Share via


タンバイ連続レプリケーションの対象をシードする方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2008-07-16

このトピックには 2 つの手順が含まれます。最初の手順では、Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用して、ストレージ グループ コピーをシードする方法について説明します。2 番目の手順では、Exchange 管理コンソールを使用して、データベースのマウントを解除し、スタンバイ連続レプリケーション (SCR) の対象データベース フォルダにデータベースをオフラインでコピーする方法について説明します。

シードは、SCR の対象でデータベースのベースライン コピーを使用可能にするプロセスです。状況に応じて、シードを自動プロセスにしたり、管理者がシードを開始する手動プロセスにしたりすることができます。この手順は、シードが必要であると判断される状況で使用することができます。コピーするデータベースのサイズは、シード タスクの完了にかかる時間に直接関連します。

以下の条件が発生した場合はシードを行う必要があります。

  • SCR の対象が作成されたとき
  • データが失われ、SCR の対象に相違が発生したか対象が回復不能になった障害の発生後
  • システムで、SCR の対象データベースに再生することができない破損したログ ファイルが検出されたとき
  • SCR のレプリケート元またはレプリケート先のデータベースで、オフラインでのディスクの最適化が行われた後
  • SCR のレプリケート元データベースでページ除去が発生した後、SCR の対象データベースに変更を反映する場合
  • ストレージ グループのログ生成シーケンスが 1 にリセットされた後

以下の方法を使用して、Microsoft Exchange Server 2007 のシードを実行できます。

  • 自動シード   自動シードは、SCR の対象上にストレージ グループのデータベースのコピーを生成します。自動シードでは、ストレージ グループによって生成された最初のログ ファイルが SCR のレプリケート元で使用できる必要があります。
  • Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用したシード   Exchange 管理シェルで StandbyMachine パラメータを指定して Update-StorageGroupCopy コマンドレットを使用すると、SCR ターゲットのコピーをシードできます。
  • オフライン データベースの手動によるコピー   このプロセスによって、データベースはマウントを解除され、SCR ターゲット コンピュータ上の同じ場所にデータベース ファイルをコピーします。この方法を使用すると、データベースを解除する手順が必要になるためで、サービスが中断します。
    note注 :
    一部のバックアップ アプリケーションでは、シード データベースのソースとしてバックアップを使用するための方法がサポートされる場合があります。SCR ターゲットへの復元はサポートされません。このオプションがサポートされる場合は、バックアップ アプリケーションによる明示的で完全なサポートが必要です。

開始する前に

メールボックス サーバーの役割がインストールされているコンピュータで以下の手順を実行するには、使用するアカウントに Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカルの Administrators グループが委任されている必要があります。Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

important重要 :
データベースまたはログ ファイルが SCR ターゲット コピーの保存される場所に存在する場合、シード操作を開始する前にデータベースまたはログ ファイルを削除する必要があります。
important重要 :
Update-StorageGroupCopy の手順は、SCR ターゲット コンピュータから実行する必要があります。

手順

Exchange 管理シェルを使用して SCR の対象をシードするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理シェルを開きます。

  2. 以下のコマンドを実行して、ストレージ グループのレプリケーションを中断します。

    Suspend-StorageGroupCopy -Identity <Server\StorageGroupName> -StandbyMachine <SCRTargetMachine>
    
  3. SCR ターゲット コンピュータからデータベース ファイル、すべてのログ ファイル、およびチェックポイント ファイルを削除します。構成されたディレクトリ (ログ ディレクトリ、システム ファイル ディレクトリ、データベース ファイルをホストしているディレクトリ) から *.log、*.jrs、*.chk, .edb ファイルを削除します。

  4. 次のコマンドを実行し、SCR の対象ストレージ グループのコピーをシードします。

    Update-StorageGroupCopy -Identity <Server\StorageGroupName> -StandbyMachine <SCRTargetMachine>
    
    note注 :
    Update-StorageGroupCopy コマンド使用すると、ストレージ グループのコピーに対するレプリケーションが自動的に再開されます。Update-StorageGroupCopy コマンドでレプリケーションを自動的に再開しない場合は、ManualResume パラメータを設定してコマンドを実行してください。詳細については、「Update-StorageGroupCopy」を参照してください。Update-StorageGroupCopy コマンドの実行後にレプリケーションを手動で再開するには、以下のコマンドを実行してください。
    Resume-StorageGroupCopy -Identity:<Server>\<StorageGroupName> -StandbyMachine <SCRTargetMachine>
    
    note注 :
    Update-StorageGroupCopy タスクの実行中にエラーが表示される場合は、「Update-StorageGroupCopy」に記載されているエラーの表を参照してください。
  5. Update-StorageGroupCopy コマンドが完了し、ストレージ グループのコピーが再開された後で、Get-StorageGroupCopyStatus コマンドレットで StandbyMachine パラメータを使用して、SCR ターゲットへのレプリケーションが正しく機能していることを確認します。

    important重要 :
    実際にデータ フローが行われていない場合でも通常の処理が行われているように見えることがあるので、実際にデータ フローが行われていることを必ず確認してください。

オフライン データベース ファイルをコピーして SCR ターゲットを手動でシードするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを開きます。

  2. [サーバーの構成] を拡張した後、[メールボックス] を選択します。

  3. 結果ウィンドウで、マウント解除するデータベースを含むメールボックス サーバーを選択します。

  4. 作業ウィンドウで、マウント解除するデータベースを右クリックし、[データベースのマウント解除] を選択します。

  5. マウントが解除されたデータベースでレプリケーションを中断します。

  6. データベースのレプリケーションが中断されたら、運用データベース フォルダから SCR の対象データベース フォルダにデータベース ファイル (.edb ファイル) をコピーします。

    note注 :
    運用データベース フォルダの場所は、[概要] ページまたは [プロパティ] ページのいずれかで参照できます。
  7. SCR のレプリケート元データベース フォルダから対象データベース フォルダにデータベース ファイルをコピーしたら、マウント解除したデータベースを右クリックし、[データベースのマウント] をクリックします。

    note注 :
    ファイルがコピーされたら、シードは完了です。運用データベースがマウントされると、クライアント アクセスが復元されます。
  8. マウント解除されていたデータベースのレプリケーションを再開します。

    note注 :
    以上でシードは完了し、トランザクション ログのレプリケーションと再生が自動的に実行されます。

詳細情報

ここで説明した Exchange 管理シェル コマンドレットの詳細については、以下のトピックを参照してください。

SCR 環境の管理の詳細については、「スタンバイ連続レプリケーションの管理」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。