Outlook Web Access のクライアント機能
適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007
トピックの最終更新日: 2010-06-07
ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 の Outlook Web Access の新しいクライアント機能と強化されたクライアント機能について説明します。これらの新機能は、クライアント アクセス サーバーの役割がインストールされている Exchange 2007 サーバーを使用して、メールボックス サーバーの役割がインストールされている Exchange 2007 サーバー上のメールボックスを開く場合にのみ利用できます。Outlook Web Access には、Outlook Web Access Light と Outlook Web Access Premium という 2 つのバージョンがあります。Outlook Web Access Light は、ユーザーの視覚の状態に合わせたユーザー補助機能をサポートしており、ほとんどの Web ブラウザで実行されます。Outlook Web Access プレミアムに比べ、ユーザー インターフェイスが簡略化され、機能セットが少なくなっています。Outlook Web Access プレミアムには Microsoft Internet Explorer 6 以降のバージョンが必要であり、ユニファイド メッセージングやスペル チェック機能など、現在 Light バージョンでは利用できない機能が提供されます。
Outlook Web Access プレミアムおよび Light の機能を使用する方法の詳細については、Outlook Web Access のヘルプを参照してください。
クライアントの機能
次の表は、Exchange 2007 の Outlook Web Access が備えるクライアント機能の一部を示しています。
Outlook Web Access のクライアント機能
機能 | 説明 | ユーザーの操作性 | ||
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ログオン画面 |
Outlook Web Access のユーザー ログオン画面です。 |
ログオン画面は、ログオン オプションがユーザーにより明確に提示されるように再設計されました。 ユーザーは引き続き、ログオンするときにプライベートかパブリックかを指定できます。 |
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ナビゲーション |
Outlook Web Access でのナビゲーションは、Microsoft Office Outlook 2007 でのナビゲーションと似ています。 |
Outlook Web Access でのナビゲーションはいくつかの点で強化されました。以下のような強化点が含まれます。
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ドラッグ アンド ドロップ |
アイテムをドラッグして別の場所に移動します。 |
Outlook Web Access では、ドラッグ アンド ドロップ操作によって、フォルダやフォルダ内のアイテムをある場所から別の場所に移動できるようになりました。 |
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右クリック |
アイテムを右クリックすると実行可能な操作が表示されます。 |
Outlook Web Access の多くの部分で、頻繁に実行される操作のメニューを右クリックで開くことができます。 |
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並べ替え |
メッセージを並べ替える方法を選択します。 |
[並べ替え] は、受信トレイなどのメッセージ フォルダで実行できます。[並べ替え] をクリックすると、日付や差出人などでメッセージを並べ替えることができます。 [テーマ] は新しいオプションであり、メッセージをテーマごとに並べ替えてスレッド表示することができます。 |
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アドレス帳 |
アドレス帳の強化により、アドレス一覧と連絡先の検索がより簡単になりました。 |
Exchange 2007 Outlook Web Access のアドレス帳の強化点には、以下が含まれます。
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予定表 |
予定表は、情報の検索とユーザーのスケジュール管理が容易になるように強化されました。 |
予定表には以下の強化点が含まれています。
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メッセージへのフラグ設定 |
フラグが設定されているメッセージが自動的に [仕事] に表示されます。 |
メッセージに [ご参考までに] フラグを追加すると、そのメッセージが自動的に [仕事] に表示されます。 |
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迷惑メール |
Outlook Web Access から迷惑メールを管理できます。 |
Outlook Web Access で [迷惑メール] フォルダの内容を確認し、誤って迷惑メールと判断されたメッセージを選択してツール バーの [迷惑メールではないメール] ボタンをクリックすることによって、受信トレイに移動することができます。 |
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明示的なログオン |
明示的なログオンによって別のメールボックスを新しいウィンドウで開きます。 |
ユーザーは、明示的なログオンを使用して、フル アクセスが付与されている任意のメールボックスを選択して開くことができます。開かれたメールボックスは、それぞれ、新しい Web ブラウザ ウィンドウに表示されます。 明示的なログオンの詳細については、「Outlook Web Access の明示的ログオンを有効にする方法」を参照してください。 |
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スケジュール アシスタント |
スケジュール アシスタントによって、会議の時間帯やリソースをより簡単に見つけられます。 |
会議をスケジュールするときに、[予定] タブから [スケジュール アシスタント] タブに切り替えて、出席者の追加、会議室の検索、および会議時間の検索を行うことができます。スケジュール アシスタントでは、以下の点が強化されました。
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Windows SharePoint Services と Windows のファイル共有統合 |
Exchange 2007 Outlook Web Access には、Windows SharePoint Services と Windows のファイル共有上のドキュメントやドキュメント ライブラリへの読み取り専用のアクセスをサポートする新しい機能が含まれています。 |
Windows SharePoint Services と Windows のファイル共有統合機能によって、ユーザーは、内部ネットワークに接続されていないときでも Windows SharePoint Services と Windows のファイル共有に関する情報を使用できるようになります。
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検索 |
Outlook Web Access の検索機能は、より正確かつ迅速に結果を提供し、メールボックスでアイテムを見つけるために費やされる手動での作業と時間を減らすよう再設計されました。 |
検索機能には、以下の強化点が含まれています。
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入力検索 |
入力検索を使用すると、メッセージ、連絡先、仕事の各フォルダでアイテムをすばやく見つけることができます。 |
メッセージ フォルダで入力検索を使用するには、[並べ替え] を使用して [差出人]、[宛先]、または [件名] を選択してから、入力を開始します。たとえば、件名が "議題" で始まるメッセージを検索する場合は、[並べ替え] で [件名] を選択してから、「議題」と入力します。 入力検索は、連絡先フォルダ、仕事フォルダ、およびアドレス帳でも有効であり、現在の [並べ替え] の設定に基づいて検索が行われます。 |
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アラームと通知 |
Exchange 2007 の Outlook Web Access では、アラームと通知の機能にいくつかの変更が加えられています。 |
Outlook Web Access のアラームと通知の機能には、以下の強化点が含まれています。
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地域の設定 |
ユーザーは Outlook Web Access で使用する言語、日付、および時刻の設定を選択できます。 |
[地域の設定] の機能には、以下の強化点が含まれています。
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メッセージング |
Outlook Web Access では、さまざまなメッセージング オプションを選択できます。 |
メッセージング機能には、以下の強化点が含まれています。
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スペル チェック |
Outlook Web Access プレミアムでは、ユーザーはメッセージを送信する前にメッセージのスペル チェックを行うことができます。 |
Outlook Web Access のスペル チェック機能は、Outlook 2007 のスペル チェック機能で利用できるすべてのオプションを備えています。これらのオプションには、次のものが含まれます。
スペル チェックの際に使用する言語も選択できます。 |
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予定表オプション |
Outlook Web Access で予定表とアラームのオプションを選択できます。 |
予定表オプションの機能では、ユーザーは以下の設定を制御できます。
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不在時のアシスタント |
ユーザーは、不在時に送信者に自動応答したり、特定の期間だけ送信者にメッセージを送信したりすることができます。 |
不在時のアシスタント機能には、以下の強化点が含まれています。
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迷惑メールのオプション |
ユーザーは Outlook Web Access 内から、迷惑メールの設定を管理できるようになりました。 |
迷惑メール機能は、迷惑メールである可能性があるメールを制御する方法を多数備えています。以下のことを行うことができます。
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検索フォルダ |
検索フォルダは、一連の条件に一致する電子メール アイテムを表示するための仮想フォルダです。たとえば、[未読] という既定の検索フォルダには、すべての未読メッセージが含まれています。 |
検索フォルダ アイコンは、この機能を無効にしている場合でも、常に Outlook Web Access に表示されます。 Microsoft Office Outlook でユーザーが作成したカスタム検索フォルダは、そのユーザーのメールボックスをホストしているサーバー上で初期化されない限り表示されません。オンライン モードで作業中に Outlook で作成された検索フォルダは、サーバー上で自動的に初期化されます。Exchange キャッシュ モードまたはオフライン モードで Outlook を使用中に作成されたカスタム検索フォルダは、サーバー上で自動的には初期化されないため、Outlook Web Access に表示されません。サーバー上のこれらのフォルダを初期化するには、Outlook をオンライン モードに切り替えてから、各検索フォルダを開きます。その後、Exchange キャッシュ モードに戻すことができます。 |
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パスワードの変更 |
ユーザーは、Outlook Web Access で自分の Active Directory アカウントのパスワードを変更できます。 |
[オプション] の [パスワードの変更] を使用すると、ユーザーは自分の Active Directory パスワードを変更できます。ユーザー アカウントが Exchange サーバーとは別のフォレスト内にある場合、パスワードの期限切れの警告は機能しません。 注 : OWA パスワード変更機能では、パスワードの長さは 63 文字までに制限されています。 |
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全般設定 |
ユーザーの操作性を制御するその他の一連の設定です。 |
ユーザーは [全般設定] で、以下のオプションを設定できます。
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ボイス メール |
ボイス メール オプションは、Exchange 2007 の Outlook Web Access の新機能です。 |
ボイス メール オプションを使用すると、ユーザーは以下のことを行うことができます。
音声メッセージの [再生] ボタンをクリックすると、その音声メッセージを Outlook Web Access で再生できます。 |
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リソース メールボックス |
Outlook Web Access を使用してリソース メールボックスを構成および管理できます。 |
Outlook Web Access を使用してリソース メールボックスを開くと、[オプション] メニューに [リソースの設定] が追加されます。リソース メールボックスの所有者は、Outlook Web Access を使用して以下のプロパティを設定できます。
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削除済みアイテム |
ユーザーは Outlook Web Access で削除済みアイテムを処理する方法を決定できます。 |
Exchange 2007 Outlook Web Access では、ユーザーは、ログオフしたときに削除済みアイテム フォルダを自動的に空にするように Outlook Web Access を設定できます。Outlook Web Access Light では、このオプションは [メッセージング] で設定します。 |
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モバイル デバイス |
ユーザーは、Outlook Web Access で自分のモバイル デバイスを管理できます。 |
Exchange 2007 Outlook Web Access では、以下のモバイル デバイス タスクを実行できます。
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ユーザーが埋め込みリンクをクリックしたときに警告メッセージを表示する |
ユーザーが安全でない可能性のあるリンクを開けないようにすることができます。 |
ユーザーが、Outlook Web Access で認識されないプロトコルを使用している埋め込みリンクをクリックすると、そのリンクはブロックされ、"ユーザー保護のため、Outlook Web Access がこのリンクを無効にしました" という内容の警告が表示されます。これにより、ユーザーは、有害である可能性のあるコンテンツから保護されます。 |
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要求が処理されないことを示す警告を表示する |
ユーザーの一部の要求が Outlook Web Access によってブロックされます。この機能は Outlook Web Access Light でのみ使用できます。 |
Outlook Web Access をホストしているクライアント アクセス サーバーに送信されるフォーム要求 (新しい電子メール メッセージの要求など) にはすべて、一意の識別子が含まれています。Outlook Web Access は、正しい識別子が含まれていない要求を受信すると、その要求を拒否します。これにより、権限のないプロセスによって Outlook Web Access がトランスポート メカニズムとして使用されることが防止されます。 |
Outlook Web Access Light と Outlook Web Access プレミアムで利用できる機能にはいくつかの違いがあります。表 2 は、これらの違いの一覧を示しています。
表 2 Outlook Web Access Light と Outlook Web Access プレミアムの比較
機能 | Light | プレミアム |
---|---|---|
スペル チェック |
使用不可 |
使用可能 |
閲覧ウィンドウ |
使用不可 |
使用可能 |
ユーザーの視覚の状態に合わせたユーザー補助 |
使用可能 |
使用不可 |
通知とアラーム |
使用不可 |
使用可能 |
毎週の予定表ビュー |
使用不可 |
使用可能 |
Windows SharePoint Services と Windows のファイル共有統合 |
使用不可 |
使用可能 |
HTML を使用したメッセージの作成 |
Outlook Web Access Light ではテキストのみ使用可能 |
使用可能 |
予定表オプション |
以下の機能に制限されています。
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使用可能 |
並べ替え |
フォルダの種類によって選択可能な項目に制限があります。 |
使用可能 |
右クリック メニュー |
使用不可 |
使用可能 |
ドラッグ アンド ドロップ |
使用不可 |
使用可能 |
明示的なログオン |
使用不可 |
使用可能 |
入力検索 |
使用不可 |
使用可能 |
リソース メールボックスの管理 |
使用不可 |
使用可能 |
表示 (配色) |
使用不可 |
使用可能 |
ボイス メール オプション |
使用不可 |
使用可能 |
Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) の新機能
Outlook Web Access Light での変更点 Exchange 2007 SP1 では、ユーザーが長いエントリを作成しているときに Outlook Web Access がタイムアウトしないように、Outlook Web Access Light はユーザー アクティビティを監視します。
Outlook Web Access プレミアムでの変更点 Exchange 2007 SP1 の Outlook Web Access プレミアムでは、次の機能が追加されました。
- ユーザーが個人用配布リストを作成および編集できるようになりました。
- ユーザーがサーバー側のルールを作成および編集できるようになりました。
- WebReady ドキュメント表示で、2007 Microsoft Office システムのいくつかのファイル形式がサポートされるようになりました。
- ユーザーは、Outlook Web Access から収集にアクセスして削除済みアイテムの復元機能を使用できるようになりました。
- 月間予定表ビューが追加されました。
- 移動およびコピー コマンドが Outlook Web Access のユーザー インターフェイスに追加されました。
- パブリック フォルダが /owa 仮想ディレクトリを通じてサポートされるようになりました。
- S/MIME サポートが追加されました。
- 追加されたカスタマイズ機能は次のとおりです。
- Outlook Web Access で正しく表示されるように、Exchange ストアのカスタム メッセージの種類と統合する機能。
- カスタム アプリケーションを Outlook Web Access にシームレスに統合するために Outlook Web Access ユーザー インターフェイスをカスタマイズする機能。
詳細情報
Exchange 2007 SP1 の新機能の詳細については、「Exchange 2007 SP1 におけるクライアント アクセスの新機能」を参照してください。
Outlook Web Access の機能を管理する方法の詳細については、「Outlook Web Access でセグメンテーションを管理する方法」を参照してください。
Outlook Web Access を管理する方法の詳細については、「Outlook Web Access の管理」を参照してください。
Outlook Web Access からパブリック フォルダにアクセスする方法については、「ユーザーが Outlook Web Access からパブリック フォルダにアクセスできるようにする方法」を参照してください。
参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。