Exchange 2007 のインストールの確認

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-12-01

Microsoft Exchange Server 2007 をインストールした後で、インストールを確認し、サーバーのセットアップ ログを確認することをお勧めします。セットアップ プロセスが失敗した場合や、インストール中にエラーが発生した場合は、セットアップ ログを使用して問題の原因を突き止めることができます。ここでは、各セットアップ ログに記録される情報およびセットアップ ログ ファイルの既定の場所について説明します。フォルダ構造、インストールされるツール、Active Directory ディレクトリ サービスの変更点、および Exchange 2007 のインストール後に開始されるサービスについても説明します。

正常なインストールの確認

Exchange 2007 が正常にインストールされたことを確認するには、Exchange 管理シェルで Get-ExchangeServer コマンドレットを実行します。このコマンドレットを実行すると、指定したサーバーにインストールされているすべての Exchange 2007 サーバーの役割の一覧が表示されます。

note注 :
エッジ トランスポート サーバーの役割では、別の Exchange 2007 サーバーの役割とハードウェアを共有することはできません。

イベント ビューア

インストール中に、Exchange セットアップによって、Microsoft Windows 2000 Server または Windows Server 2003 を実行しているコンピュータ上のイベント ビューアのアプリケーション ログにイベントがログ出力されます。アプリケーション ログを調べて、Exchange サーバーのセットアップに関連する警告またはエラー メッセージがないことを確認します。

セットアップ ログ ファイル

セットアップ プロセス中に、セットアップの進行状況に関する情報がテキスト ファイル形式でログ出力されます。既定では、ログ出力方法は詳細に設定されます。これらのログ ファイルには、セットアップ中にシステムによって実行された操作の履歴および発生したエラーが含まれます。

表 1 に、セットアップ ログ ファイルの場所と、それらのファイルに含まれる情報を示します。<システム ドライブ> 変数は、オペレーティング システムがインストールされているドライブのルート ディレクトリを表します。

表 1   セットアップ ログの場所と内容

場所 内容 サーバーの役割

<システム ドライブ>\ExchangeSetupLogs\ExchangeSetup.log

このファイルは、Exchange 2007 のインストールおよび構成中に実行されるすべてのタスクの進行状況を追跡するものです。このファイルには、インストール開始前に実行されるシステムの前提条件の確認の状態、アプリケーションのインストールの進行状況、およびシステムに加えられた構成の変更に関する情報が含まれます。このログ ファイルを調べて、サーバーの役割が期待どおりにインストールされたことを確認します。

ハブ トランスポート、メールボックス、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング、エッジ トランスポート

<システム ドライブ>\ExchangeSetupLogs\ExchangeSetup.msilog

このファイルには、インストーラ ファイルから抽出した Exchange 2007 コードに関する情報が含まれます。

ハブ トランスポート、メールボックス、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング、エッジ トランスポート

セットアップ ログ ファイルの確認

セットアップ ログ ファイルには、多数の詳細な情報が含まれています。インストール中に Exchange 2007 セットアップによって実行された各操作は、これらのファイルに書き込まれます。ログ ファイルの確認を開始するには、"error" というテキスト文字列を検索することをお勧めします。エラーが発生したことを示すエントリが見つかった場合は、その前後のテキストに目を通してエラーの原因を特定します。

<SystemRoot>\Program Files\Microsoft\Exchange\Scripts フォルダにある Get-SetupLog.ps1 スクリプト ファイルを使用して、セットアップ ログ情報を確認することもできます。Exchange 管理シェルを使用してこのスクリプトを実行して、Exchange 2007 セットアップ ログを解析します。このファイル内の情報を、プログラムによってより小さい関連するセグメントに分割する場合は、セットアップの問題を診断するのにこの方法が役立ちます。このスクリプトを使用する場合は、解析するファイルの場所および名前を指定する必要があります。

Exchange 管理シェルを使用してセットアップ ログ ファイルを解析するには、次の操作を行います。

  1. セットアップ中にログ出力されたすべてのイベントの一覧を、Exchange 管理シェルで並べ替えまたは参照できる形式で生成するには、次のコマンドを入力します。

    Get-SetupLog c:\exchangesetuplogs\exchangesetup.log
    
  2. セットアップ中にログ出力されたすべてのイベントの一覧を生成し、その結果をインデントされたツリー形式で表示するには、次のコマンドを入力します。

    Get-SetupLog c:\exchangesetuplogs\exchangesetup.log -tree
    
  3. セットアップ中にログ出力されたエラーおよび警告のみの一覧を生成するには、次のコマンドを入力します。

    Get-SetupLog c:\exchangesetuplogs\exchangesetup.log -error
    
  4. セットアップ中にログ出力されたエラーおよび警告のみの一覧を生成し、その結果をインデントされたツリー形式で表示するには、次のコマンドを入力します。

    Get-SetupLog c:\exchangesetuplogs\exchangesetup.log - error -tree
    

管理ツール

インストール中に、次の Exchange 2007 管理インターフェイスがインストールされます。

  • Exchange 管理シェル、コマンド ライン インターフェイス、および Exchange Server の関連するコマンド ライン プラグイン。管理タスクを自動化できます。
  • Exchange 管理コンソールのグラフィカル ユーザー インターフェイス。これには、Exchange 2007 と共にインストールされるツールの集合であるツールボックスが含まれます。ツールボックスでは、診断、トラブルシューティング、および回復作業を集中管理できます。

構成管理ツール

ツールボックスでは、次の構成管理ツールを使用できます。

  • Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ   Exchange サーバー トポロジの構成および状態を調べるためのツールです。

障害回復ツール

  • データベース回復管理   障害回復シナリオを管理するためのツールです。
  • データベース トラブルシューティング ツール   ストアのマウントやその他のデータベース関連の問題を解決するのに役立つツールです。

メール フロー ツール

  • メール フロー トラブルシューティング ツール   メール フローおよびトランスポート関連の問題を解決するためのツールです。
  • メッセージ追跡   メッセージ追跡ログを調べるためのツールです。
  • キュー ビューア   Exchange メールのキューを管理するためのツールです。

パフォーマンス ツール

  • パフォーマンス モニタ   サーバーのパフォーマンスおよび全体的な状態を監視するためのツールです。
  • パフォーマンス トラブルシューティング ツール   サーバーのパフォーマンスに関する問題を解決するためのツールです。
note注 :
データベース回復管理、パフォーマンス トラブルシューティング ツール、メール フロー トラブルシューティング ツール、またはメッセージ追跡ツールを選択すると、Exchange トラブルシューティング アシスタントが開きます。

Active Directory の変更点

Active Directory スキーマの変更点は、セットアップの Active Directory スキーマ準備フェーズ中に、Active Directory データベースに書き込まれます。スキーマに書き込まれる Exchange 2007 属性の詳細な一覧については、「Active Directory のスキーマの変更点」を参照してください。

Exchange 組織の管理に使用される Active Directory セキュリティ グループは、セットアップの Active Directory ドメインの準備フェーズ中に、フォレストのルート ドメイン内に作成されます。セットアップのこのフェーズでは、Exchange のセキュリティ グループ (Microsoft Exchange セキュリティ グループ) を保持するための組織単位が作成されます。すべてのセキュリティ グループはユニバーサル セキュリティ グループとして作成されます。このスコープを持つセキュリティ グループのメンバには、ユーザー、グローバル グループ、またはフォレスト内の任意のドメインからのその他のユニバーサル グループを指定できます。作成されるグループ、それらの既定のメンバシップ、およびそれらのグループに付与されるアクセス許可の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

フォルダ構造

Exchange 2007 の既定のインストール パスは、C:\Program Files\Microsoft\Exchange Server です。表 2 では、既定のインストール パスを <インストール パス> と示します。インストール中にこのパスを変更する場合、<インストール パス> はカスタム インストールの場所を示します。表 2 に、既定のトップレベルのフォルダ構造を示します。これらの各フォルダにはサブフォルダが含まれる場合があります。

表 2   Exchange 2007 の既定のインストールのフォルダ構造

フォルダのファイル パス フォルダの内容 サーバーの役割

<インストール パス>\bin

Exchange Server の管理に使用されるアプリケーションおよび拡張機能。

メールボックス、ハブ トランスポート、エッジ トランスポート、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング

<インストール パス>\ClientAccess

クライアント アクセス サーバーの役割の構成ファイル。このフォルダには、Autodiscover、Exchweb、Owa、PopImap、Sync などのサブフォルダが含まれます。これらの各サブフォルダには、関連するクライアント アクセスの機能の構成ファイルが含まれます。

クライアント アクセス

<インストール パス>\ExchangeOAB

Exchange のオフライン アドレス帳データ。

クライアント アクセス

<インストール パス>\Logging

ログ ファイル。

メールボックス、ハブ トランスポート、エッジ トランスポート、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング

<インストール パス>\Mailbox

セットアップ中に作成されたメールボックス データベースおよびパブリック フォルダデータベースのスキーマ ファイル, .dll ファイル、およびデータベースとログ ファイル。このフォルダには、Addresses、First Storage Group、MDB Temp、OAB、Schema などのサブフォルダが含まれます。これらの各フォルダには、構成およびデータ ファイルが含まれます。

メールボックス

<インストール パス>\Public

トランスポート中にアドレス参照およびヘッダー処理に使用される XML ファイルおよびドライバ。

エッジ トランスポート、

ハブ トランスポート

<インストール パス>\Scripts

タスクの自動化に使用される Exchange 管理シェル スクリプト。

メールボックス、ハブ トランスポート、エッジ トランスポート、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング

<インストール パス>\Setup

このフォルダには、Data、Perf などのサブフォルダが含まれます。これらの各フォルダには、Exchange 2007 の構成に必要な XML ファイルおよびデータが含まれます。

メールボックス、ハブ トランスポート、エッジ トランスポート、クライアント アクセス、ユニファイド メッセージング

<インストール パス>\TransportRoles

このフォルダには、Agents、Data、Logs、Pickup、Replay、Shared などのサブフォルダが含まれます。Pickup および Replay フォルダは、特定のメール フロー シナリオで使用されます。トランスポート サーバーによってログ出力されたすべてのデータは、Logs フォルダ内に表示されます。Agents フォルダには、エージェントに関連付けられているバイナリ ファイルが含まれます。Shared フォルダには、エージェントの構成ファイルが含まれます。Data フォルダには、IP フィルタ データベースが含まれます。これは、接続フィルタ エージェントによって使用される IP 許可一覧エントリおよび IP 禁止一覧エントリが格納されるデータベース、およびキュー データベースです。

ハブ トランスポート、エッジ トランスポート

<インストール パス>\UnifiedMessaging

このフォルダには、サブフォルダ、AdministrativeTools、Badvoicemail、Common、Config、Doc、Grammars、Logs、Prompts、Speech、Voicemail、および WebService が含まれます。これらのフォルダには、ユニファイド メッセージングおよび音声認識の構成およびセットアップ ファイルや、スクリプト ファイルが含まれます。ボイスメールの格納場所も提供します。

ユニファイド メッセージング

サービスの構成

Exchange 2007 のインストール中に、セットアップによって、各サーバーの役割がその機能を実行するために必要なサーバーをインストールする一連のタスクが実行されます。詳細については、「Exchange セットアップによってインストールされるサービス」を参照してください。

Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ

正常なインストールの確認を完了するには、Exchange Server ベスト プラクティス アナライザを実行することをお勧めします。Exchange Server ベスト プラクティス アナライザは、Exchange Server の展開を自動的に調べ、Microsoft のベスト プラクティスに応じて構成が行われているかどうかを判断します。Exchange をインストールまたはアップグレードした後や、構成を変更した後は、Exchange Server ベスト プラクティス アナライザを実行することをお勧めします。Exchange Server ベスト プラクティス アナライザは、Exchange 管理コンソールの [ツールボックス] から実行できます。

詳細情報

Exchange 2007 の展開を完了する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。