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Exchange Server 2003 の修復

 

データベースの修復の必要性が検討されるケースの多くでは、データベースを修復するのではなく、バックアップからデータベースを復元し、その後でトランザクション ログ ファイルを再生してデータベースを最新の状態にすることが推奨されます。ただし、データベースを完全に最新の状態にできない場合もあります。このような場合は、障害を起こしたデータベースから追加されたデータの回復を試みることができます。このため、運用中のハードウェアにバックアップを復元する場合は、障害を起こしたデータベースのコピーを保存しておいてください。障害を起こしたデータベースのコピーの保存については、「Exchange データベースの回復」の「復元中のデータベース ファイルの既存のバージョンを移動またはコピーする (オプション)」を参照してください。

たとえば、Exchange 組織内のデータベースの 1 つが破損したと想定し、破損したデータベースをテスト サーバーにコピーした後で、運用中のサーバーに最新のバックアップの復元を始めたとします。バックアップに使用したテープが正しくなかった場合は、それより前のバックアップを使用する必要があります。最新のバックアップが作成された時刻と、その直前に行われたバックアップが作成された時刻の間のトランザクション ログ ファイルの一部は切り捨てられており (削除されており)、使用できません。このため、利用できるすべてのデータベースとログ ファイルを復元しても、一部のデータは失われたままです。

ただし、テスト サーバー上でデータベースの修復を試み、復元できたデータをテスト サーバーから運用中のサーバーに結合することによって、消失したデータの一部を回復できる可能性があります。

データベースの修復しか選択肢がない場合もあります。たとえば、Exchange データベースのバックアップがなかったり、唯一のバックアップが使用できなかったりする場合です。バックアップの修復を試みる場合は、データベースの修復が失敗した場合に備えて、破損したデータベースのコピーに対して修復を行ってください。修復操作を元に戻すことはできません。

Exchange サーバーに問題が発生しても、データベースの復元やサーバーの完全な回復が必ずしも必要ではない場合があります。Exchange サーバーの再起動を最初に試してください。問題が解決しない場合、Exchange の再インストールを試します。データベースの復元を試みるのはその後です。

note注 :
当面の問題がサーバーの再起動により解決した場合でも、イベント ログ ファイルの確認などの基本的なトラブルシューティング手法を実行して、発生した問題の根本的な原因を突き止めてください。

Exchange の修復処理についてここで説明する内容は、次のとおりです。

  • 破損したインストール コンポーネントへの Exchange の上書き再インストール
  • Exchange データベースの修復
  • フルテキスト インデックス処理の修復