App-V Client の読み取り専用キャッシュを構成する方法 (RDS)

適用対象: Application Virtualization 4.6 SP1

重要

この手順を行うには、App-V 4.6 SP1 を実行している必要があります。

全ユーザーに必要なすべてのアプリケーションが保存されている共有キャッシュを使用して、App-V Client を展開できます。次に、同じキャッシュ ファイルを使用するように App-V Remote Desktop Services (RDS) Client を構成します。App-V 公開プロセスを使用することにより、特定のアプリケーションへのアクセスがユーザーに許可されます。キャッシュは既にすべてのアプリケーションに事前に読み込まれているので、ユーザーがアプリケーションを起動する際にストリーミングは発生しません。ただし、キャッシュに事前にデータを格納するために使用されたパッケージは、リアルタイム ストリーミング プロトコル (RTSP) ストリーミングをサポートし、App-V クライアントにアクセス許可を付与する App-V サーバー上に配置される必要があります。App-V Management Server を使用してアプリケーションを公開する場合、これを使用してこのストリーミング機能を提供することができます。

注意

この手順の詳しい説明は、実装方法の一例を示すことを目的としています。プロセス全体を完了するために、別の方法を使用してもかまいません。

RDS シナリオで App-V Client を展開する

展開プロセスは、次の 4 つの主要なタスクで構成されます。

  • マスター共有キャッシュ ファイルを作成してデータを格納する

  • 共有キャッシュ ファイルをサーバーの記憶域にコピーする

  • App-V Client ソフトウェアを構成する

  • 最初の展開の後に共有キャッシュ ファイルの更新展開サイクルを管理する

これらのタスクは、慎重に計画する必要があります。組織が従うための、体系的で再現可能なプロセスを作成して文書化することをお勧めします。これは、マスター共有キャッシュ ファイルの準備と展開、およびアプリケーションの更新プログラムの継続的な管理に特に重要です。これらの各作業では、マスター共有キャッシュを更新する必要があります。これらの主要なタスクを完了するには、次の手順に従います。

注意

複数の異なる方法を使用してアプリケーションを公開することができますが、次の手順では、App-V Management Server を使用して公開する方法を説明します。

最初の展開用の読み取り専用キャッシュを構成するには

  1. App-V Management Server をセットアップし、ユーザーの認証および公開を行えるように構成します。

  2. この Management Server のコンテンツ フォルダーに、すべてのユーザーに必要なすべてのアプリケーション パッケージのデータを格納します。

  3. App-V Client をインストール済みのステージング コンピューターを準備します。コンピューターにアプリケーションの完全なセットが公開されるように、すべてのアプリケーションへのアクセスが許可されているアカウントを使用してステージング コンピューターにログオンします。次に、アプリケーションが完全に読み込まれるように、キャッシュにアプリケーションをストリームします。

    重要

    ステージング コンピューターは、App-V Client が実行される VM によって使用されているのと同じオペレーティング システムの種類とシステム アーキテクチャを使用する必要があります。

  4. ステージング コンピューターをセーフ モードで再起動し、ドライバーが開始しないようにします。これは、ドライバーが開始するとキャッシュ ファイルがロックされるからです。

    注意

    または、Application Virtualization サービスを停止して無効にしてから、コンピューターを再起動することもできます。ファイルがコピーされた後、再度サービスを有効にして開始することを忘れないでください。

  5. Sftfs.fsd キャッシュ ファイルを、すべての RDS サーバーがアクセスできる SAN (共有フォルダーなど) にコピーします。フォルダー アクセスをグループ Everyone には読み取り専用に、キャッシュ ファイルの更新を管理する管理者にはフル コントロールに設定します。キャッシュ ファイルの場所は、レジストリ AppFS\FileName から取得できます。

    重要

    たとえば SAN などのローカルに接続された記憶域のパフォーマンスと同等の応答性と信頼性のある場所に、FSD ファイルを配置する必要があります。

  6. 次のレジストリ キー値をクライアント上の AppsFS キーに追加することにより、各 RDS サーバーに App-V RDS Client をインストールし、読み取り専用キャッシュを使用するように構成します。 AppFS キーは、32 ビット コンピューターの HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\]Microsoft\SoftGrid\4.5\Client\AppFS、64 ビット コンピューターの HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\SoftGrid\4.5\Client\AppFS にあります。

    キー 種類 目的

    FileName

    文字列

    FSD のパス

    共有キャッシュ ファイルのパス (例: \\RDSServername\Sharefolder\SFTFS.FSD) を指定します (必須)。

    ReadOnlyFSD

    DWORD

    1

    読み取り専用モードで動作するようにクライアントを構成します。 これにより、クライアントはパッケージ キャッシュへの更新ストリームを試みないようになります。 (必須)

    ErrorLogLocation

    文字列

    エラー ログ (.etl) ファイルのパス

    エラー ログのパスを指定するために使用されるエントリ。 (推奨。C:\Logs\Sftfs.etl などのローカル パスを使用してください)。

  7. ファーム内の各 RDS サーバーが公開サーバーを使用し、ユーザーがログオンしたときに更新情報の公開を使用するように、これらの RDS サーバーを構成します。ユーザーが RDS サーバーにログオンすると、更新情報の公開サイクルが開始され、ユーザーのアカウントでアクセスが許可されているすべてのアプリケーションが公開されます。これらのアプリケーションは、共有キャッシュから実行されます。

パッケージのアップグレード用に RDS Client を構成するには

  1. アプリケーション パッケージのアップグレードとテストを行います。

  2. App-V サーバーにあるパッケージをアップグレードします。次に、アプリケーションの新しいバージョンを公開し、アプリケーションがキャッシュに完全に読み込まれるように、ステージング コンピューターのクライアントにストリーム配信します。

  3. ドライバーが開始しないように、ステージング コンピューターをセーフ モードで再起動します。

    注意

    または、Services.msc で Application Virtualization サービスを停止して無効にしてから、コンピューターを再起動することもできます。ファイルがコピーされた後、再度サービスを有効にして開始することを忘れないでください。

  4. Sftfs.fsd キャッシュ ファイルを、すべての RDS サーバーがアクセスできる SAN (共有フォルダーなど) にコピーします。新しいバージョンを区別しやすいように、別のファイル名 (SFTFS_V2.FSD など) を付けてもかまいません。

  5. 更新された共有キャッシュ ファイルを使用するようにファーム内の各 RDS サーバー上の App-V RDS Client を構成するには、AppFS レジストリ キーの FILENAME 値を、更新されたファイルの場所 (例: \\RDSServername\Sharefolder\SFTFS_V2.FSD) を指すように変更します。これにより、App-V Client のドライバーの開始時に各 RDS サーバーが、キャッシュの更新されたコピーを受け取るようになります。

    重要

    更新された共有キャッシュ ファイルを使用するには、RDS サーバーを再起動する必要があります。

キャッシュをアップグレードするときにシンボリック リンクを使用する方法

Windows Vista、Windows 7、および Windows Server 2008 では、新しいまたはアップグレードしたパッケージを含む新しいキャッシュ ファイルを展開するたびに AppFS キーの FILENAME の値を変更する代わりに、シンボリック リンクを使用することができます。 シンボリック リンクの詳細については、「Symbolic Links (シンボリック リンク)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=157626) を参照してください。これに対して、Windows XP はシンボリック リンクをサポートしていないので、代わりに接合ポイントを使用する必要があります。接合の詳細については、Microsoft サポート技術情報の記事 205524 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=182553) またはツール Junction v1.05 (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=182554) を参照してください。

キャッシュを参照するシンボリック リンクを構成するには

  1. 初回展開時に、RDS サーバーの ホスト オペレーティング システムでローカル管理者として [コマンド プロンプト] ウィンドウを開きます。

  2. MKLINK コマンドを使用してシンボリック リンクを作成し、Sftfs.fsd ファイルを指すように設定します。

    **     mklink symlinkname \\rdshostserver\sharefolder\sftfs.fsd**

  3. VDI のマスター VM イメージで、[管理者として実行] オプションを選択してから [コマンド プロンプト] ウィンドウを開き、VM が VDI のホスト オペレーティング システム上のシンボリック リンクにアクセスできるように、リモート リンクのアクセス許可を付与します。既定では、リモート リンクのアクセス許可は無効になっています。

    **     fsutil behavior set SymlinkEvaluation R2R:1**

    注意

    記憶域サーバー上で、適切なリンクするためのアクセス許可を有効にする必要があります。リンクと Sftfs.fsd ファイルの場所に応じて、アクセス許可は、L2L:1 または L2R:1 または R2L:1 or R2R:1 です。

  4. App-V RDS Client の構成時に、AppFS キーの FILENAME 値を、シンボリック リンクを使用する FSD ファイルの UNC パスと同じに設定します。たとえば、ファイル名を \\VDIHostserver\Symlinkname に設定します。App-V Client がキャッシュに初めてアクセスするときに、シンボリック リンクによってキャッシュ ファイルのハンドルが Client に渡されます。クライアントを実行している間は、このハンドルが継続して使用されます。シンボリック リンクの値は、既存のクライアントが古い共有キャッシュを開いている場合でも、安全に更新することができます。

  5. パッケージをアップグレードするか、キャッシュに新しいパッケージを追加しなければならなくなった場合は、アップグレード手順の 1 ~ 4 に従います。次に、既存のシンボリック リンクを削除してから、共有キャッシュ ファイルの新しいバージョンを指すシンボリック リンクを作成し直します。これにより、App-V Client のドライバーの開始時に各 RDS サーバーが、キャッシュの更新されたコピーを受け取るようになります。RDS サーバーが再起動されると、App-V Client は、キャッシュの更新されたコピーへのハンドルを受け取ります。これは、Client が、更新されたシンボリック リンクを含むパスを使用するからです。ユーザーは、新しいアプリケーションと更新されたアプリケーションにアクセスできるようになります。

参照:

タスク

Application Virtualization Management Server をインストールする方法
Application Virtualization Client を手動でインストールする方法

その他のリソース

コマンド ラインを使用してクライアントをインストールする方法

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