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グループ ポリシーの Excel 2007 の設定を構成する

更新日: 2007年5月

適用対象: Office Resource Kit

 

トピックの最終更新日: 2007-04-27

グループ ポリシーは、管理者がユーザーおよびコンピュータのグループに対して特定のコンピューティング構成を実装できるようにするためのインフラストラクチャです。ポリシー設定は、Active Directory フォレストのスコープ内にあるメンバ サーバーおよびドメイン コントローラにも適用されます。グループ ポリシー設定はグループ ポリシー オブジェクト (GPO) に含まれており、選択された Active Directory コンテナ (サイト、ドメイン、または組織単位 (OU)) にリンクされています。GPO 内の設定は、影響を受けるターゲットにより、Active Directory の階層的特性を使用して評価されます。

管理者はグループ ポリシーを使用して、ユーザーの Microsoft Office Excel 2007 の構成を指定できます。Excel 2007 には、次の設定を管理するためのポリシー設定が含まれています。

  • Excel のオプション

  • ユーザー設定可能なエラー メッセージ

  • データの回復

  • データ アクセスのセキュリティ

  • 新しいワークシート リンク

  • ユーザー インターフェイスの項目を無効にする

  • ファイル形式のブロック

  • その他

Excel 2007 のポリシー設定は、グループ ポリシー オブジェクト エディタ Microsoft 管理コンソール (MMC) スナップインの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007] ノードにあります。これらのポリシー設定を管理するには、まず Excel 2007 管理用テンプレート ファイル (Excel12.adm) をグループ ポリシー オブジェクト エディタに読み込む必要があります。

管理用テンプレート ファイルについては、「グループ ポリシーの概要 (2007 Office system)」の「管理用テンプレート拡張機能」を参照してください。

グループ ポリシー オブジェクト エディタについては、「グループ ポリシーの概要 (2007 Office system)」の「グループ ポリシー管理ツール」および「2007 Office system でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」の「グループ ポリシー管理コンソールおよびグループ ポリシー オブジェクト エディタを使用する」を参照してください。

2007 Office リリースの管理用テンプレート ファイルは、Microsoft ダウンロード センターの「2007 Office system 管理用テンプレート ファイル (ADM、ADMX、ADML) および Office カスタマイズ ツール バージョン 2.0」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78161\&clcid=0x411) からダウンロードできます。

Office カスタマイズ ツールとグループ ポリシーを使用して設定を構成する

管理者は、Office カスタマイズ ツール (OCT) とグループ ポリシーを使用して Excel 2007 のオプションを管理するための設定を構成できます。グループ ポリシーも OCT もユーザー設定の構成に使用されますが、重要な違いがあります。

  • Office カスタマイズ ツールは、セットアップ カスタマイズ ファイル (MSP ファイル) を作成するために使用します。管理者は、OCT を使用して、機能をカスタマイズし、ユーザー設定を構成できます。ただし、ユーザーはインストール後に大部分の設定を変更できます。これは、OCT はパブリックにアクセスできるレジストリの部分 (HKEY_CURRENT_USER/Software/Microsoft/Office/12.0 など) の設定を構成するためです。詳細については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。

  • グループ ポリシーは、管理用テンプレートに含まれる 2007 Office リリースのポリシー設定を構成するために使用されます。これらのポリシー設定は、オペレーティング システムによって適用されます。真のポリシーの設定はポリシーの承認済みレジストリ キーに書き込まれ、これらの設定には管理者以外のユーザーによる変更を防ぐアクセス制御リスト (ACL) の制限が設定されます。特定の Excel 設定を適用するには、グループ ポリシーを使用してポリシー設定を構成します。グループ ポリシーの詳細については、「グループ ポリシーの概要 (2007 Office system)」を参照してください。

Excel のポリシー設定

次のセクションでは、Excel 2007 で使用できるグループ ポリシー設定の種類と、グループ ポリシーの構成手順の概要について説明します。

[Excel のオプション] フォルダ

[Excel のオプション] フォルダには、ブックの機能、数式、文章校正、セキュリティ オプション、および詳細な機能を管理するためのポリシー設定を含むいくつかのサブフォルダがあります。

[基本設定] フォルダ

このフォルダには、プレビューを管理するポリシー設定と、開かれているブックをタスク バーにすべて表示するかどうか、ブックの初期ワークシート数、標準フォント、およびミニ ツール バーの非表示を指定するポリシー設定が含まれます。[基本設定] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[数式] フォルダ

このフォルダには、R1C1 参照形式の使用をオンまたはオフにするポリシー設定が含まれます。R1C1 参照形式は、行と列の位置をマクロで計算する場合に使用されます。[数式] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[文章校正] フォルダ

このフォルダには、隣接する行または列を現在使用しているテーブルの一部にするためのポリシー設定と、ハイパーリンクに対して [入力中に自動で変更する項目] オプションを有効にするポリシー設定が含まれます。[文章校正] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[保存] フォルダ

このフォルダには、次のオプションを制御するためのポリシー設定が含まれます。

  • 既定の作業フォルダの場所。

  • Excel ブック (.xlsx)、Excel マクロ有効ブック (.xlsm)、Excel バイナリ ブック (.xlsb)、Web ページ (*.htm、*.html)、Excel 97-2003 ブック (.xls)、Excel 5.0/95 ブック (.xls) など、Excel ファイルの保存形式。Microsoft Office Excel 2007 の既定のファイル保存オプションの設定については、「グループ ポリシーを使用して既定のファイル保存オプションを設定する」を参照してください。

  • ブックのプロパティの確認。

  • 回復用データの自動保存、自動保存の間隔、データを自動保存する場所、および自動保存の待機時間。

  • 自動再発行の機能および自動再発行の警告メッセージの表示の無効化。

[保存] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[セキュリティ] フォルダ

このフォルダには、セキュリティー センター、信頼できる場所など、セキュリティー設定のポリシー設定が含まれます。管理者は、次のポリシー設定を構成できます。

  • [すべてのアプリケーション アドインを無効にする]。既定ではアドインは有効になっています。このポリシー設定を有効にすると、アドインが無効になります。アドインが無効であることはユーザーに通知されません。

  • [署名されていないアプリケーション アドインに関するセキュリティ バーの通知を無効にする]。このポリシー設定を有効にすると、Office アプリケーションで、デジタル署名のないアプリケーション アドインを含む DLL がユーザーに通知されることなくすべて無効になります。

  • [アプリケーション アドインには信頼できる発行元による署名が必要]。このポリシー設定を有効にすると、Office アプリケーションで、アプリケーション アドインを含む .DLL のデジタル署名がチェックされます。DLL に署名がないか、信頼できる発行元の一覧にない発行元の証明書によって DLL が署名されている場合は、アプリケーションでセキュリティ通知が表示されます。

  • [既定でマクロを個人用マクロ ブックに保存する]。マクロの記録が開始されると、このブック、新しいブック、または個人用マクロ ブックのいずれにマクロを格納するかがユーザーに確認されます。このポリシーにより、既定の設定が変更されます。

  • [署名されていないマクロに対してセキュリティ レベル [高] の警告を表示しない]。セキュリティ レベルが [高] に設定されていると、未署名のマクロは実行されません。この設定により、署名がないためにマクロが実行されない場合に警告を表示するかどうかが制御されます。

  • [Visual Basic プロジェクトへのアクセスを信頼する]。この設定を有効にすると、ユーザーは Visual Basic コードを使用して、ブックに関連付けられている Visual Basic プロジェクトを変更できます (たとえば、ユーザーはコード モジュールをプログラムから挿入できます)。

  • [VBA マクロの警告設定]。このポリシー設定により、管理者は VBA マクロに対して表示する通知を構成できます。

  • [信頼できる場所]。このフォルダには、信頼できる場所の動作を制御するために管理者が使用できるいくつかのポリシー設定が含まれます。

    • [コンピュータ上にない信頼できる場所を許可する]。既定では、ネットワーク共有である信頼できる場所は無効です。ただし、ユーザーはセキュリティ センターのグラフィカル ユーザー インターフェイスを使用して、[プライベート ネットワーク上にある信頼できる場所を許可する] チェック ボックスをオンにできます。[コンピュータ上にない信頼できる場所を許可する] ポリシー設定を有効にすると、ネットワーク共有である信頼できる場所が無効になり、ユーザーはセキュリティ センターのグラフィカル ユーザー インターフェイスで [プライベート ネットワーク上にある信頼できる場所を許可する] チェック ボックスをオンにできなくなります。

      このポリシー設定を [無効] にしたときに、ユーザーがネットワーク共有を信頼できる場所として指定しようとすると、現在のセキュリティ設定ではリモート パスまたはネットワーク パスを使用した信頼できる場所の作成は許可されていないことを示す警告が、ユーザーに表示されます。管理者がグループ ポリシーまたは OCT を使用してネットワーク共有を信頼できる場所として指定した場合に、この設定を [無効] にすると、その信頼できる場所は無効になり、アプリケーションで認識されなくなります。

    • [すべての信頼できる場所を無効にする]。既定では、信頼できる場所は有効になっています。この設定を [有効] に設定すると、信頼できる場所がすべて無効になります。これには、セットアップ中に作成される信頼できる場所、グラフィカル ユーザー インターフェイスからユーザーによって作成された信頼できる場所、またはグループ ポリシーを使用して展開された信頼できる場所が含まれます。この設定を有効にすると、ユーザーは、セキュリティ センターで信頼できる場所の設定を構成することもできなくなります。

    • [信頼できる場所 #1] ~ [信頼できる場所 #20]。これらのポリシー設定は、Excel の信頼できる場所を指定するために使用されます。

    [!メモ] 既定では、インストール中に信頼できる場所がいくつか指定されます。このような既定の信頼できる場所は、グループ ポリシー オブジェクト エディタや OCT には表示されません。既定の信頼できる場所については、「2007 Office system の既定のセキュリティ設定およびプライバシー オプションを評価する」の「信頼できる場所の既定の設定」を参照してください。

[セキュリティ] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

信頼できる場所、セキュリティ センターなど、Office 2007 のセキュリティー設定の計画および管理の詳細については、下記を参照してください。

[詳細設定] フォルダ

[詳細設定] フォルダには、[詳細設定] オプションを管理するために使用するポリシー設定が含まれます。

Excel 2007 では、互換性、編集、印刷、Web オプション、保存などの機能の、あまり使用されない設定の多くが [Excel のオプション] ダイアログ ボックスの [詳細設定] カテゴリに配置されています。[詳細設定] 設定は、Excel 2007 のユーザー インターフェイスで Microsoft Office ボタンをクリックし、[Excel のオプション] をクリックして、[詳細設定] をクリックすると表示されます。この設定は、機能カテゴリによって整理されています。

[詳細設定] フォルダのグループ ポリシー設定は、Excel の [詳細設定] ユーザー インターフェイス設定の多くを制御するために使用されます。

たとえば、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [Web オプション] フォルダの下のポリシー設定は、Web ブラウザで Excel データが表示されるときのデータの表示方法と応答方法を指定するオプションを設定するために使用されます。このポリシー設定は、[Web オプション] ダイアログ ボックスの [全般] タブの該当するユーザー インターフェイスのオプションを管理します。

[詳細設定] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[ユーザー設定可能なエラー メッセージ] フォルダ

このフォルダには、カスタマイズするエラー メッセージの一覧を指定するためのポリシー設定が含まれます。

[ユーザー設定可能なエラー メッセージ] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[データの回復] フォルダ

このフォルダには、次のポリシー設定が含まれます。

  • [データを回復するときに、ブックの構造化ストレージ形式に問題がないと仮定する]。この設定が有効な場合に [開いて修復] 操作を実行すると、Excel は、ブックの構造は破損していないと仮定し、数式、書式、Microsoft Visual Basic for Applications (VBA) プロジェクトを含むブック全体の回復を試みます。

  • [破損した数式の変換]。[開いて修復] 操作で数式の回復を試みたときに回復が成功しない場合は、数式が値または #REF や #NAME に変換されます。この設定は、[開いて修復] 操作の実行中に数式を回復するかどうかをユーザーに求める場合の既定のオプションにも影響します。

  • [破損したブックを開くときにデータ抽出オプションを表示しない]。この設定を有効にした場合、ユーザーがブックの [開いて修復] を選択したときに、ユーザーにはオプションが表示されず、Safe Load 処理を使用してファイルが開かれます。

[データの回復] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[データ アクセスのセキュリティ] フォルダ

このフォルダには、クエリの更新オプション、接続ファイルの場所、および接続時やデータの更新時の警告および通知の表示設定を管理するポリシー設定が含まれます。[データ アクセスのセキュリティ] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[クエリの自動更新] 設定を指定する

ユーザーは Excel でクエリを使用し、Excel で分析する企業のデータベースやファイルからデータを取得できます。また、ユーザーはピボットテーブル レポートを使用して、概要データを要約、分析、および表示できます。ユーザーはピボットテーブル オプションを指定して、ピボットテーブル レポートを含む Excel ブックが開かれる際にデータを更新するかどうかを制御できます。

ユーザーは、Excel の [接続のプロパティ] ダイアログ ボックスを使用してブックが開かれるときに外部のデータ範囲を自動的に更新するオプションを指定できます。

管理者は [クエリの自動更新] ポリシー設定を使用し、自動的に更新するように構成されたクエリまたはピボットテーブルを含むファイルを Excel によって開くときの動作を指定できます。管理者は、次のいずれかのオプションを指定できます。

  • 既定 : すべてのブックでメッセージを表示する。

  • メッセージを表示せず、自動更新を行わない。

  • メッセージを表示せずに自動更新を行う。

接続ファイルの場所を指定する

Excel ブックのデータは、ブックに直接格納するか、テキスト ファイル、データベース、OLAP (Online Analytical Processing) キューブなどの外部データ ソースに格納できます。外部データ ソースの検索方法、ログイン方法、およびアクセス方法を記述するデータ接続情報を使用して、外部データ ソースをブックに接続します。接続情報は、ブックに格納するか、Office データ接続 (ODC) ファイル (.odc)、データ ソース名ファイル (.dsn) などの接続フィルに格納できます。

管理者は、接続ファイルのセットを企業ネットワーク上のフォルダ内 (UNC または URL) に格納し、これらの接続ファイルの場所を [接続ファイルの場所] ポリシー設定を使用してネットワーク全体のユーザーに公開できます。このポリシー設定が [有効] に設定されている場合は、接続のセットごとに名前と場所の値 (UNC または URL) を指定することで、ユーザーが接続ファイルを使用できるようになります。ポリシー設定に接続ファイルの場所が指定されていない場合は、Excel の [既存の接続] ダイアログ ボックスにある [ネットワーク上の接続ファイル] セクションに空の一覧が表示されます。

警告および通知を表示するためのポリシー設定を構成する

[データ アクセスのセキュリティ] フォルダには、データ接続や更新の操作に対する警告および通知を構成する次のポリシー設定が含まれます。

  • [OLAP ピボットテーブルの接続時の警告]。この設定では、OLAP (Online Analytical Processing) のデータ接続操作に関する警告をユーザーに表示するかどうかを指定します。

  • [ピボットテーブルの外部データ ソース接続時の警告]。この設定では、接続操作に関する警告をユーザーに表示するかどうかを指定します。

  • [更新時のメッセージの設定]。この設定では、[データの更新] 操作に関する警告をユーザーに表示するかどうかを指定します。

[新しいワークシート リンク] フォルダ

このフォルダには、[ユーザー設定のリンク #1] ~ [ユーザー設定のリンク #10] のポリシー設定が含まれます。これらの設定が有効な場合、管理者は表示名およびパスのほか、リンクを表示する作業ウィンドウのセクション (ワークシートを開くなど) や、動作 (既存のファイルを開く、新しいファイルを作成するなど) のハイパーリンク オプションを構成できます。

[新しいワークシート リンク] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[ユーザー インターフェイスの項目を無効にする] フォルダ

このフォルダには、Excel の定義済みのユーザー インターフェイス コマンドおよびショートカット キーを無効にするためのポリシー設定が含まれます。

Excel コントロールのツール バー コントロール ID (TCID) を指定することで、管理者は、ポリシー設定を指定して、Excel のコマンド、メニュー項目、およびショートカット キーを無効にすることもできます。これらのポリシー設定は、[ユーザー設定] フォルダで利用できます。

[ユーザー インターフェイスの項目を無効にする] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

詳細については、「ユーザー インターフェイス項目とショートカット キーを無効にする」を参照してください。

[ファイル形式のブロック] フォルダ

このフォルダには、ファイルを開く際のブロックおよびファイルを保存する際のブロックを設定するためのポリシー設定が含まれます。管理者は、[ファイル形式のブロック] ポリシー設定を使用して、さまざまな種類や形式のファイルをユーザーが開いたり保存したりしないようにできます。[ファイル形式のブロック] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

[ファイル形式のブロック] 設定の詳細については、「2007 Office system のセキュリティ ポリシーおよび設定」の「ファイル形式のブロックの設定」を参照してください。

[ファイル形式のブロック] の計画に関する情報については、「2007 Office system でファイル形式のブロック設定を計画する」を参照してください。

[その他] フォルダ

このフォルダには、次のポリシー設定が含まれます。

  • [グラフ ギャラリーのパス]。ユーザー定義のグラフ テンプレートを格納するパスを指定します。

  • [ユーザー設定のアンサー ウィザード データベースのパス]。ユーザー設定のヘルプおよびアンサー ウィザード (AW) ファイルのパスとファイル名を指定します。

  • [4 桁年を表示する]。4 桁年を含む日付を入力したときに、Excel で常に 4 桁が表示されるように指定します。この場合、コントロール パネルの [地域と言語のオプション] にある短い日付形式の設定よりも優先されることがあります。この設定が有効でない場合、Excel では短い日付形式が使用されます。

  • [ネットワーク ファイル記憶域をローカルのキャッシュに保存する]。この設定を有効にすると、ネットワーク共有に格納されているワークシートの編集時にネットワーク エラーが発生したときのデータの損失を防止できます。

  • [PivotTable レポートをローカルのキャッシュに保存する]。この設定を有効にすると、ネットワーク共有に格納されているワークシートの編集時にネットワーク エラーが発生したときのデータの損失を防止できます。

  • [OLAP ピボットテーブルのユーザー定義関数のセキュリティ設定]。ピボットテーブル レポートには、ユーザー定義関数 (UDF) への参照を持つ OLAP クエリが含まれていることがあります。このクエリには、コンパイルされた実行可能ファイルが含まれる場合があります。実行可能ファイルには、セキュリティ上の問題がある可能性があります。この設定を有効にする場合は、次のいずれかのオプションを指定できます。

    • [すべてのユーザー定義関数を使用可能にする]。このオプションを使用すると、OLAP クエリ内のすべての UDF を IObjectSafety のチェックなしで実行できます。

    • [安全な UDF のみ使用可能にする]。このオプションを使用すると、開発者が IObjectSafety を使用して安全な実行可能ファイルであるとマークした UDF だけを使用できます。

    • [ユーザー定義関数を使用不可能にする]。このオプションを使用すると、OLAP クエリですべての UDF を実行できなくなります。

    このポリシー設定を有効にすると、選択された値が Excel によって OLAP プロバイダに渡されます。

  • [スマート タグの認識]。このポリシー設定を有効にすると、Excel でスマート タグを認識できなくなります。

[その他] フォルダは、グループ ポリシー オブジェクト エディタの [ユーザーの構成\管理用テンプレート\Microsoft Office Excel 2007\Excel のオプション] フォルダにあります。

Excel12.adm 管理用テンプレート ファイルを読み込んで Excel のポリシー設定を設定する

以下の手順では、グループ ポリシー管理コンソール (GPMC) のグループ ポリシー オブジェクト エディタ MMC スナップインを使用して GPO を編集します。この手順では、GPMC をインストール済みであることを前提としています。GPMC は、Microsoft ダウンロード センター サイトからダウンロードできます。詳細については、「グループ ポリシー管理コンソール (GPMC) Service Pack 1」を参照してください。Windows Vista をお使いの場合、GPMC はオペレーティング システムに統合されています。

グループ ポリシー管理ツールの詳細および使用手順については、「2007 Office system でグループ ポリシーを使用して設定を適用する」の「グループ ポリシー管理コンソールおよびグループ ポリシー オブジェクト エディタを使用する」セクションを参照してください。

この手順では、事前に Excel 2007 管理用テンプレート ファイル Excel12.adm をダウンロードしていることも前提としています。2007 Office リリースの管理用テンプレート ファイルは、Microsoft ダウンロード センターの「2007 Office system 管理用テンプレート ファイル (ADM、ADMX、ADML) および Office カスタマイズ ツール バージョン 2.0」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=78161\&clcid=0x411) からダウンロードできます。

Important重要
他のグループ ポリシー展開と同様に、新しいグループ ポリシーのすべての構成または展開は稼働環境に移動する前に非稼働環境でテストすることが重要です。グループ ポリシー展開のステージングの詳細については、Microsoft Windows Server 2003 Deployment Kit の「Designing a Managed Environment (英語)」の「Staging Group Policy Deployments (英語)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=80755&clcid=0x411) を参照してください。

管理用テンプレートのポリシー設定には [説明] のテキストがあります。これは、グループ ポリシー オブジェクト エディタ コンソールの詳細ウィンドウ (右側のウィンドウ) で [拡張] タブをクリックすると表示できます。このテキストは、ポリシー設定をダブルクリックし、ポリシー設定の [プロパティ] ダイアログ ボックスの [説明] タブをクリックしても表示できます。[説明] のテキストには、ポリシー設定に関する情報が表示されます。

Excel12.adm ファイルをグループ ポリシー オブジェクト エディタに読み込んでポリシー設定を構成する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[コントロール パネル] をクリックします。次に、[管理ツール] をクリックし、[グループ ポリシーの管理] をクリックして、GPMC を開きます。

  2. コンソール ツリーで、編集する GPO が含まれているフォレストおよびドメイン内の [グループ ポリシー オブジェクト] をダブルクリックします。これは [フォレスト名]、[ドメイン]、[ドメイン名]、[グループ ポリシー オブジェクト] にあります。

  3. 変更する GPO を右クリックし、[編集] をクリックします。こうすると、グループ ポリシー オブジェクト エディタが開きます。

  4. グループ ポリシー オブジェクト エディタで、[ユーザーの構成] ノードの [管理用テンプレート] を右クリックし、[テンプレートの追加と削除] を選択して、[追加] をクリックします。

  5. [ポリシー テンプレート] ダイアログ ボックスで Excel12.adm テンプレートを参照します。[開く] をクリックし、[テンプレートの追加と削除] ダイアログ ボックスの [閉じる] をクリックします。

  6. [ユーザーの構成] をダブルクリックし、[管理用テンプレート] の下のツリーを展開して [Microsoft Office Excel 2007] ポリシー設定を探します。

  7. 詳細ウィンドウ (右側のウィンドウ) でフォルダをダブルクリックし、ポリシー設定をダブルクリックして、[プロパティ] ダイアログ ボックスを開きます。使用する Excel のポリシー設定を構成し、[OK] をクリックします。

  8. GPO を保存します。