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Office SharePoint Server をインストールおよび構成する (一括アップグレード用)

一括アップグレードを実行すると、コンテンツと構成データすべてが一度にアップグレードされます。一括アップグレード プロセスを開始すると、アップグレードのインストールが完了するまで Web サーバーと Web サイトはオフラインになります。いったん一括アップグレードを開始すると、中断したり、前のバージョンにロール バックしたりすることはできません。

アップグレードは、高度で複雑な操作です。標準的な環境であっても、スムーズでシンプルなアップグレードが行えないカスタマイズが存在することもあります。そのようなカスタマイズやその他の類似のカスタマイズはアップグレード プロセスの制御範囲外なので、一括アップグレードが失敗する場合があります。

一括アップグレードは、スタンドアロン サーバーで限られた場合にのみ行うようお勧めします。通常は、次の両方の条件を満たす環境で一括アップグレードを行えないか検討できます。

  • 小規模なインストール環境

  • カスタマイズされていない環境

実際には、一括アップグレードは、サーバー停止時の影響が最小限の環境でのみ行います。例としては、開発環境、テスト環境、またはステージング サーバー環境などがあります。これらの環境では、アップグレードを迅速に行うことが必要であり、またサーバー全体を前の構成に簡単にロールバックすることができます。たとえば、仮想環境では、アップグレード中に問題が発生した場合に、復元ディスクを破棄し、すぐに元の環境に戻すことができます。アップグレード中に発生した問題のトラブルシューティングを避ける別の方法としては、サーバーをバックアップから復元する方法があります。

注意

さらに複雑なサーバー ファームを使用している場合は、段階的なアップグレードを実行することをお勧めします。段階的なアップグレードの詳細については、「Office SharePoint Server をインストールおよび構成する (段階的なアップグレード用)」を参照してください。アップグレード方法の選択に関する詳細については、「アップグレード方法を決定する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

サーバー ファームをアップグレードする際は、必ず次の順序でサーバー ファーム内のすべてのサーバーをアップグレードしてください。

  1. セットアップを実行し、サーバー ファーム内のすべてのサーバーに新しいバージョンをインストールします。

  2. SharePoint サーバーの全体管理を含むフロントエンド Web サーバーで、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。

  3. インデックス ジョブ サーバーで、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します。

  4. ファーム内にある残りのすべてのフロントエンド Web サーバーまたは検索サーバーで、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行します (順不問)。

この記事の内容 :

  • はじめに

  • Office SharePoint Server 2007 をインストールする

  • SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する

  • コマンド ラインを使用して Office SharePoint Server 2007 をインストールおよび構成する

  • ログ ファイルを確認して問題を解決する

注意

使用する中規模または大規模サーバー ファームに、フロントエンド Web サーバーではないサーバーが 1 つ以上含まれており、SharePoint サイトをホストするためにインターネット インフォメーション サービスで既定の Web サイトを使用している場合、アップグレードに失敗して、既定の Web サイトをアップグレードできないというメッセージが表示されることがあります。この問題を解決するには、アップグレードを実行する前に、フロントエンド Web サーバー以外の全サーバーで、IIS の既定の Web サイトを別の名前に変更します。そして、アップグレードを実行した後、名前を既定の Web サイトに戻します。サーバー ファーム内のフロントエンド Web サーバーでは、Web サイトの名前を変更する必要はありません。

はじめに

Office SharePoint Server 2007 のインストールを開始する前に、前提条件となっているソフトウェアすべてがインストールされ、構成されていることを確認してください。詳細については、「前提条件となっているものをすべてインストールする (Office SharePoint Server)」を参照してください。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行するために使用するアカウントの最小限必要な権限が以下であることを確認します。

  • Office SharePoint Server 2007 を実行するローカル コンピュータ上の Administrators グループのメンバ。

  • SQL Server では、アカウントは以下である必要があります。

  • すべての SharePoint 製品とテクノロジ データベースへのアクセスを許可されている。

  • Database Creators (dbcreator) の固定サーバー ロールを付与されている。

  • セキュリティ管理者 (securityadmin) の固定サーバー ロールを付与されている。

多くの IT 環境では、データベース管理者 (DBA) がデータベースを作成し、管理します。組織のセキュリティ ポリシーおよびその他のポリシーにより、DBA が Office SharePoint Server 2007 に必要なデータベースを作成することが要求される場合があります。

注意

DBA がデータベースを作成および管理している環境で Office SharePoint Server 2007 を展開する方法については、「DBA が作成するデータベースを使用して展開する (Windows SharePoint Services)」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=86818&clcid=0x411) を参照してください。

  • サーバー ファームで一括アップグレードを実行する場合は、すべてのフロントエンド Web サーバー上の World Wide Web 発行サービス (W3SVC) を停止して、サーバー ファームからすべてのユーザーを切断します。複数のフロントエンド Web サーバーがあるサーバー ファームでは、ある Web サーバーのファイルとデータベースを更新した後にその他の Web サーバーでは更新しない場合、ユーザーからの接続を許可してもユーザーは Web サイトを参照できません。

Office SharePoint Server 2007 をインストールする

  1. Setup.exe を実行します。

    ヒント

    Office SharePoint Server 2007 をインストールしてから利用可能なソフトウェア更新プログラムを個別に展開する代わりに、利用可能なソフトウェア更新プログラムを含む Office SharePoint Server 2007 インストール ファイルをダウンロードすることができます。利用可能なソフトウェア更新プログラムを含む Office SharePoint Server 2007 インストール ファイルは、「Microsoft ダウンロード センター」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=72322&clcid=0x411) にあります。

  2. [プロダクト キーの入力] ページでプロダクト キーを入力して、[続行] をクリックします。

  3. [マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項をお読みください] ページで使用許諾契約書の条項を確認し、[「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」に同意します] ボックスをオンにして、[続行] をクリックします。

  4. アップグレードの以前のバージョンのページで、[一括アップグレードを実行する] をクリックします。

  5. [サーバーの種類] タブで、次のようにサーバーの種類を選択します。

    • これがサーバー ファームでアップグレード中の最初のサーバーである場合は、[完了] を選択します。

    • サーバー ファームの追加のフロントエンド Web サーバーでアップグレードを実行している場合は、[Web フロントエンド] を選択します。

    • これが (サーバー ファームの一部ではなく) スタンドアロン サーバーであり、データベースに SQL Express を使用する場合、[スタンドアロン] を選択します。

    注意

    サーバー環境ではこれらのサーバーの種類をすべて検出できるとは限りません。

  6. [今すぐインストール] をクリックします。

  7. セットアップ ウィザードが実行され、Office SharePoint Server 2007 がインストールされます。

  8. 完了ページで [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを今すぐ実行する] チェック ボックスをオフにして、[閉じる] をクリックします。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する前に、次の手順を実行する必要があります。

注意

サーバー ファーム展開では、すべての Web サーバーに同じバージョンのソフトウェア更新プログラムが適用されている必要があります。このために、製品版のソフトウェア製品のコピーだけでなく、使用可能なソフトウェアの更新プログラムのインストールも含むインストール ソース (*slipstreamed* インストール ソースとも呼ばれる) を作成することができます。この更新済みのインストール ソースからセットアップを実行すると、Web サーバーは、サーバー ファームの他の Web サーバーと同じソフトウェアの更新プログラムと同じバージョンを含みます。また、インストール ソースを使用すると、既存のサーバー ファームに新規の Web サーバーを追加することもできます。この更新済みのインストール ソースからセットアップを実行すると、新しい Web サーバーはサーバー ファームの他の Web サーバーと同じバージョンのソフトウェアの更新プログラムを含みます。インストール ソースの作成の詳細については、「Office SharePoint Server 2007 の展開」を参照してください。

SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードを実行する

  1. [スタート] ボタンをクリックし、[すべてのプログラム] をポイントします。次に、[管理ツール] をポイントし、[SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード] をクリックします。

  2. SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの [SharePoint 製品とテクノロジへようこそ] ページで、[次へ] をクリックします。

    構成中にインターネット インフォメーション サービス (IIS)、SharePoint Administration Service、および SharePoint Timer Service を再起動またはリセットしなければならない可能性があることを示すメッセージが表示されます。

  3. [はい] をクリックして、ウィザードを続行します。

    新しいバージョンの新しい言語テンプレート パックをダウンロードしてインストールする必要があることを通知するメッセージが表示されます。

  4. [OK] をクリックして、メッセージを確認し、ウィザードの次の手順に進みます。言語テンプレート パックは、構成ウィザードの実行が完了するまでインストールしないでください。

  5. SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションが特定のポートを使用するようにする場合は、[SharePoint サーバーの全体管理 Web アプリケーションの構成] ページで、[ポート番号を指定する] チェック ボックスをオンにし、ポート番号を入力します。

  6. [セキュリティ設定の構成] セクションで、環境に合わせて [ネゴシエート (Kerberos)] または [NTLM] のどちらかを選択し、[次へ] をクリックします。

    注意

    Kerberos 認証を有効にするには、追加の構成を実行する必要があります。認証方法の詳細については、「認証方法を計画する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

  7. [SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの終了] ページで、設定を確認し、[次へ] をクリックします。

    構成ウィザードが実行され、Office SharePoint Server 2007 用のデータベースとサーバーの全体管理 Web アプリケーションが構成されます。

  8. 複数のサーバーがあるサーバー ファームを使用している場合は、構成ウィザードを続行する前に、各サーバーでセットアップを実行して新しいバイナリ ファイルをインストールする必要があることを通知するメッセージが表示されます。サーバー ファームの構成と、Office SharePoint Server 2007 をインストールおよび構成している場所に応じて、以下の 3 つの選択肢があります。

    • これがファーム内の唯一のサーバーである場合、他の処理は必要ありません。[OK] をクリックして、ウィザードの次の手順に進みます。

    • ファーム内に他のサーバーがあり、他のサーバーでセットアップおよび構成ウィザードをまだ実行していない場合は、サーバーでこのメッセージを開いたままにして、ファーム内の他のサーバーでセットアップおよび構成ウィザードを実行します。他のすべてのサーバーでこの段階まで処理が完了したら、フロントエンド Web サーバーに戻り、[OK] をクリックして SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードの次の手順に進みます。

    • サーバー ファーム内のすべてのサーバーでセットアップおよび構成ウィザードを既に実行しており、それらのすべてのサーバーでこの段階まで処理が完了している場合は、フロントエンド Web サーバーで [OK] をクリックして構成ウィザードの次の手順に進みます。

  9. 構成ウィザードのアップグレード プロセスが続行され、構成データベースの設定と、サーバーの全体管理 Web アプリケーションのインストールが行われます。

  10. [構成成功] ページで、構成された設定を確認し、[完了] をクリックします。

    SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードが閉じ、[実行中のアップグレード] ページが開きます。[実行中のアップグレード] ページが開く前に、ユーザー名とパスワードの入力が要求される場合があります。アップグレード プロセスを完了するには時間がかかることがあります。[実行中のアップグレード] ページは、1 分ごとに更新されます。

  11. プロセスが完了した後に、[続行] をクリックします。

    サーバーの全体管理のホーム ページが開かれます。

アップグレード前にすべてのフロントエンド Web サーバー上の World Wide Web 発行サービス (W3SVC) を停止した場合は、フロントエンド Web サーバー上の World Wide Web 発行サービスを手動で起動して、Web サーバーを使用可能にします。

コマンド ラインを使用して Office SharePoint Server 2007 をインストールおよび構成する

必要に応じて、コマンド ラインを使用して Office SharePoint Server 2007 をインストールし、構成することができます。詳細については、「Setup.exe コマンド ライン リファレンス (Office SharePoint Server)」、「SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザード コマンドライン リファレンス (Office SharePoint Server)」、「Stsadm コマンド ライン ツール (Office SharePoint Server)」および「コマンドラインを使用して Office SharePoint Server 2007 をインストールする」を参照してください。

注意

/q スイッチを使用してサイレント モードでインストールを開始した場合、SharePoint 製品とテクノロジ構成ウィザードは自動的に開始しません。アップグレードを続行するには、ウィザードを手動で開始するか、バージョンからバージョンへの一括アップグレードを行うための引数を指定して psconfig コマンドを実行し、アップグレードを強制的に実行する必要があります。

ログ ファイルを確認して問題を解決する

アップグレードが失敗した場合や問題が報告された場合は、ログ ファイルで詳細を参照できます。Upgrade.log ファイルの場所は、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\web server extensions\12\LOGS です。

注意

一部の構成では、SharePoint Timer Service (OWStimer) アカウント (既定では、SharePoint サーバーの全体管理 Version 3 のアプリケーション プール アカウントで使用されるアカウントと同一) が、%COMMONPROGRAMFILES%\Microsoft Shared\Web server extensions\12\ 内の LOGS フォルダへのアクセス許可を持たない資格情報で設定されます。その場合、Upgrade.log ファイルの一部は、SharePoint Timer Service を実行しているアカウントの一時保存フォルダに格納されます。サーバー コンピュータを再起動したときにアップグレード ログ ファイルが削除されないように、Upgrade.log を別の場所にコピーします。

アップグレード ログ ファイルの表示の詳細については、「アップグレードを確認する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

一般的な問題のトラブルシューティングについては、「アップグレードのトラブルシューティングを実行して再開する (Office SharePoint Server)」を参照してください。

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このトピックは、参照および印刷しやすいように、次のダウンロード可能なブックに収録されています。

入手可能なドキュメントの詳細な一覧については、「Office SharePoint Server 2007 のダウンロード可能なブック」を参照してください。