ヒント: コマンド ラインまたはスクリプトからリモート アシスタンスを開始する

Windows 7 と Windows Vista のリモート アシスタンスは、Msra.exe というスタンドアロンの実行可能ファイルで実装されています。リモート アシスタンスのセッションは、コマンド ラインから直接開始することも、スクリプトを使用して開始することもできます。次に、構文の概要とこのコマンドの使用方法を説明します。

オプション: /novice
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、要請されたリモート アシスタンス モードで依頼者 (ユーザー) として開始し、Windows メールなどの SMAPI 対応の電子メール アプリケーションを使用してリモート アシスタンスのチケットを送信するか、招待をファイルとして保存するという 2 つの選択肢を提示します。いずれかが選択されると、Windows リモート アシスタンスが、接続を待機している状態でユーザーのコンピューターで起動します。

オプション: /expert
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、ヘルパー モード (リモート アシスタンスの提供モード) で開始し、リモート アシスタンスのチケットの場所を指定して開くか、ユーザーのコンピューター名またはアドレスを指定するという 2 つの選択肢を提示します。コンピューター名は、ホスト名 (ユーザーがローカル サブネットに存在している場合) か FQDN (DNS 名) のいずれかで指定することが可能で、アドレスは IPv4 アドレスか IPv6 アドレスで指定できます。要請されていないリモート アシスタンスを招待なしで実行するには、支援を受けるリモート コンピューターの設定を事前に構成する必要があります。

オプション: /offerRA <コンピューター名>
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、要請されていないリモート アシスタンス モード (リモート アシスタンスの提供モード) でヘルパーとして開始します。また、DCOM を使用して、リモートからユーザーのコンピューターでリモート アシスタンスを起動し、ユーザーのコンピューターに接続して、リモート アシスタンス セッションを開始します。ユーザーのコンピューターは、コンピューター名かアドレスで指定できます。コンピューター名は、ホスト名 (ユーザーがローカル サブネットに存在している場合) か FQDN (DNS 名) のいずれかで指定することが可能で、アドレスは IPv4 アドレスか IPv6 アドレスで指定できます。この方法の詳細については、『Windows 7 Resource Kit』の「Scenario 3: Offering Remote Assistance Using DCOM」(英語) というセクションを参照してください。

オプション: /email <パスワード>
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、要請されたリモート アシスタンス モードで依頼者 (ユーザー) として開始し、SMAPI 対応の既定の電子メール クライアント (既定は Windows メール) で開く新しいリモート アシスタンスの招待メッセージに添付される、パスワードで保護されたリモート アシスタンスのチケットを作成します。パスワードは 6 文字以上で、ヘルパーへは個別に中継される必要があります。電子メール クライアント アプリケーションでは、招待ファイルが添付された電子メールのウィンドウが開きます。ヘルパーにメッセージを送信するには、ユーザーが宛先にヘルパーの電子メール アドレスを入力する必要があります。

オプション: /saveasfile <パス><パスワード>
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、要請されたリモート アシスタンス モードで依頼者 (ユーザー) として開始し、指定したパスに保存されるパスワードで保護されたリモート アシスタンスのチケットを作成します。パスは、ローカル フォルダーかネットワーク共有のパスを指定できますが、ユーザーは、チケットを作成するフォルダーに対してファイルを作成するアクセス許可を持っている必要があります。パスには、チケットのファイル名を含める必要があり (ファイル名には、.MsRcIncident というファイル拡張子が自動的に追加されます)、パスワードは、6 文字以上にする必要があります。この方法の詳細については、『Windows 7 Resource Kit』の「Scenario 2: Soliciting Remote Assistance by Creating Remote Assistance Tickets and Saving Them on Monitored Network Shares」(英語) というセクションを参照してください。

オプション: /openfile <パス><パスワード>
サポートしている OS: Windows 7、Windows Vista
説明: リモート アシスタンスを、要請されたリモート アシスタンス モードで上級者 (ヘルパー) として開始し、指定のパスに保存されている、以前に作成されたリモート アシスタンスのチケットを開きます。パスは、ローカル フォルダーかネットワーク共有のパスを指定することができますが、ヘルパーは、チケットがあるフォルダーに対してファイルを開くためのアクセス許可を持っている必要があります。パスには、.MsRcIncident というファイル拡張子を持つ有効なチケットのファイル名を含める必要があり、パスワードは、チケットが作成されたときに、チケットを保護するためにユーザーが使用したものと同じものにする必要があります。

オプション: /geteasyhelp
サポートしている OS: Windows 7 のみ
説明: リモート アシスタンスを、簡単接続のオプションを選択した状態で、要請されたリモート アシスタンス モードで依頼者 (ユーザー) として開始します。リモート アシスタンスの招待が PNRP クラウドに公開されたら、OOB を上級者 (ヘルパー) に伝達する役割がある 12 文字のパスワードがユーザーに提供されます。ヘルパーはそのパスワードを使用して、招待を受け取り、リモート アシスタンス セッションを開始することができます。

オプション: /offereasyhelp <アドレス>
サポートしている OS: Windows 7 のみ
説明: リモート アシスタンスを、簡単接続のオプションを選択した状態で、リモート アシスタンスの提供モードで上級者 (ヘルパー) として開始します。ヘルパーには、OOB をヘルパーに伝達するためにユーザーから提供された 12 文字のパスワードを入力するダイアログ ボックスが表示されます。ヘルパーはそのパスワードを使用して、招待を受け取り、リモート アシスタンス セッションを開始します。

オプション: /getcontacthelp <アドレス>
サポートしている OS: Windows 7 のみ
説明: リモート アシスタンスを、簡単接続のオプションと、アドレスで指定されたリモート アシスタンスの履歴を使用するオプションを選択した状態で、要請されたリモート アシスタンス モードで依頼者 (ユーザー) として開始します。リモート アシスタンスの履歴に表示されるユーザーのアドレスは、コンピューターの \Users\Username\Appdata\Local フォルダーにある RAContacthistory.xml ファイルで確認できます。アドレスの形式は、最後に .RAContact という文字列が追加された 40 文字の 16 進数文字列です。

オプション: /offercontacthelp <アドレス>
サポートしている OS: Windows 7 のみ
説明: リモート アシスタンスを、簡単接続のオプションと、アドレスで指定したリモート アシスタンスの履歴を使用するオプションを選択した状態で、リモート アシスタンスの提供モードで上級者 (ヘルパー) として開始します。リモート アシスタンスの履歴に表示されるユーザーのアドレスは、コンピューターの \Users\Username\Appdata\Local フォルダーにある RAContacthistory.xml ファイルで確認できます。アドレスの形式は、最後に .RAContact という文字列が追加された 40 文字の 16 進数文字列です。

Msra.exe では、Windows Management Instrumentation (WMI) スクリプトはサポートされていないことに注意してください。

出典: Mitch Tulloch、Tony Northrup、Jerry Honeycutt、Ed Wilson、Windows 7 Team 共著『Windows 7 Resource Kit (英語)』(Microsoft Press、2009 年)