インプレース保持と訴訟ホールド

 

適用先:Exchange Online, Exchange Server 2013

メモメモ:
Exchange Online (Office 365 および Exchange Online のスタンドアロン計画) における新しいインプレース ホールドの作成のための 2017 年 7 月 1 日の期限は延期になりました。しかし、今年の終わりか来年の初めには、Exchange Online での新しいインプレース ホールドの作成はできなくなります。インプレース ホールドを使用する代わりに、Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センターの電子情報開示ケースまたはアイテム保持ポリシーを使用できます。新しいインプレース ホールドの使用停止後にも、引き続き既存のインプレース ホールドを変更することができます。また、Exchange Server 2013 と Exchange のハイブリッド展開でのインプレース ホールドの新規作成は引き続きサポートされます。また、引き続き訴訟ホールドにメールボックスを配置できます。

訴訟となる可能性がある程度見込まれる場合、組織では、訴訟に関連する電子メールを含めた電子的に格納された情報 (ESI) を保持する必要があります。訴訟の詳細が明らかになる前に訴訟の可能性を予測する場合もあるため、保持の対象が広範囲にわたることもあります。組織では、特定の問題に関するすべての電子メールの保存、または特定の個人に関するすべての電子メールの保存を行う必要がある場合があります。組織の電子情報開示 (eDiscovery) の実施状況により、電子メールを保存するために、次のような方法を採用することもできます。

  • エンド ユーザーに、メッセージを一切削除しないで電子メールを保持するように要求します。ただし、それでもユーザーが電子メールを意識的にまたは誤って削除する可能性はあります。

  • メッセージング レコード管理 (MRM) などの自動削除メカニズムを停止することができます。このようにすると、ユーザーのメールボックスに大量の電子メールが残り、ユーザーの生産性に影響を与える可能性があります。自動削除を停止しても、ユーザーが手動で電子メールを削除することを防ぐことはできません。

  • 組織によっては、電子メールをアーカイブにコピーまたは移動し、削除、変更、または改ざんされないようにしています。この方法では、アーカイブにメッセージを手動でコピーまたは移動する必要があったり、または Exchange の外部で電子メールを収集、格納するサードパーティ製品を使用したりするため、コストが増大します。

電子メールを保持しなかった場合、組織は法的リスクや財務上のリスクにさらされる可能性があります。たとえば、組織の記録保持と証拠開示手続きが調査される、不利な判決や制裁を受ける、罰金を支払うなどのリスクです。

次の目標を達成するためにインプレース保持または訴訟ホールドを使用できます。

  • ユーザーのメールボックスを保持の状態にして、メールボックス アイテムを変更しないで維持する

  • ユーザーまたは自動削除プロセス (MRM など) によって削除されたメールボックス アイテムを維持する

  • クエリベースのインプレース保持を使用して指定した基準に一致するアイテムを検索して保持する

  • アイテムを無期限にまたは特定の期間維持する。

  • さまざまなケースまたは調査に対応できるようユーザーに複数の保持を設定する。

  • MRM を中断する必要をなくしユーザーが保持を意識しないで済むようにする

  • 保持状態にあるアイテムのインプレース電子情報開示検索を有効にする

コンテンツ

インプレース保持のシナリオ

インプレース保持と訴訟ホールド

メールボックスをインプレース保持の状態にする

パブリック フォルダーを保持の対象にする

保留と [回復可能なアイテム] フォルダー

保留とメールボックス クォータ

保持と電子メール転送

アーカイブされた Lync コンテンツの保持

保持中のメールボックスの削除

保持中のメールボックスの Exchange 2013 から Office 365 への移行

Exchange Server 2010 では、法的情報保留とは、ユーザーのすべてのメールボックス データを無期限にまたは保持が解除されるまで保持することです。Exchange 2013 では、インプレース保持によって新しいモデルが導入されています。このモデルでは、次のパラメーターを指定できます。

  • 保持内容   クエリ パラメーター (キーワード、送信者および受信者、開始日および終了日など) を使用して、保持するアイテムを指定できます。また、保持するメッセージの種類 (電子メール メッセージや予定表アイテムなど) も指定できます。

  • 保持期間   アイテムの保持期間を指定することができます。

この新しいモデルを使用した場合、インプレース保持により、詳細な保持ポリシーを作成し、次のようなシナリオでメールボックス アイテムを保持できます。

  • 無期限の保持   無期限の保持シナリオは、訴訟ホールドに似ています。その意図は、電子情報開示の要件を満たすことができるようにメールボックス アイテムを保持することにあります。訴訟または調査の期間中は、アイテムが削除されることは決してありません。期間は事前にわかっていないので、終了日は設定されません。すべてのメール アイテムを無期限に保持する場合は、インプレース保持を作成する際に、クエリ パラメーターまたは期間を指定しません。

  • クエリベースの保持   組織で、指定されたクエリ パラメーターに基づいてアイテムを維持する場合は、クエリベースのインプレース保持を使用できます。クエリ パラメーターとしては、キーワード、開始日、終了日、送信者および受信者のアドレス、メッセージの種類などを指定できます。クエリベースのインプレース保持を作成した後は、クエリ パラメーターに一致するすべての既存のメールボックス アイテムと、今後作成されるメールボックス アイテム (後日に受信されるメッセージを含む) がすべて保持されます。

    重要重要:
    主に添付ファイルのインデックス付けができないために検索不能としてマークされるアイテムも保持されます。それらのアイテムがクエリ パラメーターと一致するかどうかを判別できないためです。検索不能アイテムの詳細については、「Exchange 電子情報開示の検索不能アイテム」を参照してください。
  • 時間ベースの保持   インプレース保持と訴訟ホールドの両方で、アイテムを保持する期間を指定することができます。期間は、メールボックス アイテムが受信または作成された日から計算されます。

    すべてのメールボックス アイテムを特定の期間 (たとえば 7 年) 保持する必要がある組織では、時間ベースの保持を作成することができます。Exchange 2013 では、保留中のアイテムの保持期間を指定することができます。アイテムの保持期間は、受信された日を基準にします。たとえば、メールボックスが時間ベースのインプレース保持の状態にあり、保持期間が 365 日に設定されているとします。この場合、そのメールボックス内のアイテムが受信日の 300 日後に削除されたとすると、その後完全に削除されるまでに 65 日間保持されます。時間ベースのインプレース保持と共に保持ポリシーを使用すると、指定した期間だけアイテムが保持され、その期間が過ぎると完全に削除されるようにできます。

インプレース ホールドを使用して、ユーザーに複数のホールドを設定できます。ユーザーに複数のホールドが設定されている場合は、任意のクエリベースのホールドからの検索クエリが結合されます (OR 演算子を使用)。この場合、メールボックスに設定される、すべてのクエリベースの保持のキーワードの最大数は 500 です。500 を超えるキーワードがある場合、メールボックス内のすべてのコンテンツ (検索条件に一致するコンテンツだけでなく) が保持されます。キーワードの合計数が 500 以下になるまで、すべてのコンテンツが保持されます。

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訴訟ホールド (Exchange 2010 で、電子情報開示のためのデータ保持を目的に導入された保持機能) は、引き続き Exchange 2013 でも提供されています。訴訟ホールドではメールボックスの LitigationHoldEnabled プロパティが使用されます。インプレース保持ではクエリ パラメーターおよび複数の保持を設定する機能を基に詳細な保持機能が提供されているのに対して、訴訟ホールドではすべてのアイテムを保持することしかできません。また、メールボックスが訴訟ホールドの対象とされると、アイテムを保持する期間を指定することができます。期間は、メールボックス アイテムが受信または作成された日から計算されます。期間が設定されていない場合は、アイテムは無期限に、またはその保留が解除されるまで保持されます。

あるメールボックスが同時に 1 つまたは複数のインプレース保持および訴訟ホールドの対象になっている (期間指定なし) 場合、すべてのアイテムは無期限に、または保留が解除されるまで保持されます。訴訟ホールドを解除しても、引き続き対象ユーザーが 1 つまたは複数のインプレース保持の対象になっている場合は、インプレース保持基準と一致するアイテムが、保持設定で指定されている期間だけ保持されます。Exchange 2010 で訴訟ホールドの対象になっているメールボックスを Exchange 2013 メールボックス サーバーに移動した場合、引き続き訴訟ホールドの設定が適用され、移動中および移動後にコンプライアンス要件が満たされることが保証されます。

メモメモ:
メールボックスをインプレース保持または訴訟ホールドの対象にすると、プライマリ メールボックスとアーカイブ メールボックスの両方に保持が適用されます。Exchange ハイブリッド展開でオンプレミスのプライマリ メールボックスを保持の対象にすると、クラウド ベースのアーカイブ メールボックス (有効な場合) も保持の対象になります。

詳細については、以下を参照してください。

検出の管理 役割ベースのアクセス制御 (RBAC) 役割グループに追加されているか、"Legal Hold Management/法的情報保留の管理" 役割および "Mailbox Search Management/メールボックス検索の管理" 役割を割り当てられている権限のあるユーザーが、メールボックス ユーザーをインプレース保持の状態にすることができます。組織の法務部門のレコード マネージャー、法令遵守責任者、または弁護士に、最低限の特権を割り当ててこの作業を委任できます。Discovery Management 役割グループの割り当ての詳細については、「Exchange の電子情報開示のアクセス許可を割り当てる」を参照してください。

重要重要:
Exchange 2010 では、"法的情報保留" 役割によって、メールボックスを訴訟ホールドの対象にするための十分なアクセス許可をユーザーに付与していました。Exchange 2013 では、同じアクセス許可を使用してメールボックスを無期限または時間ベースのインプレース保持の状態にできます。ただし、クエリベースのインプレース保持を作成するには、ユーザーに "Mailbox Search/メールボックス検索" の役割を割り当てる必要があります。Discovery Management 役割グループには、これらの両方の役割が割り当てられています。

Exchange 2013 では、インプレース保持機能がインプレース電子情報開示検索と統合されています。メールボックスをインプレース保持の対象にするには、Exchange 管理センター (EAC) のインプレースの電子証拠開示と保持ウィザードを使用するか、Exchange 管理シェルの New-MailboxSearch コマンドレットおよび関連するコマンドレットを使用します。メールボックスをインプレース保持の状態にする方法の詳細については、「インプレース保持を作成または削除する」を参照してください。

メモメモ:
Exchange Online Archiving を使用して社内のメールボックス用にクラウドベースのアーカイブを準備する場合は、社内の Exchange 2013 組織からインプレース保持を管理する必要があります。保持設定は、DirSync を使用してクラウドベースのアーカイブに自動的に反映されます。前述したように、社内のメールボックスを保持すると、対応するクラウド ベースのアーカイブも保持されます。

多くの組織では、ユーザーが保持の状態になっている場合に、ユーザーへの通知を必要としています。また、メールボックスを保持の状態にした場合、そのメールボックス ユーザーに適用可能なアイテム保持ポリシーを停止する必要はありません。メッセージは、期待したとおりに削除され続けるため、ユーザーは自分が保持の状態になっていることに気が付かない可能性があります。組織で、保持の状態になったユーザーへの通知が必要な場合は、そのメールボックス ユーザーの Retention Comment プロパティに通知メッセージを追加し、RetentionUrl プロパティを使用して詳細情報の Web ページにリンクできます。Outlook 2010 以降では、バックステージ領域に通知および URL が表示されます。メールボックスのこれらのプロパティを追加および管理するには、シェルを使用する必要があります。

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Exchange Online では、インプレース保持を使用して、パブリック フォルダーを保持することができます。パブリック フォルダーへの訴訟ホールドの使用はサポートされていません。インプレース保持を作成する場合に、唯一のオプションは、組織内のすべてのパブリック フォルダーを保持することです。すべてのパブリック フォルダーのメールボックスに、インプレース保持を配置することになります。

さらに、パブリック フォルダーをインプレース保持の対象にする場合に、パブリック フォルダー階層の同期処理に関連する電子メール メッセージも保持されます。電子メール アイテムに関係する何千もの階層の同期が保存される場合があります。これらのメッセージは、パブリック フォルダー メールボックスの [回復可能なアイテム] フォルダーのストレージ クォータをいっぱいにする可能性があります。これを防止するには、クエリベースのインプレース保持を作成し、次の property:value ペアを検索クエリに追加します。

NOT(subject:HierarchySync*)

件名に "HierarchySync" という語句を含む (パブリック フォルダー階層の同期に関連した) メッセージはどれも保持されなくなります。

インプレース保持および訴訟ホールドでは、回復可能なアイテム フォルダーを使用してアイテムを保持します。回復可能なアイテム フォルダーは、以前のバージョンの Exchange で削除済みアイテム収集機能と非公式に呼ばれていた機能に置き換わるものです。回復可能なアイテム フォルダーは Outlook、Outlook Web App、およびその他の電子メール クライアントの既定のビューでは表示されていません。回復可能なアイテム フォルダーの詳細については、「[回復可能なアイテム] フォルダー」を参照してください。

既定では、ユーザーが削除済みアイテム フォルダー以外のフォルダーからメッセージを削除すると、そのメッセージは削除済みアイテム フォルダーに移動されます。これは、移動と呼ばれます。ユーザーが、Shift キーを押しながら Delete キーを押してアイテムを削除済みアイテム フォルダーへ移動したり、削除済みアイテム フォルダーからアイテムを削除すると、メッセージは回復可能なアイテム フォルダーに移動され、ユーザーのビューには表示されなくなります。

回復可能なアイテム フォルダーのアイテムは、ユーザーのメールボックス データベースに構成されている削除済みアイテムの保存期間にわたって保持されます。既定では、メールボックス データベースに対して、削除済みアイテムの保存期間は 14 日に設定されています。また、回復可能なアイテム フォルダーに格納域の制限を構成することもできます。サービス拒否 (DoS) 攻撃を受けると、回復可能なアイテム フォルダーの容量が急増し、その結果メールボックス データベースの容量が急増しますが、このようにして組織を攻撃から保護します。メールボックスがインプレース保持または訴訟ホールドの対象ではない場合は、回復可能なアイテムの警告クォータが制限を超えたとき、または回復可能なアイテムのフォルダーへの保存後に削除済みアイテムの保持期間が過ぎたときに、アイテムは先入れ先出し法で回復可能なアイテム フォルダーから完全に削除されます。

回復可能なアイテム フォルダーでは、次のサブフォルダーを使用して、さまざまなサイトの削除済みアイテムを格納し、インプレース保持および訴訟ホールドを容易にします。

  • Deletions   削除済みアイテム フォルダーから削除された、または、その他のフォルダーから削除済みアイテム フォルダーへ移動されたアイテムは、Deletions サブフォルダーに移動され、Outlook および Outlook Web App の削除済みアイテムの復元機能を使用する際にユーザーに表示されます。既定では、メールボックス データベース用またはメールボックス用に構成された削除済みアイテムの保存期間が経過するまで、アイテムはこのフォルダーに保存されます。

  • Purges   ユーザーが、Outlook および Outlook Web App の削除済みアイテムの復元ツールを使用して、回復可能なアイテム フォルダーからアイテムを削除すると、そのアイテムは Purges フォルダーに移動されます。メールボックス データベースまたはメールボックスに構成された削除済みアイテムの保存期間を超過したアイテムも、Purges フォルダーに移動されます。このフォルダーのアイテムは、削除済みアイテムの復元ツールを使用してもユーザーには表示されません。メールボックス アシスタントがメールボックスを処理すると、Purges フォルダーのアイテムは、メールボックス データベースから削除されます。メールボックス ユーザーを訴訟ホールドの対象にすると、メールボックス アシスタントはこのフォルダーのアイテムを削除しません。

  • DiscoveryHold   ユーザーがインプレース保持の状態になっている場合は、削除済みアイテムがこのフォルダーに移動されます。メールボックス アシスタントは、メールボックスを処理する際にこのフォルダー内のメッセージを評価します。インプレース保持クエリと一致するアイテムは、クエリで指定された保持期間まで保持されます。保持期間が指定されていない場合、アイテムは無期限に、またはユーザーの保持が解除されるまで保持されます。

  • Versions   ユーザーがインプレース保持または訴訟ホールドの状態になっている場合は、ユーザーまたはプロセスがメールボックス アイテムを改ざんまたは変更しないように保護する必要があります。この保護を行うには、コピーオンライト処理を使用します。ユーザーまたはプロセスがメールボックス アイテムの特定プロパティを変更した場合、元のアイテムのコピーが Versions フォルダーに保存されてから、変更がコミットされます。以降の変更に対しても、このプロセスが繰り返されます。Versions フォルダー内にキャプチャされたアイテムは、さらにインデックス処理されてからインプレース電子情報開示検索に返されます。保持が解除されると、Versions フォルダー内のコピーは管理フォルダー アシスタントによって削除されます。

書き込み時コピーをトリガーするプロパティ

アイテムの種類 書き込み時コピーをトリガーするプロパティ

メッセージ (IPM.Note*)

投稿 (IPM.Post*)

  • 件名

  • Body

  • 添付ファイル

  • 送信者/受信者

  • 送信/受信日

メッセージおよび投稿以外のアイテム

以下を除く、表示可能なプロパティへの変更:

  • アイテムの場所 (アイテムがフォルダー間で移動した場合)

  • アイテムのステータスの変更 (開封済みまたは未開封)

  • アイテムに適用する保持タグへの変更

既定のフォルダーの下書きにあるアイテム

なし (下書きフォルダーのアイテムはコピーオンライトから除外されます)

重要重要:
会議出席依頼の返信を出席者から受信し、その会議の追跡情報が更新される際に、会議の開催者のメールボックスにある予定表アイテムに対するコピーオンライトが無効になります。予定表アイテムとアラームを設定されたアイテムについては、ReminderTime および ReminderSignalTime プロパティに対してコピーオンライトが無効にされます。これらのプロパティに対する変更は、コピーオンライトでキャプチャされません。RSS フィードへの変更は、コピーオンライトでキャプチャされません。

DiscoveryHold、Purges および Versions フォルダーはユーザーに表示されませんが、回復可能なアイテム フォルダーのすべてのアイテムは Exchange Search によってインデックス処理され、インプレースの電子証拠開示を使用して表示可能になります。メールボックス ユーザーがインプレース保持または訴訟ホールドから解除された後は、DiscoveryHold フォルダー、Purges フォルダーおよび Versions フォルダー内のアイテムは管理フォルダー アシスタントによって削除されます。

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回復可能なアイテム フォルダーのアイテムは、ユーザーのメールボックスのクォータの計算には含まれません。Exchange では、回復可能なアイテム フォルダーには独自のクォータがあります。Exchange では、RecoverableItemsWarningQuotaRecoverableItemsQuotaメールボックスのプロパティの既定値はそれぞれ 20 GB と 30 GB に設定されます。Exchange Server 2013 のメールボックス データベースのこれらの値を変更するには、Set-MailboxDatabase コマンドレットを使用します。個々のメールボックスの値を変更するには、Set-Mailbox コマンドレットを使用します。

ユーザーの回復可能なアイテム フォルダーが、RecoverableItemsWarningQuota パラメーターによって指定された回復可能なアイテムの警告クォータを超えると、メールボックス サーバーのアプリケーション イベント ログにイベントが記録されます。フォルダーが RecoverableItemsQuota パラメーターによって指定された回復可能なアイテムのクォータを超えると、削除済みアイテム フォルダーを空にする、またはメールボックス アイテムを完全に削除することができなくなります。また、コピーオンライトでは、変更されたアイテムのコピーを作成できなくなります。そのため、インプレース保持の対象となっているメールボックス ユーザーの回復可能なアイテムのクォータを監視することは重要です。

Exchange Online では、メールボックスを訴訟ホールドまたはインプレース ホールドの対象にすると、(ユーザーのプライマリ メールボックス内の) [回復可能なアイテム] フォルダーのクォータは自動的に 100 GB に引き上げられます。保持中のメールボックスのプライマリ メールボックスに含まれる [回復可能なアイテム] フォルダーの記憶域クォータが上限に近づいたら、以下の対策を講じることができます。

  • アーカイブ メールボックスを有効にして、自動展開アーカイブをオンにする   [回復可能なアイテム] フォルダーの記憶域容量を無制限にするには、Exchange Online でアーカイブ メールボックスを有効にした後、自動展開アーカイブ機能をオンにするだけです。これにより、プライマリ メールボックスの [回復可能なアイテム] フォルダーの記憶域容量が 100 GB になり、ユーザーのアーカイブ内の [回復可能なアイテム] フォルダーの記憶域容量は無制限になります。この方法については、「Office 365 セキュリティ/コンプライアンス センターでアーカイブ メールボックスを有効にする」および「Office 365 で無制限アーカイブを有効にする - 管理者向けヘルプ」を参照してください。

    :

    • [回復可能なアイテム] フォルダーの記憶域クォータの上限に近づいているメールボックスのアーカイブを有効にした後、管理フォルダー アシスタントを手動でトリガーしてメールボックスの処理を実行すると、期限切れのアイテムがアーカイブ メールボックス内の [回復可能なアイテム] フォルダーに移動されます。この手順については、「保留中のメールボックスの回復可能なアイテム クォータを増やす」の手順 4 を参照してください。

    • ユーザーのメールボックス内のその他のアイテムも新しいアーカイブ メールボックスに移動される可能性があることに注意してください。この移動はアーカイブ メールボックスを有効にした後で行われる可能性がある旨、ユーザーに通知することを検討してください。

  • 保持中のメールボックスに適用するカスタム アイテム保持ポリシーを作成する    アーカイブ メールボックスを有効にして、訴訟ホールド中またはインプレース ホールド中のメールボックスの自動展開アーカイブを有効にすることに加えて、保持中のメールボックスに適用するカスタム アイテム保持ポリシーを作成することもできます。これにより、保持中でないメールボックスに適用される Default MRM Policy とは異なるアイテム保持ポリシーを、保持中のメールボックスに適用することができます。これにより、保持中のメールボックス用に設計された保持タグを適用することができます。さらに、[回復可能なアイテム] フォルダーの新しい保持タグが作成されます。

詳細については、「保留中のメールボックスの回復可能なアイテム クォータを増やす」を参照してください。

ユーザーは、Outlook と Outlook Web App を使用して、自分のメールボックスに対する電子メール転送をセットアップできます。電子メール転送を使用すれば、ユーザーは、自分のメールボックスに送信された電子メール メッセージを組織の内部または外部に設置された別のメールボックスに転送するようにメールボックスを構成することができます。電子メール転送は、元のメールボックスに送信されたメッセージがそのメールボックスにコピーされず、転送先アドレスにのみ送信されるように構成できます。

メールボックスの電子メール転送がセットアップされ、メッセージが元のメールボックスにコピーされない場合にメールボックスを保持するとどうなるでしょうか。この動作は、メールボックスが Exchange 2013 と Exchange Online のどちらの組織にあるかによって異なります。

  • Exchange Online   メールボックスの保持設定は配信処理中にチェックされます。メッセージがメールボックスの保持基準を満たしている場合は、回復可能なアイテム フォルダーにメッセージのコピーが保存されます。つまり、インプレースの電子証拠開示を使用して元のメールボックスを検索することによって、別のメールボックスに転送されたメッセージを見つけることができます。

  • Exchange 2013   メッセージが別のメールボックスに転送され、元のメールボックスにコピーされない場合は、そのメッセージが収集されず、回復可能なアイテム フォルダーにコピーされません。つまり、転送されたメッセージはインプレースの電子的証拠開示検索で返されません。この問題を解決するために、Exchange 2013 組織は、ユーザーが電子メール転送を構成できないようにすることを検討できます。

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Exchange 2013、Microsoft Lync 2013 および Microsoft SharePoint 2013 では、統合保持および電子情報開示環境が提供されており、異なるデータ ストア間にわたってアイテムを保持し検索できます。Exchange 2013 では、Lync Server 2013 のコンテンツを Exchange 内にアーカイブし、個別の SQL Server データベースを持つ要件を削除して、アーカイブされた Lync コンテンツを格納できます。SharePoint 2013 で統合された保持および電子情報開示機能を使用すると、1 つのコンソールから、すべてのストア間にわたってデータを保持し検索できます。

Exchange 2013 メールボックスをインプレース保持または訴訟ホールドの対象にした場合、Microsoft Lync 2013 コンテンツ (インスタント メッセージングのスレッドやオンライン会議で共有されるファイルなど) は、メールボックス内にアーカイブされます。Microsoft SharePoint 2013 の電子情報開示センターまたは Exchange 2013 のインプレース電子情報開示を使用してメールボックスを検索した場合、アーカイブされた Lync コンテンツのうち検索クエリと一致するものがすべて、検索結果に返されます。メールボックス内にアーカイブされた Lync コンテンツだけに検索を限定することもできます。

Exchange 2013 メールボックス内の Lync コンテンツのアーカイブを有効にするには、Lync 2013 と Exchange 2013 との統合を構成する必要があります。詳細については、以下のトピックを参照してください。

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訴訟ホールドまたはインプレース保持に配置されていたメールボックスを削除した場合は、そのメールボックスが Exchange 2013 と Exchange Online のどちらかの組織にあるかによって結果が異なります。

  • Exchange 2013   メールボックスのあるユーザー アカウントを管理者が削除した場合、Exchange Information store、メールボックスがユーザー アカウントと接続されていないことを検出して、メールボックスが保留中の場合でも、そのメールボックスに削除のためのマークを付けます。メールボックスを保持する場合は、次の操作を行う必要があります。

    1. ユーザー アカウントを削除するのではなくユーザー アカウントを無効にします。

    2. メールボックスのプロパティを変更して、その使用とメールボックスへのアクセスとを制限します。たとえば、送受信クォータを 1 に設定し、メールボックスにメッセージを送信できるユーザーをブロックし、メールボックスにアクセスできるユーザーを制限します。

    3. すべてのデータが抹消されるまで、または、データを保存する必要がなくなるまで、メールボックスを保持します。

  • Exchange Online   ユーザーのメールボックスがインプレース保持または訴訟ホールドに配置されている場合は、対応する Office 365 アカウントが削除され、そのメールボックスが、ソフト削除されたメールボックスの一種である非アクティブなメールボックスに変換されます。非アクティブなメールボックスは、退職したユーザーのメールボックスの内容を保存するために使用されます。非アクティブなメールボックス内のアイテムは、非アクティブになる前にそのメールボックスに設定された保持期間の間、保存されます。そのため、管理者、コンプライアンス責任者、またはレコード マネージャーは、インプレースの電子情報開示を使用して、非アクティブなメールボックスにアクセスしてその内容を検索できます。非アクティブなメールボックスは電子メールを受信できません。また、組織共有のアドレス帳や他の一覧に表示されません。詳細については、「Exchange Online の非アクティブなメールボックス」を参照してください。

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Exchange ハイブリッド展開を使用している場合は、社内の Exchange 2013 メールボックスを Office 365 内の Exchange Online に移動 (オンボード) するときに次の条件が適用されます。

  • 社内のメールボックスが訴訟ホールドまたはインプレース保持に配置されている場合は、メールボックスが Exchange Online に移動した後も保持設定が保存されます。

  • 社内のメールボックスが訴訟ホールドまたはインプレース保持に配置されている場合は、回復可能なアイテム フォルダーのすべての内容が Exchange Online メールボックスに移動されます。

メモメモ:
Exchange Online メールボックスを社内の Exchange 2013 組織に移動 (オフボード) する場合も、保持設定と回復可能なアイテム フォルダーの内容が保存されます。

他にも、段階的 Exchange 移行や一括 Exchange 移行など、社内の電子メール データを Office 365 に移行する方法があります。

  • 段階的移行は、Exchange 2003 または Exchange 2007 から Office 365 へメールボックスを移行する場合に使用できます。 これらのバージョンの Exchange には、回復可能なアイテム フォルダー (およびその機能) が存在しません。 したがって、Exchange 2003 または Exchange 2007 のメールボックスを Office 365 に移行するときに、移動すべき回復可能なアイテム フォルダーの内容はありません。

  • 一括移行は、メールボックスを Exchange 2003、Exchange 2007、および Exchange 2010 から Office 365 に移行する場合に使用できます。前述したように、Exchange 2003 と Exchange 2007 のメールボックスには、移行できる回復可能なアイテム フォルダーがありません。回復可能なアイテム フォルダーは Exchange 2010 で導入されたため、一括移行を使用して Exchange 2010 メールボックスを移行するときは、回復可能なアイテム フォルダーの内容が Office 365 に移行されます。

ヒントヒント:
Exchange 2013 と Exchange 2010 では、Exchange ハイブリッド展開が社内のメールボックスを Office 365 に移行する方法として推奨されています。

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