System Center 2012 Configuration Manager でのモバイル デバイス管理

 

適用対象: System Center 2012 Configuration Manager,System Center 2012 Configuration Manager SP1,System Center 2012 Configuration Manager SP2,System Center 2012 R2 Configuration Manager,System Center 2012 R2 Configuration Manager SP1

PC やサーバーはかねてから Configuration Manager で管理してきましたが、最近はモバイル デバイスを管理する手段が必要になってきました。 このトピックでは、Configuration Manager で適切なモバイル デバイス管理 (MDM) オプションを選択および実装する際に役立つ情報を提供します。Configuration Manager を使用していない場合には、Microsoft Intune または Office 365 に組み込まれている MDM 機能を使用してモバイル デバイスを管理することもできます。

Configuration Manager の MDM オプション

ご使用の環境内にあるモバイル デバイス プラットフォームと必要な管理機能に合わせて、各種の MDM オプションを選択できます。複数選択も可能です。 たとえば、オンプレミスの Exchange に接続するデバイスの条件付きアクセス ポリシーを構成するには、Configuration Manager と Intune のほかに、Exchange Server コネクタを使用する必要があります。System Center 2012 Configuration Manager では、環境内のモバイル デバイスの管理に役立つ次のオプションが用意されています。

MDM オプション

このオプションの使用目的

Configuration Manager と Microsoft Intune の併用

  • Windows Phone、Windows RT、Android、iOS デバイスを管理する。

  • 最も高度な管理機能を利用する。

  • 任意の場所からモバイル デバイスを管理する。

  • モバイル デバイスとオンプレミスのコンピューターを 1 つの管理コンソールで管理する。

  • Windows 8.1 以降のオペレーティング システムを搭載するコンピューターをモバイル デバイスとして管理する。

Configuration Manager と Exchange Active Sync の併用

  • Exchange ActiveSync に接続できるデバイスを集中管理する。

  • リモート デバイス ワイプや複数の Exchange サーバーの設定コントロールなど、Exchange のモバイル デバイス管理機能を Configuration Manager コンソールから構成する。

  • Configuration Manager と Intune に Exchange Server コネクタを追加して、Exchange On-Premises または Exchange Online Dedicated に接続するデバイスに条件付きアクセスを実現する。

Configuration Manager によるモバイル デバイスの登録

  • Windows Mobile または Nokia Symbian Belle オペレーティング システムを搭載するモバイル デバイスを管理する。

Configuration Manager のレガシ クライアントの使用

  • Windows CE または Windows Mobile 6.0 オペレーティング システムを搭載するモバイル デバイスを管理する。

どのオプションが適しているかがわからない場合には、「Configuration Manager でのモバイル デバイスの管理方法を決定する」で技術的な詳細を確認してください。 ここに示したオプションでサポートされているハードウェアとオペレーティング システムを確認するには、「モバイル デバイスの要件」を参照してください。

Configuration Manager と Microsoft Intune の併用

Configuration Manager を Microsoft Intune で拡張するハイブリッド オプションを選択した場合には、広く普及しているモバイル デバイス プラットフォームの最も高度な管理機能を利用できます。

 

Mobile Device Management in Configuration Manager

Configuration Manager を Microsoft Intune で拡張してモバイル デバイスを管理する

MDM の新機能

このハイブリッド オプションについて最近リリースされたモバイル デバイス管理機能に関するページを参照してください。Intune に Configuration Manager が統合されていない場合は、代わりに「Microsoft Intune の新機能」を参照してください。

モバイル デバイスを管理するための前提条件

このハイブリッド オプションでモバイル デバイスを管理するには、すべての前提条件が満たされていることの確認、Microsoft Intune サブスクリプションの構成、Microsoft Intune コネクタのサイト システムの役割の追加、モバイル デバイスの登録のための準備が必要になります。 詳しい手順については、「Configuration Manager と Microsoft Intune を使用してモバイル デバイスを管理する」を参照してください。 手順のチェック リストについては、「管理者チェックリスト:Microsoft Intune を使用してモバイル デバイスを管理するように Configuration Manager を構成する」を参照してください。

Apple Device Enrollment Program を使用して会社所有の iOS デバイスを登録する

System Center 2012 Configuration Manager SP2 以降では、Apple Device Enrollment Program (DEP) を使用して会社所有の iOS デバイスを登録できます。 このプロセスでは会社所有の iOS デバイスの MDM 登録が自動化されるため、デバイスが構成済みになり、ユーザーによるアクティブ化の準備が完了します。

会社のデータを保護する方法

モバイル デバイスは会社の機密データを格納できるほか、多くの会社のリソースにアクセスできるため、Configuration Manager でリモート ワイプ、リモート ロック、またはパスコード リセットを使ってデータを保護する必要があります。 フル ワイプでデバイスを工場出荷時の設定に戻すことも、選択的ワイプで会社のデータのみを削除することもできます。System Center 2012 Configuration Manager SP2 以降では、紛失した可能性のあるデバイスをリモート ロックで保護し、デバイスのパスコードをリセットすることができます。

コンプライアンス設定を使用してデバイス構成を制御する

このハイブリッド オプションでは、登録したモバイル デバイスに構成アイテムを作成して、コンプライアンス設定を構成することができます。 これらの設定には、一般的なセキュリティ、キオスク モード、アプリのコンプライアンス対応が含まれます。

[!メモ]

モバイル デバイスのコンプライアンス設定を作成する前に、「Configuration Manager のコンプライアンス設定の概要」を必ず確認してください。

モバイル デバイスにアプリを展開する

このハイブリッド オプションでは、モバイル デバイスでポータル サイトに表示されるアプリを作成してモバイル デバイスに展開することができます。

[!メモ]

モバイル デバイス用アプリケーションを作成し展開する前に、「Configuration Manager でのアプリケーション管理の概要」を必ず確認してください。

モバイル アプリケーション管理ポリシーを使用したアプリの制御

System Center 2012 Configuration Manager SP2 以降では、モバイル アプリケーション ポリシーを使用してアプリを制御することにより、会社のコンプライアンス ポリシーとセキュリティ ポリシーに応じて、展開したアプリの機能を変更することができます。 たとえば、制限付きアプリでの切り取り、コピー、および貼り付け操作を制限することや、管理対象ブラウザー内ですべての Web リンクを開くようにアプリを構成することができます。

モバイル デバイスのインベントリを収集する

このハイブリッド オプションでは、特定のハードウェア インベントリ クラスを有効にすることで、iOS、Android、Windows デバイスのハードウェア インベントリを収集することができます。 また、モバイル デバイスにインストールされているアプリのソフトウェア インベントリを収集することもできます。 インベントリに収集されるアプリは、デバイスが会社所有か個人所有かによって異なります。 個人用デバイスの場合、インベントリに収集されるアプリは、Microsoft Intune で管理されているアプリのみです。

プロファイルを使用して遠隔地からのデータとアプリケーションへのアクセスを許可する

Configuration Manager と Microsoft Intune を統合した場合、会社のリソースにアクセスすると、組織内のユーザーが遠隔地からデータとアプリケーションにアクセスするのを可能にする一連のツールとリソースが利用できます。 会社のリソースへのアクセスの詳細については、次の情報を参考にしてください。 詳細については、「Configuration Manager のリモート接続プロファイル」をご覧ください。

  •  Configuration Manager のリモート接続プロファイル: リモート接続プロファイルを使用すると、ユーザーがドメインに接続されていない場合やユーザーの PC がインターネット経由で接続されている場合に、会社のコンピューターにリモート接続できるようになります。 このリモート接続設定を展開することにより、エンド ユーザーが会社のネットワークにある自分のコンピューターに接続するときの手間をできるだけ省きます。

  • Configuration Manager の証明書プロファイル: 証明書プロファイルを使用すると、ユーザーが会社のリソースに接続する際に必要な証明書を組織のコンピューターにプロビジョニングすることができます。

  • Configuration Manager の VPN プロファイル: VPN プロファイルを使用すると、VPN プロファイルを作成、展開、監視することができます。 VPN の設定を展開することにより、エンド ユーザーが会社のネットワーク リソースに接続するときの手間をできるだけ省きます。

  • Configuration Manager の Wi-Fi プロファイル: Wi-Fi プロファイルを使用すると、組織内のデバイス用にワイヤレス ネットワーク設定を作成して展開し、監視することができます。 この設定を展開することにより、エンド ユーザーが会社のワイヤレス ネットワークに接続するときの手間をできるだけ省きます。

  • Configuration Manager の電子メール プロファイル: 電子メール プロファイルを使用すると、デバイスに対する電子メール設定の作成、展開、監視を効率よく行うことができます。 これにより、ユーザーは最小限の設定で個人のデバイスから会社の電子メールにアクセスできるようになります。

  • Configuration Manager での条件付きアクセス: 条件付きアクセスを使用すると、指定する条件に基づいて電子メールおよびその他のサービスがセキュリティで保護されます。 デバイスが条件を満たしていない場合、デバイスの登録と、デバイスが準拠デバイスとなることを妨げている問題の修正を行うプロセスがユーザーに案内されます。 Exchange Online Dedicated または Exchange On-Premises に接続するデバイスで条件付きアクセスを使用するには、Exchange Server コネクタをインストールする必要があります。

  • Managed Browser ポリシーを使用したインターネット アクセスの管理: System Center 2012 Configuration Manager SP2 以降では、Intune Managed Browser という Web 閲覧アプリケーションを展開し、アプリケーションを Managed Browser ポリシーに関連付けることができます。 Managed Browser ポリシーは、Managed Browser のユーザーがアクセスできる Web サイトを制限する許可リストまたはブロック リストを構成するものです。

Configuration Manager と Exchange Active Sync の併用

Microsoft Exchange ActiveSync プロトコルを使って Exchange Server (オンプレミスまたはオンライン) に接続するモバイル デバイスを管理する場合は、System Center 2012 Configuration Manager の Exchange Server コネクタを使います。

リモート デバイス ワイプや複数の Exchange サーバーの設定コントロールなど、Exchange のモバイル デバイス管理機能を

Configuration Manager コンソールから構成できます。Exchange Online Dedicated または Exchange On-Premises に接続するデバイスに条件付きアクセスを使用するには、Exchange Server コネクタのほかに Configuration Manager と Intune をインストールする必要があります。

 

MDM_ExchangeConnector

Exchange に接続してモバイル デバイスの設定を管理する

Exchange Server に接続するモバイル デバイスを管理するための前提条件

Configuration Manager と Exchange を使用してモバイル デバイスを管理するには、Exchange Server コネクタのサイト システムの役割をインストールする必要があります。 詳しい手順については、「Configuration Manager と Exchange を使用してモバイル デバイスを管理する方法」を参照してください。

Exchange Server に接続するモバイル デバイスの全般設定を構成する

Exchange Server に接続するモバイル デバイスに構成アイテムを作成して設定を構成することができます。 これらの設定は、既定の Exchange ActiveSync メールボックス ポリシーの設定にあります。 パスワード、ブラウザー、セキュリティ、暗号化のグループで、モバイル デバイスの全般設定を構成することができます。 たとえば、パスワード グループでは、モバイル デバイスでパスワードを必要とするかどうか、パスワードに最低限必要な文字数と複雑さ、パスワードの復元を許可するかどうかを構成できます。

[!メモ]

モバイル デバイスのコンプライアンス設定を作成する前に、「Configuration Manager のコンプライアンス設定の概要」を必ず確認してください。

Configuration Manager によるモバイル デバイスの登録

Windows Mobile と Nokia Symbian Belle モバイル デバイスは、Configuration Manager で登録されていると管理することができます。 デバイスが登録されていると、そのデバイスに対してハードウェア インベントリ、必要なアプリケーションのソフトウェアの展開、設定、リモート ワイプが可能になります。

Windows Mobile と Nokia Symbian モバイル デバイスを管理するための前提条件

Windows Mobile と Nokia Symbian Devices モバイル デバイスを System Center 2012 Configuration Manager を使用して登録すると、Configuration Manager クライアントがそのデバイスにインストールされ、管理機能が提供されます。 詳しい手順については、「Configuration Manager を使ってクライアントをモバイル デバイスにインストールし、登録する方法」を参照してください。

アプリを Windows Mobile と Nokia Symbian モバイル デバイスに展開する

Windows Mobile と Nokia Symbian Belle モバイル デバイスを Configuration Manager で登録した後には、必要なアプリケーションを作成してそのモバイル デバイスに展開することができます。

[!メモ]

モバイル デバイス用アプリケーションを作成し展開する前に、「Configuration Manager でのアプリケーション管理の概要」を必ず確認してください。

Windows Mobile と Nokia Symbian Belle モバイル デバイスのコンプライアンス設定を構成する

Windows Mobile と Nokia Symbian Belle モバイル デバイスに構成アイテムを作成して設定を構成することができます。 パスワード、電子メール管理、セキュリティ、ピーク時の同期、ローミング、暗号化、ワイヤレス通信グループで、モバイル デバイスの全般設定を構成することができます。 たとえば、パスワード グループでは、モバイル デバイスでパスワードを必要とするかどうか、パスワードに最低限必要な文字数と複雑さ、パスワードの復元を許可するかどうかを構成できます。

[!メモ]

モバイル デバイスのコンプライアンス設定を作成する前に、「Configuration Manager のコンプライアンス設定の概要」を必ず確認してください。

Configuration Manager のレガシ クライアントの使用

Windows CE または Windows Mobile 6.0 オペレーティング システムを実行するモバイル デバイスを管理するには、Configuration Manager レガシ クライアントを使用します。 これにより、ハードウェアとソフトウェアのインベントリが有効になり、ファイルの収集、構成の管理、パッケージとプログラムの配布が可能になります。

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスを管理するための前提条件

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスをレガシ クライアントを使用して登録すると、Configuration Manager クライアントがそのデバイスにインストールされ、管理機能が提供されます。 詳しい手順については、Configuration Manager 2007 ドキュメント ライブラリで、「Configuration Manager のモバイル デバイス管理」を参照してください。

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスのインベントリを収集する

レガシ クライアントを使用すると、Configuration Manager が、Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスのハードウェア インベントリソフトウェア インベントリを収集します。

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスにパッケージとプログラムを展開する

レガシ クライアントを実行するモバイル デバイスにパッケージとプログラムを展開することができます。ただし、アプリケーションや更新プログラムは除きます。

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスのコンプライアンス設定を構成する

Windows CE または Windows Mobile 6.0 モバイル デバイスに構成アイテムを作成して設定を構成することができます。 パスワード、電子メール管理、セキュリティ、ピーク時の同期、ローミング、暗号化、ワイヤレス通信グループで、モバイル デバイスの全般設定を構成することができます。 たとえば、パスワード グループでは、モバイル デバイスでパスワードを必要とするかどうか、パスワードに最低限必要な文字数と複雑さ、パスワードの復元を許可するかどうかを構成できます。

[!メモ]

モバイル デバイスのコンプライアンス設定を作成する前に、「Configuration Manager のコンプライアンス設定の概要」を必ず確認してください。