ファーム展開を再構成する (FAST Search Server 2010 for SharePoint)

 

適用先: FAST Search Server 2010

トピックの最終更新日: 2011-02-18

既存の Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint ファームの展開を変更するには、deployment.xml ファイルを再構成します。展開の変更には、サーバーの追加や削除、およびサーバーへのコンポーネントの割り当て含まれます。

注意

ここでは、ファームのトポロジを再構成するときに使用する共通の手順について説明します。トポロジの操作方法については、「FAST Search Server ファームのトポロジを管理する」を参照してください。

この記事の内容

  • 構成ファイルを管理する

  • 新規サーバーを追加せずにファーム展開を再構成する

  • 新規サーバーの追加を含めてファーム展開を再構成する

  • ファーム展開からサーバーを削除する

  • Microsoft SharePoint Server で必要な変更を行う

  • deployment.xml の検索行とインデックス列について

構成ファイルを管理する

FAST Search Server 2010 for SharePoint には、開発者や IT 担当者が変更できるいくつかの構成ファイルがあります。変更できる構成ファイルの詳細については、「構成ファイルについて (FAST Search Server 2010 for SharePoint)」を参照してください。それ以外の構成ファイルの変更はサポートされていません。このような構成ファイルを変更すると、再構成 (Set-FASTSearchConfiguration コマンドレット) やソフトウェア更新の際に、システムの不整合が生じる可能性があります。

新規サーバーを追加せずにファーム展開を再構成する

既存のサーバーに対して展開の変更を行うには、次の手順を実行します。

  1. 管理サーバーで展開の構成ファイル <FASTSearchFolder>\etc\config_data\deployment\deployment.xml を開きます。

    ここで <FASTSearchFolder> は FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールしたフォルダーのパス (たとえば C:\FASTSearch) です。

    必要な変更を展開の構成に加えます。展開の構成ファイルの構文については、「deployment.xml リファレンス」を参照してください。インデックス列と検索行の展開の構成については、「deployment.xml の検索行とインデックス列について」を参照してください。

  2. インデックス行または検索行の構成を変更する場合は、その行に含まれるすべてのサーバーで次のファイルを削除します。

    <FASTSearchFolder>\etc\rtsplatformcache.xml

  3. 管理サーバーで次の手順を実行して、展開に含まれるサーバーを再構成します。

    1. [FAST Search for SharePoint] サービスを停止します。

    2. [FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスを停止します。

    3. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] を開きます。

      1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。FAST Search Server 2010 for SharePoint がインストールされているサーバーの FASTSearchAdministrators ローカル グループのメンバーであること。

      2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

      3. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint] をクリックします。

      4. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] をクリックします。

      5. 構成ファイルを再作成するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、以下のコマンドを入力します。

        Set-FASTSearchConfiguration
        
      6. [FAST Search for SharePoint] サービスを開始します。

        注意

        このとき、[FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスも開始されます。

      7. すべてのプロセスが実行中であることを確認するには、Windows PowerShell のコマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

        nctrl status
        
  4. 起動した管理サーバーが実行されているときに、FAST Search Server 2010 for SharePoint 展開の他のすべてのサーバーで、上記の手順 3. を繰り返します。

新規サーバーの追加を含めてファーム展開を再構成する

サーバーの追加または削除を含む展開の変更を行うには、次の手順を実行します。

  1. 管理サーバーで、<FASTSearchFolder>\etc\config_data\deployment\deployment.xml を開き、必要な変更を行います。

    <FASTSearchFolder> は FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールしたフォルダーのパス (たとえば C:\FASTSearch) です。

    展開の構成ファイル (deployment.xml) の構文の詳細については、「deployment.xml リファレンス」を参照してください。インデックス列と検索行の展開の構成の詳細については、「deployment.xml の検索行とインデックス列について」を参照してください。

  2. 管理サーバーで次の手順を実行して、展開を再構成します。

    1. [FAST Search for SharePoint] サービスを停止します。

    2. [FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスを停止します。

    3. 管理者として [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] を開きます。

      1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。FAST Search Server 2010 for SharePoint がインストールされているサーバーの FASTSearchAdministrators ローカル グループのメンバーであること。

      2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

      3. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint] をクリックします。

      4. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] を右クリックし、[管理者として実行] を選択します。

      5. インターネット プロトコル セキュリティ (IPsec) を構成するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、以下のコマンドを入力します。

        Set-FASTSearchIPSec -create
        

        ユーザー名およびパスワードは、インストール時に使用したものを使用します。

      6. 構成ファイルを再作成するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、以下のコマンドを入力します。

        Set-FASTSearchConfiguration
        
      7. [FAST Search for SharePoint] サービスを開始します。

        注意

        このとき、[FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスも開始されます。

      8. すべてのプロセスが実行中であることを確認するには、Windows PowerShell のコマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

        nctrl status
        
  3. 起動した管理サーバーが実行されているときに、FAST Search Server 2010 for SharePoint ファームの他のすべてのサーバーで、上記の手順 2. を繰り返します。

  4. 新しいサーバーに FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールし、構成します。各サーバーで、次の手順を実行します。

    1. FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールする

    2. 複数サーバーの展開で非管理サーバーを構成する

ファーム展開からサーバーを削除する

サーバー削除を含む展開の変更を行うには、次の手順を実行します。

  1. 管理サーバーで、<FASTSearchFolder>\etc\config_data\deployment\deployment.xml を開き、必要な変更を行います。

    <FASTSearchFolder> は FAST Search Server 2010 for SharePoint をインストールしたフォルダーのパス (たとえば C:\FASTSearch) です。

    展開の構成ファイル (deployment.xml) の構文の詳細については、「deployment.xml リファレンス」を参照してください。インデックス列と検索行の展開の構成の詳細については、「deployment.xml の検索行とインデックス列について」を参照してください。

  2. 管理サーバーで次の手順を実行して、展開を再構成します。

    1. [FAST Search for SharePoint] サービスを停止します。

    2. [FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスを停止します。

    3. 管理者として [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] を開きます。

      1. 次の最小要件を満たしていることを確認します。FAST Search Server 2010 for SharePoint がインストールされているサーバーの FASTSearchAdministrators ローカル グループのメンバーであること。

      2. [スタート] メニューの [すべてのプログラム] をクリックします。

      3. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint] をクリックします。

      4. [Microsoft FAST Search Server 2010 for SharePoint shell] を右クリックし、[管理者として実行] を選択します。

      5. インターネット プロトコル セキュリティ (IPsec) を構成するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、以下のコマンドを入力します。

        Set-FASTSearchIPSec -create
        

        ユーザー名およびパスワードは、インストール時に使用したものを使用します。

      6. 構成ファイルを再作成するには、Windows PowerShell コマンド プロンプトで、以下のコマンドを入力します。

        Set-FASTSearchConfiguration
        
      7. [FAST Search for SharePoint] サービスを開始します。

        注意

        このとき、[FAST Search for SharePoint Monitoring] サービスも開始されます。

      8. すべてのプロセスが実行中であることを確認するには、Windows PowerShell のコマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。

        nctrl status
        
  3. 起動した管理サーバーが実行されているときに、FAST Search Server 2010 for SharePoint ファームの他のすべてのサーバーで (削除するサーバーは除き)、上記の手順 2. を繰り返します。

  4. 削除するサーバーで FAST Search Server 2010 for SharePoint をアンインストールします。各サーバーで、「FAST Search Server 2010 for SharePoint をアンインストールする (FAST Search Server 2010 for SharePoint)」の手順を実行します。

Microsoft SharePoint Server で必要な変更を行う

Microsoft SharePoint Server 2010 の FAST Search Content Search Service アプリケーション (Content SSA) および FAST Search Query Search Service アプリケーション (Query SSA) は、FAST Search Server 2010 for SharePoint ファームに関する情報を使用して構成されます。このため、FAST Search Server 2010 for SharePoint の展開を変更する場合は、Content SSA および Query SSA の構成も更新する必要がある可能性があります。

Content SSA 接続の構成を更新する

FAST Search Content SSA の場合、deployment.xml ファイル内でコンテンツ配信元 (content-distributor 要素) の追加、削除、または移動を行った場合は、Content SSA 構成内の [コンテンツの配信元] フィールドを更新する必要があります。

Content SSA 接続の構成を更新するには

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが FAST Search Content Search Service アプリケーションのサービス アプリケーション管理者であることを確認します。

  2. SharePoint Server 2010 のサーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

  3. [サービス アプリケーションの管理] ページで、FAST Search Content SSA を強調表示し、リボンの [プロパティ] をクリックします。

  4. [Search Service アプリケーションの編集] ページで、[コンテンツの配信元] フィールドを更新します。コンテンツ配信元コンポーネントを持つ各サーバーを、このフィールドに追加します。FAST Search Server 2010 for SharePoint サーバーのインストール ディレクトリの直下にある install_info.txt ファイルから、情報をコピーします (ファイルは再構成の際に更新されるので、再構成後には更新済みの情報が格納されます)。

Query SSA 接続構成を更新する

FAST Search Query SSA の場合、deployment.xml ファイル内でクエリ処理サーバー (query 要素) の追加、削除、または移動を行った場合は、[クエリ サービスの場所] フィールドを更新する必要があります。

クエリ サービスの場所を更新するには

  1. この手順を実行しているユーザー アカウントが FAST Search Content Search Service アプリケーションのサービス アプリケーション管理者であることを確認します。

  2. SharePoint Server 2010 のサーバーの全体管理の [アプリケーション構成の管理] セクションで、[サービス アプリケーションの管理] をクリックします。

  3. [サービス アプリケーションの管理] ページで、FAST Search Query SSA を強調表示し、リボンの [プロパティ] をクリックします。

  4. [Search Service アプリケーションの編集] ページで、[クエリ サービスの場所] フィールドを更新します。deployment.xmlquery ロールがある各サーバーを、このフィールドに追加します。FAST Search Server 2010 for SharePoint サーバーのインストール ディレクトリの直下にある install_info.txt ファイルから、情報をコピーします (ファイルは再構成の際に更新されるので、再構成後には更新済みの情報が格納されます)。

  5. クレーム認証を構成する」の手順に従って、クエリ処理サーバーと Query SSA 間の接続を構成します。

    注意

    クエリ処理サーバーを削除する場合は、この手順は不要です。

deployment.xml の検索行とインデックス列について

deployment.xml 構成ファイルで FAST Search Server 2010 for SharePoint トポロジの検索行とインデックス列の役割を構成します。

host 要素の searchengine サブ要素は、インデックス列と検索/インデックス行の ID を指定します。row 属性値は、searchcluster に指定されている行 id を指します。index 属性は、特定の行のインデックスの役割を指定します。

  • primary: プライマリ インデクサー

  • secondary: バックアップ インデクサー

  • none: この行にはサーバーで実行されているインデクサーがありません。この行は、スタンドアロンの検索行として機能します。

search 属性は、特定の行が持つクエリ照合の役割を指定します。

  • true: クエリ照合は、この行に実行されます。この行は、独立した検索行として機能します。

  • false: この行にはサーバーで実行されているクエリ照合がありません。この行は、専用インデックス列として機能します。

バックアップ インデクサーを含まない構成の例

次の例は、3 つのインデックス サーバーのホスト定義を deployment.xml ファイルから抜粋したものです。

  • 最初の host 要素は管理サーバーを表します。これをクエリ処理と Web アナライザー用としても構成します。

  • 次の 3 つの host 要素は、インデックス列 0、1、および 2 に使用されるインデックス サーバーを表します。

  • バックアップ インデクサーは定義されていません。検索行は 1 つのみ存在します。

  <host name="fs4sp1.contoso.com">
    <admin />
    <query />
    <webanalyzer server="true" link-processing="true"
                 lookup-db="true" max-targets="4"/>
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp2.contoso.com">
    <content-distributor />
    <searchengine row="0" column="0" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp3.contoso.com">
    <content-distributor />
    <indexing-dispatcher />
    <searchengine row="0" column="1" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp4.contoso.com">
    <indexing-dispatcher />
    <searchengine row="0" column="2" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>

  <searchcluster>
      <row id="0" index="primary" search="true" />
  </searchcluster>

バックアップ インデクサーと 2 つの検索行を使用する構成の例

次の例は、バックアップ インデクサーを持つ 3 つのインデックス サーバーのホスト定義を deployment.xml ファイルから抜粋したものです。

  • 最初の host 要素は管理サーバーを表します。これをクエリ処理と Web アナライザー用としても構成します。

  • 次の 3 つの host 要素は、インデックス列 0、1、および 2 に使用されるプライマリ インデックス サーバーを表します。

  • 最後の 3 つの host 要素は、インデックス列 0、1、および 2 に使用されるバックアップ インデックス サーバーを表します。

  • どちらの行も検索行として構成されます。

  <host name="fs4sp1.contoso.com">
    <admin />
    <query />
    <webanalyzer server="true" link-processing="true"
                          lookup-db="true" max-targets="4"/>
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp2.contoso.com">
    <content-distributor />
    <searchengine row="0" column="0" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp3.contoso.com">
    <content-distributor />
    <indexing-dispatcher />
    <searchengine row="0" column="1" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp4.contoso.com">
    <indexing-dispatcher />
    <searchengine row="0" column="2" />
    <document-processor processes="12" />
  </host>
  <host name="fs4sp5.contoso.com">
    <query />
    <searchengine row="1" column="0" />
  </host>
  <host name="fs4sp6.contoso.com">
    <query />
    <searchengine row="1" column="1" />
  </host>
  <host name="fs4sp7.contoso.com">
    <query />
    <searchengine row="1" column="2" />
  </host>

  <searchcluster>
      <row id="0" index="primary" search="true" />
      <row id="1" index="secondary" search="true" />
  </searchcluster>

See Also

Concepts

deployment.xml リファレンス
FAST Search Server ファーム トポロジを計画する (FAST Search Server 2010 for SharePoint)
Search Service アプリケーションを計画する (FAST Search Server 2010 for SharePoint)
FAST Search Server ファームのトポロジを管理する (FAST Search Server 2010 for SharePoint)