Office 2010 の Office Migration Planning Manager ファイル スキャナーを実行する

Offscan.ini の設定

OMPM ファイル スキャナーは、offscan.ini 構成ファイルに構成された設定に基づいてアクションを実行します。スキャンを実行する前に、設定を offscan.ini に構成する必要があります。offscan.ini の設定は、スキャンの種類、範囲、および分析を定義します。Offscan.ini は、OMPM の Scan フォルダーに格納されています。offscan.ini 構成ファイルで使用可能なすべての構成オプションについては、「Office 2010 の Office Migration Planning Manager Offscan.ini の設定」を参照してください。

OMPM ファイル スキャナーを管理用クライアント コンピューターから実行する

OMPM ファイル スキャナーを管理用クライアント コンピューターから実行するには、OMPM のすべての必須ファイルを管理用クライアント コンピューターに配置し、ネットワーク経由でコンピューターをスキャンするように Offscan.ini ファイルを構成します。Offscan.ini は、Offscan.exe と同じフォルダー内にあります。Offscan.exe は、次のセクションで説明するとおり、コマンド ラインから実行します。Offscan.ini で FoldersToScan および FoldersToExclude 設定を使用して、スキャンするネットワークの場所を制御します。OMPM ファイル スキャナーをセットアップする方法の詳細については、「Office 2010 の Office Migration Planning Manager ファイル スキャナーをセットアップする」を参照してください。

OMPM ファイル スキャナーを管理用クライアント コンピューターから実行するには

1. 管理用クライアント コンピューターが OMPM のすべての要件を満たしていることを確認してください。詳細については、「管理用コンピューターの要件」を参照してください。

2. スキャンの実行方法に適用する Offscan.ini ファイル内の設定を編集します。

3. コマンド ラインから、OMPM ファイル スキャナー ファイルがあるディレクトリに移動して、「offscan.exe」と入力します。

   コマンドを自動モードで実行するには、-q パラメーターを使用して「offscan.exe -q」と入力します。

OMPM ファイル スキャナーを中央の共有フォルダーから実行する

OMPM ファイル スキャナーを中央の共有フォルダーから実行するには、すべての必須ファイルを共有フォルダーに配置して、ネットワーク経由でコンピューターをスキャンするように Offscan.ini ファイルを構成します。ファイル スキャナーを中央の共有フォルダーから実行するときは、マップ ドライブの場所から実行する必要があります。この構成のスキャナーを呼び出すための推奨構文は、次のとおりです。

1. Pushd \\server\share

2. Offscan.exe

System Center Configuration Manager および同様のツールを使用して OMPM ファイル スキャナーを各クライアント コンピューターで実行する

Microsoft System Center Configuration Manager 2007、サードパーティ製のソフトウェア配布プログラム、または OMPM ファイル スキャナーを配布するためのスクリプトを使用して、環境内の各コンピューターで OMPM ファイル スキャナーをローカルに実行できます。

System Center Configuration Manager 2007 は、伝送するデータを暗号化します。別のソフトウェア配布パッケージを使用する場合は、データが暗号化されるかどうかについて、その製品のマニュアルを参照してください。System Center Configuration Manager 2007 を使用しない場合は、ネットワーク経由のドキュメントの読み込みおよび編集によってセキュリティの問題が生じる可能性があるのと同様に、ネットワーク経由でのファイルのスキャンによって潜在的なセキュリティの問題が生じる可能性があることに注意してください。

OMPM ファイル スキャナーを中央の共有フォルダーから実行するサンプル スクリプトは、「Office 2010 のファイル共有から Office Migration Planning Manager (OMPM) ファイル スキャナーを実行するサンプル スクリプト」を参照してください。System Center Configuration Manager 2007、別のソフトウェア配布パッケージ、またはサンプル スクリプトを配布するスクリプトを使用できます。

ログオン スクリプトを使用して OMPM ファイル スキャナーを中央の共有フォルダーから実行することもできます。スキャンを実行するコンピューターに地理的に近く、同じサブネット上にある中央の保存先にログ ファイルを保存することを強くお勧めします。たとえば、ニューヨークと北京でファイルをスキャンする場合は、ニューヨークの近くと北京の近くに 1 台ずつサーバーを設置して、スキャンの XML ファイルと CAB ファイルを収集する必要があります。Offscan.ini の DestinationPath プロパティを使用して保存場所を構成し、さまざまなバージョンの Offscan.ini を各サイトのスキャン ジョブに配布できます。

OMPM ファイル スキャナーを実行するには

1. 各クライアント コンピューターが OMPM の要件を満たしていることを確認してください。詳細については、「クライアント コンピューターの要件」を参照してください。

2. スキャン要件に適用する offscan.ini 構成ファイルの設定を編集します。

3. OMPM スキャン コンポーネントをクライアント コンピューターが権限を持つ共有フォルダーに保存します。

4. コマンド プロンプトで、「pushd \\<サーバー>\<共有フォルダー>」と入力します。

   コマンドを自動モードで実行するには、-q パラメーターを使用して、「offscan.exe -q」と入力します。

5. コマンド プロンプトで、「offscan.exe」と入力します。

スキャン ログ ファイルが offscan.ini の DestinationPath 設定で指定した場所に保存されます。この場所は、ネットワーク共有でもローカル フォルダーでもかまいません。

OMPM ファイル スキャナーを各クライアント コンピューターで実行する

ポータブル コンピューター、ブランチ オフィスのコンピューターなど、必ずしも常にネットワークに接続しているわけではないコンピューターでは、OMPM をローカルに実行することが適切です。すべての該当するファイルを CD、ユーザーが開始するダウンロード、またはログオン スクリプトを介して配布できます。

ログオン スクリプトを使用して OMPM ファイル スキャナーを配布する場合は、IExpress 2.0 を使用して配布パッケージを作成できます。詳細については、「IExpress 2.0 を使用して Office 2010 の Office Migration Planning Manager (OMPM) ファイル スキャナー用の配布パッケージを作成する」を参照してください。

OMPM ファイル スキャナーの実行に関する重要な検討事項

OMPM ファイル スキャナーを実行する前に、次の一般的な点について検討します。

• Microsoft Outlook、Microsoft FrontPage、Microsoft OneNote、および Microsoft InfoPath のファイルは、ライト スキャンにもディープ スキャンにも含まれません。

• OMPM ファイル スキャナーは、パスワードまたは Information Rights Management (IRM) で保護されているドキュメントに対してディープ スキャンを実行しません。ただし、これらの種類のファイルに対してライト スキャンはサポートされています。

• SkipOldAccessed および SkipOldModified 設定は、ディープ スキャンが有効になっている場合にのみ使用されます。これらの設定は、ライト スキャン時には無視されます。

• スキャンで指定するネットワーク パスは有効である必要があります。ネットワーク パスを確認してください。ネットワーク パスが無効の場合、不特定のエラー メッセージ「不明なエラー: 0x80070035」がログに記録されます。

• autoexec マクロを含む Access データベースはスキャンされません。

• OMPM が Office ファイルへのハイパーリンクが埋め込まれているファイルをレポートしても、OFC はハイパーリンクを解決または更新しません。ファイルを OpenXML に変換すると、ファイル名の拡張子が変更されるため、変換後のファイルをハイパーリンクは参照できません。

• Windows 7 を実行するコンピューターでは、OMPM ファイル スキャナーは、CTRL_CLOSE、CTRL_LOGOFF、および CTRL_SHUTDOWN イベントを検出しません。つまり、スキャンの実行中に、コマンド ウィンドウが閉じたり、コンピューターからログオフまたはシャットダウンしたりすると、スキャンは完了したものと見なされ、再開されません。

• Offscan.exe の経過時間カウンターは、中規模から大規模なスキャンの実行後、多数のパーセンテージがオフになります。示される経過時間は、スキャンの実際の経過時間よりも長くなります。

• /d パラメーターを使用すると、スキャナーが書き込みアクセス許可を持つファイルの [最終アクセス日付] が OMPM によって変更されるのを防止できます。このパラメーターを使用しない場合、またはスキャナーがスキャン対象ファイルに対する書き込みアクセス許可を持たない場合に、SkipOldAccessedFiles および OldAccessDate 設定を offscan.ini ファイルで使用すると、予期しない結果が生じることがあります。特に、これらの設定には初回スキャン時に従う必要があり、古いファイルはスキップされますが、スキップされたファイルの [最終アクセス日付] プロパティ設定は更新されるため、以前スキップされたファイルは後続のスキャンでスキャンされます。

• (offscan.exe と offscan.ini が同じコンピューターからアクセスされる) ローカル スキャンでのみ、offscan.ini の [FoldersToScan]、[FoldersToExclude]、および [DestinationPath] プロパティは、環境変数をサポートします。たとえば、一時ファイルの格納場所として解決される %temp% を指定できます。スペルミスや他の理由 (%temps% の代わりに %temp% を指定したなど) によって環境変数を解決できない場合、OMPM ファイル スキャナーはそのエントリを環境変数ではなくフォルダー名として処理します。

• ドキュメント内の埋め込みオブジェクトはスキャンされません。ただし、ドキュメントに埋め込みオブジェクトが含まれていることは報告されます。

• ファイルの変換に Office ファイル コンバーター (OFC) ツールの使用を予定している場合は、ofc.exe を実行するコンピューターに Microsoft Office 互換機能パックをインストールする必要があります。ファイル スキャンの実行には、Office も Office 互換機能パックも必要ありません。ただし、Microsoft Access バージョン 97 ～ 2003 の詳細なファイル スキャンの実行を予定している場合は、Access 2007 または Access 2010 をインストールして、Access ファイルのスキャンを実行できるようにする必要があります。

OFC および VET の使用方法の詳細については、「Office ファイル コンバーター (OFC) およびバージョン抽出ツール (VET) を使用して Office のバイナリ ファイルを変換する」を参照してください。

See Also

Concepts

Office 2010 用の Office Migration Planning Manager の概要
Office 2010 の Office Migration Planning Manager ファイル スキャナーをセットアップする
Office Migration Planning Manager ログ ファイルをデータベースにインポートする
Office 2010 の Office Migration Planning Manager レポートを分析する
Office 2010 用の Office Migration Planning Manager のリファレンス
Office ファイル コンバーター (OFC) およびバージョン抽出ツール (VET) を使用して Office のバイナリ ファイルを変換する

Other Resources

Getting started with OMPM 2010 (英語)