~小規模 (手動) 移行~
Point 4: Internet Explorer に関する環境の移行

更新日: 2011 年 12 月 6 日

図: アプリケーションの移行Windows 7 に標準で搭載されているブラウザは Internet Explorer 8 (以下、IE8) です。すでに次バージョンの Internet Explorer 9 (以下、IE9) も公開されていますから、移行を機に最新の IE9 をインストールするという選択肢もあります。

IE8/9 では、Web 仕様の業界標準対応が強化されており、HTML や CSS (カスケーディング スタイル シート) の仕様に、より忠実に準拠するよう改善されています。これは、ブラウザに依存しない Web の互換性を向上させるうえでは非常に重要なことです。Web 標準に正しく対応した Web ページや Web アプリケーションならば、ブラウザをアップグレードしても、問題なくそのまま使えるはずです。

しかし既存の Web ページや業務 Web アプリケーションの中には、発展途上だった Internet Explorer 6 (以下、IE6) 独自の仕様に依存しており、IE8/9 が Web 標準準拠を強化したことで、かえってこれらの新しいブラウザでは互換性問題が生じて動かなくなってしまうケースがあります。本来は、Web ページや業務用 Web アプリケーション側が Web 標準に準拠すべく修正されるのが理想ですが、ユーザーが自分で対応できることではないので厄介です。これに対し IE8/9 では、当面の措置としてクライアント側で互換性問題に対処できる方法が用意されています。

これは「互換表示」と呼ばれる IE8/9 の機能です。IE8/9 でこの機能を有効にすると、前バージョンの Internet Explorer 7 (以下、IE7) と同様の表示方法で Web ページが処理されるようになります。残念ながら IE6 の互換モードは用意されていませんが、互換表示機能を有効にすることで、IE6 向けに作られたサイトや Web アプリケーションを IE8/9 で表示や実行ができる可能性が高くなります。互換表示を有効にするには、対象となるページを表示した状態で、アドレス バーの右端にある互換表示アイコンをクリックします。こうして一度互換表示を指定すると、以後そのサイトについては自動的に互換表示モードが適用されます。

【Internet Explorer の互換表示機能】

図: Internet Explorer 互換性ボタン

互換表示モードがどうしてもうまくいかない場合には、仮想デスクトップ環境を用意して (Windows 7 内に構築された Windows XP 環境) の中で IE6 を利用するという方法もあります。仮想デスクトップ環境の技術を利用した Windows XP Mode には標準で IE6 がインストールされています。必要であれば、これを IE7 にアップグレードすることも可能です (Windows XP Mode の詳細は別記事を参照)。

Windows XP Mode の中で IE6/7 を実行するには 2 つの方法が用意されています。1 つは、Windows XP の仮想マシン ウィンドウを起動して、その内部で Internet Explorer を実行する方法です。この方法では、IE6/7 を起動するために仮想マシン ウィンドウを開く必要があるため、少々手間がかかります。従来と起動方法が変わってしまうため、エンド ユーザーには受け入れづらいかもしれません。

もう 1 つは、Windows XP Mode の「仮想アプリケーション モード」を利用する方法です。仮想アプリケーション モードでは、Windows 7 のスタート メニューに登録したアイコン (ショートカット) を実行するだけで、IE6/7 を起動することができます。実際には、1つ目の方法と同様に裏で Windows XP の仮想マシン ウィンドウが起動されていますが、仮想マシンのデスクトップは表示されず、起動された IE6/7 のウィンドウだけが Windows 7 のデスクトップに表示されます。つまり、ユーザーから見れば、Windows 7 のネイティブ アプリケーションを起動しているのと使い勝手が変わりません。

関連リンクIE9 への展開に関するビデオはこちら

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