QoS RSVP の動作の検証

これまでのシナリオで、クライアントと QoS ACS サーバー上に、QoS パケット スケジューラをインストールし、また QoS ACS をサーバー上にインストールして構成し、さらにルーターとレイヤ 3 スイッチを RSVP 用に構成しました。次に、QoS RSVP の動作を検証します。QoS RSVP の動作を検証するには、Seattle サイトのクライアントと Milan サイトのクライアントの間で Microsoft NetMeeting セッションを開始します。Microsoft NetMeeting は QoS 対応のアプリケーションなので、そのセッションに対して優先的な帯域幅を割り当てるように要求を発行します。この要求に応じて Seattle サイトと Milan サイトの 2 つのクライアントの間で実際の予約が行われているかどうかを検証するために、Microsoft Windows 2000 Server リソース キットのツールであるトラフィック制御モニタ (Tcmon) を使用しました。

NetMeeting SEA-NA-CLNT-01 および MIL-EU-CLNT-01 にインストールするには

  1. [スタート] メニューから [プログラム] をポイントし、[アクセサリ] をポイントして、[通信] をポイントしてから、[NetMeeting] をクリックします。[次へ] をクリックします。

  2. [姓]、[名]、および [電子メール アドレス] の各ボックスに適切な情報を入力して、[次へ] をクリックします。

  3. 次のページが表示されたら、[NetMeeting 起動時にディレクトリ サーバーにログオンする] チェック ボックスをオフにします。これは、テストを行うことが目的であるために不要だからです。[次へ] をクリックします。

  4. [LAN] をクリックし、[次へ] をクリックします。

  5. 引き続きオーディオ調整ウィザードの各ページの指示に従って必要な設定を行い、ウィザードの最後のページに達したら [完了] をクリックします。[NetMeeting] アプリケーションがデスクトップに表示されます。

  6. [NetMeeting] ウィンドウで [ツール] メニューの [オプション] をクリックします。次に、[ビデオ] タブをクリックし、[通話の開始時に自動的にビデオ送信を開始する] と [通話の開始時に自動的にビデオ受信を開始する] の 2 つのチェック ボックスがオンになっていることを確認します。[OK] をクリックします。

    注意
    NetMeeting で QoS フローを確立するには、各クライアントにビデオ カード、PC ビデオ カメラ、およびサウンド カードがインストールされていなければなりません。

Windows 2000 Server リソース キットのツールである Tcmon をインストールすることによって、NetMeeting のフローでいつ QoS を割り当てられたかを監視し、検証することを可能にします。

Windows 2000 Server リソース キットのツール Tcmon SEA-NA-CLNT-01 および MIL-EU-CLNT-01 にインストールするには

  1. Windows 2000 Server リソース キットの付属 CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入します。Windows 2000 Server リソース キットのセットアップ ウィンドウが表示されます。

    注意
    CD-ROM を挿入したときにセットアップ ウィンドウが自動的に表示されない場合は、コマンド プロンプトを開いて、手動でウィザードを起動します。その場合、コマンド ラインには使用している CD-ROM ドライブのドライブ文字に続けて SETUP と入力します。

  2. [Install Resource Kit] をクリックします。

  3. [Next] をクリックします。

  4. [I Agree] をクリックし、[Next] をクリックします。

  5. [Name] ボックスと [Organization] ボックスに適切な情報を入力し、[Next] をクリックします。

  6. すべてのツールとドキュメントのうちのサブセットだけをインストールするので、[Custom] をクリックします。

    注意
    Microsoft® Windows® 2000 Professional リソース キット CD-ROM のすべての機能をインストールする場合は、[Typcal] をクリックします。

  7. [Tool Documentation] と [Network Management Tools] 以外のすべてのオプションに対して次の手順を実行します。

    1. オプションをクリックします。

    2. [Entire feature will not be available] をクリックします。

  8. [Next] を 2 回クリックし、[Finish] をクリックします。

  9. [Exit] をクリックして Windows 2000 リソース キットのセットアップ ウィンドウを閉じます。

Windows 2000 Server リソース キットの付属 CD-ROM から Tcmon をインストールした後で、QoS フローの監視を行うために Tcmon を起動します。

Tcmon SEA-NA-CLNT-01 および MIL-EU-CLNT-01 上で起動するには

注意
Tcmon を実行するには、ローカル コンピュータに対する Administrator の権限が必要です。

  1. [スタート] メニューから [プログラム] をポイントし、[Windows 2000 Resource Kit] をポイントして、[Tools] をクリックします。

  2. [Network Management Tools] をダブルクリックし、[Traffic Control Monitor] をダブルクリックします。

    図 1 に、NetMeeting セッションを開く前に MIL-EU-CLNT-01 上で Tcmon を起動したときの表示を示します。

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図 1: QoS 対応の NetMeeting セッションを確立する前の Tcmon

Tcmon をインストールして起動し、2 台のクライアント SEA-NA-CLNT-01 および MIL-EU-CLNT-01 上で NetMeeting を開いた後で、これらの 2 つのクライアントの間に QoS 対応の NetMeeting セッションを確立します。

NetMeeting セッションを確立するには

注意
通話の呼び出しに応答する側のクライアントでは、NetMeeting を開いた後で、[通話] メニューの [自動的に通話を受信する] をクリックしてオンにしておきます。この操作によって、そのクライアントでは手動で応答しなくても自動的に通話を受信できるようになります。

  1. [スタート] メニューから [プログラム] をポイントし、[アクセサリ] をポイントして、[通信] をポイントしてから、[NetMeeting] をクリックします。

  2. SEA-NA-CLNT-01 または MIL-EU-CLNT-01 のどちらかの [NetMeeting] ウィンドウで、[通話] メニューの [通話先] をクリックします。

  3. 通話の相手となるクライアントの IP アドレスを入力し、[通話] をクリックします。

NetMeeting セッションが 2 台のクライアントの間に確立された後は、その NetMeeting セッションのために新しく作成されたフローに QoS RSVP が適用されているかどうかを検証できます。それぞれのクライアント上では、それぞれの QoS 対応の NetMeeting セッションに対して、3 つの異なるフローが作成されます。それらのフローは、QoS シグナル化用、ビデオ用、およびオーディオ用に、それぞれ 1 つずつ使用されます。

セッションが確立された後で数秒経過すると、Tcmon のウィンドウに現在のフローに関する情報が表示されます。たとえば、MIL-EU-CLNT-01 の場合には、図 2 に示すような情報が表示されます。

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図 2: QoS 対応の NetMeeting セッションを確立した後の MIL-EU-CLNT-01 における Tcmon

[Network Control] フローは、QoS シグナル化用に使用されています。また、[Guaranteed] フローは、QoS オーディオ用に使用され、[Controlled Load] フローは、QoS ビデオに使用されています。QoS RSVP がオーディオとビデオのフローに対して確立されない場合は、[Service type] 列に [Best Effort] と表示されます。

QoS RSVP が Milan サイトのクライアント MIL-EU-CLNT-01 上で正常に動作していることを検証した後で、次に、RSVP QoS が Seattle サイトのクライアント SEA-NA-CLNT-01 上でも正常に動作していることを Tcmon によって検証しました。そのときの Tcmon の表示を図 3 に示します。

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図 3: QoS 対応の NetMeeting セッションを確立した後の SEA-NA-CLNT-01 における Tcmon

図 4 は、Seattle サイトと Milan サイトの間の WAN リンクが混雑しているときに、Seattle サイトのユーザーが Windows 2000 QoS RSVP を使用せずに NetMeeting セッションに参加した場合の画面表示を示しています。

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図 4: QoS RSVP を使用していない場合の NetMeeting

図 5 は、Seattle サイトと Milan サイトの間の WAN リンクが混雑しているときに、Seattle サイトの同じユーザーが Windows 2000 QoS RSVP を使用して NetMeeting セッションに参加した場合の画面表示を示しています。

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図 5: QoS RSVP を使用した場合の NetMeeting

関連するセットアップ手順

関連資料

注意
このシナリオにおいて、コンピュータおよびデバイスを構成するために使用した手続きは、サンプルとして紹介したものです。実際のネットワークでは、類似したコンピュータおよびデバイスを構成する場合でも、必要になる手順はそれぞれのケースで異なります。さらに各シナリオでは、目的とする機能を実現するために必要な手順だけを示しています。運用ネットワークにおいて必要になる、その他の手順については取り上げていません。すべてのシナリオは、特に表記しない限り Windows 2000 を使用してテストされています。また、ブラウザとして Microsoft Internet Explorer 5 以上を推奨します。