コンテンツの展開を計画する

  • [アーティクル]

この記事の内容 :

  • コンテンツの展開とは

  • 展開のジョブとパスについて

  • コンテンツ展開のセキュリティ

  • コンテンツの展開を構成する

  • コンテンツの展開計画を記録する

コンテンツの展開とは

コンテンツの展開では、コンテンツをコピー元の Microsoft Office SharePoint Server 2007 サイト コレクションからコピー先のサイト コレクションにコピーします。コピー元サイト コレクション全体をコピーすることも、サイトのサブセットをコピーすることもできます。どちらの場合も、既定ではコンテンツの増分展開が行われ、変更されたページと関連リソース (イメージなど) のみが展開されます。簡易展開機能では、作成者による 1 ページの展開がサポートされます。

注意

コンテンツの簡易展開機能を実行するには、展開元と展開先のサイト コレクションで、Office SharePoint® Server 発行インフラストラクチャが有効になっている必要があります。

大部分のコンテンツ展開シナリオでは、展開元のサイト コレクション (コンテンツの展開元) は、展開先のサイト コレクションとは別のサーバー ファームに属します。多くの場合、展開先のサーバー ファーム ("実稼働" ファーム) ではセキュリティを強化して、実稼働環境で実行できるアクションを最小にします。実稼働環境で作成を行うことは想定されていません (実稼働環境に変更を加えると、コンテンツの展開機能により上書きされる可能性があります)。大部分のコンテンツ展開シナリオでは、展開元ファームと実稼働ファームは、独立した Active Directory® ディレクトリ サービス ドメインに属しています。コンテンツ展開トポロジの詳細については、「コンテンツ展開トポロジを設計する」を参照してください。

コンテンツ展開では、展開元サイト コレクションのベース URL は、展開先サイト コレクションのベース URL と異なる場合があります。コンテンツの展開機能では、展開先で適切に動作するように展開元コンテンツ内のリンクが修正されます。

コンテンツの展開では、コンテンツのコピーのみが行われます。コンテンツとは、コピーされたページで使用される Web ページとリソースです。プログラム、アセンブリ、機能、web.config ファイルなどの構成情報は展開されません。Web ページを展開するときに、ページが依存するコンテンツ データベース内のアイテム (イメージ、スタイル シート、レイアウト ページなど) も展開されます。

コンテンツの展開では、コンテンツ アイテムの最新のメジャー バージョンとマイナー バージョンが展開されます。たとえば、バージョンが 2.7 の Web ページを展開している場合、ページの最新のメジャー バージョン (2.0) と最新のマイナー バージョン (2.7) が展開先サイトにコピーされます。

アイテムに発行スケジュールが設定されている場合 (「コンテンツ承認とスケジュールを計画する」を参照)、アイテムと共にスケジュール情報が展開されるので、展開先サイト コレクションでもスケジュールに従うことができます。たとえば、午前 6 時に発行するスケジュールが設定されているアイテムを午前 3 時に展開する場合、展開先サイトのサイト ユーザーがコンテンツを閲覧できるのは午前 6 時以降になります。

展開のジョブとパスについて

コンテンツの展開では、コンテンツ展開ジョブにより、指定したコンテンツが指定したスケジュールと指定したパスに従ってコピーされます。

コンテンツ展開パスは、コンテンツの展開が開始される展開元のサイト コレクションと、展開先のサイト コレクションを定義し、さらに以下の情報も指定します。

  • コンテンツ展開ジョブのアクセス許可を展開先サイト コレクションに与える認証情報です。展開先サイト コレクションにコンテンツを展開するには、展開ジョブは展開先サーバー上の SharePoint サーバーの全体管理の資格情報を保有する必要があります。展開ジョブは、展開元ファームのサーバーの全体管理アプリケーション プール アカウント、統合 Windows 認証、または基本認証を使用することで接続できます。

  • コンテンツに関連付けられているユーザー名 (作成者名など) を展開するかどうかに関する情報です。

  • コンテンツのアクセス許可を展開する方法に関する情報です。詳細については、「コンテンツ展開のセキュリティ」を参照してください。

パスを定義したら、1 つ以上のコンテンツ展開ジョブを定義できます。コンテンツは、そのパスを使用して展開されます。展開ジョブでは以下のことを指定します。

  • 展開元サイト コレクション内の展開するサイトです。

  • ジョブを実行し、コンテンツを展開する頻度です。

  • すべてのコンテンツを展開するか、それとも前回のジョブ実行以降に変更または追加されたコンテンツのみを展開するかを指定します。

  • ジョブが成功または失敗したときに電子メールを送信するかどうかの確認、および使用する電子メール アドレスです。

Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能が有効になっているサイトにパスを定義するたびに、そのパスで使用できる簡易展開ジョブが作成されます。簡易展開ジョブは、指定したスケジュール (既定では 15 分ごと) で実行される展開ジョブです。サイトのページ ライブラリに含まれ、前回の簡易展開ジョブの実行以降に展開用のマークが付けられたすべての Web ページが展開されます。簡易展開ユーザー グループ (Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能が有効になっているサイトに作成される) のメンバは、簡易展開コマンドを使用して Web ページに展開用のマークを付けることができます。

注意

Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能が有効になっていないサイトでパスを定義することもできます。ただし、この方法で作成されたパスは、簡易展開ジョブには関連付けられません。Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能が有効になっていないサイトで定義したパスに簡易展開ジョブを追加するには、まず展開元サイト コレクションで Office SharePoint Server 発行インフラストラクチャ機能を有効にしてから、現在のパスを削除して定義し直します。これにより、パスは簡易展開ジョブに関連付けられます。

コンテンツ展開のセキュリティ

通常、展開先サーバー ファーム上のコンテンツに対するアクセス許可は、展開元ファーム上のコンテンツに対するアクセス許可とは異なります。多くの発行ソリューションでは、展開先ファームは作成環境またはステージング環境で使用されたのとは異なる Active Directory ドメインを使用してユーザーを認証します。このため、2 つのドメインの間に信頼関係があるとは限りません。

コンテンツ展開パスを構成するときに、以下のセキュリティ オプションを選択できます。

  • [すべて]   ロール定義、アクセス制御リスト (そのコンテンツに対して表示または編集の権限を持つユーザーおよびロールを割り当てたもの)、ユーザーなど、コンテンツのセキュリティに関連するすべての情報を展開します。このオプションは、展開元と展開先のファームで同じユーザー群が同じアクセス許可を持つ場合に便利です。たとえば、作成ファームからステージング ファームに展開する場合、同じユーザーが両方のコンテンツ セットにアクセスする必要があるので、このオプションが最適です。

  • [ロール定義のみ]   ロール定義と、そのコンテンツにロールを割り当てるアクセス制御リストを展開しますが、ユーザーは展開しません。このオプションでは、展開元と展開先のサーバー ファームで同じロールが適用されますが、それらのロールに割り当てられるユーザーは、それぞれのファームで異なります。

  • 「なし]   セキュリティ情報は展開されません。展開先ファームでのセキュリティは、そのファームの管理者がファームのサイトとコンテンツにユーザーとロールを割り当てることで管理する必要があります。たとえば、ステージング ファームから社内のインターネット プレゼンス サイトに展開する場合、このオプションを指定することで、2 つのファームのセキュリティが個別に管理されます。

Office SharePoint Server 2007 のロールとセキュリティの詳細については、「セキュリティ ロールを計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

コンテンツの展開を構成する

2 つのサーバー ファームの間のコンテンツの展開を構成するには、以下の手順を使用します。

  1. 展開先サーバー ファームで、初期展開ジョブを受け取るために、空のサイト テンプレートに基づいて空のサイト コレクションを作成します。

  2. 展開先ファームで、Office SharePoint Server 2007 サーバーの全体管理の [コンテンツ展開の設定] ページを使用して、送られてきた展開ジョブを受け入れ、送られてきた展開ジョブを管理するためにフロントエンド サーバーをインポート サーバーとして割り当てて、展開元と展開先のファームの間の接続で暗号化を要求するかどうかを指定するようにファームを構成します。

  3. 展開元ファームで、[コンテンツ展開の設定] ページを使用して、送出する展開ジョブを管理するためにフロントエンド サーバーをエクスポート サーバーとして割り当てます。

  4. 展開元ファームで、Office SharePoint Server 2007 サーバーの全体管理の [コンテンツ展開用のパスおよびジョブの管理] ページを使用して、1 つ以上の展開パスを作成します。

  5. 展開元ファームで、[コンテンツ展開用のパスおよびジョブの管理] ページを使用して、それぞれのパスに 1 つ以上の展開ジョブを作成します。

  6. 初期展開ジョブを実行して、展開先ファームでコンテンツを開始します。

  7. パスがすべてのセキュリティ情報を展開しない場合は、展開先ファームで、ユーザー、ロール、およびコンテンツとサイトのアクセス許可の初期セットを作成します。

コンテンツの展開計画を記録する

Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 コンテンツ展開ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM102099681041) を使用して、コンテンツ展開の計画を記録します。

  • ワークシートの最初のセクションには、コンテンツ展開トポロジに含まれる各サーバー ファームと、その目的を記録します。各ファームについて、エクスポート サーバー、インポート サーバー、または両方の URL を記入します。また、ファームで使用される Active Directory ドメインも記録します。

  • ワークシートの次のセクションには、作成するパスを記録します。各パスについて、展開元と展開先の Web アプリケーションと、サイト コレクションを記入します。また、パスと共にどれだけのセキュリティ情報を展開するかについても記録します (すべて、ロールのみ、またはなし)。

ワークシート

Microsoft® Office SharePoint® Server 2007 コンテンツ展開ワークシート (https://office.microsoft.com/search/redir.aspx?AssetID=AM102099681041)

このドキュメントのダウンロード

このトピックは、簡単に読んだり印刷したりできるように、次のダウンロード可能なドキュメントに収められています。

入手できるドキュメントの詳細な一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。

関連項目

概念

コンテンツ展開トポロジを設計する