Windows 検索、参照、および整理の新機能

Windows 検索、参照、および整理の新機能

Windows 7 では、IT プロフェッショナルがデスクトップの検索、参照、および整理の機能を展開および管理する際に役立つ、次のような多くの新機能や機能強化が導入されます。

  • インデクサーのパフォーマンスと安定性の向上。

  • 検索操作のパフォーマンスと関連性の向上。

  • 統合検索および検索コネクタの導入。

  • 検索結果を効率よく整理するための、集約と視覚エフェクトの導入。

  • 整理に役立つライブラリの導入。

  • エクスプローラーのパフォーマンスの向上とユーザー インターフェイスの強化。

  • サポートされているすべてのオペレーティング システムで使用可能な、グループ ポリシーの追加設定。

  • キャッシュされない (従来のオンライン) 電子メールにインデックスを作成する際の、Microsoft Exchange Server を実行しているサーバーへの影響の軽減。

  • 電子メールの代理人のメールボックスにインデックスを作成する機能。

  • ローカル ファイル システムの暗号化されたドキュメントへのインデックス作成に対するサポート。

  • MAPI 対応の電子メール クライアント (Microsoft Outlook®など) のデジタル署名された電子メールへのインデックス作成に対するサポート。

  • Windows Search 4.0 がインストールされている Windows Vista®、Windows Server® 2008、Windows® XP や、それより前のバージョンなどで、ファイル共有のリモート クエリをすばやく実行するための拡張機能。

Windows Search サービスを使用すると、Windows® 7 または Windows Server® 2008 R2 を実行しているコンピューターや、Windows Vista、Windows Server 2008、Windows XP、Windows Server® 2003 R2、または Windows Server® 2003 を実行し、Windows デスクトップ サーチがインストールされたコンピューターから、サーバー上のファイル検索をすばやく実行できます。

注
キャッシュされていない電子メールのインデックス作成は、従来のオンライン電子メールとも呼ばれます。Windows® 7 では、キャッシュされていない電子メールのインデックスを作成するときでも、Microsoft Exchange Server にはそれほど影響しません。キャッシュされた電子メールは、キャッシュされていない電子メール (従来のオンライン電子メール) とは対照的に、ローカルのオフライン フォルダー ファイル (.ost) を使用して、Exchange Server メールボックスのローカル コピーをコンピューターに保存します。これにより、ローカルでの電子メールのインデックス作成が許可されます。

Windows 検索、参照、および整理の機能の対象ユーザー

この機能は、IT プロフェッショナルを対象としています。検索機能の向上は、ホーム ユーザーにも無関係ではありません。

Windows 7 の Windows 検索、参照、および整理の機能を展開する前に、管理者は、次のようないくつかの要素を検討しておく必要があります。

  • エンタープライズ検索の戦略内でのデスクトップ サーチの役割。

  • エクスプローラー内でクライアントが OpenSearch 標準を使用して直接アクセスできるように公開するデータ ストアまたはデータ サービス。

  • 現在のドキュメントの保存方法と、保存方法とライブラリとの関連度合い。

  • 整理する際のファイル ストレージ暗号化の重要性。

  • 整理する際の電子メールの暗号化と署名の重要性。

新機能と変更された機能のメリット

Windows 7 の Windows 検索、参照、および整理の機能の重要な新機能の概要を次の表に示します。

機能 Windows 7 の新機能

エクスプローラーのパフォーマンスの向上とユーザー インターフェイスの強化

ナビゲーションは、効率よく整理され、より直感的になりました。そのため、日常的なタスクへのアクセスが容易になり、エンド ユーザー コンテンツの表示に多くの改良が施されます。

整理に役立つライブラリの導入

ライブラリにより、ファイルの検索が短時間かつ簡単になります。ライブラリは、既存の "マイ ドキュメント" の操作性を基に構築されているため、フォルダーのように機能しますが、機能が追加されています。階層化されたフォルダー構造を使用してファイルを参照する以外に、データ、種類、作成者、タグなどのメタデータを参照することもできます。ユーザーは、複数の保存場所にあるファイルを自身のライブラリに含めることができます。その際、元の保存場所からファイルを移動またはコピーする必要はありません。

検索操作性の向上

検索操作は、エクスプローラー、[スタート] メニュー、および新しいライブラリの導入を通じて日常的なタスクに統合されます。検索結果では関連性が考慮されるため、検索対象をより短時間で見つけることができます。その他の機能強化には、検索対象ドキュメント内での一致項目の強調表示の導入、詳細クエリを作成する検索ビルダー、整理ビューなどがあります。整理ビューでは、検索結果のピボット、最新検索の一覧表示、コントロール パネルのタスクを含む幅広い [スタート] メニュー スコープの提供が可能になります。

統合検索と検索コネクタの導入

Windows 7 では、リモート インデックスに基づいてコンテンツの検索を実行できます。統合検索を Windows に統合することで、ユーザーは、使い慣れたツールやワークフローを使用してリモート データを検索できるというメリットが得られます。この強化された統合により、検索対象ドキュメント内で一致項目を強調表示するといった新たなメリットも得られます。Windows 7 では、公開 OpenSearch 標準によって統合検索が可能になります。その他の機能強化としては、エクスプローラー内でのリモート検索結果に対する一貫した UI と、検索結果に表示されたファイルを異なる場所間でドラッグ アンド ドロップする機能があります。

キャッシュされない (従来のオンライン) 電子メールのインデックス作成

ユーザーが電子メールを検索できるようにするには、事前に、Windows インデックス サービスで、電子メール ストアのインデックスを作成する必要があります。この作業には、ストア内にある電子メール アイテムのプロパティとコンテンツの収集が必要です。インデックスを最新状態にしておくために、この最初のインデックス作成に続いて、(電子メールの受信時、確認時、削除時などに) インデックスが増分作成されます。Windows 7 では、電子メールのメッセージや添付ファイルのインデックス作成に必要なリモート プロシージャ コール (RPC) の数を少なくすることで、Exchange Server を実行しているサーバーへの影響を最小限に抑えています。電子メール メッセージにはネイティブ形式 (HTML、RTF、およびテキスト) でインデックスが作成されるため、メールの種類を変換するための負荷はかかりません。Windows でパブリック フォルダーにインデックスが作成されるのは、このフォルダーがローカルにキャッシュされている場合だけです。

リモート クエリ

Windows 7 では、リモート デスクトップ全体を検索する機能が拡張されます。Windows 7 または (Windows Vista および Windows XP で使用可能な) Windows Search 4.0 を使用すると、ユーザーは、サポートされているオペレーティング システムで実行されているリモート コンピューターに対してクエリを実行できます。Windows Vista では、ユーザーが検索できるリモート コンピューターは Windows Vista を実行しているコンピューターのみです。

暗号化されたファイルのインデックス作成に対するサポート

Windows 7 では、ローカル ファイル システム上で暗号化されたファイルへのインデックス作成が完全にサポートされているため、ユーザーは、暗号化されたファイルのプロパティおよびコンテンツのインデックス作成および検索を実行できます。暗号化されたファイルをインデックスに含めるように、ユーザーが手動で Windows を構成することも、管理者がグループ ポリシーを使用して構成することもできます。

デジタル署名された電子メールのインデックス作成に対するサポート

Windows 7 では、ユーザーがデジタル署名された電子メール メッセージのコンテンツすべてを検索できます。この検索では、メッセージ本文およびすべての添付ファイルが対象となります。

Windows Vista Service Pack 1 (SP1) および Windows Search 4.0 を実行しているコンピューターは次のように機能します。

  • ユーザーは、自身が送信した、デジタル署名済み電子メール メッセージをすべて検索できます。この検索では、メッセージの内容すべてが対象となります。

  • ユーザーは、自身が受信した、デジタル署名済み電子メール メッセージをすべて検索できます。ただし、この検索は、件名、送信者、受信者など、特定のプロパティに制限されます。ユーザーは、メッセージ本文または添付ファイルの内容を検索できません。

Windows 検索、参照、および整理に対する変更の影響

Windows 7 の Windows 検索、参照、および整理の使用方法は、次のように大幅に改善されています。

  • 日常のワークフローとのより密接な統合。

  • 関連性の高い検索結果。

  • 結果を容易に識別できるように強調表示される検索用語。

  • 統合された高度なクエリ ビルダー。

Windows 7 では、ライブラリの導入と、データの整理ビューや視覚エフェクトにおける複数の機能強化によって、新たにデータの整理に重点が置かれています。

注
Windows 7 では、暗号化された電子メール メッセージの内容、または送信した S/MIME 署名付きメッセージで受信された S/MIME 確認メッセージの内容へのインデックス作成はサポートされません。