Windows 7 評価ガイド

多くのメディア、多くの場所

記録済みDVD からデジタル ミュージック、ブロードバンド テレビまで、現在ほど多様なデジタル メディアが提供された時代はありません。 Windows 7 は、音楽を聴く、テレビや映画を観る、ゲームをする、写真を加工するといったさまざまなメディアの環境を統合します。より多くの音楽、ビデオ、テレビに瞬時にアクセスし、いつでもどこでも各コンテンツを楽しむことができる、画期的なメディア エクスペリエンスを簡単に実現できます。

Windows Media Player

Windows 7 の Windows Media Player では、より多くのメディアをより簡単に再生でき、さらにリッチなメディア エクスペリエンスが提供されます。仕事中にお気に入りの曲を聴く場合も、全画面表示モードで DVD を観る場合も、すぐに再生できるうえ、動作も安定しています。 Windows 7 では、これまでより再生可能なメディアの種類が増えているので、プレーヤーを切り替えたり追加のソフトウェアをダウンロードしなくても、多くのコンテンツを再生することができます。

Windows 7 における Windows Media Player の強化点には、次のようなものがあります。

  • 視聴可能メディアの拡大: さまざまなメディア形式の視聴/ 転送/ 管理を行うために、異なるメディア プレーヤーを使用しなければならないのは煩わしいものです。 Windows 7 の Windows Media Player はこれまでより多くのメディア形式をサポートしているので、 1 か所でメディアを管理 / 再生し、さまざまなデバイスで自分のメディアを簡単に同期することができます。サポートされている共通のメディア形式には、 WMV 、 WMA 、 MPEG-4 、 AAC 、 AVC/H.264 などがあります。
  • DVD 再生機能の向上: Windows Media Player の再生機能が向上し、DVD ムービーの視聴をさらに楽しめるようになりました。 DVD を挿入するとすぐに起動し、全画面表示モードに直接移行します。 Windows 7 によって自動的にムービーが開始されるので、 [ 再生 ] ボタンを押す必要もありません。
  • 軽量再生モード: Windows Media Player に軽量再生モードが追加されました。これは、ユーザーの使用するメディア コンテンツやタスク用に最適化されています。 Web をブラウズしながら音楽を聴いている場合も、全画面表示モードで高精細品質の映画の予告編を観ている場合も、お気に入りのメディアを思う存分楽しむことができます。
  • タスク バーのサムネイル: 映画を観ているときも、曲を聴いているときも、タスク バーのWindows Media Player アイコンの上にポインターを移動させることで、タイトルをすばやく確認できます。 Windows Media Player ツール バーの機能が強化され、再生コントロールに即座にアクセスできるようになったので、すばやく曲をスキップしたり再生を一時停止することができます。
  • ジャンプ リストの統合: Windows 7 では、お気に入りの音楽、ビデオ、録画したテレビ番組にすばやくアクセスできます。 [ スタート ] メニューと Windows タスク バーにある [ ジャンプ リスト ] を使用すると、最もよく利用するメディアにすばやくアクセスできます。これらのアイテムは、ユーザーの再生するメディアに合わせて調整されます。

メディア ストリーミング

家のさまざまな場所でメディアを楽しみたいにもかかわらず、変更すべきデバイスや設定がわからないということはありませんか。自宅に導入する PC の台数が増えるにつれ、音楽、画像、ビデオを保存する物理的な場所も増えています。しかし、こうしたメディアをホーム ネットワーク上で活用している人はほとんどいないというのが現状です。

Windows 7 による新しいメディア共有エクスペリエンスは、プロセスを単純にして複雑さを軽減します。したがって、メディア ストリーミングの設定にメディアの専門家の力を借りる必要がなくなります。これまでよりも簡単に、変更すべき設定を見つけたり、自分の選択したことを確信を持って判断できるようになります。

HomeGroup を設定したり、Windows Media Player からメディア ストリーミングを設定すると、音楽、画像、ビデオをHomeGroup 内の PC やデバイスで即座に使用できるようになります。これだけで、家中からメディアにアクセスできるようになります。新しい PC 、メディア サーバー、再生デバイスを HomeGroup に追加すると、これらでもメディアを共有できるようになります。追加の手順は必要ありません。もちろん、共有したくないメディアへのアクセスは、いつでも制限できます。

メディアの共有
家中にメディアをストリーミングする

メディアの「再生先」

ホーム エンターテイメント システムで再生したいメディアがコンピューター上にありますか。ネットワークやインターネットへの接続機能を備えたコンシューマー向けデバイスはますます増えています。しかし、これらのデバイスのユーザー インターフェイスは一貫性がなかったり、使いづらいことがあります。特に、デジタル メディアのコレクションが膨大である場合は大変です。

Windows 7 では、自宅のオーディオビデオ システムや他のネットワーク化されたメディア デバイスを使用して、簡単に PC 上に存在する音楽を再生し、ビデオを鑑賞し、写真を表示することができます。自宅の PC をコントローラーとして使用し、ホーム ネットワーク内のすべての DLNA (Digital Living Network Alliance) v1.5 準拠の DMR (Digital Media Renderer) や、 Windows 7 を実行するその他の PC に、デジタル メディアを直接ストリーミングすることができます。

Windows 7 は DLNA v.1.5 標準をサポートしているので、広い範囲のデバイスや機能にアクセスできます。 DLNA v.1.5 に準拠するデバイスであれば、 Windows 7 PC を使用して、そのデバイスにメディアをストリーミングしたり、そのデバイスからストリーミングされたメディアを再生したり、 Windows PC やサードパーティ製のデバイス上のメディアをブラウズして再生することができます。 DLNA v.1.5 準拠のデバイス間でコンテンツをストリーミングすることもできます。

たとえば、ソファーに座って、ラップトップを使って電子メールを読んだりWeb を閲覧しているとします。何か音楽が聴きたくても、ラップトップのスピーカーの音では満足できません。立ち上がってポータブル メディア デバイスを探しに行くのも面倒です。 Windows 7 があれば、このようなことを行う必要はありません。 Windows Media Player を開き、聴きたい音楽を右クリックして表示されるコマンドから、選択した音楽を再生できる他のデバイスや PC の一覧を表示できます。メディア レシーバーがユーザーのメディアのファイル形式をサポートしていない場合、 Windows Media Player がそれを自動的に検出し、ユーザーのメディア レシーバーが再生可能な形式にそのファイルをトランスコードします。 HomeGroup を設定済みの場合は、別の PC 上のメディア ライブラリから選択することもできます。

[Play to] ウィンドウ
自宅のオーディオ システムでメディアを再生する

Media Center

Windows 7 の Media Center では、PC 上でのテレビ、映画、その他のビデオ コンテンツの視聴が、これまでになく簡単になりました。 Windows 7 搭載の PC をインターネットに接続すると、 Media Center が自動的にオンラインの映画やテレビ番組にアクセスして、 PC をテレビに変身させます。さらにテレビを楽しみたい方は、サポートされている放送用テレビ チューナーを追加するだけで、 PC をテレビ ネットワーク用のデジタル ビデオ レコーダーに変身させることもできます。

Media Center を使用すると、テレビ放送やブロードバンド テレビのスケジュールが簡単に参照でき、視聴または録画したい番組を見つけたり、録画済みのテレビ番組をPC や大画面テレビで観たり、これらをラップトップやポータブル デバイスと同期させて、外出先で楽しむこともできます。簡素化されたユーザー インターフェイスと、新しいコンテンツ タイプやデジタル テレビのサポートが備わった Media Center は、家中の魅力的なメディアやエンターテイメント エクスペリエンスを楽しむ最良の手段と言えます。

「録画済みテレビ番組」画面
録画したテレビ番組をブラウズする

Windows 7 の Media Center における主要な強化点は、次のとおりです。

  • インターネット テレビ: Windows 7 は、インターネット上で増え続ける膨大な量のメディア コンテンツをMedia Center に統合します。さまざまなオンライン テレビ番組や映画がすべて 1 つのテレビ ガイド ビューに表示され、ユーザーはそこから選択できます。複数のネットワークやプロバイダーにまたがって番組を検索し、これらをすぐに PC で視聴したり、保存して後で観ることもできます。 Windows 7 Media Center では、現在視聴している番組に関連する番組を見つけて視聴することも簡単です。録画したテレビ番組を視聴する際には、プログラム情報の他に、オンライン エピソードのサムネイルや関連情報へのリンク ( インターネット ムービーの予告編や関連番組など ) が表示されます。
  • グローバルなテレビ標準の幅広いサポート: 新しくサポートされる放送用テレビ チューナーを追加することで、さらに多くのテレビ番組を受信し、PC をデジタル ビデオ レコーダーに変えることができます。 Windows 7 Media Center は、世界中のテレビ視聴者のニーズに応えるために、広範なテレビ標準をサポートしています。 Windows 7 のデジタル テレビは、 20 を超えるグローバル市場で機能しており、米国の ATSC および QAM ケーブル標準、日本の ISDB 標準 (ISDB-T および ISDB-S) 、ヨーロッパの DVB TV 標準 (DVB-T 、 DVB-S) 、および Pay TV 標準に対するサポートが認定されています。
  • 家中のテレビの共有: HomeGroup 内にMedia Center を実行するPC が複数存在している場合、ユーザーは、自分の音楽、写真、ビデオに加えてこれらのさまざまなPC 上のテレビ ライブラリにもアクセスできます。テレビ番組はポータブル PC に簡単にコピーできるので、外出先でも楽しむことができます。 Windows 7 Media Center では、保護対象外のすべての Windows TV (WTV) 録画を、 HomeGroup 内の Windows 7 を実行している任意の PC によって検出 / 再生 / コピーできるようになっています。また、コピー フリーおよびコピー ワンスで保護された WTV 録画はすべて、 Windows 7 Media Center で検出 / 再生 / コピーできます。
  • UI の強化: ターボ スクロールなどの新機能によって、探しているメディアがより速く見つかるようになり、右カーソルを押したままにすることで、大規模なライブラリやテレビ ガイド内をすばやく移動できます。番組の表示中にシーク バーをクリックすることで、目的の位置にすばやくジャンプできます。 Windows 7 Media Center では、ユーザー インターフェイスの強化により、 PC と同様にテレビをパーソナライズします。

高品質メディア PC

Windows 7 では、高品質なメディア エクスペリエンスを簡単に楽しめます。サウンド管理機能の改善によって PC で再生されるオーディオの品質が向上し、グラフィック機能の向上によって画面に表示される画像やゲームの解像度が上がることによって、メディア エクスペリエンスの新たな可能性が広がります。

すばらしいサウンド

コンピューターを通して音楽を再生したり、ビデオを視聴したり、ボイスメールを聞いたりする場合のいずれにおいても、ユーザーは高品質のサウンドを求めています。 Windows 7 では、常に優れたサウンドが提供され、エンターテイメントとコミュニケーションの両方で、 PC およびサウンド ハードウェアを簡単に使用できます。また、複数のサウンド デバイスを使用する場合、直観的でわかりやすいエクスペリエンスが提供され、ユーザーの期待どおりのサウンドを実現します。

Windows 7 のサウンド強化機能には、次のようなものがあります。

Bluetooth オーディオ: Bluetooth デバイスと PC を簡単にペアリングすることができ、このデバイスを使用して音声通話を行ったり、音楽を聴くことができます。 Windows 7 は音楽再生用に Bluetooth ヘッドフォンとスピーカーをサポートし、音声通話用に Bluetooth ヘッドセットをサポートしています。 Windows 7 を使用すると、携帯電話に使用するものと同じ Bluetooth ヘッドセットを使用して、 PC 上で VoIP (Voice over IP) またはインターネット ベースの電話ができます。また、 Bluetooth デバイス上のコントロールを、 Windows 内の適切なヒューマン インターフェイス デバイス コマンドに接続することもできます。たとえば、 Bluetooth ヘッドフォンのボタンを押してミュートを実行すると、 Bluetooth デバイス用の Windows ボリューム コントロールにコマンドが反映されます。ほかのデバイスで音楽を再生していても、それが妨げられることはありません。

Bluetooth オーディオ デバイスの設定も、Windows 7 では非常に簡単です。 Windows Vista では、 Bluetooth ヘッドセットを使用するために、通常は CD から 1 つの専用のドライバーをインストールし、 2 つの異なるコントロール パネル内の場所で 17 の異なる手順を実行する必要がありました。 Windows 7 には、公開されている Bluetooth オーディオ仕様と互換性のあるすべてのデバイスに対応する標準の Bluetooth オーディオ ドライバーが含まれています。使用可能な Bluetooth デバイスの一覧からデバイスを選択するだけで、 Windows 7 が自動的にデバイスのペアリングを行い、必要なドライバーを読み込みます。

自動ストリーム管理: Windows 7 では、音楽、音声通話、および Windows 効果音などのサウンドが、適切なデバイスに自動的に割り当てられます。たとえば、通信用のヘッドセットは、 Live メッセンジャーや Skype などによる VoIP 通話の音声を受信します。音楽を聴いたり映画を観ている場合、サウンドは自動的に、ヘッドセットではなくスピーカーを通して届けられます。デバイスの接続 / 切断状況に合わせて、サウンドは、論理的かつ自動的に適切なデバイスに割り振られるので、利用する通信やエンターテイメントごとに無数のコントロールを探す必要はありません。 PC に複数のサウンド デバイスが装備されている場合は、通知エリアにあるおなじみのスピーカー アイコンをクリックするだけで、各デバイスの音量を即座に調節できます。この機能は Windows 7 に組み込まれているので、コードを変更することなく、さまざまなアプリケーションでこの機能を活用できます。


複数のサウンド デバイスを管理し、各デバイスでのサウンドの再生方法を選択できる

HDMI オーディオ: PC がユーザーのデジタル メディア コレクションの優れた保存場所となります。 PC とテレビやオーディオ / ビデオ (AV) レシーバーは、 HDMI ケーブルで簡単に接続できます。 HDMI ケーブルはビデオと共にサウンドを伝送するので、複数の配線で PC とテレビを接続する必要はありません。代わりに、 1 本の HDMI ケーブルで、モノラル、ステレオ、またはマルチチャネルの高品質オーディオ / ビデオをストリーミングして、さまざまな再生方法を楽しむことができます。この方法で PC をテレビまたは AV 装置と接続すると、 Windows が自動的にデバイスの機能を検出し、適切な形式およびスピーカー数になるようにサウンド設定を調整します。接続が完了したら、ホーム オーディオ システム、テレビ、およびオーディオ / ビデオ レシーバーにオーディオをストリーミングすることができます。ほとんどの場合、追加のドライバーをインストールする必要はありません。

「音量」設定画面
音量調節は、サウンド デバイスごとに独立している

再現性の高いグラフィック

再現性の高いグラフィック ハードウェアを備えた PC で Windows 7 を実行すると、テレビやハイビット カラー ディスプレイ上で映画、画像、ゲームの奥行きや詳細が鮮明に表示され、驚くべきビジュアル エクスペリエンスが提供されます。映画を鑑賞する場合でも、ゲームで遊ぶ場合でも、高度なグラフィック テクノロジとハードウェア アクセラレーション機能を楽しめます。

Windows 7 で導入された DirectX 11 は、新しいハードウェア上での次世代ゲームにおいて、これまでにないビジュアル エクスペリエンスを提供します。複数のプロセッサ コア、ディスプレイ解像度、メモリ構成、グラフィック アダプターによって、今までにない高速化を実現しています。

多くのグラフィカル UI アプリケーションにとって、スムーズなアニメーションも重要です。 Windows 7 では、特定のレンダリング テクノロジに依存せずにアニメーションのスケジューリングと実行を管理するためのネイティブ アニメーション フレームワークが導入されており、ソフトウェア開発者は、リッチでインタラクティブなアプリケーションをより簡単に実現することができます。

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