SharePoint 統合モードで Reporting Services がサポートする機能

ここでは、SharePoint との統合用に構成されたレポート サーバーで使用できる機能の概要を示します。統合の要件やサーバー テクノロジの連携方法の詳細については、「Reporting Services と SharePoint テクノロジの統合の概要」および「Reporting Services を SharePoint 統合モードで実行する要件」を参照してください。

機能の要約

SharePoint 統合モードで動作するようにレポート サーバーを構成すると、次のことが可能になります。これらの追加機能はこのモードでレポート サーバーを配置した場合にのみ利用できます。

  • 警告やバージョン管理など、SharePoint ドキュメント管理とコラボレーションの機能を使用できます。SharePoint サイトは、すべてのドキュメントを 1 か所で利用および管理するための統合ポータルとして使用できます。

  • SharePoint の権限と認証プロバイダーを使用して、レポート、モデル、その他のアイテムへのアクセスを制御できます。

  • SharePoint の配置トポロジを使用して、ファイアウォール外のインターネット接続を経由してレポートを配信できます。レポート サーバーでは、インターネット アクセス用に構成されている大規模な SharePoint 配置でレポートとデータを処理するサービスが提供されます。

  • SharePoint サイトのカスタム アプリケーション ページで、レポート、モデル、データ ソース、スケジュール、レポート履歴を管理できます。SharePoint サイトでは、プロパティの設定、スケジュールとサブスクリプションの定義、レポート履歴の作成と管理などを、SQL Server で他のツールを使って作成し管理するときと同じ方法で行うことができます。

  • レポート、レポート モデル、リソース、および共有データ ソース ファイルを、Office SharePoint Server のレポート センターなどの SharePoint ライブラリにパブリッシュまたはアップロードできます。

    レポート デザイナー、モデル デザイナー、およびレポート ビルダー 3.0 を使用して、SharePoint ライブラリに直接パブリッシュするレポートおよびデータ ソースを作成します。また、SharePoint サイトで [アップロード] アクションを使用して、レポート定義やレポート モデルを SharePoint ライブラリに追加することもできます。

    レポート サーバーでは、使用しているサーバー モードに関係なく同じ方法でレポート定義が処理されるため、レポートのデータとレイアウトがサーバー モードの影響を受けることはありません。ネイティブ モードのレポート サーバーで実行できるレポートであれば、SharePoint 統合モード用に構成されたレポート サーバーで実行できます。

  • 新しい SharePoint 配信拡張機能を使用して、SharePoint ライブラリに対しレポートのサブスクライブと配信を行うことができます。電子メールや共有フォルダーを使ってレポートを配信することもできます。レポートの配信にはレポート サーバーの配信拡張機能が使用されます。実行時にクエリを行うサブスクライバー データを使用して、大規模なレポート配信用のデータ ドリブン サブスクリプションを作成できます。

  • レポート ビューアー Web パーツを SharePoint ページに追加して、SharePoint Web アプリケーション内でレポートを表示することができます。Web パーツには、ページ ナビゲーション、検索、印刷、エクスポートなどの機能があります。

  • 新しい SOAP エンドポイントに対してプログラムを実行し、SharePoint サイトと統合されるカスタム アプリケーションを作成できます。更新された Windows Management Instrumentation (WMI) プロバイダーを使用して、SharePoint 統合モードで動作するレポート サーバー インスタンスをプログラムから構成することもできます。

SharePoint 統合モードで異なった動作をする機能

次の機能は、SharePoint 統合モード用に設定されたレポート サーバーで、ネイティブ モードのレポート サーバーと異なる動作をします。

  • SharePoint 統合モードでは URL アドレスの利用が異なります。レポート、レポート モデル、共有データ ソース、およびリソースの参照には SharePoint URL が使用されます。レポート サーバーのフォルダー階層は使用されません。ネイティブ モードのレポート サーバー上でサポートされる URL アクセスに依存するカスタム アプリケーションでは、レポート サーバーが SharePoint 統合用に構成されると、この機能が動作しなくなります。

  • URL アクセスの詳細については、「URL アクセス パラメーターの使用」を参照してください。

サポートされていない SharePoint 機能

すべての機能が統合操作に使用できるわけではありません。Reporting Services が直接統合していない SharePoint の一部の機能のリストを次に示します。

  • ドキュメント ライブラリの Reporting Services ファイルに対して SharePoint Outlook カレンダー統合や SharePoint スケジュール機能を使用することはできません。

  • SharePoint のパーソナル化も Reporting Services ページではサポートされていません。SharePoint Web アプリケーションが匿名アクセスに対して有効になっている場合、レポート サーバー統合はサポートされません。

サポートされていない Reporting Services 機能

次の機能は、SharePoint 統合モードで動作するレポート サーバーでは使用できません。

  • Reporting Services のカスタム セキュリティ拡張機能は、レポート サーバーに配置したり使用することはできません。レポート サーバーには特別な用途のセキュリティ拡張機能が用意されており、SharePoint 統合モードで動作するようにレポート サーバーを構成するときは常に使用されます。このセキュリティ拡張機能は内部コンポーネントで、統合操作に必要です。

  • レポート マネージャーは、SharePoint 統合用に構成されたレポート サーバー インスタンスの管理には使用できません。

  • リンク レポートはサポートされていません。

  • 個人用レポートはサポートされていません。

  • 個人用サブスクリプション

  • バッチ処理方式はサポートされていません。

SharePoint アドインとレポート サーバーのサポートされる組み合わせ

レポート サーバー、SharePoint 製品用 Reporting Services アドイン、および SharePoint 製品のすべての組み合わせで、すべての機能がサポートされているわけではありません。推奨される最高の組み合わせは、SharePoint Integrated モードで、SharePoint 2010 製品、SharePoint 2010 製品用 SQL Server 2008 R2 Reporting Services アドイン、および SQL Server 2008 R2 レポート サーバーを使用することです。

注意

Reporting Services アドインの正しいバージョンを SharePoint 製品の対応するバージョンと共に使用する必要があります。

SharePoint 2010 製品で使用できる SharePoint 2010 製品と SQL Server 2008 R2 Reporting Services のアドイン

サーバーまたはアドインの指定バージョンによって追加された新機能を次の表にまとめます。

2008 R2 レポート サーバーで提供される機能

2008 R2 アドインによって SharePoint 操作に追加される機能

  • 複数の SharePoint ゾーンのサポート。

  • Rs.exe ユーティリティは、SharePoint 統合モードでサーバーのスクリプト作成をサポートしています。

  • レポート ビルダー 3.0 のサポート。

  • データ ソースとして SharePoint リストを使用するデータ拡張 (接続モードのみ) およびクエリ デザイナー

  • Atom 表示拡張機能

  • ログインを使用する SharePoint Web アプリケーションでの信頼済みアカウント認証の使用のサポート。

  • レポート パーツ

  • 2010 管理エンドポイント。

  • Access Services が有効になっているときの接続モードでの Microsoft Access レポート

  • SharePoint 2010 製品でのインストールのみ。

  • レポート パーツを管理する新しい Web ページ。

  • レポート ビューアー Web パーツ ツールバーの Atom レンダラー特定のアイコン。

  • レポート ビルダー 3.0 および編集セッションでのレポート プレビュー操作の向上。

  • 2010 エンド ポイント プロキシ。

  • 1 ステップでのアドイン構成。

  • SharePoint ULS ログのサポート。

  • SharePoint リストのデータ拡張でレポートを表示するローカル モード。

  • Access Services が有効になっているときのローカル モードでの Access レポート

  • SharePoint の前の前提条件としてのアドインのインストール。

  • 双方向言語 (ヘブライ語やアラビア語など) を含む 37 言語、および Reporting Services Web ページの複雑なスクリプト言語に対応。

SharePoint 2010 製品用アドインの最新バージョンは、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。

新機能の詳細については、「新機能 (Reporting Services の SharePoint 統合モード)」を参照してください。

SharePoint 2010 製品と SQL Server 2008 SP1 CU#8

SharePoint 2010 製品と SQL Server 2008 レポート サーバーは、サーバーが SQL Server 2008 Service Pack 1 および SP1 の累積的な更新プログラム パッケージ 8 に更新されている場合は、組み合わせて使用することができます。この構成でサポートされる機能は、Windows レガシ認証など、SharePoint 2007 と下位互換性がある SharePoint 2010 の機能領域です。SharePoint 2010 に新たに追加された機能はサポートされません。たとえば、要求認証はサポートされません。

詳細については、SQL Server 2008 SP1 の「累積的な更新プログラム パッケージ 8」を参照してください。

SharePoint 2007 テクノロジと、SharePoint 2007 テクノロジ用 SQL Server 2008 SP2 Reporting Services アドイン

サーバーまたはアドインの指定のバージョンによって追加された新機能を次の表にまとめます。

SQL Server 2008 R2 レポート サーバーで提供される機能

更新された SQL Server 2008 アドインによって既存の SharePoint 操作に追加される機能

  • 複数の SharePoint ゾーンのサポート。

  • Rs.exe ユーティリティは、SharePoint 統合モードでサーバーのスクリプト作成をサポートしています。

  • レポート ビルダー 3.0 のサポート。

  • データ ソースとして SharePoint リストを使用するデータ拡張 (接続モードのみ) およびクエリ デザイナー。

  • Atom 表示拡張機能

  • レポート パーツ

  • 2010 管理エンドポイント。

  • レポート パーツを管理する新しい Web ページ。

  • ReportViewer Web パーツ ツール バーの Atom レンダラー固有のアイコン。

  • レポート ビルダー 3.0 および編集セッションでのレポート プレビュー操作の向上。

  • 2010 エンド ポイント プロキシ

2007 製品用アドインの最新バージョンは、Microsoft ダウンロード センターからダウンロードできます。