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Exchange パブリック フォルダに関するベスト プラクティス : データを管理する

 

組織内でパブリック フォルダについてのソリューションを計画して展開した後は、データの管理計画を実装する必要があります。

高度なレベルでは、パブリック フォルダ データの管理とはデータベースのサイズと増加率の管理を意味します。データベースのサイズは、次の機能に影響を及ぼします。

  • バックアップおよび復元の時間
  • オンライン保守の時間
  • ハードウェア計画

したがって、データベースのサイズを制御し、パブリック フォルダ データベースの増加率を監視する、効率的なパブリック フォルダ展開を保守することが重要です。ここでは、データ管理に関する以下の点について説明します。

  • パブリック フォルダ データベースの容量の計画
  • オンライン保守
  • 内容の有効期限とサイズ制限

ここでは、基本的なパブリック フォルダの概念を理解していることを前提としています。これらの概念の詳細については、「Exchange Server 2003 管理ガイド」の第 7 章「メールボックス ストアとパブリック フォルダ ストアの管理」を参照してください。

容量計画

特定のパブリック フォルダ データベースで容量を計画する場合は、2 つの要素を検討してください。まず、データベースに格納するデータ量を決定する必要があります。データベースに格納するデータ量を把握した後に、データベースのサイズを決定することができます。次に、特定のパブリック フォルダ データベースにおける増加率を監視して定量化する必要があります。各データベースの増加率を監視することにより、データベースを最適な容量または最適な容量以下で維持できます。

データベース サイズを決定する一般的な規則は、データベースに格納するデータ量に拡張率 1.6 を掛けます。この拡張率 1.6 は、データベースのインデックスの準備と維持、およびデータベースの保守に必要なデータベースのオーバーヘッドを表しています。たとえば、データベースに最大 1 GB のデータを格納する場合、1.6 GB のデータベースの実装を計画する必要があります。

拡張率 1.6 は、平均値に基づいた一般的なガイドラインです。拡張率 1.6 は、マイクロソフトでのテストを基に算出されています。データ サイズの 1.6 倍未満のデータベース上でパブリック フォルダを実行するのはベスト プラクティスとは言えません。

パブリック フォルダ データベースにおける容量計画とデータ管理で重要なことは、増加率の監視と定量化です。単一のサーバーの過負荷を防ぐために、少なくともサーバーごとに増加率を監視する必要があります。できれば、データベース全体と個々のフォルダの増加率を監視してください。データベース レベルでの増加率を理解することで、データベースの増加率の問題を回避する準備が整います。

また、レプリケートされたデータが直接増加率に影響することに注意する必要があります。内容のレプリケーションと階層のレプリケーションの日々の量を定期的に調べてください。この増加率を追跡するには、データが格納されるディスクの物理的増加率に注意します。

最後に、Exchange Server 5.5 を Exchange 2000 Server または Exchange Server 2003 にアップグレードする場合は、Exchange 2000 Server または Exchange Server 2003 メールボックス ストアのサイズが大きくなることを予定しておく必要があります。これは、Exchange Server 5.5 から Exchange 2000 Server または Exchange Server 2003 へのパブリック フォルダのレプリケーションが原因で発生します。Exchange 2000 Server または Exchange Server 2003 にメールボックスが存在しない場合でもサイズは大きくなります。詳細については、マイクロソフト サポート技術情報の文書 [XADM] Exchange Server から Exchange 2000 にパブリック フォルダを複製するとメールボックス ストアのサイズが大きくなるを参照してください。

オンライン保守

Exchange Server のオンライン データベース保守は非常に重要です。オンライン データベース保守には、以下のタスクが含まれます。

  • 削除済みアイテムのクリーンアップ。削除済みアイテムの保存期間を過ぎたメッセージを削除します。
  • パブリック フォルダの有効期限の設定。パブリック フォルダ内のメッセージは一定期間経過後に有効期限が切れます。
  • 削除済みメールボックスのクリーンアップ
  • オンラインでの最適化。既に使用されていないデータベース オブジェクトを検出して削除することにより、余分なデータベース領域を解放します。

これらのプロセスにより、Exchange Server コンピュータが正常に保たれ、パフォーマンスが安定します。一日に最低 4 時間オンライン保守を実行することが、一般的なベスト プラクティスです。さらに、少なくとも週に一度は完全なオンライン保守をスケジュールに組み入れてください。これを行わないと、全時間体にわたってパフォーマンスに影響が出ます。

メールボックス ストアおよびパブリック フォルダ ストアを含む各データベースに対して、オンライン データベース保守を毎日 4 時間実行するように構成することをお勧めします。オンライン保守とバックアップ スケジュールの間隔はずらしてください。たとえば、午前 0 時から午前 2 時までバックアップを実行する場合は、オンライン保守を午前 3 時から午前 7 時まで実行します。

バックアップ セッションが実行されている間はオンライン保守は開始されないので、このようにスケジュールをずらすことが重要です。スケジュールが重なった場合は、バックアップが保守より優先されます。この場合、Exchange Server は 15 分ごとにバックアップが完了したかどうかを確認します。バックアップが完了したら、保守が開始されます。

オンライン保守の間には、18 のタスクが実行されます。タスクはいったん開始されると、オンライン保守時間帯にかかわらず、必ず終了します。ただし、オンライン保守時間帯の終了後は、新しいタスクは開始されません。したがって、場合によっては、すべてのタスクが特定の保守間隔中に完了するとは限りません。タスクが完了する前に保守が停止した場合は、次の保守サイクルで、停止したところからタスクが再び開始されます。

オンライン データベース保守を有効にするには

  1. Exchange システム マネージャを起動します。

  2. [サーバー] を展開し、目的のサーバーを展開します。

  3. 目的のストレージ グループを展開します。

  4. 詳細ペインで、利用可能なデータ ストアの一覧から操作するストアを右クリックし、[プロパティ] をクリックします。

  5. [<メールボックス ストア名> のプロパティ] ダイアログ ボックスで、[データベース] タブをクリックします。

  6. 次のいずれかの手順を実行します。

    • [保守の間隔] の一覧で間隔を選択します。
    • または、[カスタマイズ] をクリックして [スケジュール] ダイアログ ボックスを開き、独自の間隔を作成します。
  7. [OK] をクリックします。

オンライン データベース保守の詳細については、『Exchange Server 2003 管理ガイド』の第 7 章「メールボックス ストアとパブリック フォルダ ストアの管理」の「ストアの保守とバックアップ オプションの構成」を参照してください。また、JeremyK の Microsoft WebLog「Store Background Processes Part I - IS Maintenance」を参照してください (このサイトは英語の場合があります)。

内容の有効期限とサイズ制限を設定する

パブリック フォルダ データベースのデータを管理する場合のもう 1 つの重要なタスクは、内容の有効期限とサイズ制限に対して適切なポリシーを適用することです。

必ずフォルダに制限を実装してから、ユーザーが利用できるようにしてください。多くの理由から、この作業は重要です。

  • データベースのバックアップと復元については実質的に制限があります。これらの制限は、ユーザーと交わすサービス レベル契約 (SLA) によって決まります。たとえば、SLA で特定の重要なフォルダを 99.9999% の時間にわたり利用可能とする必要がある場合、重要な内容を格納するデータベースのサイズは、そのデータベースを復元するのにかかる時間に従うことになります。 .
  • パブリック フォルダは、パブリック アーカイブとしてよく使用されます。したがって、制限を設けないといっぱいになってしまう可能性があります。パブリック フォルダを個人用、つまりメールの個人的なアーカイブとして使用することを許可するのはベスト プラクティスではないことに注意してください。
  • 一定期間を過ぎた古い投稿を削除するように、パブリック フォルダで有効期限ポリシーを構成できます。ただし、この手順は連絡先の詳細を格納するフォルダなど、特定の種類のパブリック フォルダには適していません。
  • 単純な投稿に使用される標準的なパブリック フォルダに制限を構成します。たとえば、簡単な投稿に使用するパブリック フォルダの制限は 20 MB、アーカイブ フォルダの制限は 100 MB に構成します。ただし、連絡先フォルダの領域は制限を構成せずに無制限にしておくことができます。
  • メールボックスに制限を構成するように、パブリック フォルダ ストアのパブリック フォルダに制限を構成します。ただし、個々のパブリック フォルダに制限を構成して、ストアで設定する制限を上書きすることができます。
  • その場での復元を実行するには、少なくともデータベースのサイズに最低 10% を加算した空き容量をディスク上に確保しておくことをお勧めします。たとえば、35 GB のデータベースは、80 GB のパーティションで実行される必要があります。
  • 削除済みアイテムは、保存期間が期限切れになるまで実際には削除されないので、削除済みアイテムの保存期間もパブリック フォルダ ストアのサイズに影響を及ぼすことに注意してください。

パブリック フォルダの格納域と有効期限の制限の設定の詳細については、以下のマイクロソフト サポート技術情報の文書を参照してください。

詳細情報

Exchange Server のパブリック フォルダの詳細については、以下のリソースを参照してください。