トピックの最終更新日: 2015-05-21
ここでは、カスタマイズした 2007 Microsoft Office system の初回インストールを組織内のユーザーに展開する方法について説明します。また、Config.xml ファイルの例も示します。
次の表に、カスタム構成を展開するためのプロセスを示します。
2007 Office system CD のすべてのファイルとフォルダを、ネットワーク上または自分のコンピュータ上のフォルダにコピーします。たとえば、ファイルを \\<サーバー>\<共有>\Office12 にコピーします。
同じネットワーク インストール ポイントに展開する、すべての言語パックとその他の Office 製品をコピーします。重複したセットアップ ファイルを上書きするかどうかの確認メッセージが表示されたら、[いいえ] をクリックします。 |
2007 Office system のネットワーク インストール ポイントを作成する |
ネットワーク インストール ポイントへのパス、インストールする製品、カスタム セットアップ オプションなどのインストール オプションと、インストールする言語を指定するには、インストールする製品の製品フォルダのルートにある Config.xml ファイルを使用します。
Config.xml ファイルを編集するには、メモ帳などのテキスト エディタを使用してください。
インストール中にユーザーに表示される表示オプションを変更するには、Config.xml ファイルで Display 要素が含まれている行を探します。
<!-- <Display Level="full" CompletionNotice="yes" SuppressModal="no" AcceptEula="no" /> -->
サイレント (無人) インストールを構成して、インストール中にユーザーが操作できないようにすると共に表示オプションを指定するには、次の例に示すように Display 要素情報を変更します。
<Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />
詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」の Display 要素 要素に関する説明を参照してください。
インストールする追加の言語を指定するには、Config.xml ファイルで AddLanguage 要素と属性を使用します。
[!メモ]
複数の AddLanguage 要素を追加する場合は、AddLanguage 要素の ShellTransform 属性を追加する必要があります。この属性は、シェル ユーザー インターフェイスとしてセットアップで使用する言語を指定します。 たとえば、セットアップで、英語、フランス語、ドイツ語、およびスペイン語の完全サポートを、既定のインストール言語であるユーザーの既定の地域オプションの言語と共にインストールするように指定するには、次の AddLanguage 要素と属性を Config.xml ファイルに追加します。 <AddLanguage Id="match" ShellTransform="yes"/> <AddLanguage Id="en-us" /> <AddLanguage Id="fr-fr" /> <AddLanguage Id="de-de" /> <AddLanguage Id="es-es" />
上記の例では、セットアップは指定されたすべての言語に加えて、ユーザーのロケールに一致する言語 (指定の言語と異なり、インストール ソースで入手できる場合) をインストールします。詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」の AddLanguage 要素 要素に関する説明を参照してください。
Config.xml ファイルを使用して、次のような追加のオプションを構成することもできます。
Config.xml ファイルを使用して、Office カスタマイズ ツールで構成できる多数のオプションをカスタマイズできます。カスタマイズできるオプションには、OCT で構成できないオプションもいくつか含まれます。Config.xml で構成できる領域の詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」を参照してください。
Config.xml のカスタマイズが完了したら、Config.xml ファイルを保存します。次の例に示すように、セットアップの /config コマンド ライン オプションを使用して、Config.xml ファイルの場所を指定できます。
\\<サーバー>\<共有>\setup.exe /config \\<サーバー>\<共有>\Enterprise.WW\config.xml
セットアップの /config コマンド ライン オプションについては、「2007 Office system のセットアップのコマンド ライン オプション」の「/config [パス]」を参照してください。
カスタム Config.xml ファイルの例については、「Config.xml の例」を参照してください。
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2007 Office system の Config.xml ファイル
Customize and deploy multiple language versions of the 2007 Office system (英語) |
Office カスタマイズ ツール (OCT) を使用してセットアップをカスタマイズし、追加のカスタマイズ オプションおよびインストール オプションを構成します。この操作で、セットアップ カスタマイズ ファイル (MSP ファイル) が作成されます。OCT で構成できる領域の詳細については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」を参照してください。
前の手順で作成したネットワーク インストール ポイントのルートから、コマンド ライン オプション setup.exe /admin を実行して、OCT を起動します。
セットアップをカスタマイズして、セットアップがインストールを管理する方法を指定します。詳細については、「2007 Office system をインストールする前にセットアップをカスタマイズする」を参照してください。
機能のインストール状況を設定します。詳細については、「2007 Office system の機能のインストール状況を構成する」を参照してください。
インストールに追加するアプリケーションごとに、右側のウィンドウのインストール オプションを [マイ コンピューターからすべて実行] または [初めて実行するときにインストール] に設定します。たとえば、Outlook をインストールするには、[Microsoft Office] を展開し、[Microsoft Office Outlook] のインストール オプションを [マイ コンピューターからすべて実行] に変更します。
インストールしないアプリケーションについては、右側のウィンドウのインストール オプションを [インストールしない] に設定します。アプリケーション名は太字になり、インストール オプションを変更したことが示されます。
そのアプリケーションがユーザーによってインストールされないようにするには、[非表示] および [ロック] オプションを選択します。[H] および [L] の記号がアプリケーション名に追加され、これらのオプションが設定されたことが示されます。
2007 Office system の初回インストール時に、OCT または Config.xml ファイルを使用して、特定の機能に [非表示] オプションを設定した場合、初回インストールの後に、別の Config.xml ファイルを使用したり 2 番目のカスタマイズ MSP ファイルを適用したりすることによってその機能を機能ツリーに表示することはできません。つまり、インストール時には、その機能は機能ツリーに表示されません。非表示のままになり、これを元に戻すことはできません。また、この機能は、コントロール パネルの [プログラムの追加と削除] ([プログラムの変更と削除]) の Microsoft Office 2007 の [機能の追加/削除] オプション (または Windows Vista の [プログラムと機能] オプションに表示されません。ただし、MSP カスタマイズ ファイルまたは Config.xml ファイルを使用することによって、後から機能のロックを解除し、インストールして実行することができます。
初回インストール時に、OCT または Config.xml を使用して機能に [ロック] オプションを設定した場合、MSP カスタマイズ ファイルまたは Config.xml ファイルを使用することによって、その機能のロックを解除し、ローカルでインストールできます。
たとえば、Config.xml ファイルをカスタマイズして OptionState 要素を変更し、次の行を追加することで、ユーザーのコンピュータの機能 (この場合は Access) をアンインストールして、機能の子機能を指定した状況に設定することができます。
<OptionState Id=”ACCESSFiles” State=”Absent” Children=”force” />
また、OCT を使用して、[機能のインストール状況の設定] 画面で機能のインストール状況を [マイ コンピューターからすべて実行] に設定することによって、機能を後でインストールする MSP カスタマイズ ファイルを作成することもできます。 |
セキュリティ設定の初期構成を指定する場合は Office セキュリティ設定を構成します。詳細については、「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」の「Office セキュリティ設定」を参照してください。
管理者は、OCT を使用して、次の領域の初期セキュリティ設定を構成できます。
適用するユーザー設定を指定します。詳細については、「2007 Office system でユーザー設定を構成する」を参照してください。
[ユーザー設定の変更] セクションでは、このカスタマイズ ファイルを使用して Office をインストールするユーザーの Office アプリケーション設定の既定値を設定します。
オプションを構成するには、左側のツリーを展開して、構成するユーザー インターフェイス要素をクリックします。その要素に関連付けられている構成可能な設定が、右側のウィンドウに表示されます。次のいずれかのオプションを指定できます。
[未構成]。設定値をそのまま残します。
[有効]。設定の [プロパティ ] ページでの選択項目に従って設定が変更されます。
[無効]。設定を無効にします。オプションを無効にした場合とオプションを構成しない場合では、動作が異なる可能性があります。詳細については、具体的なオプションの説明を参照してください。
「2007 Office system 管理用テンプレート ファイル (ADM、ADMX、ADML) および Office カスタマイズ ツール バージョン 2.0」(https://go.microsoft.com/fwlink/?linkid=102314&clcid=0x411) からダウンロードできるファイルには、2007 Office system で使用するすべての Office カスタマイズ ツール (OPA) 設定とグループ ポリシー設定の一覧が記載されている Office Excel 2007 ブック (Office2007GroupPolicyAndOCTSettings.xls) が含まれています。
また、グループ ポリシーを使用して、Outlook の設定を指定できます。グループ ポリシーでは、次の Outlook の領域を管理できます。
OCT の [追加内容] セクションを使用して、次のオプションを構成できます。
OCT の [Outlook] セクション (「2007 Office system の Office カスタマイズ ツール」の「Outlook」を参照) を使用して、次の Outlook の領域を構成できます。
カスタマイズが完了したら、[ファイル] メニューの [名前を付けて保存] をクリックして、セットアップ カスタマイズ ファイルのパスとファイル名を指定してから、[保存] をクリックします。
カスタム MSP ファイルは、ネットワーク インストール ポイントの Updates フォルダに保存することをお勧めします。セットアップが実行されると、インストール ポイントにある Updates フォルダで、インストールする製品に固有のカスタマイズ ファイルが検索されます。
[!メモ]
カスタマイズ ファイルを Updates フォルダに格納しない場合は、セットアップのコマンド ライン オプション /adminfile を使用して、カスタム MSP ファイルを格納するフォルダの絶対パスを指定できます。たとえば、「setup.exe /adminfile \<サーバー><共有><EM>myNewUpdatesFolder」となります。 また、Config.xml ファイルで SetupUpdates 要素の SUpdateLocation 属性を使用して、MSP ファイルを格納するフォルダの場所を指定することもできます。
SetupUpdates の詳細については、「2007 Office system の Config.xml ファイル」の SetupUpdates 要素 要素に関する説明を参照してください。
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2007 Office system の Office カスタマイズ ツール
2007 Office system をインストールする前にセットアップをカスタマイズする
2007 Office system でユーザー設定を構成する |
2007 Office system をユーザーのコンピュータにインストールするには、環境および要件に応じて、次のいずれかの方法を使用します。
ユーザーのコンピュータに Office をインストールするには、プリキャッシュされているローカル インストール ソースを使用します。セットアップで 2007 Office system を展開する際、ユーザーのコンピュータにローカル インストール ソースが作成されます。ローカル インストール ソースは、インストールする Office 製品の圧縮されたソース ファイルのコピーです。ファイルがユーザーのコンピュータにコピーされた後、ローカル インストール ソースからインストールが実行されます。ネットワークの負荷を最小限に抑えるために、ユーザーのコンピュータに個別にローカル インストール ソースを展開してから Office を展開できます。
この方法を使用するには、次の作業を実行します。
ユーザーのコンピュータで、ネットワーク インストール ポイントのルートにある Setup.exe を実行します。詳細については、「ユーザーのコンピュータで 2007 Office system のセットアップを実行する」を参照してください。
Office をコンピュータの管理者ではないユーザーに展開するには、つぎのどちらかの方法を使用します。
管理者としてコンピュータにログオンし、2007 Office system をインストールする。詳細については、「2007 Office system を管理者ではないユーザーに展開する」の「管理者としてログオンする」を参照してください。
または
次のようなエンタープライズ展開の方法を使用します。
System Center Configuration Manager 2007 を使用します。Configuration Manager 2007 のソフトウェア配布機能で提供されているツールやリソースは、企業内でクライアント リソースにソフトウェアを配布する際に使用するパッケージや提供情報の作成および管理に役立ちます。2007 Office system の展開の詳細については、「System Center Configuration Manager 2007 を使用して、2007 Office system を展開する」を参照してください。
Microsoft Systems Management Server を使用します。複雑または変化の速い環境で多数のクライアントを管理する場合は、中規模および大規模の組織で 2007 Office system をインストールおよび保守する方法として、Microsoft Systems Management Server を使用することをお勧めします。Microsoft Systems Management Server には、目録の作成、スケジュール、レポートなどの高度な機能が用意されています。詳細については、「Systems Management Server 2003 を使用して 2007 Office system を展開する」を参照してください。
Microsoft System Center Essentials 2007 を使用して 2007 Office system を展開します。Microsoft System Center Essentials 2007 は、最大 30 台のサーバー コンピュータと 500 台のクライアント コンピュータを含む中規模の組織の IT システム管理者向けに設計された管理ソリューションです。詳細については、「System Center Essentials 2007 を使用して 2007 Office system を展開する」を参照してください。
組織で Active Directory とグループ ポリシーを展開している場合は、グループ ポリシーを使用して、2007 Office system を展開するコンピュータ スタートアップ スクリプトを割り当てることができます。詳細については、「グループ ポリシーを使用して 2007 Office 展開のコンピュータ スタートアップ スクリプトを割り当てる」を参照してください。
Active Directory がインストールされている環境では、グループ ポリシーのソフトウェア インストール機能を使用して、組織内のコンピュータに 2007 Office system を割り当てることもできます。管理者権限を使用してインストールされるので、そのコンピュータを使用するユーザー全員が Office を利用できます。
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2007 Office system のローカル インストール ソースをプリキャッシュする
ローカル インストール ソースからセットアップを実行して 2007 Office system をインストールする
ユーザーのコンピュータで 2007 Office system のセットアップを実行する
2007 Office system を管理者ではないユーザーに展開する
System Center Configuration Manager 2007 を使用して、2007 Office system を展開する
Systems Management Server 2003 を使用して 2007 Office system を展開する
System Center Essentials 2007 を使用して 2007 Office system を展開する
グループ ポリシーを使用して 2007 Office 展開のコンピュータ スタートアップ スクリプトを割り当てる |
Config.xml の例
以下に、Microsoft Office Professional Plus 2007 のインストール用の Config.xml ファイルの例を示します。この例では、次のオプションが使用されています。
Display Level では、セットアップのユーザー インターフェイスを非表示にし、エラー メッセージおよびその他のダイアログ ボックスを非表示にし、エンドユーザー使用許諾契約書に同意するように設定されます。
詳細なログ記録がオンにされ、ログ ファイルは AppInst フォルダに格納されます。
INSTALLLOCATION では、製品がインストールされるユーザーのコンピュータ上のフォルダへの絶対パスが指定されます。
LIS SOURCELIST では、製品のインストール ファイルが格納されるネットワーク インストール ポイントをセミコロンで区切ったリストが指定されます。OCT の対応するオプションは、[追加のネットワーク ソース] です。
Setting Id では、再起動を抑制するオプションが指定されます (SETUP_REBOOT の値が NEVER に設定されます)。
OptionState 要素では、ユーザーのコンピュータの機能 (この場合は Access) をアンインストールして、機能の子機能を同じ状況に設定するように指定します。
<Configuration Product="ProPlus">
<Display Level="none" CompletionNotice="no" SuppressModal="yes" AcceptEula="yes" />
<Logging Type="verbose" Path="%SYSADMINROOT%\Log\AppInst\Office2007" Template="Microsoft Office 2007 Professional Plus Setup(*).txt" />
<INSTALLLOCATION Value="%programfiles%\Microsoft Office" />
<LIS SOURCELIST Value="\\server1\share\Office12;\\server2\share\Office12" />
<Setting Id="SETUP_REBOOT" Value="NEVER" />
<OptionState Id="ACCESSFiles" State="absent" Children="force" />
</Configuration>