ヒント: コマンド プロンプトのファイル名とフォルダー名の補完機能

コマンド プロンプトには、ファイル名とフォルダー名を補完する非常に便利な機能があります。この機能を使用すると、長いパスやファイル名を入力する手間が省けます。コマンド文字列の最初の部分を入力して Tab キー (既定の補完文字) を押すと、これまで入力したものと一致するファイル名やフォルダー名が順に表示されます。たとえば、Q という文字で始まるフォルダーに移動する場合は、「cd q」と入力し、フォルダー名の補完文字を対象のフォルダーが表示されるまで押します。

既定のファイル名とフォルダー名の補完文字は、Tab キーですが、HKCU\Software\Microsoft\Command Processor レジストリ キーの CompletionChar 値と PathCompletionChar 値を変更すると、別の補完文字を指定できます。これらの DWORD 値を使用すると、現在のユーザーのファイル名とフォルダー名の補完文字をそれぞれ指定できます (すべてのユーザーの設定を変更するには、HKLM\Software\Microsoft\Command Processor レジストリ キーの同じ値を変更します)。

CompletionChar 値が定義されていて、PathCompletionChar 値が存在しないか 0x40 という 16 進数値が設定されている場合、CompletionChar 値の設定はファイル名とフォルダー名の補完の両方に適用されることに注意してください。また、Tab キーの場合には 0x9、Ctrl キーを押しながら D キーを押す場合には 0x4、Ctrl キーを押しながら L キーを押す場合には 0xC など、補完文字は常に 16 進数値で指定する必要があります。

また、個々のコマンド プロンプト セッションのレジストリ設定を上書きするには、セッションを Cmd /F:on または Cmd /F:off で開始します。Cmd /F:on は、Ctrl キーと D キーをパスの補完文字として、および Ctrl キーと F キーをファイル名の補完文字としてコマンド プロンプト セッションを開始し、レジストリで設定された補完文字を無効にします。Cmd /F:off は、レジストリ設定に関係なく、コマンド プロンプト セッションを補完文字なしで開始します。Cmd /F:onCmd /F:off は、どちらも補完文字としての Tab キーを無効にします。

出典: Ed Bott、Carl Siechert、Craig Stinson 共著『Windows 7 Inside Out (英語)』(Microsoft Press、2009 年)