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Scene 5PC 故障時でも業務を継続

  • お客様先でのプレゼンテーションを目前に、島部長の PC は故障。PC には故障もつきもので、そのタイミングは制御不能。
  • PC の故障時には、いかに迅速に、いつもの利用環境が復旧できるかがポイントとなる。

IT 部門に対して PC が故障したというコール。壊した本人からクレームのような電話がかかってくることもあります。しかし、このシナリオでは、島部長の仕事は止まらず、お客様先に行く前には元の環境が復元できました。

移動ユーザー プロファイルの活用

解説

通常、PC と利用者の情報は密につながっていますが、移動ユーザー プロファイルを使うと、利用者はどの PC からドメインに参加してもご自身のデスクトップ環境やお気に入り、ご自身のドキュメントを利用することができます。

マイクロソフトがデータやプロファイルの仮想化と呼んでいて、仮想化 (抽象化) の概念を持ち込むことで管理と利用を柔軟にしている 1 つの例です。もちろん、ここでも Windows Server の機能である Active Directory やグループ ポリシーが重要な役割を果たします。なぜかというと、利用者が数名であろうと数百名であろうと設定はほとんど変わらないわけですから。

要素技術

Active Directory について

移動ユーザー プロファイルを利用するには

アプリケーションのインストールや設定の自動化

解説

通常、用意された代替機に対しては、企業のポリシー通りにセットアップを行う必要があります。イメージ ツールを使ってテンプレートを戻すだけという企業もあるでしょうが、テンプレートとなるイメージそのものも更新していかなければならず、ドメインへの参加などは別途行うこともあるでしょう。

このシナリオでは、System Center Configuration Manager (SCCM) というツールが使われています。SCCM は、マイクロソフトが提供する構成管理用のツールで、OS のインストールからアップデート、ドメイン参加などの処理、そしてアプリケーションのインストールや設定までを自動化することができます。

また、ネットワーク インストール時の配布ポイントの管理や、DVD を利用したインストール、インストール後のインベントリ管理まで、新規展開だけでなく、運用フェーズでも使える構成管理基盤として一貫した機能を提供します。

要素技術

SCCM によるオペレーティング システムの展開

仮想アプリケーションを柔軟に自動展開

解説

解説の 2 では、構成管理ツールを利用したアプリケーションの自動インストールについて触れましたが、時代の進歩は早いもので、アプリケーションも仮想化し、集中管理する時代が来ました。

このシナリオでは、App-V という機能を使い、クライアントで利用する各種アプリケーションが仮想化されています。そして、仮想化されたアプリケーションは、利用権限が与えられたユーザーには自動配信される仕組みになっており、もはやアプリケーションのインストールという作業は必要ありません。

代替機として復旧してきた PC にログオンすれば、必要なアプリケーションはネットワーク経由で配信され、そのまま外出してオフラインで利用することもできます。SCCM と連動させることで、仮想アプリケーションを事前に配信しておくのもよいでしょう。

また、仮想化されたアプリケーションは独自空間で動作するため、複数のアプリケーションやバージョン間で不整合が起きることもありません。Java VM や Excel マクロなど、同じアプリケーションの複数バージョンを同時に動かしたいという要望にも応えられる、それも App-V の特長の 1 つです。

更に、仮想化されたアプリケーションは集中管理されているので、仮想アプリケーションをバージョンアップすれば、クライアントは差分情報を自動的にダウンロードして新しいバージョンとして起動します。アプリケーションに対する修正プログラムの管理も一括で行えるわけです。

要素技術

App-V を利用するには

SCCM + App-V で実現する

  • App-V 4.5 と SCCM 2007 R2 を使用した仮想アプリケーション管理 (EXE 形式: 7.51 MB) (もはや利用できます)