レポート サーバーのスケールアウト配置を構成する方法 (Reporting Services 構成)

Reporting Services では、1 つのレポート サーバー データベースを共有する複数のレポート サーバー インスタンスを実行できる、スケールアウト配置モデルがサポートされています。スケールアウト配置を作成するには、セットアップと Reporting Services 構成ツールを使用します。セットアップを実行し、レポート サーバーをインストールします。Reporting Services 構成ツールを実行し、各レポート サーバーで共有データベースを使用するように構成します。一度に接続および構成できるレポートサーバーは、1 つだけです。

内部データの格納に使用するレポート サーバー データベースを指定するときには、新しいデータベースを作成することも、既存のレポート サーバー データベースをアップグレードすることもできます。ここでは、新しいレポート サーバー データベースを作成するものとします。レポート サーバー データベース、または既存のスケールアウト配置のアップグレードの詳細については、「レポート サーバー データベースのアップグレード」および「レポート サーバー Web ファームのアップグレード」を参照してください。

サーバー インスタンスを共有データベースに接続するときにデータベースの互換性エラーが発生しないようにするには、すべてのインスタンスが同じバージョンであることを確認します。たとえば、Service Pack 1 が適用されたレポート サーバー インスタンスを使用してレポート サーバー データベースを作成する場合は、同じ配置の他のすべてのインスタンスにも Service Pack 1 が適用されている必要があります。すべてのエディションでスケールアウト配置がサポートされているのであれば、異なるエディションを使用できます。詳細については、「レポート サーバー スケールアウト配置の構成」を参照してください。

配置の一部として新しいレポート サーバー インスタンスをインストールする場合は、既定の構成でインストールするか、ファイルのみのインストール (SQL Server インストール ウィザードの [レポート サーバー インストール オプション] ページの [サーバーを構成せずにインストールする] オプション) を使用するかを選択できます。次の手順では、ファイルのみのインストールを想定しており、セットアップが完了した後に Reporting Services 構成ツールを実行してサーバーを構成する必要があります。詳細については、「セットアップを使用した Reporting Services のインストール」を参照してください。

ms159114.note(ja-jp,SQL.90).gifメモ :
仮想サーバーおよびクラスタ配置を使用してアクセスできるようにするには、他の製品を使用する必要があります。1 つの共有 URL アドレスを通じてすべてのレポート サーバー インスタンスにアクセスできる負荷分散機能や仮想サーバー機能は、Reporting Services には用意されていません。

最初のレポート サーバー インスタンスをインストールするには

  1. 配置の一部になる最初のレポート サーバー インスタンスをインストールします。

  2. Reporting Services 構成を起動し、[レポート サーバー仮想ディレクトリ] ページ、[レポート マネージャ仮想ディレクトリ] ページ、および [Web サービス ID] ページを使用して、仮想ディレクトリとサービス アカウントを構成します。詳細については、「レポート サーバー仮想ディレクトリの構成」および「Reporting Services 構成を開始する方法」を参照してください。

  3. データベースのセットアップ ページで、レポート サーバー データベースをホストする SQL Server インスタンスの名前を入力または選択します。ローカル インスタンスまたはリモート インスタンスを選択できます。使用できるインスタンスは、SQL Server 2000 または SQL Server 2005 です。

  4. リモート インスタンスに接続する場合は、そのインスタンスでリモート接続を有効にする必要があることがあります。SQL Server 2005 のバージョンの中には、既定でリモート接続が有効になっていないバージョンもあります。リモート接続が許可されているかどうかを確認するには、SQL Server セキュリティ構成ツールを使用して、対象インスタンスのリモート接続の設定値を確認します。リモート インスタンスが名前付きインスタンスの場合は、SQL Server Browser サービスが有効になっていることと、対象サーバーで実行されていることを確認します。SQL Server Browser サービスによって、名前付きインスタンスで使用されるポート番号が Reporting Services 構成ツールに提供されます。

  5. [接続] をクリックして、SQL Server インスタンスに接続します。

  6. [新規作成] をクリックして、レポート サーバー データベースを作成します。[SQL Server 接続] ダイアログ ボックスが表示されます。

    1. データベースを作成する権限があるアカウントを指定します。
    2. [OK] をクリックすると、データベースが作成されます。
  7. [データベースのセットアップ] ページの [資格情報の種類] で、レポート サーバーがレポート サーバー データベースに接続する際に使用するアカウントと資格情報の種類を選択します。

    [サービス アカウント] を選択し、リモート SQL Server インスタンスを使用している場合は、サービスを実行するアカウントにネットワーク アクセス権があることを確認してください。資格情報の詳細については、「レポート サーバー データベース接続の構成」を参照してください。

  8. [適用] をクリックします。Reporting Services 構成ツールは、データベースを作成して接続を構成します。

  9. [暗号化キー] ページで、対称キーのコピーをバックアップします。これは最も推奨される方法です。データベースを最初に作成したときには、必ずキーをバックアップする必要があります。

  10. [初期化] ページで、レポート サーバー インスタンスのエントリが作成されていることを確認します。[初期化済み] チェック ボックスをオンにする必要があります。

  11. (省略可) レポート サーバーの電子メール配信設定と自動実行用アカウントを指定して、レポート サーバーの構成を完了します。

  12. (省略可) レポート サーバーが稼働することを確認します。詳細については、「Reporting Services のインストール状態を確認する方法」を参照してください。

2 番目のレポート サーバー インスタンスをインストールして構成するには

  1. セットアップを実行し、2 番目の Reporting Services インスタンスを別のコンピュータにインストールするか、同じコンピュータに名前付きインスタンスとしてインストールします。

  2. Reporting Services 構成ツールを使用して、インストールした新しいインスタンスに接続し、インスタンスを構成します。詳細については、「Reporting Services 構成を開始する方法」を参照してください。

  3. 新しいサーバー インスタンスのサービス アカウントと仮想ディレクトリを構成します。使用するアカウントおよび仮想ディレクトリ名は、最初のインスタンスで指定したものと同一でも異なるものでもかまいません。

  4. [データベースのセットアップ] ページの [サーバー名] で、使用するレポート サーバー データベースをホストする SQL Server データベース エンジンのインスタンスを指定します。前の作業の手順 3. で接続したサーバーを指定する必要があります。リモート インスタンスを使用する場合は、前の作業の手順 3. にある、リモート インスタンスに接続するときの推奨事項を参照してください。

  5. [接続] をクリックします。

  6. [データベースのセットアップ] ページの [データベース名] で、前の作業の手順 5. で作成したデータベースを選択します。データベースの一覧が空の場合は、前の 2 つの手順を繰り返してサーバーへの接続を確立します。

  7. [データベースのセットアップ] ページの [資格情報の種類] で、レポート サーバーがレポート サーバー データベースに接続する際に使用するアカウントと資格情報の種類を選択します。最初のレポート サーバー インスタンスと同一の資格情報、または別の資格情報を使用できます。

  8. [適用] をクリックします。[SQL Server 接続] ダイアログ ボックスが表示されます。[OK] をクリックし、サーバーに接続します。レポート サーバーがレポート サーバー データベースに接続され、キー情報が追加されます。キー情報は、初期化の際に必要です。

  9. [初期化] ページで、2 番目のレポート サーバー インスタンスのエントリが作成されていることを確認します。[初期化済み] チェック ボックスがオフになっている必要があります。2 番目のレポート サーバー インスタンスはまだ初期化されていません。

  10. 最初のレポート サーバー インスタンスに再接続します。このインスタンスは暗号化と暗号化解除の操作に対する初期化が既に行われているので、このインスタンスを使用して、スケールアウト配置の新しいレポート サーバー インスタンスの初期化が行われます。新しいレポート サーバー インスタンスの初期化は、既に初期化が行われたレポート サーバーからのみ実行できます。

  11. [初期化] ページで、配置に加えるレポート サーバー インスタンスを選択し、[初期化] をクリックします。初期化が行われると、[初期化済み] チェック ボックスがオンになります。これはレポート サーバー インスタンスが同じスケールアウト配置の一部になったことを示します。変更を確認するには、ページの更新が必要となる場合があります。[初期化] ページにレポート サーバー インスタンスが表示されない場合は、インスタンスが共有データベースを使用するように構成されているかどうかを確認します。

  12. 上記の手順を繰り返し、他のレポート サーバーを配置に追加します。サーバー クラスタ内でレポート サーバーを実行する場合、追加の構成が必要です。詳細については、「レポート サーバー スケールアウト配置の構成」を参照してください。

参照

処理手順

Reporting Services 構成を開始する方法

概念

スケールアウト配置に関する暗号化キーの追加と削除
Reporting Services の構成の操作方法に関するトピック

ヘルプおよび情報

SQL Server 2005 の参考資料の入手