保持タグの作成

[アーティクル]
03/03/2017

適用先: Exchange Server 2010 SP2, Exchange Server 2010 SP3

トピックの最終更新日: 2016-11-28

保持タグはフォルダーとメッセージ、メモ、連絡先などの個別アイテムに保存期間の設定を適用するために使用されます。これらの設定は、メールボックス内にメッセージを残す期間と、指定されたメッセージ保存期限に達したときに行う操作を指定します。メッセージの保存期限に達すると、メッセージはアーカイブメールボックスに移動されるか、削除されるか、ユーザーへの通知用のフラグが設定されます。

保持タグには次の 3 種類があります。

アイテム保持ポリシータグ (RPT) これらのタグは受信トレイや削除済みアイテムなどの既定フォルダー用に作成されます。
既定ポリシータグ (DPT) これらのタグは保持タグの継承による適用または明示的な適用がない、すべてのアイテムに対して適用されます。アイテム保持ポリシーでは、既定ポリシータグを 3 つまで使用できます。使用できる既定ポリシータグは、アーカイブへ移動アクションを伴う DPT、プライマリメールボックスやアーカイブメールボックスからメッセージを削除するための削除して回復を許可するまたは完全に削除アクションを伴う DPT、およびボイスメールメッセージ用の DPT です。
個人タグ これらのタグは Microsoft Outlook 2010 および Microsoft Office Outlook Web App ユーザーが自身のアイテム保持ポリシーの一部として使用できます。ユーザーは、既に別のタグが適用されている場合でも、作成するフォルダーまたは個別のアイテムに個人タグを適用できます。

保持タグの詳細については、「保持タグおよびアイテム保持ポリシーについて」を参照してください。

注意

保持タグを作成した後、それらをユーザーメールボックスに展開するには、追加の手順が必要です。保持タグをアイテム保持ポリシーへ追加して、そのポリシーをメールボックスに適用する必要があります。詳細については、「アイテム保持ポリシーに保存期間タグを追加する」および「メールボックスにアイテム保持ポリシーを適用する」を参照してください。

メッセージングレコード管理 (MRM) に関連する他の管理タスクについては、「メッセージングレコード管理の展開」を参照してください。

実行内容

EMC を使用して保持タグを作成する
シェルを使用して保持タグを作成する

EMC を使用して保持タグを作成する

この手順を実行する際には、あらかじめアクセス許可を割り当てる必要があります。必要なアクセス許可の一覧については、以下を参照してください。「メッセージングのポリシーと準拠のアクセス許可」の「メッセージングレコード管理」。

コンソールツリーで、目的のフォレストを展開し、[組織の構成] > [メールボックス] に移動します。
操作ウィンドウで、[アイテム保持ポリシータグの新規作成] をクリックします。
[アイテム保持ポリシータグの新規作成] ページで、以下のフィールドに入力します。
- [タグ名] このボックスを使用して、保持タグの名前を入力します。Active Directory の保持タグオブジェクトの名前です。名前には、最大で 64 文字まで入力できます。
- [タグの種類] この一覧を使用して、作成する保持タグの種類を選択します。既定フォルダー ([受信トレイ] など) 用の RPT を作成するには、既定フォルダー名を選択します。DPT を作成するには、[メールボックスにあるすべてのその他のフォルダー] をクリックします。個人タグを作成するには、[個人用フォルダー] をクリックします。
- [保持の有効期限 (日)] このボタンをクリックすると、アイテムに保存期間があることが指定されます。対応するテキストボックスに、保存期間の日数を入力します (値の範囲は 1 ～ 24,855 日です)。
- [有効期限が切れたときの処理]** [保持の有効期限 (日)]** をクリックした後、この一覧を使用して、保持の有効期限を過ぎたときにアイテムに対する処理を指定できます。以下の選択肢があります。
  
  [削除して回復を許可する]   このオプションを選択すると、メッセージは削除されますが、Outlook または Outlook Web App の [削除済みアイテムの復元] の機能を使用して回復することができます。この機能の詳細については、「削除済みアイテムを復元する」 (Outlook) または「削除済みアイテムの復元」 (Outlook Web App) を参照してください。
  
  注意
  
  ユーザーは、Set-Mailbox コマンドレットの RetainDeletedItemsFor パラメーターで指定されている保存期間の削除済みアイテムのみを復元できます。
  
  [完全に削除]   このオプションを選択すると、メッセージは完全に削除され、ユーザーはメッセージを回復できません。
  
  [アーカイブへ移動]   このオプションを選択すると、メッセージはユーザーのアーカイブメールボックスに自動的に移動されます。ユーザーのアーカイブメールボックスを作成していない場合、処理は行われません。
注意

EMC を使用して [保存期限経過としてマークする] 保存期間用アクションの保持タグを作成することはできません。New-RetentionPolicyTag コマンドレットは、MarkAsPastRetentionLimit パラメーターと併用する必要があります。
- [このタグを無効にする] このボタンをクリックすると、このタグの処理が無効になります。無効化されたタグが適用されているメッセージは、管理フォルダーアシスタントでは処理されません。
- [コメント] このボックスには、Outlook でユーザーに表示されるコメントを入力します。たとえば、そのフォルダーで MRM が有効になっていることをユーザーに知らせるには、"メッセージは 120 日後にこのフォルダーから削除されます" のようなメッセージを入力することができます。このコメントの長さの上限は 255 文字です。ローカライズされたコメントを構成するには、Set-RetentionPolicyTag コマンドレットを使用します。
[完了] ページで以下のことを確認し、[終了] をクリックしてウィザードを終了します。
- [完了] の状態は、ウィザードでタスクが正常に完了したことを示します。
- [失敗] の状態は、タスクが完了しなかったことを示します。タスクが失敗した場合は、説明の概要を確認し、[戻る] をクリックして構成を変更します。