、仮想マシンをバックアップしようとするときにイベント ID 10103 が発行されます。
Linux の前提条件- DPM 2012 R2 を使用して、Linux 仮想マシンをバックアップすることができます。 ファイルの整合性があるスナップショットのみがサポートされます。
CSV 記憶域での VM のバックアップ- CSV 記憶域の場合、Hyper-V サーバーにボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) ハードウェア プロバイダーをインストールします。 VSS ハードウェア プロバイダーについては、記憶域ネットワーク (SAN) ベンダーにお問い合わせください。
- CSV クラスター内でノードの 1 つが予期せずにシャットダウンすると、DPM はそのノードで実行されていた仮想マシンに対して整合性チェックを実行します。
- CSV クラスターで BitLocker ドライブ暗号化が有効になっている Hyper-V サーバーを再起動する必要がある場合は、Hyper-V 仮想マシンの整合性チェックを実行する必要があります。
SMB 記憶域での VM のバックアップ- Hyper-V を実行するサーバーで自動マウントをオンにして、仮想マシンの保護を有効にします。
- TCP Chimney オフロードを無効にします。
- すべての Hyper-V machine$ アカウントに特定のリモート SMB ファイル共有に対するすべての権限が割り当てられていることを確認します。
- 別の場所に回復中のすべての仮想マシン コンポーネントの完全パスが 260 文字未満であることを確認します。 そうでない場合、回復は正常に完了するかもしれませんが、Hyper-V が仮想マシンをマウントできなくなります。
- 次のシナリオは、サポートされていません。
仮想マシンのコンポーネントをローカル ボリュームとリモート ボリュームに分散させて展開する。記憶域の配置先のファイル サーバーに IPv4 アドレスまたは IPv6 アドレスを使用する。仮想マシンを、リモート SMB 共有を使用するコンピューターに回復する。
- 各 SMB サーバーで、ファイル サーバー VSS エージェント サービスを有効にする必要があります。その場合は、[ロールと機能の追加] > [サーバーのロールの選択] > [ファイルおよび記憶域サービス] > [ファイル サービス] > [ファイル サービス > ][ファイル サーバー VSS エージェント サービス] で追加します。

仮想マシンのバックアップ

  1. DPM サーバー記憶域をセットアップします。 記憶域をセットアップする際には、次の記憶域容量のガイドラインに従ってください。

    • 仮想マシンの平均サイズ - 100 GB
    • DPM サーバー 1 台あたりの仮想マシンの数 - 800 台
    • 800 台の仮想マシンの合計サイズ - 80 TB
    • バックアップ記憶域の必要な領域 - 80 TB
  2. Hyper-V サーバーまたは Hyper-V クラスターのノードに DPM 保護エージェントをセットアップします。 ゲスト レベルのバックアップを行う場合は、ゲスト レベルでバックアップする VM にエージェントをインストールします。

  3. DPM 管理者コンソールで、[保護] > [保護グループの作成]の順にクリックし、新しい保護グループの作成ウィザードを開きます。

  4. [グループ メンバーの選択] ページで、配置先の Hyper-V ホスト サーバーから保護する VM を選択します。 同じ保護ポリシーを持つ VM はすべて 1 つの保護グループに配置することをお勧めします。 領域を効率的に使用するには、コロケーションを有効にします。 コロケーションでは、複数のデータ ソースで 1 つのレプリカと回復ポイント ボリュームが使用されるように、同じディスクまたはテープ記憶域に異なる保護グループのデータを配置することができます。

  5. [データの保護方法の選択] ページで保護グループの名前を指定します。 [ディスクを使用して短期的に保護する] を選択し、Azure Backup サービスを使用してデータを Azure にバックアップする場合は [オンライン保護を利用する] を選択します。 このオプションが利用できない場合は、ウィザードを完了してグループを作成してから、このオプションを選択するために保護グループの設定を変更します。 データを Azure に最大 3360 日格納できます。

    DPM サーバーに接続されたスタンドアロンのテープまたはテープ ライブラリがある場合は、[テープを使用して長期的な保護を行う] を選択できます。

  6. [短期的な目標値の指定] > [保有期間の範囲] で、ディスク データを保有する期間を指定します。 [同期の頻度] で、データの増分バックアップを実行する頻度を指定します。 または、増分バックアップの間隔を選択する代わりに、 [回復ポイントの直前]を有効にできます。 この設定により、有効になった DPM は、スケジュール設定された各回復ポイントの直前に高速完全バックアップを実行します。

    • アプリケーション ワークロードを保護する場合、アプリケーションで増分バックアップがサポートされていれば、回復ポイントは同期の頻度に従って作成されます。 サポートされていない場合、DPM は増分バックアップではなく、高速完全バックアップを実行し、高速完全バックアップのスケジュールに従って回復ポイントを作成します。

    • テープへの長期保存を有効にする場合は、[長期的な目標の指定] > [保有期間の範囲] で、テープ データを維持する期間 (1 ~ 99 年) を指定します。 [バックアップの頻度] で、目的のバックアップの頻度を選択します。

    • このバックアップ頻度は、指定した保有期間の範囲に基づきます。 保有期間の範囲が 1 ~ 99 年である場合、毎日、毎週、隔週、毎月、四半期に 1 回、半年に 1 回、または毎年のバックアップを選択できます。

    • 保有期間の範囲が 1 ~ 11 か月である場合、毎日、毎週、隔週、または毎月のバックアップを選択できます。 保有期間の範囲が 1 ~ 4 週間である場合、毎日または毎週のバックアップを選択できます。

    • スタンドアロンのテープ ドライブでは、1 つの保護グループについては、テープの容量が不足しない限り毎日のバックアップに同じテープが使用されます。 コロケーションを有効にした場合、データ リソースはテープに併置されます。

    • テープへの長期保存を構成した場合は、[テープとライブラリの詳細の選択] ページで、この保護グループのバックアップに使用するテープとライブラリを指定します。 バックアップ データを圧縮または暗号化するかどうかを指定することもできます。

  7. [ディスク割り当ての確認] ページで、保護グループに割り当てられる記憶域プールのディスク領域を確認します。

    [合計データ サイズ] にはバックアップするデータのサイズが表示され、[Disk space to be provisioned on DPM] (DPM でプロビジョニングされるディスク領域) には保護グループ用に DPM で推奨される領域が表示されます。 DPM では、設定に基づいて最適なバックアップ ボリュームが選択されます。 ただし、選択されたバックアップ ボリューム値は [Disk allocation details] (ディスク割り当ての詳細) で編集することができます。 ワークロードの場合は、ドロップダウン メニューで目的の記憶域を選択します。 編集を行うと、[利用可能なディスク記憶域] ウィンドウの [記憶域の合計][空き領域] の値が変更されます。 プロビジョニング不足の領域は、今後のバックアップをスムーズに続行するために、ボリュームに追加することを DPM から提案される記憶域の量です。

  8. [レプリカの作成方法の選択] ページで、保護グループにあるデータの初期レプリケーションの実行方法を指定します。 ネットワーク経由でのレプリケーションを選択する場合は、ピーク時以外の時間帯を選択することをお勧めします。 大容量のデータの場合、またはネットワークの条件が最適ではない場合は、リムーバブル メディアを使用してオフラインでデータをレプリケートすることを検討してください。

  9. [整合性チェック オプション] ページで、整合性チェックを自動化する方法を選択します。 チェックはレプリカ データに整合性がなくなった場合にのみ実行するか、スケジュールに従って実行できます。 自動整合性チェックを構成しない場合は、保護グループを右クリックし、[整合性チェックの実行] を選択することで、いつでも手動のチェックを実行できます。

    保護グループを作成したら、選択した方法に従ってデータの初期レプリケーションが実行されます。 初期レプリケーション後に、保護グループの設定に従って各バックアップが行われます。 バックアップしたデータを回復する必要がある場合は、次のことに注意してください。

ライブ マイグレーション用に構成されている仮想マシンのバックアップ

仮想マシンがライブ マイグレーションに関係する場合、DPM 保護エージェントが Hyper-V ホストにインストールされている限り、DPM は引き続き仮想マシンを保護します。 DPM での仮想マシンの保護方法は、関係するライブ マイグレーションの種類によって異なります。

クラスター内のライブ マイグレーション - 仮想マシンがクラスター内で移行される場合は、DPM が移行を検出して、ユーザーの関与を必要とせずに新しいクラスター ノードから仮想マシンをバックアップします。 記憶域の場所に変更がないため、DPM は、続いて高速完全バックアップを行います。 2 台の DPM サーバーでクラスターを保護するようにスケーリングされたシナリオでは、DPM1 によって保護される仮想マシンは、どこに移行されても、DPM1 によって引き続き保護されます。

クラスター外のライブ マイグレーション - スタンドアロン サーバー間、異なるクラスター間、またはスタンドアロン サーバーとクラスター間で仮想マシンを移行すると、DPM によってそのマイグレーションが検出されるため、ユーザーの関与なしに仮想マシンをバックアップできます。

保護を維持するための要件

ライブ マイグレーション中に保護を維持するための要件を次に示します。

  • 仮想マシンの Hyper-V ホストは、System Center 2012 SP1 以上を実行している VMM サーバー上の System Center VMM クラウドに配置する必要があります。

  • DPM 保護エージェントは、すべての Hyper-V ホストにインストールする必要があります。

  • DPM サーバーは、VMM サーバーに接続する必要があります。 VMM クラウド内のすべての Hyper-V ホスト サーバーを DPM サーバーに接続する必要もあります。 この接続により、DPM は、VMM サーバーと通信して仮想マシンが現在実行されている Hyper-V ホスト サーバーを見つけて、その Hyper-V サーバーから新しいバックアップを作成することができます。 Hyper-V サーバーへの接続が確立できない場合、バックアップは失敗し、DPM 保護エージェントにアクセスできないというメッセージが示されます。

  • すべての DPM サーバー、VMM サーバー、および Hyper-V ホスト サーバーは、同じドメインに存在する必要があります。

ライブ マイグレーションの詳細

ライブ マイグレーション中にバックアップを行う場合は、次のことに注意してください。

  • ライブ マイグレーション保護ではテープへのバックアップはサポートされません。

  • ライブ マイグレーションで記憶域を転送する場合は、DPM は仮想マシンの完全な整合性チェックを実行してから、続けて高速完全バックアップを実行します。 記憶域のライブ マイグレーションが発生すると、Hyper-V は、DPM バックアップ データのサイズが一度に急増する原因となる仮想ハード ディスク (VHD) または VHDX を再構成します。

  • 仮想マシンのホストで自動マウントをオンにして、仮想保護を有効に、TCP Chimney オフロードを無効にする必要があります。

  • DPM では、DPM VMM ヘルパー サービスをホストする場合は、既定のポートとしてポート 6070 を使用します。 レジストリを変更するには

    1. HKLM\Software\Microsoft\Microsoft Data Protection Manager\Configuration に移動します。
    2. 32 ビットの DWORD 値 DpmVmmHelperServicePort を作成し、レジストリ キーの一部として更新されたポート番号を記述します。
    3. <Install directory>\Microsoft System Center 2012\DPM\DPM\VmmHelperService\VmmHelperServiceHost.exe.config を開き、ポート番号を 6070 から新しいポート番号に変更します。 例: <add baseAddress="net.tcp://localhost:6080/VmmHelperService/" />
    4. DPM-VMM ヘルパー サービスを再起動し、DPM サービスを再起動します。

Set up protection for live migration

ライブ マイグレーションの保護をセットアップするには

  1. DPM サーバーとその記憶域をセットアップし、VMM クラウド内の Hyper-V ホスト サーバーまたはクラスター ノードごとに DPM 保護エージェントをインストールします。 クラスター内の SMB 記憶域を使用している場合は、すべてのクラスター ノードで使用できる DPM 保護エージェントをインストールします。

  2. DPM サーバーにクライアント コンポーネントとして VMM コンソールをインストールし、DPM が VMM サーバーと通信できるようにします。 コンソールのバージョンは、VMM サーバーで実行されているものと同じである必要があります。

  3. VMM 管理サーバーの読み取り専用管理者アカウントとして、DPMMachineName$ アカウントを割り当てます。

  4. Set-DPMGlobalProperty PowerShell コマンドレットを使用して、すべての DPM サーバーにすべての Hyper-V ホスト サーバーを接続します。 コマンドレットは、複数の DPM サーバー名を受け入れます。 Set-DPMGlobalProperty -dpmservername <dpmservername> -knownvmmservers <vmmservername> の形式を使用します。 詳細については、「 Set-DPMGlobalProperty」をご覧ください。

  5. VMM クラウド内の Hyper-V ホストで実行されているすべての仮想マシンが VMM で検出されたら、保護グループをセットアップして、保護する仮想マシンを追加します。 仮想マシン モビリティ シナリオにおける保護では、自動整合性チェックを保護グループ レベルで有効にする必要がある点に注意してください。

  6. 設定が構成され、仮想マシンがあるクラスターから別のクラスターに移行すると、すべてのバックアップが想定どおりに継続されます。 ライブ マイグレーションが想定どおりに有効になっていることは次のようにして確認できます。

    1. DPM-VMM ヘルパー サービスが実行されているかを確認します。 実行されていない場合は、開始します。

    2. SQL Server Management Studio を開き、DPM データベース (DPMDB) をホストするインスタンスに接続します。 DPMDB でクエリ SELECT TOP 1000 [PropertyName] ,[PropertyValue] FROM[DPMDB].[dbo].[tbl_DLS_GlobalSetting] を実行します。

      このクエリには、 KnownVMMServerと呼ばれるプロパティが含まれます。 この値は Set-DPMGlobalProperty コマンドレットで指定した値と同じである必要があります。

    3. 以下のクエリを実行して、特定の仮想マシンについて、PhysicalPathXMLVMMIdentifier パラメーターを検証します。 VMName を仮想マシンの名前で置換します。

      select cast(PhysicalPath as XML) from tbl_IM_ProtectedObject where DataSourceId in (select datasourceid from tbl_IM_DataSource where DataSourceName like '%<VMName>%')

    4. このクエリで返された XML を開き、 VMMIdentifier フィールドに値があることを検証します。

手動移行を実行する

前のセクションの手順を完了し、DPM Summary Manager ジョブが完了したら、移行が有効になります。 既定では、このジョブは深夜に開始され、毎朝実行されます。 手動移行を実行する必要がある場合は、すべてが想定どおりに動作していることを次のように確認します。

  1. SQL Server Management Studio を開き、DPM データベースをホストするインスタンスに接続します。

  2. クエリ select * from tbl_SCH_ScheduleDefinition where JobDefinitionID='9B30D213-B836-4B9E-97C2-DB03C3EB39D7' を実行します。 このクエリは、ScheduleID を返します。 この ID は次の手順で使用するので、メモしてください。

  3. SQL Server Management Studio で、[SQL Server エージェント] を展開し、[ジョブ] を展開します。 メモしておいた ScheduleID を右クリックし、[ステップでジョブを開始] を選択します。

ジョブが実行されると、バックアップのパフォーマンスが影響されることを注意してください。 ジョブが完了するまでにかかる時間は、展開のサイズと規模によって異なります。

レプリカ仮想マシンのバックアップ

Windows Server 2012 R2 以降で DPM が実行されている場合は、セカンダリ サーバー上のレプリカ仮想マシンをバックアップできます。 この方法は、次の理由で便利です。

ワークロードを実行しているバックアップへの影響の軽減 - 仮想マシンのバックアップを行うとスナップショットが作成されるため、オーバーヘッドが生じます。 セカンダリ リモート サイトにバックアップの処理をオフロードすることにより、実行中のワークロードはバックアップ操作の影響を受けなくなります。 これは、バックアップのコピーがリモート サイトに格納される展開に対してのみ適用されます。 次の例では、確実にすばやく復元するために毎日バックアップを取得してデータをローカルに保存します。ただし、毎月または毎四半期のバックアップはレプリカ仮想マシンから取得して長期的に保有するためリモートに保存します。

帯域幅の節約 - 一般的なリモート支社/本社の展開では、バックアップ データをサイト間で転送するため、プロビジョニングされた適切な帯域幅が必要です。 データ バックアップ方針に加えて、レプリケーションおよびフェールオーバーの方針も定義する場合は、ネットワーク経由で送信される冗長なデータ量を軽減することができます。 プライマリではなく、レプリカ仮想マシンのデータをバックアップすることで、ネットワーク経由でバックアップ データを送信する場合に生じるオーバーヘッドを軽減します。

ホスト側バックアップの有効化 - セカンダリ データセンターを必要とすることなく、ホストされたデータセンターをレプリカ サイトとして使用することができます。 このケースでは、ホスト SLA にレプリカ仮想マシンの整合性のあるバックアップが必要です。

レプリカ仮想マシンはフェールオーバーが開始されるまではオフであり、VSS はレプリカ仮想マシンのアプリケーション整合バックアップを保証できません。 そのため、レプリカ仮想マシンのバックアップはクラッシュ整合のみです。 クラッシュ整合が保証できない場合、バックアップは失敗します。これは、次のさまざまな条件で発生する可能性があります。

  • レプリカ仮想マシンが正常ではなく、重大な状態である。

  • レプリカ仮想マシンが再同期中 (再同期が進行中、または再同期が必要な状態) である。

  • プライマリおよびセカンダリのサイト間の初回レプリケーションが仮想マシンに対して進行中または保留中。

  • .hrl ログをレプリカ仮想マシンに適用中。または仮想ディスクの .hrl ログを適用する前のアクションが失敗、キャンセルまたは中断された。

  • レプリカ仮想マシンの移行またはフェールオーバーが進行中である。

バックアップされた仮想マシンの回復

バックアップされた仮想マシンを回復できる場合は、回復ウィザードを使用して、該当する仮想マシンと特定の回復ポイントを選択します。 回復ウィザードを開き、仮想マシンを回復するには

  1. DPM 管理者コンソールで、VM の名前を入力するか、または保護された項目の一覧を展開し回復する VM を選択します。

  2. [Recovery points for] (回復ポイント) ウィンドウのカレンダーで任意の日付をクリックして使用可能な回復ポイントを確認します。 [パス] ウィンドウで、回復ウィザードで使用する回復ポイントを選択します。

  3. [操作] メニューの [回復] をクリックして、回復ウィザードを開きます。

    選択した VM と回復ポイントが [回復の選択の確認] 画面に表示されます。 [次へ]をクリックします。

  4. [回復の種類の選択] 画面で、データの復元先を選択し、[次へ] をクリックします。

    • 元のインスタンスに回復する: 元のインスタンスに回復すると、元の VHD は削除されます。 DPM は、Hyper-V VSS ライターを使用して、元の場所に VHD およびその他の構成ファイルを回復します。 回復処理が終了した後も、仮想マシンでは高可用性が保証されます。 回復にはリソース グループが存在する必要があります。 使用できない場合は、別の場所に回復してから、仮想マシンの高可用性を保証します。

    • 仮想マシンとして別の場所に回復: DPM では別の場所への回復 (ALR) がサポートされています。この機能を使用すると、プロセッサのアーキテクチャに関係なく、保護された Hyper-V 仮想マシンを別の Hyper-V ホストにシームレスに回復できます。 クラスター ノードに回復される Hyper-V 仮想マシンでは、高可用性が保証されません。 このオプションを選択すると、保存先と保存先パスを識別するための追加の画面が表示されます。

    • ネットワーク フォルダーへのコピー: DPM では、項目レベルの回復 (ILR) がサポートされています。これを使用すると、Hyper-V 仮想マシンのホスト レベルのバックアップから DPM 保護サーバー上のネットワーク共有またはボリュームに、ファイル、フォルダー、ボリューム、仮想ハード ディスク (VHD) の項目レベルでの回復を行うことができます。 項目レベルの回復を実行するのに、ゲストに DPM 保護エージェントがインストールされている必要はありません。 このオプションを選択すると、保存先と保存先パスを識別するための追加の画面が表示されます。

  5. [回復オプションの指定] で、回復オプションを構成し、[次へ] をクリックします。

    • 低帯域幅で VM を回復する場合は、[変更] をクリックして [ネットワークの使用帯域幅の調整] を有効にします。 調整オプションをオンにしたら、使用できるようにする帯域幅と、その帯域幅が使用できる時間を指定することができます。
    • ネットワークを構成済みである場合は、[ハードウェア スナップショットを使用した SAN ベースの回復を有効にする] を選択します。
    • 回復プロセスが完了した時点で電子メール通知が送信されるようにするには、[この回復が完了したら電子メールを送信する] を選択し、電子メール アドレスを指定します。
  6. 概要画面で、すべての詳細情報が正しいことを確認します。 詳細情報が正しくない場合、または変更が必要な場合は、[戻る] をクリックします。 設定内容に問題がなければ、[回復] をクリックして回復処理を開始します。

  7. [回復状態] 画面に回復ジョブに関する情報が表示されます。

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