Exchange 管理コンソールの使用

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-08-24

新しい Exchange 管理コンソール (以前の Exchange システム マネージャ) は、Microsoft 管理コンソール (MMC) 3.0 ベースのツールで、Microsoft Exchange Server 2007 組織の構成を管理するためのグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) を Exchange 管理者に提供します。また、Exchange 管理コンソール スナップインを MMC ベースのカスタム ツールに追加することもできます。

Exchange 管理コンソールの強化された機能の詳細については、「Exchange 管理コンソールの新しい管理機能」を参照してください。

Exchange 2007 Service Pack 1 の新機能

Exchange 2007 Service Pack 1 (SP1) には次の機能が追加されています。

  • 結果ウィンドウまたは作業ウィンドウから一覧をエクスポートできます。
  • ツールボックスに、パブリック フォルダ管理コンソール、詳細テンプレート エディタ、およびルーティング ログ ビューアが追加されました。

Exchange 管理コンソールの共通のユーザー インターフェイス要素

ここでは、Exchange 全体で共通のユーザー インターフェイス要素について説明します。

Exchange Server 2007 SP1 Exchange 管理コンソール

コンソール ツリー

コンソール ツリーはコンソールの左側にあり、インストールしたサーバーの役割に基づいてノードごとにまとめられています。サーバーの役割ベースのノードについては、後で詳しく説明します。

結果ウィンドウ

結果ウィンドウは、コンソールの中央にあります。このウィンドウには、コンソール ツリーで選択したノードに基づいてオブジェクトが表示されます。さらに、結果ウィンドウに表示される情報をフィルタ処理することもできます。詳細については、「Exchange 管理コンソールで結果ウィンドウをフィルタ処理する方法」を参照してください。

作業ウィンドウ

作業ウィンドウは、結果ウィンドウの下部にあります。このウィンドウには、[サーバーの構成] ノードで選択したサーバーの役割に基づいてオブジェクトが表示されます。

note注 :
作業ウィンドウは、[サーバーの構成] ノードの下にある、[メールボックス][クライアント アクセス] などのオブジェクトを選択した場合にのみ使用できます。

操作ウィンドウ

操作ウィンドウは、コンソールの右側にあります。このウィンドウには、コンソール ツリー、結果ウィンドウ、または作業ウィンドウで選択したオブジェクトに基づいて操作が一覧表示されます。操作ウィンドウは、アイテムを右クリックしたときに表示されるショートカット メニューを拡張したものです。ただし、ショートカット メニューも使用することができます。操作ウィンドウの表示と非表示を切り替えるには、[操作ウィンドウの表示/非表示] の矢印をクリックします。

操作ウィンドウ上のボタンの表示と非表示

次の表は、操作ウィンドウの共通のオプションの一覧です。

操作ウィンドウのオプション 説明

[一覧のエクスポート]

結果ウィンドウまたは作業ウィンドウに表示されている一覧をエクスポートするには、操作ウィンドウで [一覧のエクスポート] をクリックします。一覧は次の形式でエクスポートできます。

  • テキスト (タブ区切り)
  • テキスト (コンマ区切り)
  • Unicode テキスト (タブ区切り)
  • Unicode テキスト (コンマ区切り)

一覧をエクスポートする方法の詳細については、「Exchange 管理コンソールから一覧をエクスポートする方法」を参照してください。

note注 :
   一覧のエクスポート機能は Exchange 2007 SP1 でのみ使用できます。

[表示]

Exchange 管理コンソールでのオブジェクトの表示方法を変更するには、操作ウィンドウの [表示] をクリックします。次のオプションを利用できます。

  • [列の追加/削除]
    [列の追加/削除] をクリックすると、結果ウィンドウに表示する列の選択と表示順序の変更を行うことができます。使用できる列は、どのノードを選択するかによって異なります。
    Exchange では設定が自動的に保存されます。既定の列表示に戻すには、[列の追加/削除] ダイアログ ボックスの [既定値に戻す] をクリックします。
  • [現在のフィルタを既定として保存]
    [現在のフィルタを既定として保存] をクリックすると、既存のフィルタを結果ウィンドウに表示されるサーバーの既定のフィルタとして設定できます。
    note注 :
       [組織の構成] オブジェクトをフィルタ処理することはできないので、このオプションは [組織の構成] ノードに表示されるオブジェクトでは利用できません。
  • [視覚効果]
    [視覚効果] をクリックすると、視覚効果を常にオンにするか、オンにしないか、または自動にするかを設定できます。視覚効果の設定を使用して、Exchange ウィザードの表示方法を構成します。ウィザードの実行時の接続速度が遅い場合は、視覚効果をオフにするとパフォーマンスが向上します。[自動] 設定を使用すると、システムで視覚効果がオンになっているかどうかを Exchange 管理コンソールで検出することができます。
  • [カスタマイズ]
    [カスタマイズ] をクリックすると、表示または非表示にする MMC コンポーネントとスナップインを選択できます。これらの設定は MMC 全体に適用されます。

詳細については、「表示のカスタマイズ」を参照してください。

[最新の情報に更新]

[最新の情報に更新] をクリックすると、結果ウィンドウと作業ウィンドウに表示されるオブジェクトを更新できます。

[ヘルプ]

選択しているノードやオブジェクトの状況依存ヘルプを表示するには、[ヘルプ] をクリックします。

[プロパティ]

結果ウィンドウや作業ウィンドウで選択しているオブジェクトの現在の構成を表示または編集するには、[プロパティ] をクリックします。

note注 :
オブジェクトによってはこのオプションを利用できないことがあります。

[削除]

作業ウィンドウで選択したサーバーを削除するには、[削除] をクリックします。

note注 :
オブジェクトによってはこのオプションを利用できないことがあります。
important重要 :
メールボックスを削除すると、Exchange データが削除されるだけでなく、Active Directory ディレクトリ サービス内の関連付けられたユーザー アカウントも削除されます。

[有効にする] または [無効にする]

結果ウィンドウや作業ウィンドウで選択したオブジェクトを有効または無効にするには、[有効にする] または [無効にする] をクリックします。オブジェクトを無効にしても、オブジェクトは削除されません。

note注 :
オブジェクトによってはこれらのオプションを利用できないことがあります。

サーバーの役割

Exchange 2007 で、役割ベースの展開が導入されました。役割ベースの展開によって、組織に必要なメッセージング機能を提供する特定のサーバーの役割を展開できます。サーバーの役割とは、メッセージング環境において特定の作業を実行するために必要な機能およびコンポーネントを論理的にグループ化する単位です。Exchange 2007 には、メッセージング システムを展開および配布する一般的な方法に対応した次のサーバーの役割が用意されています。

  • クライアント アクセス
  • エッジ トランスポート
  • ハブ トランスポート
  • メールボックス
  • ユニファイド メッセージング

Exchange 管理コンソールは、サポートされる Exchange 2007 サーバーの役割の組み合わせがインストールされているすべてのコンピュータでサポートされています。クライアント アクセス、ハブ トランスポート、メールボックス、およびユニファイド メッセージングのサーバーの役割の任意の組み合わせがインストールされているコンピュータでは、Exchange 管理コンソールには、組織内のすべてのサーバーが表示され、コンソール ツリーのすべてのノードが含まれます。一方、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされたコンピュータでは、Exchange 管理コンソールには、エッジ トランスポート サーバーの役割だけが表示されます。

詳細については、以下のトピックを参照してください。

クライアント アクセス、ハブ トランスポート、メールボックス、およびユニファイド メッセージングのコンソール ツリー

次の表は、クライアント アクセス、ハブ トランスポート、メールボックス、およびユニファイド メッセージング サーバーの役割の任意の組み合わせがインストールされている場合に、ユーザーが使用できる Exchange 管理コンソールのノードの一覧です。

クライアント アクセス、ハブ トランスポート、メールボックス、およびユニファイド メッセージングの Exchange 管理コンソール ノード 説明

Microsoft Exchange

[Microsoft Exchange] ノードをクリックすると、[展開の完成] タブおよび [エンド ツー エンドのシナリオ] タブが表示されます。

  • [展開の完成]   このタブを使用して、インストールしたサーバーの役割に対するさまざまな構成オプションを完成します。Exchange 2007 の展開を完了するには、このタブのタスクが必要です。このようなタスクは、既定で有効となっている機能で追加構成が必要な機能に適用します。[展開の完成] タブのリンクをクリックすると、Exchange 2007 の展開の完了に関する詳細な情報が表示されます。
  • [エンド ツー エンドのシナリオ]   このタブを使用して、Exchange 2007 組織のエンド ツー エンドのソリューションを構成します。このタブに一覧表示されるオプションのタスクは、機能に固有であり、サーバーの役割ごとに表示されます。たとえば、[メールボックス] セクションには、組織のメッセージング レコード管理 (MRM) を構成する方法が示されます。このタブのリンクをクリックすると、Exchange 2007 組織の構成に関する詳細な情報が表示されます。

組織の構成

[組織の構成] ノードを使用して、Exchange 2007 組織のグローバル データを構成します。このグローバル データは、特定のサーバーの役割がインストールされているすべてのサーバーに適用されます。これらのサーバーの役割は、[組織の構成] ノードの下に表示されます。たとえば、組織のオフライン アドレス帳 (OAB) は [メールボックス] ノードから管理できます。電子メール アドレス ポリシーは [ハブ トランスポート] ノードから管理できます。

[組織の構成] ノードの使用の詳細については、「[組織の構成] ノードを使用する」を参照してください。

サーバーの構成

[サーバーの構成] ノードを使用して、Exchange 2007 サーバーとそのコンポーネント (データベース、プロトコル、メッセージング レコード管理など) を構成します。

[サーバーの構成] ノードの使用の詳細については、「サーバーの構成ノードの使用」を参照してください。

受信者の構成

[受信者の構成] ノードを使用して、Exchange 2007 組織内の受信者を管理します。たとえば、Exchange メールボックス、メール ユーザー、メール連絡先、および配布グループを管理できます。

[受信者の構成] ノードの使用の詳細については、「[受信者の構成] ノードの使用」を参照してください。

ツールボックス

[ツールボックス] ノードを使用して、Exchange 2007 組織の管理に役立つ追加のツールにアクセスします。

Exchange 2007 の RTM (Release To Manufacturing) 版では、ツールボックスに次のツールが含まれています。

  • Microsoft Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ
  • データベース回復管理
  • データベース トラブルシューティング ツール
  • メール フロー トラブルシューティング ツール
  • メッセージ追跡
  • キュー ビューア
  • パフォーマンス モニタ
  • パフォーマンス トラブルシューティング ツール

Exchange 2007 SP1 では、次のツールも使用できます。

  • パブリック フォルダ管理コンソール
  • 詳細テンプレート エディタ
  • ルーティング ログ ビューア

これらのツールの詳細については、「ツールボックスの使用」を参照してください。

エッジ トランスポート サーバーのコンソール ツリー

次の表は、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているときにユーザーが使用できる Exchange 管理コンソールのノードの一覧です。

エッジ トランスポート サーバー ノード 説明

Microsoft Exchange

[Microsoft Exchange] ノードをクリックすると、[展開の完成] タブおよび [エンド ツー エンドのシナリオ] タブが表示されます。これらのタブを使用して、Exchange 2007 のインストールおよび構成タスクを完了します。

エッジ トランスポート

[エッジ トランスポート] ノードを展開して、組織の境界ネットワークを管理します。エッジ トランスポート サーバーは、インターネットに直接接続されたすべてのメール フローを処理し、ウイルスやスパムに対する保護を提供します。

[エッジ トランスポート] ノードの使用の詳細については、「エッジ トランスポート ノードの使用」を参照してください。

ツールボックス

[ツールボックス] ノードを使用して、Exchange 2007 組織の管理に役立つ追加のツールにアクセスします。ツールボックスには、Microsoft Exchange Server ベスト プラクティス アナライザ ツール、Exchange Server Mail Flow Analyzer、およびその他の分析ツールや診断ツールが含まれています。

note注 :
管理ツールを使用すると、Exchange 組織をリモートで管理できます。Exchange 管理ツールをインストールしたコンピュータに 32 ビット プロセッサと 32 ビットのオペレーティング システムが搭載されている場合は、32 ビット版の管理ツールをインストールする必要があります。32 ビット版の管理ツールをインストールする方法の詳細については、「Exchange 2007 管理ツールをインストールする方法」を参照してください。

[ツールボックス] ノードの使用の詳細については、「ツールボックスの使用」を参照してください。

詳細情報

Exchange 2007 のサーバーの役割の詳細については、以下のトピックを参照してください。

Exchange 管理シェルなどのその他の Exchange 管理インターフェイスの詳細については、「管理インターフェイス」を参照してください。

Exchange 管理コンソールのコンソール ツリー ノードの詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。