ユーティリティ スポットライト: 仮想デスクトップを使い分ける

複数のアプリケーションやファイルを実行している複数の仮想デスクトップを使用するのは、少々厄介です。わかりやすい名前が付いている Desktops というツールが役に立ちます。

Lance Whitney

定期的に使用する必要があるすべてのアプリケーションやファイルに対応するのに、複数のデスクトップが必要になることがあります。仮想デスクトップ ソフトウェアを使用すると、多数のウィンドウやプログラムがメイン デスクトップに散乱することなく、1 台のコンピューターで個別のデスクトップを表示できます。1 つ目の仮想デスクトップで電子メールを管理し、2 つ目の仮想デスクトップで異なる複数の Web ブラウザーを実行して、3 つ目の仮想デスクトップで Microsoft Office を使用することができます。

市場にはさまざまなサードパーティ製の仮想デスクトップ ユーティリティが出回っています。無料で使用できる Microsoft Desktops は、仮想デスクトップを管理するツールとして検討する価値があります。このツールは Mark Russinovich と Bryce Cogswell によって開発され、Windows Sysinternals で入手できます。Desktops を使用すると、最大 4 つの仮想デスクトップを表示して管理することが可能で、プロジェクトやアプリケーション間を移動するように、ある仮想デスクトップから別の仮想デスクトップに簡単に切り替えることができます。

Desktops を Sysinternals サイトからダウンロードし、ダウンロードした Desktops.zip ファイルを解凍し、抽出された Desktops.exe ファイルを実行して、プログラムを起動します。ローカルで実行せずに、Sysinternals の Web サイトから直接 Desktops を実行することもできます。

Desktops を起動して、[OK] をクリックします。ツールはシステム トレイ アイコンとして表示され、アイコンの 4 つのパネルは仮想デスクトップを 4 つ表示できることを示しています。アイコンをクリックすると、4 つの各デスクトップの状態を示す大きなプレビュー パネルが表示されます。

現在のデスクトップは、Desktop 1 です。2 つ目のデスクトップを表示するには、Desktop 2 のパネルをクリックします。Desktop 2 に標準の Windows デスクトップが表示され、Desktop 2 で実行するアプリケーションやファイルを開くことができます。最大 4 つのデスクトップまで、同じ処理を続けることができます (図 1 参照)。

図 1 Desktops では最大 4 つの個別の仮想デスクトップを制御および管理できる

システム トレイ アイコンをクリックし、表示するデスクトップを選択して、デスクトップを何度も切り替えられます。切り替え用のショートカット キーを設定することもできます。既定の設定では、Alt キーを押しながら、1 から 4 までの数字キーを押して、対応するデスクトップに切り替えます。

Alt キーの代わりに、Ctrl キー、Shift キー、または Windows キーを使用したり、F1 から F4 までのファンクション キーを使用したりするようにカスタマイズできます。システム トレイ アイコンを右クリックし、[Options] をクリックしてショートカット キーを変更します。[Options] ウィンドウ (図 2 参照) では、Windows の起動時に Desktops を自動的に読み込むように構成することもできます。

図 2 複数のデスクトップを頻繁に管理する必要がある場合は Desktops を自動的に読み込むように構成できる

リモート接続

Desktops は、複数のアプリケーションやファイルを管理するだけでなく、別のコンピューターにリモートで接続する必要がある場合にも役立ちます。このような場合には Desktops を単純に起動して、新しい仮想デスクトップに切り替えます。新しいデスクトップでは、Microsoft リモート デスクトップ接続などのツールを使用して、リモート コンピューターやリモート サーバーにログインします。これで、1 つのモニターと 1 つのデスクトップで、ローカル コンピューターとリモート コンピューターを簡単に切り替えることができます。

技術的な観点では、Desktops の動作は、他のほとんどの仮想デスクトップ ソフトウェアと少し異なります。Desktops では、仮想デスクトップごとに Windows デスクトップ オブジェクトを作成するので、各デスクトップは、個別の explorer.exe インスタンスで実行されます。そのため、他のサードパーティ製のツールと比較すると、Desktops にはいくつかの制限があります。

システム トレイ アイコンのほとんどは、Desktop 1 にしか表示されず、他のデスクトップからはアクセスできません。また、デスクトップ間でウィンドウを移動することもできません。Windows の実行中には、Desktops を終了できません。このツールは、Windows で作業している間は使用できるように設計されているため、仮想デスクトップを終了するには、Windows からログオフまたは Windows をシャットダウンするしかありません。

このような制限はありますが、Desktops は信頼性が高い堅牢なツールです。クライアント側では Windows XP 以降のバージョンをサポートしており、サーバー側では Windows Server 2003 以降のバージョンをサポートしています。

Lance Whitney

Lance Whitney は、ライターであり、IT コンサルタントであり、ソフトウェア トレーナーでもあります。Windows のワークステーションおよびサーバーをカスタマイズすることに数えきれないほどの時間を費やしてきました。元々はジャーナリストでしたが、1990 年代前半に IT 業界への転向を実現しました。

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