ユーティリティ スポットライト: リモート デスクトップの整理とアクセス

Remote Desktop Connection Manager を使用すると、リモート サーバーへの接続を簡単に管理できます。

Lance Whitney

リモート デスクトップ接続 (RDC) を使用してリモート サーバーにアクセスしている場合、さまざまなコンピューターへの接続を切り替える作業が困難だと感じているのではないでしょうか。各コンピューターの RDC クライアントで個別に設定を管理するのではなく、Remote Desktop Connection Manager (RDCMan) というマイクロソフトが無料で提供しているツールを使用した方が、すべての接続を簡単に管理できます。

RDCMan では、1 つの画面で、すべてのリモート接続の状態を確認することが可能で、簡単にリモート接続を設定、確認、整理、および確立できます。RDCMan は、Microsoft ダウンロード センターの、このページからダウンロードできます。ダウンロードした RDCMan.msi をクライアント コンピューターにインストールします。RDCMan をインストールしたクライアント コンピューターから、リモート サーバーにアクセスできます。インストールが完了すると、Remote Desktop Connection Manager という名前の新しいショートカットがスタート メニューのプログラムの一覧に表示されます。

RDCMan を起動すると、スタートアップ ウィンドウが一瞬表示されます。まず、すべてのリモート コンピューターの設定を含む RDG 構成ファイルを作成して、保存する必要があります。[File] (ファイル) メニューの [New] (新規作成) をクリックし、RDG ファイルの名前と保存先を指定します。

すべてのリモート接続に伝播される既定の親グループのリモート接続の設定が継承されます。既定の設定は、[Tools] (ツール) メニューの [Options] (オプション) をクリックして変更できます。このダイアログ ボックスでは、ツリー、クライアント領域、エクスペリエンス、および全画面表示という 4 つの機能領域の設定を変更できます。[Tree] (ツリー) タブの [Default group settings] (既定のグループの設定) をクリックすると、既定のログオン資格情報、ゲートウェイの設定、セキュリティの設定などを変更できます (図 1 参照)。

図 1 既定のログオン資格情報を設定して、さまざまな設定を調整できます

次は、リモート サーバーを格納して整理するためのグループを作成します。機能に基づいてサーバー グループを作成できます。たとえば、データベース サーバー用のグループ、ファイル サーバー用のグループ、およびプリント サーバー用グループを作成できます。また、場所に基づいてグループを作成することもできます。この場合、本社に配置されているサーバー用のグループを 1 つと各リモート オフィスに配置されているサーバー用のグループを複数作成します。

グループを追加するには、[Edit] (編集) メニューの [Add Group] (グループの追加) をクリックします。[Add Group] (グループの追加) ボックスには、グループの名前を入力します。グループで使用するログオン資格情報などが既定の親グループの設定と異なる場合は、ここで設定を変更できます。

今度は、グループにリモート サーバーを設定します。手動でサーバーを追加するには、[Edit] (編集) メニューの [Add Server] (サーバーの追加) をクリックします。サーバーのドメイン名を入力し、必要に応じて表示名を入力します (図 2 参照)。グループの設定と異なるログオン資格情報などを使用する場合には、この時点で設定を変更できます。

図 2 サーバーの表示名を追加および編集できます

テキスト ファイルをインポートして複数のリモート サーバーを一括で追加することも可能です。各サーバーの名前を入力したテキスト ファイルを作成します。RDCMan で [Edit] (編集) メニューの [Import Servers] (サーバーのインポート) をクリックします。テキスト ファイルがある場所に移動して、テキスト ファイルを選択します。

この操作により、すべてのリモート サーバーが、現在のグループに追加されます。この時点で、各サーバーのログオン資格情報などの変更が必要になる場合があります。設定を変更するには、コンピューターを選択し、[Edit] (編集) メニューの [Properties] (プロパティ) をクリックします。

サーバーは、いつでも別のグループに移動できます。必要な操作は、サーバーを新しいグループにドラッグ アンド ドロップするだけです。リモート サーバー接続の設定が完了したら、RDG ファイルを保存します。ファイルを保存しないと、変更内容は失われます。

左ペインのツリー ビューには、各グループのメンバー サーバーが表示され、右ペインには各サーバーのサムネイルが表示されます (図 3 参照)。特定のコンピューターに接続するには、ツリー ビューでコンピューターを右クリックし、[Connect server] (サーバーに接続) をクリックします。

図 3 Remote Desktop Connection Manager のツリー ビューに利用可能なサーバーが表示されます

接続が確立されると、右ペインにリモート サーバーのデスクトップが表示されます (図 4 参照)。リモート デスクトップの表示領域を拡大するには、[View] (表示) メニューの [Server tree visibility] (サーバー ツリーの可視性) をポイントし、[Hide] (非表示にする) または [Auto hide] (自動的に隠す) をクリックします。また、サーバー名を右クリックし、[undock] (ドッキング解除) をクリックしてから、サーバーに接続すると、ドッキングを解除した状態でリモート サーバーのデスクトップが表示されます。

図 4 右ペインでリモート サーバーのデスクトップを表示および管理できます

ツリー ビューでは、他のサーバーに接続したり、一度に複数の接続を維持することができます。アクティブな接続間でデスクトップの表示を切り替えるのに必要な作業は、ツリー ビューで、別のサーバーをクリックするだけです。

RDCMan は、Windows 7、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、および Windows Vista であれば、既定の設定で実行できます。Windows XP および Windows Server 2003 にも対応していますが、RDC クライアント ソフトウェアはバージョン 6.0 以上を使用する必要があります。

複数のサーバーに頻繁にアクセスする必要がある場合、RDCMan を使用すると、複数のリモート接続を簡単でわかりやすく便利な方法で整理および管理することができます。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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