Windows Vista 展開の機能強化

展開機能と展開ツールが強化されたことで Windows Vista の展開と管理が容易になる

公開日: 2005年7月27日

Jerry Honeycutt

概要
デスクトップ展開では、展開のコストと新しいオペレーティング システムによるビジネス上のメリットとの間でトレードオフが行われます。この資料では、Windows Vista (以前のコードネーム Microsoft Windows "Longhorn") の新しい展開機能と展開ツールについて説明します。また、これらの機能とツールによって、組織での展開が容易になり、展開コストが削減されることについても説明します。

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トピック

はじめにはじめに

Windows Vista のデザインの強化点Windows Vista のデザインの強化点

ツールとテクノロジツールとテクノロジ

展開のベスト プラクティス展開のベスト プラクティス

まとめまとめ

詳細情報詳細情報

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はじめに

新しいオペレーティング システムを展開する場合、2 つの点のバランスをとることになります。1 つは、新しいオペレーティング システムを展開するメリットです。もう 1 つは、新しいオペレーティング システムの展開にかかるコストです。これら 2 つを比較検討するときに、次のような展開の複雑さが、新しいオペレーティング システムのメリットをすぐに把握することを困難にしています。

  • 新しいオペレーティング システムの展開に必要な時間、コスト、および作業
  • アプリケーションと新しいオペレーティング システムとの互換性に関する問題
  • コストがかさむ、あいまいで問題が発生しやすい展開プロセス
  • デスクトップ オペレーティング システムの展開に関するベスト プラクティスの欠如
  • 総合的な展開ツール セットの欠如

Windows Vista では、新しいオペレーティング システムの展開に対する信頼を高め、コストを削減する機能を活用することにより、上記のような状況に変化をもたらします。Windows Vista は、小企業から何千台ものコンピュータが存在する大企業まで、容易に展開、管理、およびサポートできます。Windows Vista では、新しいイメージ テクノロジと、それを活用するツールを導入することで、大幅にコストを削減し、展開と移行に必要な時間を短縮します。アプリケーションの互換性と移行という、展開における一番の障害を緩和するために、Windows Vista には、新しいプラットフォームにユーザーを移行するときに役立つ、デザインが拡張され、機能が強化されたツールが含まれています。

この資料では、Windows Vista で使用できるこれらの機能と、その他の新しい展開機能について説明します。また、特に展開に対処するための、Windows Vista のデザインの変更点について説明します。その後、Windows Vista で機能が強化された展開ツールについて説明します。最後に、Windows Vista でサポートされる展開シナリオについて説明します。

Windows Vista のデザインの強化点

一般に、展開が複雑になり、コストが高くなる原因は、管理するイメージの数です。通常、新しいハードウェア、言語パック、更新、およびドライバを追加するには、新しいディスク イメージを作成する必要があります。重要な修正プログラムが公開されたときに、複数のイメージを更新してこれらを 1 つ 1 つテストする作業は、コストがかかり、時間も消費されます。このため、Windows Vista での Microsoft の主な目標は、管理するイメージの数を大幅に減らし、それらのイメージの管理を容易にすることでした。この目標を実現するために、Windows Vista をモジュール化して、カスタマイズと展開を容易にしました。また、Windows Imaging Format (WIM) と呼ばれるファイル ベースのディスク イメージ形式に基づいて Windows Vista のインストールを行うようにしたり、コア オペレーティング システムのその他の展開機能を大幅に強化しました。次のセクションでは、これらの強化点について詳しく説明します。

モジュール化
Windows Vista は、モジュール設計という確固とした原則に基づいて構築された最初の Microsoft Windows オペレーティング システムです。モジュール化とは、単に、イメージ内からインストールするオプション機能をユーザーが選択できることを意味しているわけではありません。モジュール化により、Windows Vista をカスタマイズする機能も選択できるようになるので、次のようなメリットがもたらされます。

  • デバイス ドライバ、Service Pack、更新、言語などを容易に Windows Vista に追加できます。
  • Windows Vista の特定のオプション コンポーネントを要件に合わせて容易にカスタマイズできます。
  • Microsoft では、オペレーティング システム全体に手を加えることなく、コンポーネントごとに変更を行うことができます。
  • 新しいオペレーティング システムの展開中に行うテストを削減できます。

また、Windows Vista は言語に依存しません。英語を含めて、言語はオプション コンポーネントなので、オペレーティング システム本体と切り離して追加できます。その結果、言語ごとに別のイメージを用意する必要がなくなるので、グローバルな組織では管理するイメージの数が減少し、何億円という費用を節約できます。

Windows Imaging Format
Windows Vista は、ハードウェアに依存しない、新しいイメージ ファイル形式の WIM で配布されます。これは、企業内のさまざまなハードウェア構成に 1 つのイメージで対処できることを意味します。この形式には、次のようなメリットがあります。

  • 複数のイメージを 1 つのファイルに格納できます。
  • Microsoft からは、全世界で使用できる 1 つのバイナリ (32 ビットと 64 ビット アーキテクチャ用に 1 つずつ) を提供できます。
  • この形式では、圧縮ファイル形式と単一インスタンスのストレージ技法を使用することにより、ファイル サイズを大幅に減らします。このストレージ技法では、イメージ ファイルに含まれるファイルの物理コピーが、イメージ ファイルの各ファイル インスタンスにつき 1 つになるようにします。これにより、複数のイメージを含むイメージ ファイルのサイズが大幅に減少します。
  • 基本的に新しいイメージを作成することなく、オプション コンポーネント、更新、ドライバの追加と削除など、イメージの変更をオフラインで行うことができます。
  • イメージをフォルダとしてマウントできます。これにより、Windows エクスプローラと同様の一般的なインターフェイスを使用して、イメージ内のファイルを容易に更新できるようになります。

これらのメリットにより、管理するイメージの数が劇的に減少します。

その他の強化点
次の一覧では、展開に関する Windows Vista のその他の強化点について説明します。

  • XMLベースの応答ファイル
    新しい Windows Vista のセットアップでは、リモート インストールと無人インストールの実行に、1 つのXML ベースの無人セットアップ応答ファイルを使用できます。この目的は、現在のように複数のファイル (unattend.txt、winbom.ini、sysprep.inf) を使用しないで、展開プロセス全体を 1 つの無人セットアップ応答ファイル形式で行うことです。XML を使用することで、デスクトップの設計と展開プロセスの多くの部分を自動化できます。コンポーネントの設定が一貫性のある方法で公開されるため、セットアップ マネージャなどのツールで、完全な無人セットアップ応答ファイルを作成、操作、および検証できます。これにより、高速で、管理が容易で、エラーが少ないインストールを実現できます。
  • スクリプトベースのインストール
    Windows Vista では、コマンド ラインとスクリプトの使用に関するサポートが拡張されるため、リモート展開、自動展開、繰り返し展開が可能になります。たとえば、Ximage、移行、およびセットアップ マネージャは完全にスクリプト化できます。
  • インストールのパフォーマンスと信頼性
    Windows Vista は、以前のバージョンの Windows のよりもインストールが高速になるようにデザインされています。Windows Vista にアップグレードする場合、新しいイメージ ベースのオペレーティング システム セットアップを使用します。これにより、ユーザーが使い慣れたアップグレード操作を提供すると同時に、容易さと信頼性を向上させることができます。Windows Vista へのアップグレードは、原則的にはクリーン インストールです。インストールを完了してから、アップグレード前の Windows のユーザー設定、ドキュメント、アプリケーションなどを移行します。
  • ファイルとレジストリのリダイレクト
    多くの組織は、デスクトップ環境を完全に管理された状態で移行することを望むでしょう。この目的を実現するには、ロックダウンされた (Windows Vista のユーザー アカウント保護など) 環境を用意することが非常に重要です。ただし、古いアプリケーションの多くは、レジストリや Windows ディレクトリなどの制限された領域に書き込みを行うため、この保護されたユーザー モードに違反します。Windows Vista では、書き込みを仮想ストアにリダイレクトし、アプリケーションが依然として完全な管理者特権に基づいて実行されているように "見せかける" ことにより、これらのアプリケーションを保護されたユーザー環境で実行できるようにします。この機能により、アプリケーションの互換性と、デスクトップ環境の優れた管理の実現という点において、大きなメリットが提供されます。

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ツールとテクノロジ

Windows Vista には、中核となる機能強化に加えて、展開を容易にし、コストを削減する新しい展開ツールとテクノロジが用意されています。実際には、これらの新しいツールの動作を可能にしているのは、Windows Vista の中核となる機能強化です。これらの強化されたツールは、展開のすべての段階で使用できます。計画段階では、データとユーザー状態の一覧の作成、テスト、および移行に役立つ強化されたツールが提供されます。設計段階では、ディスク イメージの開発とカスタマイズを、過去のような試行錯誤的な方法ではなく、科学的に行うためのツールが提供されます。最後に実装段階では、リモート インストールやインプレース アップグレードなど、さまざまな展開シナリオが柔軟にサポートされます。次のセクションでは、これらの展開の各段階に Windows Vista が与える影響についてさらに詳しく説明します。

計画
組織が新しいデスクトップ オペレーティング システムを展開するときに直面する最も大きな課題の 1 つは、変更を加えることなくインストール済みのアプリケーションを移行することです。アプリケーションの移行と互換性に関する問題により、新しい環境へのアップグレードが大幅に遅れたり、場合によっては続行不可能になることがあります。これでは、新しいオペレーティング システムからメリットを得ることができません。Windows Vista には、機能が強化された Microsoft アプリケーション互換性ツールキットと Microsoft Windows ユーザー状態移行ツール (USMT) が含まれており、計画プロセスに優れたサポートが提供されます。

アプリケーション互換性ツールキット
デスクトップの移行では、注意深く計画を行い、環境内のすべてのアプリケーションの一覧を作成し、それらのアプリケーションのテストを徹底的に行って、新しいプラットフォームと互換性があることを確認する必要があります。Windows Vista には、機能が強化されたアプリケーション互換性ツールキットが含まれています。このツールキットの内容を次に示します。

  • 独立系ソフトウェアベンダ(ISV)向けのアプリケーションプログラミング インターフェイス(API)
    ソフトウェア開発キット (SDK) によって、ISV や Microsoft 以外のアプリケーション向けに、拡張性と API のセットを提供します。この SDK には、互換性に関する最新データの取得に使用できる Web サービスも含まれています。
  • ソフトウェアインベントリ アナライザ
    企業全体のユーザーのデスクトップにインストールされているすべてのアプリケーションの一覧を取得します。また、そのデータを中央の場所に格納し、互換性データベースに照らして互換性の分析を行います。
  • フィルタ分析レポート
    アプリケーションの互換性の問題と問題点の緩和に関する情報を提供します。この情報は、ユーザーの入力で強化されます。
  • 互換性の調整
    分析に基づいたカスタム互換性データベースと、修正プログラムをテストして正常であることを確認する機能を提供します。

ユーザー状態移行ツール
Windows Vista は、設定とデータを以前のバージョンの Windows から正常に移行することに重点を置いています。たとえば、環境を希望どおり正確に構成したユーザーは、新しい環境に移行するときに生産性をほとんど損ないません。これは、Windows Vista がユーザーのデータと設定をシームレスに移行するようにデザインされているためです。Windows Vista では、ファイルと設定の転送ウィザードと USMT を組み合わせて強化し、一元管理されるアップグレード移行フレームワークを提供します。共通のフレームワークを提供することで、移行とアップグレードのシナリオをデザインするためのコストが削減され、移行とアップグレードの信頼性が向上します。機能が強化された USMT で提供される機能は、次のとおりです。

  • ユーザー状態データを特定するための優れたヒューリスティックを含みます。
  • ユーザー状態データ (ドキュメントと設定) を移行します。
  • ユーザー状態データをサーバーに保存し、インストール後にデスクトップに復元します。
  • ユーザー状態データとアプリケーションをインプレースでアップグレードします。
  • 優れたスクリプトと XML テクノロジを使用することで、これまでよりも多くの展開プロセスを自動化します。

設計
Windows Vista のデザインの強化により、機能が強化された設計ツールを使用できます。たとえば、Windows Vista では WIM イメージ形式がサポートされるため、XImage ディスク イメージ ツールを使用できます。Windows Vista のモジュール化により、Windows セットアップ マネージャの強化を実現できます。次のセクションでは、これらの新しいツールについて説明します。

XImage
ほとんどの情報技術 (IT) プロフェッショナルは、デスクトップ展開からすぐにディスク イメージを連想します。イメージ ベースの展開を行った経験のある IT プロフェッショナルならば、誰でもその課題を知っています。もちろん、最大の課題は、膨大なイメージを長期にわたって管理する必要があることです。その他にも、ディスク イメージの構築と展開に必要なツールと手法の複雑さなども課題です。

Windows Vista では、ディスク イメージ操作を強化する新機能を追加します。これらの機能には、次のようなものがあります。

  • オフラインイメージの編集
    配布用の新しいイメージを作成することなく、オフライン イメージを更新および編集できます。
  • デスクトップイメージの作成
    配布用またはバックアップ用に、既存のコンピュータのイメージを作成できます。そのイメージを配布用の共有に保存し、ユーザーがそこからゴールド イメージをインストールできるようにしたり、イメージをデスクトップに配布したりできます。
  • イメージ作成時のスクリプトのサポート
    スクリプト ツールを使用して、イメージを作成および編集できます。
  • ハードウェア抽象化レイヤ(HAL)への非依存性
    Windows Vista の製品版は、HAL に依存しません。

WIM ディスク イメージの操作に使用する Windows Vista ツールが XImage です。XImage を使用して、WIM イメージ ファイルを作成および管理します。また、複数のイメージを 1 つのイメージ ファイルに格納できます。WIM イメージ ファイルをフォルダとしてマウントできるため、イメージをオフラインで編集できるようになります。XImage は、Microsoft Windows プレインストール環境 (Windows PE) だけでなくコマンド プロンプトからも実行できる、使いやすいコマンド ライン ユーティリティです。

Windowsセットアップマネージャ
Windows セットアップ マネージャは、Windows Vista のインストールをカスタマイズおよび自動化するためのツールです。Windows Vista では、Windows セットアップ マネージャが大幅に強化されています。これにより、Windows Vista を展開用に容易にカスタマイズできるようになります。これらの強化点には、次のようなものがあります。

  • Windows セットアップ マネージャをコマンド ラインからスクリプト化します。
  • 無人ファイルを使用して、言語、Service Pack、更新、デバイス ドライバなど、既存のイメージのオプション コンポーネントを追加、変更、または削除します。
  • インストールの自動化に使用する XML ベースの無人構成ファイルを作成および編集します。

Windows セットアップ マネージャが強化されたことで、以前のバージョンの Windows よりもデスクトップ イメージの設計が容易かつ高速になります。Windows セットアップ マネージャでは、デバイス ドライバとコンポーネントの追加をより柔軟に行うことができます。また、XML ベースになった無人セットアップ応答ファイルを使用することにより、Windows Vista のインストールを容易に自動化できます。

実装
Windows Vista の新しい展開機能を使用してディスク イメージを構築した後、リムーバブル メディアを使用するか、デスクトップからネットワーク ブートを使用して、そのディスク イメージを展開します。新しい Windows Vista のイメージ ベースのセットアップでは、以前のバージョンの Windows よりも速度と信頼性が向上しています。Windows Vista には、インストール時にユーザーのデータと設定を移行するためのツールが用意されています。次の一覧では、Windows Vista で提供される展開ツールと展開機能について説明します。

  • 複数のブート オプション。ネットワーク、CD、DVD、ハード ディスク、または RAM ディスクからブートを実行できます。ネットワーク ブートは PXE (Pre-Boot eXecution Environment) ブートを使用して実行します。
  • セキュリティが保護されたリモート展開。新しいデスクトップをリモートにインストールできます。
  • Windows Deployment Services (WDS)。WDS は、Microsoft リモート インストール サービス (RIS) の次期バージョンです。WDS では、イメージの格納、管理、および展開を行います。このサービスでは、PXE ブート プロセスを使用して、ベアメタル インストールを含めて、オペレーティング システムのインストールを実行します。
  • インプレース アップグレード。ユーザーの配置済みのコンピュータをアップグレードし、データ、アプリケーション、および設定を移行できます。この操作は、既存のデータをローカルに格納するか、ネットワーク共有にリモートで格納しておき、オペレーティング システムのクリーン インストールを実行することによって行います。
  • インストール中の重要な更新の追加。イメージ ベースのセットアップを使用することにより、インストール時に重要な更新を標準イメージに追加できます。

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展開のベスト プラクティス

最適なテクノロジとツールを使用しただけでは、優れた展開結果は保証されません。反復可能でスケーラブルな展開ソリューションを標準化および作成するには、ベスト プラクティスとガイダンスも検討する必要があります。Microsoft では、強化された Business Desktop Deployment Solution Accelerator (BDD) を Windows Vista と共に提供し、新しいテクノロジとツールを活用します。

Windows Vista の展開テクノロジを BDD のベスト プラクティスで補完することにより、ユーザーは高い信頼性に基づいて新しいデスクトップを展開できます。BDD の詳細については、デスクトップ展開センター を参照してください。

新しいコンピュータのインストール
  1. デスクトップ設計ツールを使用して、必要なドライバとオプション コンポーネントが含まれるように Windows Vista イメージを変更します。
  2. このイメージをテスト コンピュータにインストールし、ビジネスに必要なアプリケーション (Microsoft Office アプリケーションなど) を追加して、イメージをネットワーク共有またはリムーバブル メディア (DVD や CD など) に保存します。
  3. ユーザーはこのメディアを使用して Windows Vista をインストールするか、F12 キーを押してネットワーク ブートを実行できます。
  4. ユーザーは、使用する言語など、個人設定に関する質問を受けます。その後、インストールは自動的に続行されます。
コンピュータのアップグレード
  1. デスクトップ設計ツールを使用して、必要なドライバとオプション コンポーネントが含まれるように Windows Vista イメージを変更します。
  2. このイメージをテスト コンピュータにインストールし、ビジネスに必要なアプリケーション (Office アプリケーションなど) を追加して、イメージをネットワーク共有またはリムーバブル メディア (DVD や CD など) に保存します。
  3. ユーザーは、CD または DVD を使用して、Windows Vista をローカルにインストールします。
  4. ユーザーが答える質問はありません。Windows Vista セットアップでは、ユーザーのデータ、設定、およびアプリケーションを新しい Windows Vista デスクトップにアップグレードして、インストールを完了します。ほとんどの場合、古いデータをローカル ハード ドライブ内で退避して、新しい Windows Vista イメージのクリーン インストールを実行します。ユーザーのデータと設定は、インストール後に新しい Windows Vista デスクトップに戻されます。
コンピュータからコンピュータへの展開
  • 企業の場合、展開手順はアップグレードの場合と同じです。異なるのは、Windows Vista セットアップによって古いコンピュータからデータが収集され、新しいインストールが新しいコンピュータで実行されるという点です。インストールは無人で実行されます。
  • エンド ユーザーの場合、ユーザーは Windows Vista を新しいシステムにインストールしてから、Windows Vista セットアップで古いコンピュータから新しいコンピュータに直接データと設定を移行できます。

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まとめ

Windows Vista では、構築および管理するイメージの数を大幅に減らすことによって展開を強化し、デスクトップ展開の複雑さとコストに対処しています。また、新しいイメージを作成することなく、更新とデバイス ドライバをオフラインで追加するなど、イメージの変更を容易にする機能を提供しています。

Windows Vista では、アプリケーション互換性ツールキットや USMT など、展開用の新しいツールや強化されたツールも提供しています。Windows Vista で使用する WIM イメージ ファイル形式により、Microsoft は新しい XImage ディスク イメージング ツールを提供できるようになります。

以前のバージョンの Windows に比べて、Windows Vista では、計画および設計段階から実装段階まで、完璧な展開プロセスが提供されます。表 1 では、Windows Vista で強化された展開機能を要約し、それらを有効にするツールについて説明します。

表 1. Windows Vista で強化された展開機能
  計画 設計 実装
機能
  • アプリケーションの一覧
  • アプリケーションの分析とテスト
  • アプリケーションの互換性の調整
  • 移行テスト
  • 移行スクリプト
  • コンポーネントからのデスクトップ イメージの構築
  • イメージのカスタマイズ
  • ドライバ、言語、アプリケーションの追加
  • イメージのキャプチャ
  • デスクトップへのイメージのインストール
  • 移行とアップグレード
  • リモート展開
ツール
  • アプリケーション互換性ツールキット
  • USMT
  • XImage
  • Windows セットアップ マネージャ
  • Sysprep
  • USMT
  • WDS
  • イメージ ベースのセットアップ

最後に、展開をスムーズに行うために、Microsoft では Business Desktop Deployment Solution Accelerator というガイダンスの更新版を提供します。Windows Vista は、これらすべての機能強化により、展開が最も容易でコストがかからない Windows オペレーティング システムになりました。

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詳細情報

Windows Vista の展開の詳細については、次の資料を参照してください。

注: このサイトに記載されている機能は変更される可能性があります。マーケティング上、技術上、またはその他の理由により、一部の機能が最終的な製品版に含まれないこともあります。

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