Microsoft® Systems Management Server のバックアップと復旧の FAQ最終更新日: 2002 年 4 月 10 日 |
トピック
復旧 |
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SMS の復旧エキスパート |
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サポートされるシナリオ |
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バックアップ |
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セカンダリ サイト |
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将来 |
復旧
SMS サイト復旧とは何か
Systems Management Server の復旧は、SMS サイト階層で以前に使用されたサイト コードまたはサイト サーバー名を使って、SMS サイトをインストールする場合にはいつも行います。データの修復と再同期がサイト復旧の中心となる作業であり、この作業中に運用の中断やデータの破損が発生することを防ぐ必要があります。最も重要な作業は、サイトを再インストールする際に、常にシリアル番号を再同期させることです。
SMS サイトを再インストールするだけなら、復旧処理まで実行する必要はありますか。
はい、実行する必要があります。階層内の他の SMS サイトでは、再インストールしたサイトは以前の状態と同じであることを期待されています。したがって、再インストールを行ったサイトを修復し、階層内の他の部分と再同期させることは、再インストール処理の最も重要な部分となります。つまり、修復と再同期はサイト復旧の中心作業となります。再インストールは階層内の運用問題を防ぐための復旧処理であるとして処理する必要があります。
- 注
これらの復旧要件の理解が不足していることが、サイト復旧が正常に処理されない最も一般的な原因です。
障害を起こしたサイトから子サイトを切り離すと、子サイトの損傷や破損を防げますか。
いいえ、防げません。
- 切り離したとしても、既に起きた損害を帳消しにしたり、損害から守ってくれることはありません。
- 切り離したとしても、復旧中の処理誤りや、階層内の障害サイトより下位にあるサイトに子サイトを再接続してしまうことから守ってくれることはありません。
子サイトを守るには、親サイトとその上位サイトで、サイト復旧に失敗する恐れがないかどうかを常にチェックしてから、子サイトを新しい親サイトに接続します。チェックすることで、接続サイトと、その子サイトのすべてでソフトウェア配布オブジェクトの破損を避けることができます。
- 注
正しく復旧されなかったサイトに接続することは、階層全体にわたってソフトウェア配布データが破損してしまう最大の原因です。
SMS サイトを復旧するには、どの程度のスキルが必要ですか。
SMS の保守と復旧手順を正常終了させるには、ローカル コンピュータとリモート コンピュータで、管理者が細かい手作業を快適に実施できる必要があります。このような作業には、オペレーティング システム、SMS および SQL Server 用のリソース キット ツールを使うことがあります。管理者が運用中のサイトで重要データを直接に操作しているケースが多くなっています。
この作業には次のようなものがあります:
- オペレーティング システムの構成、ファイル システム作業およびレジストリ編集。
- アカウント、サービス、共有、信頼、権限、権利、組織単位、ドメイン、フォレスト、およびポリシー テンプレートといったオペレーティング システムのセキュリティの構成。
- SQL Server の構成、データベースの復元、およびクエリのある SQL Server テーブルの更新。
- 警告
復旧手順の正常終了に失敗すると、サイト操作の失敗、サイト データの破損、または複数サイトでのデータの破損を引き起こす可能性があります。 SMS 管理者のスキル レベルが十分ではない疑いがある場合には、より経験を積んだ管理者が保守と復旧手順を監督することをお勧めします。経験十分な管理者がいない場合には、管理者は Microsoft Product Support Services を呼び出して、 1 人で操作できるようになるまで、手順に関するガイドを受けることをお勧めします。
- 警告
復旧処理の構成要素とは。
復旧処理のフェーズ:
- 最大稼働時間の計画
- 復旧手順の導入
- データのバックアップ
- 障害
- サーバーの再作成
- データの復元 (オプション)
- 修復/再同期
- 復旧の成功を確認
- 障害原因の理解
- 手順 1 に戻る
SMS 復旧エキスパートと SMS 復旧ウィザードの違いは何か。
- SMS 復旧エキスパートは、障害を起こした SMS サイトを特定のシナリオと構成に基づいて回復するのに必要なタスクの要素を含んだ一覧を生成します。この一覧は、準備、再作成、復元および修復のフェーズに分解されます。復旧エキスパートは常に実行する必要があります。管理者は復旧ウィザードが利用可能になると実行できます。つまり、復旧エキスパートが生成するタスクの一覧は復旧ウィザードをいつ実行すべきかを示します。
- SMS 復旧ウィザードは、回復の完了に必要な修復タスクと再同期タスクを一部自動化します。このウィザードは手作業では実行できないものも修復します。SMS 復旧ウィザードは、復旧エキスパートと合わせて実行する必要があります。復旧ウィザードの実行はオプションで、復旧エキスパートの実行後に実行する必要があります。
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SMS の復旧エキスパート
回復タスクはなぜ、SMS 復旧エキスパートにだけあるのか。
エキスパート フォーマットを使ったのは、全種類の復旧シナリオを 1 つのドキュメントで説明するのはあまりにも膨大だったからです。しかしながら、発生する可能性がある、すべての復旧タスクを読みたい場合は、「可能なすべての SMS 復旧タスクを参照」とラベルの付いた、SMS 復旧エキスパートのスブラッシュ画面上のリンクを使えば、すべてのタスクを印刷できます。
復旧の内容は、復旧計画ドキュメントと、復旧エキスパートに分かれていて、両者は定期的に更新されています。
SMS 復旧エキスパートが対象としているお客様は誰ですか。
復旧情報は、SMS 管理者、Microsoft Consulting Services、ソリューション プロバイダ、Product Support Services、および SMS 2.0 の深い技術的知識を有する人と、その知識が必要とされる環境で使用されることを意図しています。このような人はバックアップ ポリシー、セキュリティ ポリシー、および顧客環境の運用要件に精通している必要があります。これらの人は、復旧に関する特殊な知識と経験も有しているので、できるだけ活用していくことをお勧めします。
復旧情報を Web 上でしか入手できないのはなぜですか。
復旧情報は頻繁に更新されるため、Web 上だけで入手可能としています。SMS 2.0 は柔軟性が高いので、お客様は問題解決のための新しい、驚かされるような方法を見つけておられます。したがって、障害復旧に適用できる新しい状況というものが常に存在し、Web は最新の復旧情報を利用可能にしてくれます。サイトを頻繁に訪れて頂いて、更新がないかどうかチェックしてください。
お客様の障害が起きた SMS サイトが、Microsoft.com の Web サイト上の復旧ページにアクセスできないセキュリティで保護されたネットワーク上にある場合は、お客様はどうすればいいですか。
- Web ページから、復旧ツールとドキュメントを取り外し可能な媒体にダウンロードし、復旧作業を印刷してから、この媒体をセキュリティで保護されたネットワークに移します。
- PSS に問い合わせます。
幣社では、このシナリオを処理するより良いオプションを検討中です。
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サポートされるシナリオ
Windows 2000 では、SMS バックアップと復旧のサポートを行っていますか。
汎用的な SMS 製品が Windows 2000 機能をサポートしている範囲内でのバックアップと復旧のサポートはあります。このサポート レベルの詳細については、お客様がお使いの SMS に付属のリリース ノートを参照願います。
SMS は、オペレーティングシステムのバックアップツールとサードパーティ製のバックアップツールをサポートしていますか。
はい、サードパーティ製のバックアップ ツールが、SMS のバックアップ コントロール ファイルで一覧表にしているものと同じ順序で同じ順序を踏んで実行している場合なら、このサポートは利用できます。
サイトのバックアップでは、アクセス中の全プロセスがデータを停止している状態で、全データのスナップショットを取っていることが重要です。もしも、このようなプロセスを停止していなければ、部分的に終了した作業がバックアップの中に残ります。例えば レジストリ、ファイル、およびデータベース中のデータはお互いに同期が取れず、サイト復旧後に問題を引き起こします。したがって、サポートしているサイトのバックアップは、データにアクセスしている全プロセスが停止した時点での全データのスナップショットとして作成されたものだけです。
SMS は、SMS クライアントのバックアップと復元をサポートしていますか。
残念ながら、バックアップと復旧は SMS クライアントからは利用できません。現在、SMS はクライアント プロセスの停止と再開をサポートしていません。プロセスがアクティブな間にクライアントのデータをバックアップすることは、ディスク上のデータとバックアップ中のデータを破損する危険があります。幣社では将来のリリースで、これをサポートすることを考えています。
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バックアップ
SMS サイトのデータベースだけをバックアップできますか。
できません。SMS データは複数箇所に格納されていて、SMS サイトが正常に動作するためには、次に示す場所から SMS データを復元する必要があります。
- サイト用の SQL Server データベース
- サイト ディレクトリからのサイト サーバー ファイル (共有 SMS_<サイト コード> から)
- SMS と NAL のレジストリ キー
- Windows NT と SQL Server を動作させているコンピュータの構成情報
SMS サイトを実行中にバックアップを実行できますか。 できません。サイト バックアップにおける、相互関係の保全性問題を避けるため、バックアップ実行前にサイト サービスを停止します (SMS サイト サーバーのバックアップ タスクは、これを自動的に行います)。この後、バックアップを実行します。
- 注
サイトをバックアップする時には、常に SMS サイト サービスを停止して、サイトの 4 つのコンポーネントすべてをスナップショットとしてバックアップし、スナップショットとして復元できるようにします。この手順に従わないことが、バックアップを破損する最も一般的な原因です。そして、この破損したバックアップを復元しようとすることが、サイト復旧がうまくいかない一般的な原因の 2 番目にあげられます。
SMS サイトサーバーのバックアップタスクを使用する必要がありますか。
ありません。しかしながら、有効なバックアップを作るには、SMS バックアップ コントロール ファイルに記述されているのと同一のタスクを同じ順序で実行する必要があります。最も単純で、最も信頼性が高いのは、SMS サイトサーバーのバックアップ タスクを実行し、別のバックアップ アプリケーションを使用してバックアップをテープに保存することです。
CAP あるいはログオンポイントをバックアップしていない状態で、障害を起こしてしまったらどうなりますか。
このような場合に復旧を行う最も単純な方法は、クライアント アクセス ポイント (CAP) とログオン ポイントを削除し、サイト サーバーに格納してあるデータを使ってサイトの再構築を行う方法です。これにより、サイト サーバーの復旧後にサイトの同期を行えることが保証されます。しかしながら、CAP に多数のファイルがあると、多数の CAP があって、ネットワークも遅いことから、すべてを再構築するには多少時間がかかります。
サイト階層全体を同時にバックアップする必要はありますか。
サイト階層全体を同時にバックアップしても利点はありません。各サイトは、他のサイトとは独立して、バックアップ、復元を行なえます。
有効なバックアップのないサイトを復元できますか。
はい、できます。しかし、データの損失は多く、通常の運用を再開するには長い時間が必要となります。
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セカンダリ サイト
SMS サイトサーバーのバックアップタスクはセカンダリサイトをサポートしていますか。
いいえ、サポートしていません。しかし、将来のリリースでは検討中です。
セカンダリサイトもバックアップする必要がありますか。
これはセカンダリ サイトごとに評価する必要があり、次の点に依存しています。
- サイト サーバーがある場所でバックアップ サポートが受けられるかどうか。
- そのサイトのミッション クリティカル度に依存する。
- コストのトレードオフ。
たとえば、ほぼ正反対のシナリオを 2 つあげてみます。
- バックアップする価値のある場合: ミッション クリティカルなサイトで、パートタイムのサーバー管理者を含めて、ローカル ユーザーが 100 名います。サイトには、ローカル ネットワーク上にテープ バックアップ装置があります。
- バックアップする価値のない場合: 正規のスタッフが 4 名しかいないクリティカルでない、リモート オフィス。サイトにはローカルなテープ バックアップ装置がありません。
バックアップは定期的なオーバーヘッド コストであり、信頼できるハードウェアと安全なサーバー設置場所があれば、障害は滅多におきません。机上管理コストの削減と、無理のない稼働時間の維持がトータルな目標です。
CAP、ログオン ポイント、または配布ポイントが 1 箇所以上あれば、サイト サーバーがダウン状態になっても、クライアントはソフトウェアのインストールを続けて、サイト階層の上位にインベントリの状況を受け渡せます。追加サーバー上に 2 つ目の CAP、ログオン ポイント、および配布ポイントを設置すると、サイト サーバーで定期的にバックアップを実行するよりも、サイトのクライアントへのサポートは改善され、より費用対効果があがるものになります。
セカンダリ サイトの復旧には基本的に 2 つの手順が存在します。
- バックアップありの場合:
- レジストリ キーとファイルのバックアップ。
- バックアップをテープにコピーして、テープを保存します。
- 障害発生後、バックアップを復元してサイトの再同期を取ります。
- バックアップなしの場合:
- 障害発生後、サイトの再同期を取り、修復します。
- パッケージと提供情報をセカンダリ サイトに再送信します。
SMS 復旧エキスパートはセカンダリサイトをサポートしますか。
はい、サポートします。
SMS 復旧ウィザードの最初のバージョンはセカンダリサイトをサポートしますか。
いいえ、サポートしません。しかし、将来のリリースではサポートを検討します。
セカンダリサイトでのバックアップと復旧のキーポイント:
- セカンダリ サイトではバックアップと復元を行なえます。
- セカンダリ サイトは、障害を起こしたサイトと同じコードを使えば、バックアップがなくても復旧できますが、バックアップを使って復旧するよりも多くのデータが失われます。
- サイト復旧後にデータの損失を取り戻す方法があります。
- サイト障害によるデータの損失は多少ありますが、データのバックアップが頻繁であればあるほど、少なくはなります。リソースをバックアップに費やすことと、サイト障害後の部分的なデータ損失への対処に資源を費やすこととの、コスト便益と損益分岐点の決定は、サイト管理者が行います。これはすべての SMS サイト システムに適用します。
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将来
SMS 復旧ウィザードはいつごろ利用可能になりますか。
SMS 2.0 SP2 と同時期を考えています。
復旧ツールのローカライズは行われますか。
最初は行いません。弊社では、ツールの 2 回目のリリースをローカライズする予定です。
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