ポータル グループ作業環境のパフォーマンスと容量の要件を予測する
この記事の内容 :
主要特性
テスト環境
使用プロファイル
推奨事項
このパフォーマンスおよび容量計画シナリオでは、企業環境のグループ作業およびドキュメント管理で単一の Microsoft Office SharePoint Server 2007 ファームを使用します。
主要特性
主要特性とは、このシナリオに基づく展開で予測される環境要因、使用特性、および他の考慮事項を指します。
このシナリオの主要特性には、次が含まれます。
認証、アクセス制御、および承認 ポータル グループ作業シナリオでは、統合 Windows 認証が使用されます。通常、サイトとコンテンツは、セキュリティ グループを使用するか、またはユーザー アカウント ベースで各ユーザーにアクセスを許可することで、セキュリティ保護されています。この認証と承認の使用は、スループットに影響します。さらに、認証と承認の使用には、ファーム サーバーとドメイン コントローラ間のネットワーク接続が必要です。
関連付けられたディレクトリ このシナリオには、ユーザーと組織の情報を提供する、関連付けられた Active Directory ディレクトリ サービスが含まれます。この情報は、プレゼンス、ターゲット、対象ユーザーなどの高度な機能を提供するために、Office SharePoint Server 2007 機能によって使用されます。
通常 (読み取り) および複雑な (読み取り/書き込み) ユーザー操作 グループ作業環境では、ユーザーはコンテンツを表示したり、コンテンツに投稿したりします。このシナリオの目標スループットは、ドキュメントのアップロードまたはダウンロードなどの複雑なユーザー操作に対して、妥当な応答時間になるよう設定されています。
時間の経過によるデータとサイト規模の増大 初期データ ボリュームの予測に加えて、Office SharePoint Server 2007 グループ作業環境では、時間の経過によるデータとサイト規模の増大に対応する必要があります。初期データ ボリュームのみを考慮してサイズ設計されたサーバー ファームは、すぐに容量が足りなくなります。
ユーザー応答時間 日常的、非日常的、長期的、およびまれに実行される操作の目標ユーザー応答時間は、「ソフトウェア境界を計画する (Office SharePoint Server)」という記事の最後にある表「ユーザー応答時間」にリストされています。組織によっては、ユーザー応答時間が遅くてもよい場合もあれば、速くなければならない場合もあります。目標とするユーザー応答時間は、全体的な目標スループットを定めるうえで重要な要素です (スループットとは、サーバー ファームが 1 秒間に処理できる要求の数です)。ユーザーの数が増えれば増えるほど、同じユーザー応答時間を実現するために目標スループットを上げる必要があります。
ユーザー同時性 同時実行率は 10% で、常にユーザーの 1% が同時に要求を行うと仮定しています。たとえば、10,000 ユーザーの場合、実質的に 1,000 ユーザーがソリューションを同時に使用し、100 ユーザーが要求を行っていることになります。
長期的な非同期タスク コンテンツのインデックス作成、データベースのバックアップなどのタスクは、サーバー ファーム スループットに影響する場合があります。サンプル トポロジの一般的なパフォーマンス特性では、これらのタスクが夜間などのオフピーク時に実行されると仮定しています。したがって、業務時間中のユーザー応答速度は影響を受けません。
テスト環境
このシナリオのテストは、さまざまな要因の変化に対応するために、どのようなファーム構成を使用すべきかを明らかにするために実施されています。考慮されている要因には、同時使用するユーザーの数、ユーザー操作、オブジェクトの数 (サイト コレクション、サイト、ライブラリ リスト) が含まれます。
テスト結果から特定の結論を導き出せるとしても、この記事に掲載されている特定の容量およびパフォーマンスの値は、実稼働環境で得られるものとは異なる点に注意してください。掲載されている値は、適切な規模の環境を設計するうえでの目安にすぎません。システムの初期設計が完了したら構成をテストし、実際の環境をサポートしていることを確認してください。
展開のテストについては、「パフォーマンスと容量を計画するためのツール (Office SharePoint Server)」を参照してください。
前提条件
64 ビット アーキテクチャ テスト環境では、64 ビット サーバーのみが使用されています。Office SharePoint Server 2007 は 32 ビット サーバーにも展開できますが、Office SharePoint Server 2007 ファーム展開では 64 ビット サーバーを使用するようお勧めします。詳細については、「パフォーマンスと容量の計画について (Office SharePoint Server)」という記事の「32 ビット版と 64 ビット版」を参照してください。
ディスクベースのキャッシュを有効化 ディスクベースのキャッシュを有効にすると、コードの断片や大きいバイナリ ファイル (画像、音声、ビデオなど) をロードするためにデータベースへ何度もアクセスすることを防げます。これにより、展開システム全体のパフォーマンスを向上させることができます。ディスクベースのキャッシュは、既定で有効になっていないことに注意してください。ディスクベースのキャッシュの有効化については、「バイナリ ラージ オブジェクトのディスクベースのキャッシュ」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=82617&clcid=0x411) を参照してください。
ラボ トポロジ
詳細なテスト結果を示すため、アプリケーション サーバー 1 台、Microsoft SQL Server 2005 データベース ソフトウェアを実行するデータベース サーバー コンピュータ 1 台を基本に、1 ～ 8 台の Web サーバーを含む複数のファーム構成を使用しました。テストは、8 台のクライアント コンピュータを使用し、32 ～ 256 の同時ユーザー接続があるものと仮定して実施されました。サーバー コンピュータはすべて 64 ビット、クライアント コンピュータは 32 ビットです。
次の表に、テストで使用されたハードウェアを示します。
| コンピュータのロール | ハードウェア |
|---|---|
Web サーバー |
デュアルコア Intel Xeon 2.8 GHz (ギガヘルツ) プロセッサ 2 基 4 GB (ギガバイト) RAM |
アプリケーション サーバー |
デュアルコア Intel Xeon 2.66 GHz プロセッサ 4 基 16 GB RAM |
データベース サーバー |
デュアルコア Intel Xeon 2.8 GHz プロセッサ 4 基 32 GB RAM |
クライアント コンピュータ |
Pentium 3 1.2 GHz プロセッサ 1 基 1 GB RAM |
テスト環境では、ギガビット (10 億ビット/秒) ネットワークが使用されました。十分なネットワーク帯域幅を確保できるように、Office SharePoint Server のサーバー間の接続にギガビット ネットワークを使用するようお勧めします。
使用プロファイル
次の表に、Office SharePoint Server 2007 グループ作業テスト環境の使用プロファイルと、テスト環境における各ユーザー操作のスループット使用率を示します。
| 操作 | スループット使用率 |
|---|---|
発行サイトでページを作成する |
0.25 |
発行サイトを作成する |
0.01 |
発行サイトで大きなページを作成する |
8 |
データ フォームを更新する |
0.01 |
データ ビューを参照する |
1 |
データ ビューをフィルタする |
1 |
データ ビューをグループ化する |
1 |
データ ビューをページングする |
1 |
データ ビューを並べ替える |
1 |
監査されたリスト アイテムを検索する |
1 |
100 ドキュメントを含むドキュメント ライブラリのアイテム ビューをすべて開く |
5 |
Excel Calculation Services ワークブックをダウンロードする |
1 |
Excel Calculation Services セルを設定する |
0.08 |
Excel Web Access ダッシュボードを開く |
1 |
Excel Web Access Web パーツ内を移動する |
2 |
Excel Web Access ビューアを開く |
2 |
Excel Web Access ページを更新する |
1 |
InfoPath Form Services を使用して通常レベルのフォームを作成する |
0.33 |
InfoPath Form Services を使用して通常レベルのフォームを作成する |
0.33 |
InfoPath Form Services を使用して簡単なパスポートを作成する |
0.33 |
InfoPath Form Services を使用して通常レベルのフォームを開く |
0.33 |
InfoPath Form Services を使用して簡単なパスポートを開く |
0.33 |
InfoPath Form Services を使用して簡単なパスポートを作成する |
0.33 |
個人用サイトの非公開ビューを開く |
2 |
個人用サイトの公開ビューを開く |
2 |
サイト ディレクトリのホーム ページを開く |
1 |
サブサイトのサイト ディレクトリ サイトを開く |
0.5 |
ビジネス データ カタログのリストを並べ替える |
0.25 |
ビジネス データ カタログの SAP 顧客リストを開く |
0.25 |
トップレベル サイトのホームページを表示する |
7 |
個人用サイトのプロファイルを変更する |
0.01 |
シングル サインオン (SSO) から資格情報を取得する |
0.50 |
SSO で資格情報を設定する |
0.50 |
ユーザーを追加または削除する |
0.01 |
リストまたはドキュメント ライブラリのフォームを表示する |
5 |
ドキュメント ライブラリからドキュメントを開く |
5 |
リスト アイテム プロパティを編集する |
1 |
サイト ホームページを表示する |
1 |
リストを Outlook と同期する |
0.05 |
オブジェクト モデルを経由してドキュメントをアップロードする |
0.10 |
リストの RSS フィードを表示する |
2 |
小さいドキュメント ライブラリの全アイテムのビューを開く |
5 |
チーム サイトのホーム ページを開く |
21.41 |
サイト マネージャ ページを開く |
0.01 |
IRM によって保護されているドキュメントを開く |
1 |
レコードを保留する |
0.01 |
ドキュメントを公式ファイルとしてマークする |
0.05 |
ドキュメントにポリシーを適用する |
0.01 |
監査ログから特定のエントリを探す |
0.05 |
検索クエリを実行する |
15 |
チーム サイトを作成する |
0.01 |
推奨事項
ここでは、一般的なパフォーマンスおよび容量の推奨事項について説明します。これらの推奨事項に基づいて、「冗長性を計画する (Office SharePoint Server)」で作成した開始点トポロジの容量およびパフォーマンスを決定し、開始点トポロジをスケール アウトまたはスケール アップする必要があるかどうか判断してください。
ハードウェア推奨事項
次の表に、Web サーバー、アプリケーション サーバー、およびデータベース サーバーの推奨ハードウェアを示します。システムの最小要件および推奨要件の詳細については、「ハードウェアおよびソフトウェアの要件を決定する (Office SharePoint Server)」を参照してください。
注意
Web、アプリケーション、およびデータベース サーバーのメモリ要件は、ファームのサイズ、同時に使用するユーザーの数、およびファームで使用する機能とページのレベルによって異なります。通常、次の表に示すメモリ推奨事項は、小規模または使用頻度が低いファームでは十分です。とはいえ、メモリ使用量を定期的に監視し、メモリの増設が必要ないかどうか確認してください。
| コンピュータのロール | 推奨ハードウェア |
|---|---|
Web サーバー |
デュアル 2.5 GHz 以上のプロセッサ (3 GHz 以上を推奨) 2 GB 以上の RAM を推奨 3 GB の空きディスク容量 DVD ドライブ (ローカルまたはネットワークでアクセス可能) 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
アプリケーション サーバー |
デュアル 2.5 GHz 以上のプロセッサ (3 GHz 以上を推奨) 4 GB 以上の RAM を推奨 3 GB の空きディスク容量 DVD ドライブ (ローカルまたはネットワークでアクセス可能) 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
データベース サーバー |
デュアル 2.5 GHz 以上のプロセッサ (3 GHz 以上を推奨) 4 GB 以上の RAM を推奨 コンテンツとデータベース容量の比が 1:1.2 となるハードディスク空き容量。たとえば、コンテンツ容量を 100 GB と予定している場合、少なくとも 120 GB の空き容量に加えて、トランザクション ログ用の容量を確保する必要があります。 DVD ドライブ (ローカルまたはネットワークでアクセス可能) 解像度が 1024 x 768 以上のモニタ |
開始点トポロジとスケール アウトされたトポロジ
計画中の開始点トポロジのパフォーマンスは、そのトポロジを、「冗長性を計画する (Office SharePoint Server)」で説明されている開始点トポロジと比較することで予測できます。この予測により、目的のパフォーマンスと容量を満たすために、計画中の開始点トポロジを拡張する必要があるかどうかを簡単に判断できます。
計画中の開始点トポロジの容量とパフォーマンスを向上するには、さらに高性能のサーバー コンピュータを実装してスケール アップするか、サーバーをトポロジに追加してスケール アウトします。ここでは、トポロジをスケール アウトした場合の一般的なパフォーマンス特性について説明します。サンプル トポロジにより、ポータル グループ作業のトポロジを拡張するための次の一般的な方法を示します。
さらに大きなユーザー負荷に対応するには、Web サーバー コンピュータを追加します。Web サーバーの処理負荷を部分的に軽減するため、アプリケーション サーバーを追加することもできます。特に、使用する環境で、Excel Calculation Services などの特定のアプリケーション サービスが高頻度で使用される場合にはこの方法が効果的です。基本的に、展開できるアプリケーション サーバー数は、追加の I/O ロードを処理するデータベース サーバーまたはサーバーの性能によって制限されます。
さらに大きなデータ負荷に対応するには、データベース サーバー ロールの容量を増やします。これは、単一の (クラスタ化またはミラー化された) サーバーの容量を増やすか、64 ビット サーバーにアップグレードするか、クラスタ化またはミラー化されたサーバーを追加することで行えます。
1 台の (クラスタ化またはミラー化された) データベース サーバー コンピュータには、9 台以上の Web サーバー コンピュータを割り当てないでください。弊社ラボのテストでは、4x1x1 (Web フロントエンド サーバー 4 台、アプリケーション サーバー 1 台、およびデータベース サーバー 1 台) の比が最適であるとの結果が出ました。とはいえ、特にデータベース サーバーに対して、さらに堅牢なハードウェアを展開することにより、使用する環境でさらに良い結果が出る可能性があります。
目標スループットの予測
スループットとは、サーバー ファームが 1 秒で実行できる演算の数です。スループットは、秒あたりの要求 (RPS) で計測されます。ここでは、フロントエンド Web サーバーおよびユーザーの接続数が増加する場合のファーム スループットを示すテスト データを提供します。
いくつかの要因がスループットに影響します。たとえば、ユーザー数、ユーザー操作の複雑さと頻度、キャッシュ、ページと Web パーツのカスタマイズなどです。これらの要因それぞれは、ファーム スループットに大きな影響を及ぼす場合があります。したがって、展開を計画する際は、これらの要因それぞれについて十分な検討が必要です。
Office SharePoint Server 2007 はさまざまな方法で展開、構成できるため、特定の台数のサーバーで、何人のユーザーをサポートできるかを簡単に述べることはできません。したがって、Office SharePoint Server 2007 を実稼働環境に展開する前に、使用する環境でテストすることは重要です。
Office SharePoint Server 2007 でのキャッシュの詳細については、「カスタム キャッシュの概要」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=82618&clcid=0x411) および「パフォーマンスと容量の計画に影響を与えるその他の要因 (Office SharePoint Server)」の「キャッシュ」セクションを参照してください。
組織に、既存のグループ作業ソリューションがある場合は、Microsoft インターネット インフォメーション サービス (IIS) のログを参照し、現在の環境における使用パターンと傾向を調べることができます。IIS ログ解析の詳細については、「Analyzing Log Files (IIS 6.0) (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78825&clcid=0x411) を参照してください。
新たにグループ作業ソリューションを計画している場合は、ここで説明されている情報を使用して、使用パターンを予測してください。
ここで掲載されている表は、前述の「テスト環境」のハードウェアを使用し、読み取り専用ユーザー操作、読み取り/書き込み混合ユーザー操作の両方を行った場合のテスト結果です。各ファーム構成で、1 ～ 8 台の Web サーバーと、1 台のアプリケーション サーバーおよび 1 台のデータベース サーバーの組み合わせがテストされました。したがって、3x1x1 ファーム構成は、Web サーバー 3 台、アプリケーション サーバー 1 台、データベース サーバー 1 台と解釈します。複数のアプリケーション サーバーまたはデータベース サーバーを含むファームのテストは実施されていません。
次の表に、読み取り/書き込み混合ユーザー操作および読み取り専用ユーザー操作のテスト結果を示します。
注意
読み取り/書き込み混合テストは、7x1x1 以上のファームでは実施されていません。これは、テストで使用されたハードウェアが、4x1x1 の比で限界に達したためです。さらに高いパフォーマンスを備えるハードウェアでは、ここで示すテストの限界を超えて拡張できる場合があります。
| ファーム サイズ | RPS | Web サーバー CPU | データベース サーバー CPU | クライアント コンピュータ CPU | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
混合 |
読み取り |
混合 |
読み取り |
混合 |
読み取り |
混合 |
読み取り |
|
1x1x1 |
49.8 |
73.3 |
91.00 |
98.40 |
17.90 |
15.00 |
10.89 |
6.50 |
2x1x1 |
79.2 |
141 |
76.40 |
93.10 |
24.50 |
29.40 |
14.04 |
11.10 |
3x1x1 |
106 |
208 |
71.23 |
90.75 |
42.00 |
54.20 |
19.10 |
15.00 |
4x1x1 |
128 |
248 |
67.55 |
82.58 |
66.70 |
80.20 |
23.34 |
18.00 |
5x1x1 |
116 |
278 |
47.96 |
70.46 |
73.70 |
93.40 |
26.60 |
20.00 |
6x1x1 |
95 |
284 |
32.87 |
53.62 |
72.10 |
96.10 |
19.16 |
21.00 |
7x1x1 |
なし |
284 |
なし |
42.19 |
なし |
96.40 |
なし |
21.00 |
8x1x1 |
なし |
224 |
なし |
33.34 |
なし |
76.90 |
なし |
17.00 |
次のグラフは、Web サーバーの台数を変えた場合、読み取り/書き込み操作および読み取り専用操作のスループットがどのように変化するかを示しています。
静的なポータル サイトなど、読み取り操作のみをサポートするシステムでは、読み取りおよび書き込み操作の両方をサポートするシステムよりもスループットが向上する場合があります。
.gif "ユーザー操作と Web サーバーのグラフ")
ディスク容量の要件を予測する
ここでは、このシナリオのディスク容量要件を予測するのに役立つ表を示します。ハードウェアのディスク容量要件は、サーバー ロールおよびシナリオによって大きく変わります。また、コンテンツ データベースに保存されるデータ、キャッシュ要件、および検索によってクロールされる外部コンテンツによっても変わります。以下の説明で可能な場合は、予測されるディスク容量要件 (インストール ファイルのサイズなど) に基づいて、計算式に数値を入れてください。
まず、サーバー ロールごとのディスク容量要件を予測します。次に、計画中のトポロジに基づき、複数のサーバー ロールが同じ物理サーバー コンピュータを共有する場合について、それらのロールのディスク容量要件を合計します。最後に、使用するハードウェアが、合計したディスク容量要件を満たしていることを確認します。
また、データベース サーバーに対しては、SQL Server ストレージのベスト プラクティスを適用する必要があります。詳細については、「Physical Database Storage Design (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78853&clcid=0x411) を参照してください。複数のデータベース サーバーが実装されている場合は、各検索サーバーに SQL ディスク容量係数を適用してください。
注意
オペレーティング システムとプログラム ファイルは、データ ファイルとは異なる別のドライブまたは RAID (Redundant Array of Independent Disks) に保存する必要があります。
データベース サーバーのディスク容量要件
次の表を使用して、ファーム内のデータベース サーバーのディスク容量要件を計算します。複数のデータベース サーバーが実装されている場合、各データベース サーバーでこの合計を算出してください。
| 種類 | 説明 | 値 |
|---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 セットアップおよびシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
スワップ ファイル |
既定で、スワップ ファイル サイズは、物理メモリ サイズと同じになります。 |
|
SQL Server インストール ファイル |
SQL Server セットアップおよびプログラム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「SQL Server 2005 Standard Edition システム要件」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78870&clcid=0x411) を参照してください。 |
425 MB (メガバイト) |
データベース ログ ファイル |
ログ ファイルのディスク容量は、ログ設定およびデータベース数によって異なります。詳細については、「Physical Database Storage Design (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78853&clcid=0x411) を参照してください。 |
|
構成データベース |
通常、構成データベースはこのサイズを超えることはありません。これは推定最大サイズであり、ハード的な制限ではありません。 |
1.5 GB |
コンテンツ データベース |
コンテンツ データベースに保存されるコンテンツの初期ボリュームを予測します。次の点を検討してください。
|
|
将来的な増加 |
将来的な増加は、グループ作業シナリオで検討すべき重要な点です。最初に予定した 2 倍のデータ量で、計画する必要があります。環境に適した値を記入してください。 |
|
空き容量 |
各ハードディスクまたはボリュームで、少なくとも 25% の空き容量を確保します。 |
|
合計 |
インデックスおよびアプリケーション サーバーのディスク容量要件
次の表を使用して、ファーム内のインデックス サーバーおよびアプリケーション サーバーのディスク容量要件を計算します。複数の Office SharePoint Server 2007 インデックスまたはアプリケーション サーバーが実装されている場合、各データベース サーバーでこの合計を算出してください。
| 種類 | 説明 | 値 |
|---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 セットアップおよびシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
ページング ファイル |
既定で、ページング ファイル サイズは、物理メモリ サイズと同じになります。 |
|
Office SharePoint Server 2007 インストールファイル |
この値は、任意の Office SharePoint Server 2007 エディションを完全インストールした場合の概算値です。 |
1.3 GB |
Microsoft .NET Framework version 3.0 |
60 MB |
|
コンテンツ インデックス |
インデックス サーバーによるインデックス作成対象となるコンテンツ データベースのコンテンツを総計します。算出した値の 30% がコンテンツ インデックスの推定最大サイズです。 |
|
空き容量 |
各ハードディスクまたはボリュームで、少なくとも 25% の空き容量を確保します。 |
|
合計 |
Web サーバーのディスク容量要件
次の表を使用して、ファームにおける各 Web サーバーのディスク容量要件を計算します。
| 種類 | 説明 | 値 |
|---|---|---|
オペレーティング システム ファイル |
Windows Server 2003 セットアップおよびシステム ファイルに必要なディスク容量。詳細については、「インストール先パーティションのファイル システムを選択する」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78866&clcid=0x411) を参照してください。 |
4 GB |
スワップ ファイル |
既定で、スワップ ファイル サイズは、物理メモリ サイズと同じになります。 |
|
Office SharePoint Server 2007 インストール ファイル |
1.3 GB |
|
.NET Framework version 3.0 |
60 MB |
|
空き容量 |
各ハードディスクまたはボリュームで、少なくとも 25% の空き容量を確保します。 |
|
合計 |
パフォーマンスの監視
システムをスケール アップまたはスケール アウトする必要があるかどうかを決定するには、パフォーマンス カウンタを使用してシステムの状態を監視します。次の表の情報を使用し、監視するパフォーマンス カウンタの種類と、パフォーマンス カウンタが適用されるプロセスを決定してください。
Web、検索、およびアプリケーション サーバー
次の表は、ファーム内の Web、検索、およびアプリケーション サーバーを監視するためのパフォーマンス カウンタおよびプロセスを示しています。
| パフォーマンス カウンタ | カウンタが適用されるプロセス | メモ |
|---|---|---|
プロセッサ時間 |
合計 |
命令を実行するために、このスレッドがプロセッサを使用する時間をパーセントで示します。 |
メモリ使用率 |
アプリケーション プール |
アプリケーション プールで使用されるシステム メモリの平均使用率を示します。監視する適切なアプリケーション プールを識別する必要があります。 基本的に、ある Web アプリケーションのピーク メモリ使用率を識別し、その番号に 10 をたしたものを、関連するアプリケーション プールに割り当てます。 |
データベース サーバー
次の表は、ファーム内のデータベース サーバーを監視するためのパフォーマンス カウンタおよびプロセスを示しています。
| パフォーマンス カウンタ | カウンタが適用されるプロセス | メモ |
|---|---|---|
プロセッサ時間 |
合計 |
命令を実行するために、このスレッドがプロセッサを使用する時間をパーセントで示します。 |
メモリ使用率 |
合計 |
システム メモリの平均使用率を示します。 |
このブックをダウンロードする
このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なブックに収められています。
入手できるすべてのブックの一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。
関連項目
概念
パフォーマンスと容量の計画に影響を与えるその他の要因 (Office SharePoint Server)