IIS 7.0 に FrontPage Server Extensions をインストールする

作成者 : Robert McMurray
発行日 : 2007 年 11 月 22 日 (作業者 : saad(英語))
更新日 : 2008 年 3 月 14 日 (作業者 : saad(英語))

はじめに

Windows Vista および Windows Server© 2008 に IIS 7.0 をインストールした大部分のユーザーが気付いたように、FrontPage Server Extensions のインストール オプションはありません。Windows Vista または Windows Server 2008 コンピューターでホストされている Web サイトを編集するには、次の 2 つの方法だけを使用できます。

  • ファイル システムを使用して Web サイトをローカルに編集する。
  • FTP を使用して、リモートの Windows Vista または Windows Server 2008 コンピューターにファイルをアップロードする。

Microsoft では、FrontPage Server Extensions が多くの Web のホスティング企業や開発者にとって重要であることを認識し、Ready-to-Run Software と連携して、Windows Vista および Windows Server 2008 向けの FrontPage 2002 Server Extensions (FPSE 2002) をリリースしました。このバージョンの FPSE 2002 は、x86 (32 ビット) 版および x64 (64 ビット) 版 Windows Vista および Windows Server 2008 で、IIS 7.0 向けの個別ダウンロードとして利用できます。このバージョンは、次の URL をクリックするとダウンロードできます。

このチュートリアルの内容

  • FPSE の前提条件
  • Windows Vista または Windows Server 2008 への FPSE のインストール
  • FPSE による Web サイトの拡張
  • Web サイトからの FPSE の削除

注 :

  • このリリースの FrontPage 2002 Server Extensions (FPSE 2002) は、Ready-to-Run Software によりサポートされています。Ready-to-Run Software の詳細については、以下の URL を参照してください。

  • このバージョンの FPSE 2002 には新機能は含まれていません。基本的には Windows Server 2003 向けに作成された FPSE 2002 と同じですが、Windows Vista または Windows Server 2008 で動作するように更新されています。また、FPSE 2002 は Office XP システム製品の一部です。FPSE 2002 を含む Office XP システムは、マイクロソフト サポート ライフサイクル ポリシーに従って、2006 年 7 月 11 日にメインストリーム サポートが終了しました。マイクロソフトのサポート ポリシーでは、サポートされないソフトウェアはダウンロード センターから削除されるため、FPSE 2002 は、サポート終了時に、個別製品としてマイクロソフト ダウンロード センターから削除されました。[プログラムの追加と削除] コントロール パネルの [Add Windows Components] セクションを使用すると、FPSE 2002 は、Windows Server 2003 で引き続き利用でき、サポートも継続されます。

FPSE の前提条件

サポートされているプラットフォーム

このバージョンの FrontPage Server Extensions は、次のプラットフォームでのみサポートされます。

  • Windows Server 2008:
    • すべての SKU
  • Windows Vista:
    • Business
    • Enterprise
    • Ultimate
    • Home Premium

必要な役割サービスと機能

FrontPage 2002 Server Extensions (FPSE 2002) を Windows Vista または Windows Server 2008 にインストールするには、以下の役割サービスと機能が必要です。まだインストールされていない場合は、FPSE 2002 をインストールするときに自動的にインストールされます。コンピューターにこの役割サービスと機能をインストールしないと、FPSE 2002 をインストールできません。

  • Web サーバー (IIS) の役割サービス:
    • Web サーバー
      • HTTP 共通機能
        • 静的コンテンツ
        • 既定のドキュメント
        • ディレクトリの参照 (注 1 参照)
        • HTTP エラー (注 1 参照)
      • アプリケーション開発
        • ISAPI 拡張機能
        • ISAPI フィルター
      • 正常性と診断
        • HTTP ログ (注 1 参照)
        • 要求監視 (注 1 参照)
      • セキュリティ
        • Windows 認証または基本認証 (注 2 参照)
        • 要求のフィルタリング
      • パフォーマンス
        • 静的コンテンツ圧縮 (注 1 参照)
    • 管理ツール
      • IIS 管理コンソール (注 1 参照)
      • IIS 6 管理の互換性
        • IIS 6 メタベースの互換性
  • 機能:
    • Windows プロセス起動サービス
      • プロセス モデル

:

  1. これらの役割サービスは、FrontPage Server Extensions のインストールに必要ですが、インストールが完了すると任意のサービスになります。役割サービスの機能を使用しない場合は、インストールの完了後に、サーバー マネージャーを使用して役割サービスを削除できます。ただし、これらの役割サービスの大部分は、Web サーバーの構成および監視に便利です。
  2. 使用している Windows のバージョンによっては、FrontPage Server Extensions で次の認証方法が必要です。
    • Windows 認証は、Windows Server 2008 のすべてのバージョン、および Windows Vista のすべてのバージョン (Windows Vista Home Premium を除く) で必要です。**
    • 基本認証は Windows Vista Home Premium で必要です。

Windows Vista または Windows Server 2008 への FPSE のインストール

FPSE のダウンロード

FrontPage 2002 Server Extensions (FPSE 2002) を Windows Vista または Windows Server 2008 にインストールするには、最初に以下の URL からインストール パッケージをダウンロードします。

FPSE 2002 インストール パッケージのダウンロードが終了したら、必ず完全な管理アクセス許可を使用して FrontPage Server Extensions をインストールする必要があります。次のいずれかの方法を使用することをお勧めします。

  • ローカル "管理者" アカウントを使用してコンピューターにログインし、インストール パッケージをダブルクリックして、インストール プロセスを開始します。

  • 管理アクセス許可を持つ、ローカル "管理者" アカウント以外のアカウントを使用してログインする場合は、[管理者として実行] オプションを使用してコマンド プロンプトを開き、次のコマンドを使用してインストール プロセスを開始します。

    msiexec /i <path to FPSE package>\<name of FPSE package>.msi

: Windows Vista および Windows Server 2008 オペレーティング システムでは、ユーザー アカウント制御 (UAC) セキュリティ コンポーネントにより FPSE 2002 インストール パッケージが正しくインストールされないため、上記の手順が必要になります。UAC の詳細については、次のドキュメントを参照してください。

FPSE のインストール

インストール プロセスでは、最初に使用許諾契約書が表示されます。使用許諾契約書に同意するか同意しないかを選択できますが、インストールを続行するには同意が必要です。使用許諾契約書の条件に同意して [次へ] をクリックすると、前提条件のソフトウェアがインストールされていない場合は、FPSE 2002 のインストールに必要な役割サービスと機能の一覧が表示されます。これらの役割サービスと機能をコンピューターにインストールしない場合は、[キャンセル] をクリックして、インストールを取り消します。[次へ] をクリックすると、その他の FrontPage 機能の一部で使用される任意の役割サービスの一覧が表示されます。この役割サービスは FPSE 2002 では必要ありませんが、その説明には、どの FrontPage 機能が各役割サービスを使用するかが一覧表示されます。その他の役割サービスを選択したら、[次へ]、[インストール] を順にクリックして実際のインストール プロセスを開始できます。

: 以前のバージョンの FrontPage Server Extensions とは異なり、インストール プロセスでは "MSSharePointAppPool" アプリケーション プールと FrontPage Server 管理 Web サイト (Microsoft SharePoint 管理 Web サイトとも呼ばれます) のみが作成されます。したがって、インストール プロセスを完了しても、Web サイトには FrontPage Server Extensions はインストールされていません。

FPSE による Web サイトの拡張

サーバーに FrontPage 2002 Server Extensions (FPSE 2002) を設定した後、作成ツールを使用して Web サイトを開く前に、FPSE 2002 を使用して Web サイトまたは仮想サーバーを拡張する必要があります。

次のいずれかの方法でサーバーを拡張できます。

  • HTML 管理ページを使用
  • コマンドライン ツールでのインストール操作を使用

: Web サイトを拡張しても、認証方法は構成されません。Web サイトに FPSE 2002 をインストールしたら、ユーザーが Web サイトを開いたり Web サイトへ公開したりできるように、Windows 認証や基本認証などの認証方法を構成する必要があります。

HTML 管理ページによる Web サイトの拡張

Windows の HTML 管理ページを使用して Web サイトを拡張するには、次の手順に従います。

  1. [スタート] をクリックして、[プログラム]、[管理ツール] の順にポイントし、[Microsoft SharePoint Administrator] をクリックして [Server Administration] ページを開きます。
  2. 仮想サーバーの一覧で、拡張する仮想サーバーの横にある [Extend] をクリックします。
  3. [Administrator] ボックスに、仮想サーバーの管理者のユーザー名を入力します。
  4. [Submit] をクリックします。

: HTML 管理ページを使用すると、サーバーの拡張後に有効にするオプションを、最も柔軟に選択できます。

コマンドラインによる Web サイトの拡張

コマンドライン ツール owsadm または owsrmadm を使用して、Web サイトを拡張できます。これらのツールは、"%ProgramFiles%\Common Files\Microsoft Shared\Web Server Extensions\50\bin" フォルダーに格納されています。Web サイトを拡張するには、次のパラメーターを使用するインストール操作を実行します。

パラメーター 短い形式 説明

Port

-p

ポート番号。パラメーターを指定しなければ、既定値としてポート 80 が設定されます。この値は、LM/W3SVC/1 などのサイト インスタンス番号になります。使用するサイト インスタンス番号を判断するには、以下の注意を参照してください。

Username

-u

サーバーがドメインの一部である場合は、ドメイン名とユーザー名になります。たとえば MyDomain\MyUserName になります。

: 使用するサイト インスタンス番号を決定するには、IIS マネージャーを開いて、ツリーの "サイト" ノードを選択します。サイト一覧の ID 列に、サイト インスタンス番号で使用する、サイトごとの一意の ID が含まれています。たとえばサイトに 3 という ID がある場合は、サイト インスタンス番号は LM/W3SVC/3 になります。

以下の例は、Windows におけるインストール操作の構文を示しています。

owsadm.exe –o install –p <port> -u <username>

: インストール操作に必要なパラメーターの完全な一覧と説明については、Command-line Operations (英語) を参照してください。

Web サイトからの FPSE の削除

特定のサーバーで一時的または恒久的に FrontPage 2002 Server Extension を削除できます。FrontPage 2002 Server Extensions を一時的に削除し、サイトの削除はたは復元を行うには、[アンインストール] コマンドを使用します。このモードでは、サイトに関する大半のデータが維持されるため、仮想サーバーを再度拡張して、元の構成に戻すことができます。

FrontPage 2002 Server Extensions を恒久的に削除するには、[Full Uninstall] オプションを使用します。これを使用すると、FrontPage 2002 Server Extensions によってインストールされたその他のファイルとフォルダーも削除されます。完全なアンインストールを実行すると、サイトに関するすべてのデータ (実際のサイト コンテンツは除く) が削除されるため、完全なアンインストールが必要かどうかを確認してから、[Full Uninstall] オプションを使用してください。

HTML 管理ページを使用した削除

HTML 管理ページを使用して、FrontPage 2002 Server Extensions をアンインストールできます。Web サイトから FrontPage 2002 Server Extensions を削除するには、次の手順に従います。

  1. [サーバー管理] ページを開きます。
  2. 仮想サーバーの一覧で、アンインストールする仮想サーバーの横にある [管理] をクリックします。
  3. [管理] で、[Uninstall FrontPage 2002 Server Extensions] をクリックします。
  4. Web サイトに関するメタデータを含め、FrontPage 2002 Server Extensions を完全にアンインストールする場合は、[Full Uninstall] の横にある [Yes] をクリックします。
  5. [Uninstall] をクリックします。

コマンドラインを使用した削除

コマンドライン ツール owsadm または owsrmadm を使用して、Web サイトから FrontPage 2002 Server Extensions を削除できます。これらのツールは、"%CommonProgramFiles%\Microsoft Shared\Web Server Extensions\50\bin" フォルダーに格納されています。Web サイトから FPSE 2002 を削除する場合、アンインストール操作または完全なアンインストール操作を使用します。アンインストール操作では、サーバーから FrontPage 2002 Server Extensions が削除されます。完全なアンインストール操作では、サイトに関するデータ (実際のサイト コンテンツは除く) も仮想サーバーから削除されます。

アンインストールおよび完全なアンインストール操作では、port パラメーターを指定します。以下の例は、Web サイトから FPSE を削除する構文を示しています。

owsadm.exe –o uninstall –p <port>

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