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サーバーの役割の展開

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2011-10-04

Microsoft Exchange Server 2007 で、役割ベースの展開が導入されました。このような展開によって、組織に必要なメッセージング機能を提供する特定のサーバーの役割を展開できます。サーバーの役割とは、メッセージング環境において特定の作業を実行するために必要な機能およびコンポーネントを論理的にグループ化する単位です。

Exchange 2007 では、メッセージング システムを展開および分散する一般的な方法に合わせて、次の 5 つのサーバーの役割が用意されています。

  • クライアント アクセス
  • エッジ トランスポート
  • ハブ トランスポート
  • メールボックス
  • ユニファイド メッセージング

組織に展開するサーバーの役割を決定するときは、以下の点を検討してください。

  • 複数のサーバーの役割を 1 台のコンピュータ上に展開し、共存させることが可能です。これらの共存する役割は、独立したエンティティとして管理します。(図 1)

  • サーバーの役割を、それぞれ専用のコンピュータに展開することもできます (図 2)。

  • 1 台のコンピュータ上でエッジ トランスポート サーバーの役割と他のサーバーの役割を共存させることはできません (図 1、2、3 を参照してください)。

  • 次の点は、RTM (Release To Manufacturing) 版の Exchange 2007 または Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) を実行している Windows Server 2003 コンピュータに該当します。
    エッジ トランスポート サーバーの役割では、構成情報および受信者情報を格納するため Active Directory アプリケーション モード (ADAM) が必要です。ADAM は、ディレクトリ対応のアプリケーションで使用するために設計されているスタンドアロンのディレクトリ サービスです。図 1、2、3 を参照してください。ADAM は、エッジ トランスポート サーバーの役割をインストールする前にコンピュータにインストールする必要があります。必要なファイルは、Active Directory アプリケーション モード (ADAM) の Web サイトからダウンロードしてください (このサイトは英語の場合があります)。インストール時には、すべて既定の設定を使用します。ADAM は、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされるときに、その役割に合わせて構成されます。

  • 次の点は、Exchange 2007 SP1 を実行している Windows Server 2008 コンピュータに該当します。
    Exchange 2007 SP1 は、サーバーの役割を Windows Server 2008 コンピュータに展開する操作をサポートしています。エッジ トランスポート サーバーが Windows Server 2008 上にインストールされている場合、ADAM は Active Directory ライトウェイト ディレクトリ サービス (AD LDS) に置き換えられます。セットアップを実行する前に、AD LDS の役割をインストールする必要があります。AD LDS の役割をインストールするには、サーバー マネージャの役割の追加ウィザードを使用します。

    note注 :
    Windows Server 2008 には、拡張された機能や名前の変更された機能がいくつかあります。Windows Server 2003 と Windows Server 2008 との間における機能変更の詳細については、「用語の変更」を参照してください。
  • エッジ トランスポート サーバーの役割は、ドメインに参加していないコンピュータにインストールすることをお勧めします。スタンドアロンのサーバー構成にすることによって、優れた分離レベルが実現され、最もセキュリティが保たれる実装になります。エッジ トランスポート サーバーはドメインに参加しているコンピュータにもインストール可能ですが、エッジ トランスポート サーバーは常に、ADAM ディレクトリ サービス (Windows Server 2003) または AD LDS ディレクトリ サービス (Windows Server 2008) を使用して、受信者情報および構成情報を格納します。Active Directory に直接アクセスすることはありません。組織からインターネットへメッセージの送受信を行うため、エッジ トランスポート サーバーの役割をインストールしたコンピュータでは送信コネクタと受信コネクタが使用されます。

  • クライアント アクセス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、メールボックス サーバーの役割、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割は、任意の組み合わせで同じコンピュータ上に共存できます。容量とパフォーマンスの計画では、この決定に厳密に従う必要があります。

  • ユニファイド メッセージング サーバーの役割を、他の Exchange 2007 サーバーの役割を持たないコンピュータにインストールする場合、Exchange 2007 組織には、メールボックス、ハブ トランスポート、およびクライアント アクセス サーバーの各役割がインストールされている他の Exchange 2007 サーバーが存在している必要があります。ただし、ユニファイド メッセージング サーバーの役割は、他の Exchange 2007 サーバーの役割と同じサーバーにインストールすることも可能です。

  • 仮想環境にユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールし実行することはサポートされていません。

  • クラスタ化メールボックス サーバーは、他のサーバーの役割とハードウェアを共存できません。(図 3)

  • どのサーバーの役割もインストールされていないコンピュータには、Exchange 管理コンソール、Exchange 管理シェル、および Exchange ヘルプ ファイルのみをインストールできます。このコンピュータを使用すると、組織の他の Exchange 2007 サーバーを管理できます。

  • 組織の複数のコンピュータにサーバーの役割を展開し、Exchange 2007 を既存の Exchange 2003 または Exchange 2000 組織にインストールする場合は、サーバーの役割を以下の順序で展開することをお勧めします。

    1. クライアント アクセス サーバーの役割
    2. ハブ トランスポート サーバーの役割
    3. メールボックス サーバーの役割
    4. ユニファイド メッセージング サーバーの役割
    note注 :
    エッジ トランスポート サーバーの役割は、展開の任意の段階で展開できます。ただし、ハブ トランスポート サーバーの役割をインストールしてエッジ トランスポート サーバーを購読するまで、エッジ トランスポート サーバーの役割は完全には機能しません。

    Exchange 2003 または Exchange 2000 フロントエンド サーバーは、Exchange 2007 メールボックス サーバーへのアクセスを提供できません。さらに、Exchange 2007 メールボックス サーバーは、Active Directory サイトにハブ トランスポート サーバーも存在していないと、電子メール メッセージを送受信できません。したがって、既存の Exchange 組織をアップグレードする際には、クライアント アクセスおよびハブ トランスポート サーバーの役割をインストールしてから、メールボックス サーバーの役割をインストールすることをお勧めします。メールボックス サーバーを最初にインストールした場合、クライアント アクセスおよびハブ トランスポート サーバーの役割をインストールするまで、メールボックス サーバーとの間のクライアント アクセスおよびメール フローを有効にすることはできません。

1 台のサーバー上にある 4 つのサーバーの役割 別のコンピューター上にあるそれぞれのサーバーの役割 クラスタ化メールボックス サーバーの役割

展開する前に

Exchange 2007 を展開する前に、組織およびサーバーが最小要件を満たすことを確認するなど、インストール前に必要なタスクを必ず実行してください。

インストール前のタスクの詳細と Exchange 2007 システムの要件については、「Exchange 2007 の展開の準備」を参照してください。

Exchange Server 2007 のインストール

次の 2 つの方法で、Exchange 2007 サーバーの役割をコンピュータにインストールすることができます。

note注 :
既存の Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server 組織に Exchange 2007 をインストールする場合は、最初のハブ トランスポート サーバーの役割をインストールするとき、トピック「Exchange 2007 を既存の Exchange Server 2003 組織にインストールする方法」に記載されている手順を実行する必要があります。この手順を実行しないと、異なるバージョンの Exchange Server 間のメール フローが確立されません。

展開した後に

Exchange 2007 を展開した後に、インストール後のタスクを実行する必要があります。インストール後のタスクの詳細については、「インストール後の作業」を参照してください。

コンピュータに 1 つ以上のサーバーの役割を既にインストールしている場合、Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードでは、サーバーの役割を追加または削除することはできません。代わりに、Setup.com コマンドを使用するか、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] を使用する必要があります。Exchange のインストールを変更する方法の詳細については、「Exchange のインストールを変更する方法」を参照してください。

詳細情報

Exchange 2007 のサーバーの役割の概要については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。