Windows 7 評価ガイド

はじめに

今やコンピューターは、何億という人々の日常生活に欠かせないものとなりました。そのサイズや形状は多様化し、機能も大幅に増え、 5 年前には考えられなかったような、さまざまな目的で使用されています。こうした変化の中で、これまでPC の基幹部分でしかなかったWindows® オペレーティング システムも、人々のコミュニケーションを助け、多忙なスケジュールを管理し、勉強や仕事を円滑に進め、楽しい時間を提供する存在へと変わってきました。人体で考えると、「背骨」から「結合組織」に、その役割がシフトしたといえるかもしれません。

PC の役割における急速な進化に伴い、オペレーティング システムに求められる期待も高まっています。何よりもまず、基本的な部分が今まで以上に重視されるようになりました。ユーザーがまずPC に求めるのは、「当たり前のこと」です。いつでも使えて、正常に反応し、安全性と信頼性が高く、いつものアプリケーションやデバイスがスムーズに動く、ということです。ユーザーは、毎日の仕事が早く、簡単に処理されることを期待しています。 PC との新しい対話手段、高度なデスクトップ制御、あらゆる場所に対する迅速な情報検索が求められるのも、こうした期待によるものでしょう。

さらに、 PC 、多機能プリンター、携帯電話、カメラ、 MP3 プレーヤーといったあらゆるデジタル デバイスを接続し、連携させて、デジタル環境の構成要素に保存された情報を簡単に検索 / アクセス/ 共有できるようにしたいという要望があります。ユーザーは、デバイスの能力をより多く引き出し、 PC と手軽に接続して、手に入れた機能を最大限に活用することを望んでいるのです。また、家庭内にPC が増えると、これらをホーム ネットワークに追加して、メディアやファイルをPC 間で簡単に共有したいと考えるようになります。アクセスできるデジタル メディアがかつてない量に増えたことで、保存形態や保存場所に関係なく、いつでもどこでもメディアを楽しみたいという欲求も高まります。

そして、ユーザーが最終的に必要とするのは、「シンプルな統合オンライン エクスペリエンス」です。自宅を含むさまざまな場所から作業リソースにアクセスでき、簡単にネットワークに接続して、外出先でも接続が切断されることなく、高い生産性が維持できることを望んでいます。また、 PC と Web の連携を実現して、関心のあるコミュニティ、人、情報とユーザーをつなげるさまざまなオンライン サービスにいつでもアクセスできるようにしたり、確実な安全性、豊富な選択肢、高い制御性を提供する高速かつ簡単なWeb ブラウズ エクスペリエンスを実現することが求められます。

企業における PC の役割も同様に進化しています。それと同時に、 IT プロフェッショナルは、エンド ユーザーの生産性向上、情報検索の高速化、場所を問わない業務遂行を実現するという新たな課題を抱えることになりました。モバイル コンピューティングが発展し、エンド ユーザーにさらに高い柔軟性を提供する必要性が出てきたことも、 IT プロフェッショナルの新たな課題となっています。彼らは、複雑化するコンピューティング環境の確実な統制を維持していかなくてはなりません。また同時に、コストを抑えながら、セキュリティを強化しコンプライアンスを遵守し続けていく必要もあります。さらに、デスクトップ / アプリケーション展開、継続的な管理、サポートといった、 PC 管理のあらゆる要素を合理化する新たな手法を開拓することが要求されます。

このガイドは、ユーザーと IT プロフェッショナルの両方のニーズを満たす、 Windows 7 の各機能について概説しています。このガイドは、2008 年 10 月の Professional Developers Conference (PDC) においてマイクロソフトが配布する Windows 7 のプレベータ プレビュー版の参考用として作成されました。ガイドには、 PDC で紹介されるものの、同イベントで配布予定のプレベータ ビルドには含まれていない機能に関する記述があります。プレベータ ビルドで提供されていない機能については、ガイド内の各部分に注記しています。

また、このガイドは、 Windows 7 の最終版で提供予定のすべての機能を網羅するものではありません。しかし、今までの作業をより高速化 / 簡素化しながら、今までにない作業をも可能にする Windows 7 の概要はお分かりいただけるようになっています。本ガイドをご活用いただき、 Windows 7 のプレベータ プレビュー版をお試しください。また Windows 7 ベータ版の提供開始時には、ぜひそちらもお試しください。

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