新しいビジネス向け Windows ストアでは、Windows アプリのボリューム購入ができます。ビジネス向けストアには、組織の ID によるアプリ購入、柔軟な配布オプション、およびライセンスを解放または再利用する機能が用意されています。また、ビジネス向けストアを利用して、ストア アプリのほかにプライベートな基幹業務 (LOB) アプリを入手できる従業員向けのプライベート ストアを作成することもできます。
組織の規模を問わず、ビジネス向けストアには次のようなメリットがあります。
事業の規模に合わせて拡大/縮小 - 中小規模の企業の場合、Azure AD アカウントと Windows 10 デバイスを使って、ビジネス向けストアでコンテンツを入手し配布するエンド ツー エンドのプロセスをすぐに構築することができます。大規模な企業の場合、ビジネス向けストアの機能をすべて利用できます。また、ビジネス向けストアを管理ツールと統合して、アプリおよびアプリの更新プログラムへのアクセスをより細かく制御することもできます。既存の職場や学校のアカウントを使用できます。
アプリの一括購入 - ビジネス向けストアからアプリをボリューム購入できます。
プライベート ストア - どの Windows 10 デバイスからでも簡単に利用できる自社専用のプライベート ストアを作成できます。
柔軟な配布オプション - コンテンツとアプリを従業員のデバイスに配布する柔軟なオプションが用意されています。
ビジネス向けストアのサービスを通じて配布します。個々の従業員にアプリを割り当てたり、プライベート ストアですべての従業員がアプリを入手可能にすることができます。
Microsoft の提供する管理ツールまたはサードパーティのツールを使って、高度な配布と管理の機能を利用したり、イメージの管理ができます。
オフライン ライセンス モデルでは、ストア サービスに接続することなくアプリを配布し、イメージを管理することができます。
基幹業務アプリ - 社内で開発した基幹業務アプリをプライベートに追加し、任意の配布オプションを使ってプライベートに配布できます。
アプリのライセンス管理 - 管理者がアプリのライセンスを解放し再利用できます。オンライン ライセンスとオフライン ライセンスにより、アプリ展開の決定方法をカスタマイズできます。
最新状態のアプリ - ビジネス向けストアでは、オンライン ライセンスのアプリの更新プロセスが管理されます。アプリは自動的に更新されるため、最新のソフトウェア更新プログラムが適用され、最新の製品機能を備えた状態が常に維持されます。ビジネス向けストアのアプリは、アンインストールもきれいに行われます。特定の従業員向けにアプリを切り替える必要がある場合でも、余計なファイルが残ることはありません。
ビジネス向けストアを利用するには、次のソフトウェアが必要です。
ビジネス向けストアを管理する IT 担当者には、PC またはモバイル デバイスで実行されるビジネス向けストアと互換性のあるブラウザーが必要です。サポートされているブラウザーは、Internet Explorer 10 以降、Microsoft Edge、および、Chrome または Firefox の最新バージョンです。
ビジネス向けストアのアプリを使用する従業員には、PC またはモバイル デバイスで実行される Windows 10 バージョン 1511 が必要です。
従業員向けの Microsoft Azure Active Directory (AD) アカウント。
管理者には、ビジネス向けストアにサインアップし、その後、サインインして、アプリを入手し、アプリを配布し、アプリ ライセンスを管理するために、Azure AD アカウントが必要です。
従業員には、Windows デバイスからビジネス向けストアのコンテンツにアクセスするときに、Azure AD アカウントが必要です。
オンライン ライセンスのアプリを配布し管理する管理ツールを使用する場合は、すべての従業員に Azure AD アカウントが必要になります。
オフライン ライセンスのアプリの場合、従業員に Azure AD アカウントは必要ありません。
Azure AD について詳しくは、「Office 365 と Azure Active Directory について」および「Microsoft Azure の概要: ID とアクセス」をご覧ください。
必須ではありませんが、管理ツールを利用してアプリを配布し管理することができます。管理ツールを利用すると、コンテンツの配布、アプリの利用範囲の制限、およびアプリの更新プログラムのインストール時期の制御ができます。これは、既に管理ツールを使用している大規模な組織には便利です。管理ツールには次のように注意点がいくつかあります。
Windows 10 管理フレームワークおよび Azure AD と統合する必要があります。
アプリを配布するには、ビジネス向けストアのインベントリと同期する必要があります。
組織でビジネス向けストアを使い始める場合、最初の一歩はサインアップです。ビジネス向けストアにサインアップするには、Azure AD アカウントが必要で、組織のグローバル管理者である必要があります。
詳しくは、「ビジネス向けストアのサインアップ」をご覧ください。
ビジネス向けストアにサインアップした後、管理者は、社内の他の従業員に役割を割り当てることができます。以下は役割とそのアクセス許可です。
アクセス許可 | アカウントの設定 | アプリの入手 | アプリの配布 | Device Guard の署名 |
---|---|---|---|---|
管理者 |
○ |
○ |
○ |
|
購入者 |
○ |
○ |
||
Device Guard の署名者 |
○ |
場合によっては、管理者が従業員に Azure Active Directory (AD) アカウントを追加する必要があります。詳しくは、「ユーザー アカウントとユーザー グループの管理」をご覧ください。
また、管理ツールを使う予定がある場合は、ビジネス向けストアと同期するように管理ツールを構成する必要があります。
ビジネス向けストアにサインインすると、ビジネス向けストアのカタログですべての製品を参照し検索することができます。いまのところ、ビジネス向けストアのアプリは無料です。やがて有料アプリが利用可能になると、アプリの料金支払方法がいくつか用意される予定です。
アプリの種類 - ビジネス向けストアでは次の種類のアプリがサポートされています。
ユニバーサル Windows プラットフォーム アプリ
デバイス別ユニバーサル Windows アプリ: Phone、Surface Hub、IOT デバイス、HoloLens
ビジネス向けストアから購入したアプリは、Windows 10 デバイスでのみ動作します。
基幹業務 (LOB) アプリもビジネス向けストアでサポートされています。組織の LOB 発行元になるように、IT 開発者や ISV を招待することができます。招待された開発者は、組織専用のデベロッパー センターを通じてアプリを提出できます。提出されたアプリは、このトピックで説明する配布方法を使って配布できます。詳しくは、「基幹業務アプリの使用」をご覧ください。
アプリのライセンス モデル
ビジネス向けストアは、アプリのライセンス方法として、オンラインとオフラインの 2 種類をサポートしています。オンライン ライセンスは、既定のライセンス モデルであり、Windows ストアに似ています。オンライン ライセンスのアプリの場合、ユーザーとデバイスはビジネス向けストアのサービスに接続して、アプリとそのライセンスを取得する必要があります。オフライン ライセンスは、Windows 10 用の新しいライセンス オプションです。オフライン ライセンスの場合、組織はアプリとそのライセンスをキャッシュして、組織のネットワーク内で展開することができます。ISV または開発者は、デベロッパー センターにアプリを提出するときに、オフライン ライセンスを選択できます。
詳しくは、「ビジネス向けストアのアプリ」をご覧ください。
アプリの配布には、ビジネス向けストアを経由する方法と、管理ツールを使用する方法の 2 つのチャンネルがあり、どちらかを通じて処理されます。組織では、配布方法のいずれかまたは両方を利用することができます。
ビジネス向けストアを使う – ビジネス向けストアには次の配布オプションがあります。
電子メールのリンク - アプリの購入後、管理者は従業員に電子メールでリンクを送信できます。従業員はそのリンクをクリックしてアプリをインストールします。
すべての従業員向けにプライベート ストアを用意 – プライベート ストアには、ビジネス向けストアで購入したコンテンツ、ビジネス向けストアに提出した基幹業務アプリを含めることができます。プライベート ストアのアプリは、すべての従業員が利用できます。必要なときにプライベート ストアを参照して、アプリをインストールすることができます。
上記のオプションを利用するには、Windows 10 デバイスで Azure AD アカウントを使ってビジネス向けストアにサインインする必要があります。
管理ツールを使う - アプリの配布方法と管理方法のきめ細かい制御を望む大規模な組織の場合、管理ツールに次のような配布オプションが用意されています。
コンテンツの配布範囲の制限 – コンテンツの配布範囲を従業員の特定のグループに制限できます。
従業員用アプリのインストール - 従業員はアプリのインストールを行いません。管理ツールが従業員の代わりにアプリをインストールします。
管理ツールは、ビジネス向けストアで取得したコンテンツを同期できます。オフライン アプリケーションを購入した場合、これにはアプリ パッケージ、ライセンス、アプリのメタデータ (アイコン、カウント、ローカライズされた製品説明など) も含まれます。管理ツールは、メタデータを使用して、従業員がアプリを入手する場所としてポータルを有効にできます。
詳しくは、「ビジネス向けストアから従業員にアプリを配布」をご覧ください。
ビジネス向けストアにサインアップしてアプリを購入すると、管理者はビジネス向けストアの設定とインベントリを管理できます。
ビジネス向けストアの設定の管理
従業員またはグループに役割を割り当て変更する
Device Guard に署名する
コンテンツを展開してインストールする管理サーバーを登録する
LOB 発行元との関係を管理する
オフライン ライセンスを管理する
プライベート ストアの名前を更新する
インベントリの管理
アプリのライセンスを従業員に割り当てる
アプリのライセンスを解放して割り当て直す
すべてのアプリの更新方法を管理する、または、各アプリの更新方法をカスタマイズする。オンライン アプリはストアから自動的に更新されます。オフライン アプリは管理サーバーを使って更新できます。
オフライン インストール用にアプリをダウンロードする
詳しくは、「ビジネス向けストアの設定の管理」と「アプリの管理」をご覧ください。
ビジネス向けストアは、現在、次の市場で利用可能です。
オーストラリア
オーストリア
ベルギー (オランダ語、フランス語)
ブラジル
カナダ (英語、フランス語)
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
インド
インドネシア
アイルランド
イタリア
日本
メキシコ
オランダ
ノルウェー
ポーランド
ロシア
スペイン
スウェーデン
スイス (フランス語、ドイツ語)
英国
米国
組織内の開発者または ISV は、組織専用のコンテンツを作成できます。ビジネス向けストアでは、このようなアプリを基幹業務 (LOB) アプリと呼んでおり、それらを作成する開発者が LOB 発行元です。プロセスは次のようになります。
管理者が、組織の LOB 発行元になるよう開発者を招待します。開発者は、内部の開発者でも外部の ISV でもかまいません。
LOB 発行元は、招待を受け入れて、アプリを開発し、Windows デベロッパー センターにアプリを提出します。LOB 発行元は、アプリの提出時にエンタープライズ関連付け機能を使って、アプリを組織専用にします。
管理者は、そのアプリをビジネス向けストアのインベントリに追加します。
アプリをインベントリに登録すると、管理者はアプリの配布方法を選択できます。デベロッパー センターを通じてアプリを作成した ISV は、ビジネス向けストアでアプリを入手可能にできます。ISV は、アプリをオフライン ライセンスにすることを選択できます。ビジネス向けストアで購入したアプリは、Windows 10 デバイスでのみ動作します。
基幹業務アプリについて詳しくは、「基幹業務アプリの使用」をご覧ください。