Microsoft Windows 2000 TCP/IP ロング ファット パイプへの対応

この文書はMicrosoft® Windows® 2000オペレーティング システム TCP/IP 実装の詳細のうち、ロング ファット パイプへの対応を説明するものであり、Microsoft Windows 2000 TCP/IP マニュアルおよびすでに公開されているホワイトペーパー『Microsoft Windows 2000 TCP/IP 実装の詳細』を補足するものです。この文書が対象とする読者は、ネットワークデバイスのデバイスドライバ開発者、TCP/IPに精通しているネットワーク エンジニアとサポート プロフェッショナルです。

概要

現在の情報通信ネットワークは非常に多様化しており、様々な種類の通信回線が存在します。LAN ではイーサーネットが多く使用されており、LAN と LAN を接続する場合には ATM やフレームリレーなどのように、光ファイバーによるネットワークも頻繁に利用されています。また、リモートアクセスの手段として、アナログ電話回線や ISDN、また CATV ネットワークを利用したりxDSL による接続も一般的になってきています。一方、無線による通信も実用化されており、衛星通信によるネットワークや無線 LAN、FWA をはじめ、携帯電話等を利用したリモートアクセスの例もよく見られるものになってきています。このように多様なネットワークの物理層が存在していても、TCP/IP プロトコルがネットワークの下位層を抽象化していることで、一般ユーザやアプリケーション開発者は物理的接続形態を意識することなくネットワークを使用することが可能になっています。

一方、ネットワークの接続形態が多様になるにともない、いくつかの問題点が顕在化してきました。ネットワークの帯域幅と、データセグメント送信後にそれに対する ACK が到着するまでの時間を掛け合わせたものを帯域幅遅延積と呼びますが、この値が大きくなるに従いTCP コネクションでデータを送受信する際のスループットが低下していく現象が一般的に見られます。大きな帯域幅遅延積を持つネットワーク上の TCP コネクションをロング ファット パイプと呼び、以前よりTCP のパフォーマンスに関する問題となっていました。今日ではネットワーク技術の進歩により広帯域のネットワークが実現されてきており、また多くの衛星通信や無線ネットワークの場合に見られるような高遅延のネットワーク特性を持つサービスも実用化されていることから、TCP コネクションにおけるロング ファット パイプの問題が顕在化してくるようになってきました。

ロング ファット パイプが原因でスループットが低下したネットワークにおいては、TCP プロトコルのいくつかのパラメータを変化させることにより、スループットが改善される場合があります。

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