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ツールボックス: IT プロフェッショナル向けの新製品

今月のコラムで紹介するツールは、Web サービスのトラブルシューティング、自動化されたタスクの一元管理、およびリモート ホストの信号テストの向上に役立ちます。

Greg Steen

Hurl

Web サービスの応答を視覚化するツールは、サービス指向アーキテクチャ (SOA) をテストするときに便利なトラブルシューティング ツールとなります。Hurl は、さまざまな形式の HTTP 要求を行い、便利な形式で応答を表示できる無料の Web ベース ツールの 1 つです。

Hurl のインターフェイスは簡単です。テストする URL を入力し、HTTP メソッドを選択したら、[Send] (送信) ボタンをクリックします。PUT 要求または POST 要求を行う場合は、標準の "キー/値" のパラメーターを追加したり、POST 要求のボディ部のデータを貼り付けることもできます。すべての種類の要求に独自の HTTP ヘッダーを追加することもできます。

Hurl では HTTP 基本認証もサポートされているため、テストするサービスで必要な場合は、HTTP 基本認証を使用することもできます。[Send] (送信) をクリックすると、要求が行われ、インターフェイスに応答の詳細が表示されます。要求と応答の両方の詳細ビューには、送信されたそのままの HTTP 要求が完全な状態で表示されるため、確実に要求を送信または受信したことを確認できます。

両方の出力結果は、形式が整えられて色付けされて表示されるため、データを簡単に理解して、別の目的に使用できます。また、[view full size] (全画面表示) ハイパーリンクをクリックすると、全画面表示で特定の処理結果が表示されます。この機能により、コピーと貼り付けを簡単に行えるだけでなく、大量の応答の結果も簡単に確認できます。

Hurl の最も便利な機能の 1 つは、アカウントを作成して HTTP 要求を保存する機能、または作成した要求への "固定リンク" を参照する機能です。この機能を使用すると、テスト要求を再作成する必要がなくなります。Web API のトラブルシューティングを行う場合は Hurl をお試しください。これは使いやすくて便利であるだけでなく、無料で使用できます。

Hurl

VisualCron

IT 担当者は、ログのアーカイブ、データの転送、ファイルのバックアップ、リソースの保護などの機能を自動化するスケジュールされた多数のタスクを設定しているでしょう。このようなジョブが増えた場合、通知やレポート機能がある一元管理コンソールを使用すると、時間の節約や問題の解決が期待できます。

VisualCron は、このような自動化を実現するコンソールの 1 つで、neteject.com (英語) からダウンロードできます。これは、ジョブを処理する Windows サービス、ジョブを構成して監視する GUI クライアント、およびクライアントへの迅速なアクセスと Windows サービスの管理機能を提供するシステム トレイ クライアントの 3 つのアプリケーション コンポーネントで構成されています。VisualCron のライセンスは、インストールされているサーバーの台数が基準になるので、1 台のサーバー インスタンスに接続するクライアントのインストール数に制限はなく、さらに管理が簡単になります。

1 つのクライアントで、簡単に複数の環境を管理できます。インターネット経由の暗号化された SSL/TLS 接続でも (ファイアウォール経由の接続が既に許可されているとします)、クライアントは任意の台数のサーバーに接続できます。クライアント アプリケーションからサーバー間でジョブをコピーして貼り付けすることもできます。

サーバーに接続したら、Add Job (ジョブの追加) ウィザードを使用して新しいアクティビティを設定します。アクティビティの名前付けやグループ化、ジョブを開始するトリガーの定義、時間の例外、タイムアウト、および実行条件の追加を実行できます。次に、実行するタスクを設定したり、タスクの実行が成功または失敗したときに配信する通知を設定することができます。

トリガーは、時間ベースまたはイベント ベースのどちらかになります。イベント ベースのトリガーの場合、VisualCron では、イベント ログ、ファイル、電子メール アカウント、プロセス、サービス、レジストリ、パフォーマンス カウンター、システムのスタートアップまたはシャットダウンだけでなく、RSS フィードも監視することができます。独自のイベント定義を使用して、イベント トリガーとして Windows Management Instrumentation (WMI) クエリを構築できます。

時間の例外は、たとえば、休日や Windows のバックアップの時間を除外する場合に役立ちます。条件は、タスクのフローを制御する再利用可能なテストで、タスクとはジョブ実行時の手順です。VisualCron には、多くの種類の組み込みのタスクが用意されており、ファイルの操作から圧縮、SQL Server Integration Services (SSIS) パッケージの実行から FTP トランザクション、および Pretty Good Privacy (PGP) 暗号化があります。このようなタスクを使用すると比較的複雑なワークフローも処理することができます。必要な種類のタスクが見つからない場合は、コマンドラインの実行ファイル、.NET 実行ファイル、アセンブリ実行ファイル、または Windows PowerShell タスクを使用して独自のタスクを記述してください。

VisualCron には、状況の把握に役立つ多数の組み込みの通知オプションが用意されています。組み込みのファイル、電子メール、SQL、ポップアップ、イベント ログ、音声による通知、および syslog 通知があります。別のユーザーとしてタスクを実行することもできるため、複数のコンピューターで同じ資格情報を使用する必要はありません。ジョブごとに複数類種の通知を設定することもできます。

たとえば、問題が発生したときに電子メールを送信するようにして、結果に関係なく実行ごとに更新されるファイルの通知を設定することもできます。ジョブを設定したら、外部に公開する前に、[Test Job] (ジョブのテスト) ボタンをクリックして、想定したとおりにすべてのものが設定されていることを確認できます。

また、VisualCron クライアントには、グラフィカルなフローチャートでジョブを表示する機能があるので、ロジックを確認したり、フローチャートを記録として保存できます。また、ジョブが実行されるタイミングや潜在的な競合を視覚化するのに役立つグラフィカルなカレンダー ビューもあります。

VisualCron には公開 API もあります。クライアント コンポーネントでは、この API 自体を使用しているため、独自に記述したコードでは、クライアントで実行できるすべての処理を実行できます。任意の .NET 言語か、この API に接続する COM サポートを提供する任意の言語を使用できます。このようにして、独自の Web インターフェイスを作成したり、Windows PowerShell を使用してジョブを作成することができます。

VisualCron のライセンスは、1 台のサーバー ライセンスが $247 で使用可能で、1 年間のメンテナンスとサポートが付いています。サポートなしの場合は年間 $197 で使用できます。5 台のサーバー ライセンスはサポートが付いて $897 です。1 サイトのライセンスはサポートが付いて $1,497 です。VisualCron の Web サイトでは 45 日間無料の試用版が提供されているため、VisualCron がニーズに合っているかどうかを確認できます。

VisualCron

Ping Tester Database Edition

ping によるテストとは、リモート ホストが "実行中" かどうかを検証し、接続元のコンピューターと接続先のコンピューター間の接続の待ち時間を検証する基本的な方法です。もちろん、すべての Windows コンピューターには、基本的な ping コマンドライン ユーティリティが付属しています。ping を次のレベルに進化させることを目的としたツールの 1 つが AutoBAUP 社の Ping Tester です。

Windows に同梱されているコマンドライン バージョンの ping と同様に、ping の間隔、送信バッファ サイズ、応答のタイムアウト、および送信する ping の数を設定できます。Ping Tester を使用すると、複数の IP アドレス、IP アドレスの範囲、および論理 IP アドレスのグループを保存して、ping のテストを再実行することもできます。

また、すべての結果のログをデータベースに記録することもできます。Ping Tester では、Access、SQL Server、または標準の ODBC 接続をサポートするその他のエンドポイントのログ記録をサポートしています。データベースの接続を設定するときには、中継するデータ テーブルを使用する代わりに、各データ フィールドを特定の列にマップして既存のアプリケーションに直接データを移すことができます。

テストは 1 度実行したり、スケジュールを設定したり、または継続的に実行することができます。Scan IP (IP のスキャン) 機能を選択すると、ホスト名と MAC アドレスが利用可能な場合は、これらを確認できます。この機能は、ネットワークのさまざまなサブネットをスキャンしてインベントリを実施したり、不明なホストを確認したりするのに役立ちます。[Scan local subnet and save the IP addresses] (ローカル サブネットのスキャンと IP アドレスの保存) メニュー オプションを使用すると 2 回のクリック操作で、この作業で実行できます。

Ping Tester には、より簡単なアクセスと再利用を実現するために、一般的な DOS ネットワーク コマンドと実行履歴の保存を可能にするパススルー DOS コマンド機能もあります。テスト結果は、CSV 形式またはプレーン テキスト形式でファイルに保存できます。

Ping Tester Database Edition は 1 ライセンス $98 で使用できます。テスト結果をデータベースに保存する必要がない場合は、データベースへのログ記録の機能だけを除いた Ping Tester Professional Edition を $59.95 で使用できます。さまざまな間隔や送信バッファ サイズを設定したり、詳細なレポート機能をすべて使用する必要がない場合は、$39.95 の Standard Edition で必要としているすべての処理を実行できるでしょう。14 日間限定の各バージョンの評価版については、Ping Tester の Web サイト (英語) を参照してください。

Ping Tester Database Edition

Greg Steen

Greg Steen は技術プロフェッショナルであり、企業家でもあります。また、新製品のファンであるとも言えます。より簡単な操作、品質保証、および開発に役立つ IT プロフェッショナルのための新しいツールを日夜追い求めています。

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