Exchange Server 2007 セットアップを使用してカスタム インストールを実行する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-08-08

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードを使用して、Exchange 2007 のカスタム インストールを実行する方法について説明します。カスタム インストールの実行により、標準インストールでは得られない柔軟性が追加されます。たとえば、カスタム インストールでは、次のことが可能です。

  • どの Exchange 2007 サーバーの役割をインストールするかを決定します。

  • クラスタ化メールボックス サーバーをインストールする。

  • Exchange 管理ツールのみをインストールする (管理ツールには、Exchange 管理コンソール、Exchange 管理シェル、Exchange ヘルプ ファイル、Microsoft Exchange ベスト プラクティス アナライザ ツール、および Exchange トラブルシューティング アシスタント ツールが含まれます)。管理ツールを使用すると、Exchange 組織をリモートで管理できます。Exchange 管理ツールをインストールしたコンピュータに 32 ビット プロセッサと 32 ビットのオペレーティング システムが搭載されている場合は、32 ビット版の管理ツールをインストールする必要があります。ダウンロードについては、Microsoft Exchange Server 2007 管理ツール (32 ビット) に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
    次の表は、Exchange 管理ツールのみのインストールをサポートするオペレーティング システムの一覧です。

    Exchange 管理ツールをサポートするオペレーティング システム

    Exchange のバージョン サポートされるオペレーティングシステム

    Exchange 2007、32 ビットプロセッサの RTM (Release to Manufacturing) バージョン

    • Windows Server 2003 SP1、Standard Edition または Enterprise Edition
    • Windows Server 2003 R2、Standard Edition または Enterprise Edition
    • Windows XP SP2

    Exchange 2007 RTM、64 ビット プロセッサ

    • Windows XP x64 Edition
    • Exchange 2007 の元のリリースでサポートされるオペレーティング システム

    Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1)、32 ビット プロセッサ

    • Windows Vista
    • Windows Server 2008、Standard または Enterprise Edition
    • Windows Server 2003 SP2、Standard Edition または Enterprise Edition
    • Windows Server 2003 R2 with SP2、Standard Edition または Enterprise Edition
    • Windows XP SP2

    Exchange 2007 SP1、64 ビット プロセッサ

    • Windows Vista
    • Windows Server 2008、64 ビット版
    • Windows XP x64 Edition
    • Exchange 2007 SP1 でサポートされるオペレーティング システム

    サポートされているオペレーティング システムの詳細については、「Exchange 2007 のシステム要件」を参照してください。

note注 :
コンピュータにいずれかの Exchange 2007 サーバーの役割をインストールした後、Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードを使用して他のサーバーの役割を追加することはできません。サーバーの役割をコンピュータにさらに追加する必要がある場合は、Windows Server のコントロール パネルを使用するか、コマンド プロンプト ウィンドウから Setup.com を使用する必要があります。インストールを変更する方法の詳細については、「Exchange のインストールを変更する方法」を参照してください。

開始する前に

このトピックの手順を実行する前に、以下の点に注意してください。

  • 電子メール メッセージが正しく送受信されるようにするには、それぞれの Active Directory ディレクトリ サービス サイトにメールボックス サーバーの役割とハブ トランスポート サーバーの役割の両方をインストールする必要がある。
  • クライアント アクセスが正しく機能するためには、メールボックス サーバーを持つ Active Directory サイトごとにクライアント アクセス サーバーをインストールする必要がある。
  • メールボックス サーバーの役割、ハブ トランスポート サーバーの役割、クライアント アクセス サーバーの役割、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割は、同じコンピュータにインストールすることも別のコンピュータにインストールすることもできる。
  • Exchange 2007 のシステム要件」に記載されている要件を組織が満たしていることを確認する。
  • Windows 2000 Server を実行しているドメイン コントローラを保有していて、Exchange 2007 RTM をインストールしている場合は、コマンド プロンプト ウィンドウから Setup.com を実行する必要があり、/DomainController パラメータを使用して、Windows Server 2003 SP1 を実行しているドメイン コントローラを指定する必要があります。コマンド プロンプト ウィンドウから Setup.com を実行する方法の詳細については、「無人モードで Exchange 2007 をインストールする方法」を参照してください。Exchange 2007 SP1 をインストールしている場合は、Windows Server 2003 SP1 を実行しているドメイン コントローラを指定する必要はありません。
  • 次の手順を実行するには、これまでに Active Directory スキーマを準備していない場合、使用するアカウントに Schema Administrators グループのメンバシップが委任されている必要があります。
    組織に最初の Exchange 2007 サーバーをインストールする場合は、使用するアカウントが Enterprise Administrators グループのメンバシップを持っている必要があります。
    既にスキーマを準備していて、組織に最初にインストールするサーバーが Exchange 2007 サーバーでない場合は、使用するアカウントに Exchange 組織管理者の役割が委任されている必要があります。
    アクセス許可、役割の委任、および Exchange Server 2007 の管理に必要な権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。Active Directory およびドメインの準備の詳細については、「Active Directory とドメインを準備する方法」を参照してください。
note注 :
Exchange 2007 をインストールすると、セットアップ プログラムによって管理者ユーザー アカウントのメールボックスが作成されます。Exchange 2007 によってメールボックスが作成されるときに、エイリアスが指定されていない場合、既定ではユーザー プリンシパル名 (UPN) が使用され、すべての非 ASCII 文字がアンダースコアに変換されます。標準以外の文字セットを使用する一部の言語では、管理者ユーザー アカウントの UPN は既定で ASCII 以外の値になっています。この場合、Exchange 2007 をインストールした後、管理者アカウント エイリアスはすべてアンダー スコアに変更されます。この問題を回避するには、Exchange 2007 をインストールする前に管理者アカウントの UPN が ASCII 値であることを確認します。

手順

Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードを使用して Exchange 2007 のカスタム インストールを実行するには、次の操作を行います。

  1. Exchange 2007 をインストールするサーバーにログオンします。

  2. Exchange Server 2007 DVD を DVD ドライブに挿入します。Setup.exe が自動的に開始しない場合は、DVD ドライブに移動して、Setup.exe ファイルのアイコンをダブルクリックします。

  3. [開始] ページで、手順 1. ~ 3. を完了します。

    note注 :
    Microsoft .NET Framework 2.0、Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0、および Microsoft Windows PowerShell が既にインストールされている場合は、これらの手順は使用できません。Microsoft .NET Framework 2.0 をインストールしていない場合、.NET Framework Developer Center へのリンクが表示されます (このサイトは英語の場合があります)。Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0 をインストールしていない場合は、Windows Server 2003 および Windows XP 用の MMC 3.0 更新プログラムの入手についてのページへのリンクが表示されます (このサイトは英語の場合があります)。Microsoft Windows PowerShell をインストールしていない場合、「1 の Windows Server 2003 Service Pack と 2 Windows XP Service Pack Windows PowerShell 1.0 英語インストール パッケージ」へのリンクが表示されます。
  4. [開始] ページで、[ステップ 4: Microsoft Exchange のインストール] をクリックします。. セットアップによって、Exchange 2007 をインストールするコンピュータのローカルにセットアップ ファイルがコピーされます。

  5. Exchange Server 2007 セットアップ ウィザードの [概要] ページで、[次へ] をクリックします。

  6. [使用許諾契約書] ページで、[使用許諾契約書に同意します] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  7. [エラー報告] ページで、[はい] または [いいえ] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  8. [インストールの種類] ページで、[Exchange Server のカスタム インストール] をクリックします。Exchange 2007 インストールのパスを変更する場合は、[参照] をクリックし、フォルダ ツリーで適切なフォルダに移動して、[OK] をクリックします。[次へ] をクリックします。

    セットアップ ウィザードの [インストールの種類] ページ

  9. [サーバーの役割の選択] ページで、コンピュータにインストールするサーバーの役割を選択し、[次へ] をクリックします。

    note注 :
    1 台のコンピュータ上でエッジ トランスポート サーバーの役割と他のサーバーの役割を共存させることはできません。
    note注 :
    エッジ トランスポート サーバーの役割は、境界ネットワーク内および Active Directory フォレストの外部に展開する必要があります。
    note注 :
    管理ツールを選択した場合は、Exchange 管理コンソール、Exchange 管理シェル用 Exchange コマンドレット、および Exchange ヘルプ ファイルをインストールします。管理ツールは、他のサーバーの役割をインストールすると、自動的にインストールされます。

    セットアップ ウィザードの [サーバーの役割の選択] ページ

  10. [ハブ トランスポートの役割] を選択し、Exchange 2007 を既存の Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server 組織を持つフォレストにインストールする場合は、[メール フローの設定] ページで、ルーティング グループ コネクタを作成する Exchange 2003 または Exchange 2000 ルーティング グループのメンバである既存の組織のブリッジヘッド サーバーを選択してください。

    note注 :
    Exchange 2007 のルーティング トポロジは Active Directory サイトに基づいており、ルーティング グループは使用されません。ただし、Exchange 2007 と Exchange 2003 または Exchange 2000 との間のメール フローを有効にするには、Exchange 2007 のルーティング グループと Exchange 2003 または Exchange 2000 の組織のルーティング グループとの間にルーティング グループ コネクタが必要です。
  11. [メールボックスの役割][クライアント アクセスの役割][ハブ トランスポートの役割]、または [ユニファイド メッセージングの役割] を選択し、これが組織で最初の Exchange 2007 サーバーである場合は、[Exchange 組織] ページに Exchange 2007 組織の名前を入力します。

    Exchange 組織の名前には、以下の文字のみを含めることができます。

    • A ~ Z
    • a ~ z
    • 0 ~ 9
    • スペース (先頭または末尾を除く)
    • ハイフンまたはダッシュ

    組織名の長さは、64 文字以下です。組織名を省略 (空白に) することはできません。組織名にスペースが含まれる場合は、二重引用符で囲む必要があります。

  12. [メールボックスの役割] を選択し、これが組織で最初の Exchange 2007 サーバーである場合は、[クライアントの設定] ページで、Microsoft Outlook を実行している組織内のクライアント コンピュータが記述されたオプションをクリックします。

    note注 :
    Outlook 2003 またはそれ以前のバージョンを実行しているクライアント コンピュータがあり、[はい] を選択した場合は、Exchange 2007 はメールボックス サーバー上にパブリック フォルダ データベースを作成します。すべてのクライアント コンピュータが Office Outlook 2007 を実行している場合は、パブリック フォルダは Exchange 2007 ではオプションです。[いいえ] を選択した場合、Exchange 2007 はメールボックス サーバーにパブリック フォルダ データベースを作成しません。後でパブリック フォルダ データベースを追加できます。たとえば、Outlook 2003 を実行しているクライアント コンピュータを追加し、パブリック フォルダ データベースが必要になった場合は、Exchange 2007 メールボックス サーバー上に作成できます。次にオフライン アドレス帳をパブリック フォルダの配布用に構成して、Microsoft Exchange Information Store サービスを再起動することで、Outlook 2003 およびそれ以前を実行しているクライアント コンピュータがサーバーに接続できるようになります。
  13. [インストールの前提条件の確認] ページで、状態を確認し、組織およびサーバーの役割の前提条件の確認が正常に完了したかどうかを判断します。正常に完了していた場合は、[インストール] をクリックし、Exchange 2007 をインストールします。

  14. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

important重要 :
組織に最初の Exchange 2007 サーバーをインストールした後に、新しい受信者オブジェクト (メールボックス、連絡先、配布リスト、メールボックス エージェント、メールボックスが有効なパブリック フォルダなど) を作成した場合、そのオブジェクトには Exchange 2007 サーバーの新しい管理グループに対応する LegacyExchangeDN が割り当てられます。この LegacyExchangeDN のために、Outlook は、Outlook と OAB Version 2 または 3 を使用してメールボックスにログオンするこの組織内の各ユーザーに対して、Exchange 2007 サーバーからの完全なオフライン アドレス帳 (OAB) のダウンロードを要求します。このために、多数の OAB ダウンロード要求が同時に発生する可能性があり、それによってネットワーク使用率が高くなります。
note注 :
Exchange 2007 をインストールしたら、そのインストールを確認する必要があります。詳細については、「Exchange 2007 のインストールの確認」を参照してください。
important重要 :
ユニファイド メッセージング サーバーの役割をインストールした後、システムを再起動して、Microsoft Exchange ユニファイド メッセージング サービスが必要な TCP ポートを予約できるようにする必要があります。

詳細情報

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。