App-V でフォルダー リダイレクトを使用するための計画

適用対象: Application Virtualization 5.0 SP1, Application Virtualization 5.0 SP2, Application Virtualization 5.0 SP3

App-V 5.0 SP2 では、フォルダー リダイレクトを使用できます。ユーザーおよび管理者は、この機能を使用して、フォルダーのパスを新しい場所にリダイレクトできます。

このトピックには、次のセクションが含まれています。

  • フォルダー リダイレクトを使用するための要件とサポートされていないシナリオ

  • App-V で使用する場合のフォルダー リダイレクトの構成方法

  • App-V でのフォルダー リダイレクトの動作

  • フォルダー リダイレクトの概要

フォルダー リダイレクトを使用するための要件とサポートされていないシナリオ

要件

%AppData% フォルダー リダイレクトを使用するには、次の要件を満たしている必要があります。

  • AppData 仮想ファイル システム (VFS) フォルダーが含まれる App-V パッケージが存在する。

  • フォルダー リダイレクトが有効になっており、ユーザーのフォルダーが共有フォルダー (通常はネットワーク フォルダー) にリダイレクトされる。

  • 次の両方をローミングするか、またはどちらもローミングしない。

    • %appdata%\Microsoft\AppV\Client\Catalog の下にあるファイル

    • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\AppV\Client\Packages の下にあるレジストリ設定

      詳細については、「Roaming requirements and user catalog data storage」をご覧ください。

  • App-V 5.0 SP2 以降のクライアントを実行しているコンピューターにログインしている各ユーザーが次のフォルダーを使用できる。

    • %AppData% が目的のネットワーク上の場所に構成されている (オフライン ファイルのサポートの有無に関係なく)。

    • %LocalAppData% が目的のローカル フォルダーに構成されている。

サポートされていないシナリオ

  • %LocalAppData% をネットワーク ドライブとして構成する。

  • 複数のユーザーに対して [スタート] メニューを単一のフォルダーにリダイレクトする。

  • 使用できないネットワーク共有にローミング AppData (%AppData%) がリダイレクトされると、App-V アプリケーションが起動できなくなります。詳細は、次のとおりです。

     

    App-V バージョン シナリオの説明

    App-V 5.0 ~ App-V 5.0 SP2 (修正プログラム適用済み)

    オフライン ファイルが有効になっているかどうかに関係なく、App-V アプリケーションが起動できなくなります。

    App-V 5.0 SP3

    使用できないネットワーク共有でオフライン ファイルが有効になっている場合、App-V アプリケーションは正常に起動します。

App-V で使用する場合のフォルダー リダイレクトの構成方法

フォルダー リダイレクトは、デスクトップ、マイ ドキュメント、マイ ピクチャなどのさまざまなフォルダーに適用できます。ただし、App-V アプリケーションの使用に影響を与えるフォルダーは、ユーザーのローミング AppData フォルダー (%AppData%) だけです。それ以外のサポートされているフォルダーにフォルダー リダイレクトを適用しても、App-V に影響を及ぼすことはありません。

App-V でのフォルダー リダイレクトの動作

次の表では、この記事で前述した要件が満たされている場合に、%AppData% がネットワークにリダイレクトされるときのフォルダー リダイレクトの動作について説明しています。

仮想環境の状態 実行されるアクション

仮想環境の起動時

仮想ファイル システム (VFS) AppData フォルダーは、ユーザーのローミング AppData フォルダー (%AppData%) ではなく、ローカルの AppData フォルダー (%LocalAppData%) にマップされます。

  • LocalAppData には、使用中のパッケージのユーザーのローミング AppData フォルダーのローカル キャッシュが含まれています。ローカル キャッシュは、次のフォルダーにあります。

    %LocalAppData%\Microsoft\AppV\Client\VFS\PackageGUID\AppData

  • 最新のデータがユーザーのローミング AppData フォルダーからローカル キャッシュにコピーされ、現在のデータが置き換えられます。

  • 仮想環境が稼働している間、データは継続してローカル キャッシュに保存されます。データは %LocalAppData% からのみ取得され、エンド ユーザーがコンピューターをシャットダウンするまで、移動されることや、%AppData% と同期されることはありません。

  • AppData フォルダーへのエントリは、システム コンテキストではなく、ユーザー コンテキストを使用して追加されます。

注意

App-V クライアントのフォルダー リダイレクトは、%AppData% から %LocalAppData% へのファイルの移動に失敗することがあります。「App-V client folder redirection sometimes fails to move files from %AppData% to %LocalAppData%」をご覧ください。

仮想環境のシャットダウン時

AppData (ローミング) 内にローカルにキャッシュされているデータは圧縮され、%AppData% 内の "実際の" ローミング AppData フォルダーにコピーされます。同時に、前回の既知のアップロードを示すタイムスタンプが、次のパスにレジストリ キーとして保存されます。

HKCU\Software\Microsoft\AppV\Client\Packages\<PACKAGE_GUID>\AppDataTime

App-V 5.0 では、冗長性を確保するため、圧縮されたデータの最新のコピーが %AppData% に 3 つ保持されます。

フォルダー リダイレクトの概要

目的

別のフォルダーにリダイレクトされたファイルを、ローカル ドライブに存在している場合と同じようにエンド ユーザーが操作できるようにします。

説明

ユーザーおよび管理者は、フォルダー リダイレクトを使用すると、フォルダーのパスをネットワーク上の場所にリダイレクトできます。ユーザーは、そのフォルダー内のドキュメントを、ネットワーク上の任意のコンピューターから使用できるようになります。

  • ユーザーおよび管理者は、フォルダー リダイレクトを使用すると、フォルダーのパスをネットワーク上の場所にリダイレクトできます。ユーザーは、そのフォルダー内のドキュメントを、ネットワーク上の任意のコンピューターから使用できるようになります。

  • 新しい場所には、ローカル コンピューター上のフォルダーや、共有ネットワーク上のフォルダーを指定できます。

  • フォルダー リダイレクトではファイルの更新は即座に反映されますが、通常、ローミング データはユーザーのログイン時またはログオフ時に同期されます。

使用例

通常、コンピューターのローカルのハード ディスクに格納されているドキュメント フォルダーをネットワーク上の場所にリダイレクトできます。ユーザーはそのフォルダー内のドキュメントにネットワーク上の任意のコンピューターからアクセスできます。

その他のリソース

フォルダー リダイレクトの概要に関するページ

APP-V への提案がございますか

こちらから提案を追加するか、提案に投票してください。App V の問題については、「APP-V に関する TechNet フォーラム」を利用してください。

-----
MDOP の詳細については、TechNet ライブラリを参照してください。TechNet Wiki では、トラブルシューティング情報を検索できます。また、Microsoft の FacebookTwitter をフォローすることをお勧めします。
-----