新しい SQL Server フェールオーバー クラスタを作成する方法 (セットアップ)

SQL Server フェールオーバー クラスタリングのセットアップ操作はこのリリースで変更されています。SQL Server フェールオーバー クラスタをインストールまたはアップグレードするには、フェールオーバー クラスタの各ノードでセットアップ プログラムを実行する必要があります。既存の SQL Server フェールオーバー クラスタにノードを追加するには、SQL Server フェールオーバー クラスタ インスタンスに追加するノードで SQL Server セットアップを実行する必要があります。他のノードを管理するアクティブなノードでは、セットアップを実行しないでください。

フェールオーバー クラスタ インスタンスを作成するには、次の手順を実行します。

既存のフェールオーバー クラスタ インスタンスにノードを追加したり、既存のフェールオーバー クラスタ インスタンスからノードを削除するには、「SQL Server フェールオーバー クラスタでノードを追加または削除する方法 (セットアップ)」を参照してください。

リモート インストールについては、「バージョンとエディションのアップグレード」を参照してください。

SQL Server のスタンドアロン インスタンスをインストールするには、「SQL Server 2008 をインストールする方法 (セットアップ)」を参照してください。

SQL Server フェールオーバー クラスタ インストール オプションの概要

オプション 1: ノードの追加を伴う統合インストール

SQL Server 統合フェールオーバー クラスタ インストールは、次の手順で構成されています。

  1. 単一ノードの SQL Server フェールオーバー クラスタ インスタンスを作成および構成します。ノードの構成が正常に完了すると、完全に機能するフェールオーバー クラスタ インスタンスが完成します。フェールオーバー クラスタには 1 つのノードしかないので、この時点では高可用性は備わっていません。

  2. SQL Server フェールオーバー クラスタに追加する各ノードで、セットアップを実行し、ノードの追加機能を使用して、ノードを追加します。

オプション 2: 高度/エンタープライズ インストール

SQL Server 高度/エンタープライズ フェールオーバー クラスタ インストールは、次の手順で構成されています。

  1. 新しく作成する SQL Server フェールオーバー クラスタの実行可能な所有者となる各ノードで、準備セクションに記載されたフェールオーバー クラスタ セットアップの準備手順を実行します。1 つのノードでフェールオーバー クラスタ セットアップの準備が完了すると、指定したすべての設定を含む Configuration.ini ファイルが作成されます。他のノードで準備を行うときには、同じ手順を実行する代わりに、最初のノードから自動生成された Configuration.ini ファイルを、セットアップ コマンド ラインへの入力として指定できます。詳細については、「構成ファイルを使用して SQL Server 2008 をインストールする方法」を参照してください。この手順ではノードのクラスタ化の準備を行いますが、この手順が終了しても SQL Server インスタンスは操作できません。

  2. ノードのクラスタ化の準備が整ったら、準備したノードのいずれかでセットアップを実行します。可能であれば、フェールオーバー クラスタの実行機能を持つ共有ディスクを所有するノードで実行します。この手順で、フェールオーバー クラスタ インスタンスを構成し、完了します。この手順が終了すると、SQL Server フェールオーバー クラスタ インスタンスが操作できるようになり、そのインスタンスに対して事前に準備されたすべてのノードが、新しく作成された SQL Server フェールオーバー クラスタの実行可能な所有者となります。

    注意注意

    フェールオーバー クラスタの実行機能には、基になる Windows フェールオーバー クラスタが必要です。Windows フェールオーバー クラスタが存在しない場合、セットアップはエラーとなって終了します。

必要条件

作業を開始する前に、次の SQL Server オンライン ブックのトピックを参照してください。

重要   セットアップ プログラムの既知の問題によって影響を受ける場合は、SQL Server 2008 をインストールする前に、元のメディアに対して累積的な更新プログラムの適用が必要となる可能性があります。既知の問題および詳細な手順については、「SQL Server 2008 セットアップ、新しいバージョンの SQL Server 2008 セットアップ サポート ファイルを実行して更新する方法」を参照してください。

ノードの追加を伴う統合インストールを使用して新しい SQL Server 2008 フェールオーバー クラスタをインストールするには

  1. SQL Server インストール メディアを挿入し、ルート フォルダの Setup.exe をダブルクリックします。ネットワーク共有からインストールするには、ネットワーク共有上のルート フォルダに移動し、Setup.exe をダブルクリックします。必須コンポーネントをインストールする方法の詳細については、「フェールオーバー クラスタリングをインストールする前に」を参照してください。必須コンポーネントがインストールされていない場合は、インストールするように求められます。

  2. Windows インストーラ 4.5 が必要です。これはインストール ウィザードによってインストールされます。コンピュータの再起動を促すメッセージが表示された場合は、再起動してから SQL Server 2008 セットアップを再実行します。

  3. 必須コンポーネントがインストールされると、インストール ウィザードによって SQL Server インストール センターが起動します。SQL Server 2008 の新しいクラスタ インストールを作成するには、インストール ページで [SQL Server フェールオーバー クラスタの新規インストール] をクリックします。

  4. システム構成チェッカーにより、コンピュータで検出処理が実行されます。続行するには、[OK] をクリックします。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  5. [セットアップ サポート ファイル] ページで [インストール] をクリックして、セットアップ サポート ファイルをインストールします。

  6. セットアップを続行する前に、システム構成チェッカーによってコンピュータのシステムの状態が確認されます。確認が完了したら、[次へ] をクリックして続行します。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  7. [プロダクト キー] ページで、SQL Server の無償のエディションをインストールするかどうか、または SQL Server の製品版の PID キーを持っているかどうかを指定します。詳細については、「SQL Server 2008 のエディションとコンポーネント」を参照してください。

  8. [ライセンス条項] ページで使用許諾契約書を読み、使用許諾条件に同意する場合は対応するチェック ボックスをオンにします。[次へ] をクリックして次に進みます。セットアップを終了するには、[キャンセル] をクリックします。

  9. [機能の選択] ページで、インストールするコンポーネントを選択します。機能名を選択すると、右側のペインに各コンポーネント グループの説明が表示されます。チェック ボックスはいくつでもオンにできますが、フェールオーバー クラスタリングをサポートしているのはデータベース エンジンと Analysis Services だけです。他のコンポーネントをオンにした場合、それらのコンポーネントは、セットアップを実行している現在のノードでフェールオーバー機能のないスタンドアロン機能として実行されます。

    このページの下部にあるフィールドを使用して、共有コンポーネントのカスタム ディレクトリを指定できます。共有コンポーネントのインストール パスを変更するには、ダイアログ ボックスの下部に示されているフィールドのパスを更新するか、参照ボタンをクリックしてインストール ディレクトリに移動します。既定のインストール パスは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ です。

    注意注意

    データベース エンジン サービス機能をオンにすると、レプリケーションとフルテキスト検索の両方が自動的にオンになります。これらのサブ機能をいずれかをオフにすると、データベース エンジン サービス機能もオフになります。

  10. [インスタンスの構成] ページで、既定のインスタンスまたは名前付きインスタンスをインストールするかどうかを指定します。詳細については、「インスタンスの構成」を参照してください。

    [SQL Server のネットワーク名] : 新しい SQL Server フェールオーバー クラスタのネットワーク名を指定します。これは、ネットワーク上でフェールオーバー クラスタを識別するために使用される名前です。

    注意注意

    以前のバージョンの SQL Server フェールオーバー クラスタでは、仮想 SQL Server 名と呼ばれていました。

    [インスタンス ID] : 既定では、インスタンス名がインスタンス ID として使用されます。これは、SQL Server のインスタンスのインストール ディレクトリとレジストリ キーを識別するために使用されます。これは、既定のインスタンスの場合も名前付きインスタンスの場合も同様です。既定のインスタンスの場合、インスタンス名とインスタンス ID は、MSSQLSERVER になります。既定以外のインスタンス ID を使用するには、[インスタンス ID] ボックスを選択して、値を指定します。

    注意注意

    SQL Server 2008 の標準的なスタンドアロン インスタンスでは、既定のインスタンスの場合も名前付きインスタンスの場合も、[インスタンス ID] ボックスの値として既定値以外は使用しません。

    [インスタンス ルート ディレクトリ] : 既定では、インスタンス ルート ディレクトリは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ になります。既定以外のルート ディレクトリを指定するには、表示されたフィールドを使用するか、参照ボタンをクリックしてインストール フォルダを検索します。

    [検出された SQL Server インスタンスとこのコンピュータの機能] : セットアップを実行中のコンピュータ上にある SQL Server のインスタンスがグリッドに表示されます。既定のインスタンスが既にコンピュータにインストールされている場合、SQL Server 2008 の名前付きインスタンスをインストールする必要があります。[次へ] をクリックして次に進みます。

  11. [必要なディスク領域] ページでは、指定した機能に必要なディスク領域が計算され、セットアップを実行中のコンピュータ上の空き領域と比較されます。詳細については、「ディスク コストの概要」を参照してください。

  12. [クラスタ リソース グループ] ページを使用して、SQL Server 仮想サーバー リソースが配置されるクラスタ リソース グループ名を指定します。SQL Server クラスタ リソース グループ名を指定するには、2 つのオプションがあります。

    • ドロップダウン リストを使用して、使用する既存のグループを指定します。

    • 作成する新しいグループの名前を入力します。"使用可能記憶域" という名前はグループ名として有効ではないことに注意してください。

  13. [クラスタ ディスクの選択] ページで、SQL Server フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク リソースを選択します。クラスタ ディスクは、SQL Server データが配置される場所です。複数のディスクを指定できます。[使用可能な共有ディスク] グリッドには、使用可能なディスクの一覧、各ディスクが共有ディスクに適しているかどうか、および各ディスク リソースの説明が表示されます。[次へ] をクリックして次に進みます。

    注意注意

    最初のドライブがすべてのデータベースに対して既定のドライブとして使用されますが、これはデータベース エンジンまたは Analysis Services の構成ページで変更できます。

  14. [クラスタ ネットワークの構成] ページで、次のように、フェールオーバー クラスタ インスタンスのネットワーク リソースを指定します。

    • [ネットワークの設定] : フェールオーバー クラスタ インスタンスの IP の種類と IP アドレスを指定します。

    [次へ] をクリックして次に進みます。

  15. このページでクラスタのセキュリティ ポリシーを指定します。

    • Windows Server 2008 以降のバージョン : サービス SID (サーバー セキュリティ ID) が推奨設定であり、既定の設定です。ドメイン グループを指定するオプションもありますが、推奨されません。Windows Server 2008 のサービス SID 機能については、「Windows サービス アカウントの設定」を参照してください。

    • Windows Server 2003 では、SQL Server サービスにドメイン グループを指定します。すべてのリソースの権限は、SQL Server サービス アカウントがグループ メンバとして含まれる、ドメイン レベルのグループによって制御されます。

    [次へ] をクリックして次に進みます。

    注意注意

    Windows 2000 混合モード ドメインに SQL Server 2008 フェールオーバー クラスタ インスタンスをインストールする場合、SQL Server クラスタ化サービスのドメイン グローバル グループを使用する必要があります。

    注意注意

    Windows 2000 ドメイン コントローラは、混合モードとネイティブ モードで動作できます。混合モードの場合は、同じドメインの下位のドメイン コントローラを使用できます。

  16. このトピックの残りの部分のワーク フローは、インストールするように指定した機能によって異なります。選択した機能 (データベース エンジン、Analysis Services、Reporting Services) によっては、表示されないページもあります。

  17. [サーバーの構成 - サービス アカウント] ページで、SQL Server サービスのログイン アカウントを指定します。このページで構成する実際のサービスは、インストール時に選択した機能によって異なります。

    すべての SQL Server サービスに同じログイン アカウントを割り当てることができます。また、各サービス アカウントを個々に構成することもできます。スタートアップの種類は、すべてのクラスタ対応サービス (フルテキスト検索および SQL Server エージェントを含む) に対して手動に設定され、インストール時に変更することはできません。各サービスに最小の権限を与えるためにはサービス アカウントを個別に構成することをお勧めします。この場合、SQL Server サービスには、このサービスのタスクの実行に必要な最小権限が付与されます。詳細については、「SQL Server 構成 - サービス アカウント」および「Windows サービス アカウントの設定」を参照してください。

    SQL Server のこのインスタンスに含まれるすべてのサービス アカウントに同じログオン アカウントを指定する場合は、ページの下部にあるフィールドに資格情報を指定します。

    セキュリティに関するメモ   空白のパスワードは使用しないでください。 強力なパスワードを使用してください。

    SQL Server サービスのログイン情報を指定したら、[次へ] をクリックします。

  18. [サーバーの構成 - 照合順序] タブを使用して、データベース エンジンおよび Analysis Services に既定以外の照合順序を指定します。詳細については、「SQL Server の構成 - 照合順序」を参照してください。

  19. [データベース エンジンの構成 - アカウントの準備] ページを使用して、次の項目を指定します。

    • [セキュリティ モード] : SQL Server のインスタンス用に Windows 認証または混合モード認証を選択します。混合モード認証を選択した場合は、組み込みの SQL Server システム管理者アカウントの強力なパスワードを入力する必要があります。

      デバイスが SQL Server との接続を正常に確立した後のセキュリティ メカニズムは Windows 認証モード、混合モードのどちらの場合も同じです。詳細については、「データベース エンジンの構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    • [SQL Server 管理者] - SQL Server のインスタンスの 1 人以上のシステム管理者を指定する必要があります。SQL Server セットアップを実行しているアカウントを追加するには、[現在のユーザーの追加] をクリックします。システム管理者の一覧に対してアカウントを追加または削除するには、[追加] または [削除] をクリックし、SQL Server のインスタンスについて管理者特権を持っているユーザー、グループ、またはコンピュータの一覧を編集します。詳細については、「データベース エンジンの構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    一覧の編集が完了したら、[OK] をクリックします。構成ダイアログ ボックスの管理者の一覧を確認します。一覧が完成したら、[次へ] をクリックします。

  20. [データベース エンジンの構成 - データ ディレクトリ] ページを使用して、既定以外のインストール ディレクトリを指定します。既定のディレクトリにインストールする場合は、[次へ] をクリックします。

    重要な注意事項重要

    既定以外のインストール ディレクトリを指定する場合は、個々のインストール フォルダがこの SQL Server インスタンスに対して一意であることを確認します。このダイアログ ボックスのディレクトリは、SQL Server の他のインスタンスのディレクトリと共有できません。データ ディレクトリは、フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク上に配置されるようにしてください。

    詳細については、「データベース エンジンの構成 - データ ディレクトリ」を参照してください。

  21. [データベース エンジンの構成 - FILESTREAM] ページを使用して、SQL Server インスタンスに対する FILESTREAM を有効にします。FILESTREAM の詳細については、「データベース エンジンの構成 - Filestream」を参照してください。[次へ] をクリックして次に進みます。

  22. [Analysis Services の構成 - アカウントの準備] ページを使用して、Analysis Services の管理者権限を持つユーザーまたはアカウントを指定します。Analysis Services のシステム管理者を少なくても 1 人指定する必要があります。SQL Server セットアップを実行しているアカウントを追加するには、[現在のユーザーの追加] をクリックします。システム管理者の一覧に対してアカウントを追加または削除するには、[追加] または [削除] をクリックし、Analysis Services の管理者権限を持つユーザー、グループ、またはコンピュータの一覧を編集します。詳細については、「Analysis Services の構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    一覧の編集が完了したら、[OK] をクリックします。構成ダイアログ ボックスの管理者の一覧を確認します。一覧が完成したら、[次へ] をクリックします。

  23. [Analysis Services の構成 - データ ディレクトリ] ページを使用して、既定以外のインストール ディレクトリを指定します。既定のディレクトリにインストールする場合は、[次へ] をクリックします。

    重要な注意事項重要

    既定以外のインストール ディレクトリを指定する場合は、個々のインストール フォルダがこの SQL Server インスタンスに対して一意であることを確認します。このダイアログ ボックスのディレクトリは、SQL Server の他のインスタンスのディレクトリと共有できません。データ ディレクトリは、フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク上に配置されるようにしてください。

    詳細については、「Analysis Services の構成 - データ ディレクトリ」を参照してください。

  24. 作成する Reporting Services インストールの種類を指定するには、[Reporting Services の構成] ページを使用します。フェールオーバー クラスタ インストールの場合、このオプションは未構成の Reporting Services インストールに設定されます。インストールの完了後に、Reporting Services サービスを構成する必要があります。

    Reporting Services の構成モードの詳細については、「レポート サーバー インストール オプション」を参照してください。

  25. [エラーと使用状況レポート] ページで、Microsoft に送信する、SQL Server の改善に役立つ情報を指定します。既定では、エラー報告と機能の使用状況のオプションが無効になります。詳細については、「エラー レポートと使用状況レポートの設定」を参照してください。

  26. システム構成チェッカーによって別のルール セットが実行され、構成と指定した SQL Server 機能が検証されます。

  27. [インストールの準備完了] ページには、セットアップで指定したインストール オプションのツリー ビューが表示されます。続行するには、[インストール] をクリックします。

  28. インストール中は、セットアップの進行に合わせてインストールの進行状況を監視できるように、[インストールの進行状況] ページに状態が表示されます。

  29. インストールが終了すると、[完了] ページにインストールの概要ログ ファイルへのリンクと、その他の重要な注意事項が表示されます。SQL Server のインストール プロセスを完了するには、[閉じる] をクリックします。

  30. コンピュータの再起動を求めるメッセージが表示されたら、再起動してください。セットアップが完了した時点で、インストール ウィザードによるメッセージを確認することが重要です。セットアップ ログ ファイルの詳細については、「SQL Server セットアップ ログ ファイルを表示して確認する方法」を参照してください。

  31. 作成した単一ノードのフェールオーバーにノードを追加するには、追加する各ノードでセットアップを実行し、AddNode 操作の手順に従います。詳細については、「SQL Server フェールオーバー クラスタでノードを追加または削除する方法 (セットアップ)」を参照してください。

    注意注意

    複数のノードを追加する場合には、構成ファイルを使用してインストールを配置できます。詳細については、「構成ファイルを使用して SQL Server 2008 をインストールする方法」を参照してください。

    インストールする SQL Server エディションは、SQL Server フェールオーバー クラスタ内のすべてのノードで一致している必要があります。既存の SQL Server フェールオーバー クラスタに新しいノードを追加する場合は、エディションが既存のフェールオーバー クラスタのエディションと一致するように指定してください。

高度/エンタープライズ フェールオーバー クラスタのインストール手順 1: 準備

  1. SQL Server インストール メディアを挿入し、ルート フォルダの Setup.exe をダブルクリックします。ネットワーク共有からインストールするには、ネットワーク共有上のルート フォルダに移動し、Setup.exe をダブルクリックします。必須コンポーネントをインストールする方法の詳細については、「フェールオーバー クラスタリングをインストールする前に」を参照してください。必須コンポーネントがインストールされていない場合は、インストールするように求められます。

  2. Windows インストーラ 4.5 が必要です。これはインストール ウィザードによってインストールされます。コンピュータの再起動を促すメッセージが表示された場合は、再起動してから SQL Server 2008 セットアップを再実行します。

  3. 必須コンポーネントがインストールされると、インストール ウィザードによって SQL Server インストール センターが起動します。クラスタリングに対してノードを準備するには、[詳細設定] ページに移動し、[高度なクラスタの準備] をクリックします。

  4. システム構成チェッカーにより、コンピュータで検出処理が実行されます。続行するには、[OK] をクリックします。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  5. [セットアップ サポート ファイル] ページで [インストール] をクリックして、セットアップ サポート ファイルをインストールします。

  6. セットアップを続行する前に、システム構成チェッカーによってコンピュータのシステムの状態が確認されます。確認が完了したら、[次へ] をクリックして続行します。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  7. [プロダクト キー] ページで、SQL Server の無償のエディションをインストールするかどうか、または SQL Server の製品版の PID キーを持っているかどうかをクリックして指定します。詳細については、「SQL Server 2008 のエディションとコンポーネント」を参照してください。

    注意注意

    同じフェールオーバー クラスタに対して準備するすべてのノードで、同じプロダクト キーを指定する必要があります。

  8. [ライセンス条項] ページで使用許諾契約書を読み、使用許諾条件に同意する場合は対応するチェック ボックスをオンにします。[次へ] をクリックして次に進みます。セットアップを終了するには、[キャンセル] をクリックします。

  9. [機能の選択] ページで、インストールするコンポーネントを選択します。機能名を選択すると、右側のペインに各コンポーネント グループの説明が表示されます。チェック ボックスはいくつでもオンにできますが、フェールオーバー クラスタリングをサポートしているのはデータベース エンジンと Analysis Services だけです。他のコンポーネントは、フェールオーバー機能のないスタンドアロン機能として単一のフェールオーバー クラスタ ノードで実行されます。

    このページの下部にあるフィールドを使用して、共有コンポーネントのカスタム ディレクトリを指定できます。共有コンポーネントのインストール パスを変更するには、ダイアログ ボックスの下部に示されているフィールドのパスを更新するか、参照ボタンをクリックしてインストール ディレクトリに移動します。既定のインストール パスは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ です。

    注意注意

    データベース エンジン サービス機能をオンにすると、レプリケーションとフルテキスト検索の両方が自動的にオンになります。これらのサブ機能をいずれかをオフにすると、データベース エンジン サービス機能もオフになります。

  10. [インスタンスの構成] ページで、既定のインスタンスまたは名前付きインスタンスをインストールするかどうかを指定します。詳細については、「インスタンスの構成」を参照してください。

    [インスタンス ID] : 既定では、インスタンス名がインスタンス ID として使用されます。これは、SQL Server のインスタンスのインストール ディレクトリとレジストリ キーを識別するために使用されます。これは、既定のインスタンスの場合も名前付きインスタンスの場合も同様です。既定のインスタンスの場合、インスタンス名とインスタンス ID は、MSSQLSERVER になります。既定以外のインスタンス ID を使用するには、[インスタンス ID] テキスト ボックスを選択して、値を指定します。

    注意注意

    SQL Server 2008 の標準的なスタンドアロン インスタンスでは、既定のインスタンスの場合も名前付きインスタンスの場合も、[インスタンス ID] テキスト ボックスの値として既定値以外は使用しません。

    重要な注意事項重要

    フェールオーバー クラスタに対して準備されるすべてのノードに対して同じインスタンス ID を使用してください。

    [インスタンス ルート ディレクトリ] : 既定では、インスタンス ルート ディレクトリは、C:\Program Files\Microsoft SQL Server\ になります。既定以外のルート ディレクトリを指定するには、表示されたフィールドを使用するか、参照ボタンをクリックしてインストール フォルダを検索します。

    [インストール済みのインスタンス] : セットアップを実行中のコンピュータ上にある SQL Server のインスタンスがグリッドに表示されます。既定のインスタンスが既にコンピュータにインストールされている場合、SQL Server 2008 の名前付きインスタンスをインストールする必要があります。[次へ] をクリックして次に進みます。

  11. [必要なディスク領域] ページでは、指定した機能に必要なディスク領域が計算され、セットアップを実行中のコンピュータ上の空き領域と比較されます。詳細については、「ディスク コストの概要」を参照してください。

  12. このページでクラスタのセキュリティ ポリシーを指定します。

    • Windows Server 2008 以降 : サービス SID (サーバー セキュリティ ID) が推奨設定であり、既定の設定です。ドメイン グループを指定するオプションもありますが、推奨されません。Windows Server 2008 のサービス SID 機能については、「Windows サービス アカウントの設定」を参照してください。

    • Windows Server 2003 では、SQL Server サービスにドメイン グループを指定します。すべてのリソースの権限は、SQL Server サービス アカウントがグループ メンバとして含まれる、ドメイン レベルのグループによって制御されます。

    [次へ] をクリックして次に進みます。

    注意注意

    Windows 2000 混合モード ドメインに SQL Server 2008 フェールオーバー クラスタ インスタンスをインストールする場合、SQL Server クラスタ化サービスのドメイン グローバル グループを使用する必要があります。

    注意注意

    Windows 2000 ドメイン コントローラは、混合モードとネイティブ モードで動作できます。混合モードの場合は、同じドメインの下位のドメイン コントローラを使用できます。

  13. このトピックの残りの部分のワーク フローは、インストールするように指定した機能によって異なります。選択した機能によっては、表示されないページもあります。

  14. [サーバーの構成 - サービス アカウント] ページで、SQL Server サービスのログイン アカウントを指定します。このページで構成する実際のサービスは、インストール時に選択した機能によって異なります。

    すべての SQL Server サービスに同じログイン アカウントを割り当てることができます。また、各サービス アカウントを個々に構成することもできます。スタートアップの種類は、すべてのクラスタ対応サービス (フルテキスト検索および SQL Server エージェントを含む) に対して手動に設定され、インストール時に変更することはできません。各サービスに最小の権限を与えるためにはサービス アカウントを個別に構成することをお勧めします。この場合、SQL Server サービスには、このサービスのタスクの実行に必要な最小権限が付与されます。詳細については、「SQL Server 構成 - サービス アカウント」および「Windows サービス アカウントの設定」を参照してください。

    SQL Server のこのインスタンスに含まれるすべてのサービス アカウントに同じログオン アカウントを指定する場合は、ページの下部にあるフィールドに資格情報を指定します。

    セキュリティに関するメモ   空白のパスワードは使用しないでください。 強力なパスワードを使用してください。

    SQL Server サービスのログイン情報を指定したら、[次へ] をクリックします。

  15. [サーバーの構成 - 照合順序] タブを使用して、データベース エンジンおよび Analysis Services に既定以外の照合順序を指定します。詳細については、「SQL Server の構成 - 照合順序」を参照してください。

  16. [サーバーの構成 - FILESTREAM] ページを使用して、SQL Server インスタンスに対する FILESTREAM を有効にします。FILESTREAM の詳細については、「データベース エンジンの構成 - Filestream」を参照してください。[次へ] をクリックして次に進みます。

  17. 作成する Reporting Services インストールの種類を指定するには、[Reporting Services の構成] ページを使用します。フェールオーバー クラスタ インストールの場合、このオプションは未構成の Reporting Services インストールに設定されます。インストールの完了後に、Reporting Services サービスを構成する必要があります。

    Reporting Services の構成モードの詳細については、「レポート サーバー インストール オプション」を参照してください。

  18. [エラーと使用状況レポート] ページで、Microsoft に送信する、SQL Server の改善に役立つ情報を指定します。既定では、エラー報告と機能の使用状況のオプションが有効になります。詳細については、「エラー レポートと使用状況レポートの設定」を参照してください。

  19. システム構成チェッカーによって別のルール セットが実行され、構成と指定した SQL Server 機能が検証されます。

  20. [インストールの準備完了] ページには、セットアップで指定したインストール オプションのツリー ビューが表示されます。続行するには、[インストール] をクリックします。

    インストール中は、セットアップの進行に合わせてインストールの進行状況を監視できるように、[インストールの進行状況] ページに状態が表示されます。インストールが終了すると、[完了] ページにインストールの概要ログ ファイルへのリンクと、その他の重要な注意事項が表示されます。

  21. SQL Server のインストール プロセスを完了するには、[閉じる] をクリックします。

  22. コンピュータの再起動を求めるメッセージが表示されたら、再起動してください。セットアップが完了した時点で、インストール ウィザードによるメッセージを確認することが重要です。セットアップ ログ ファイルの詳細については、「SQL Server セットアップ ログ ファイルを表示して確認する方法」を参照してください。

  23. 前の手順を繰り返して、フェールオーバー クラスタの他のノードを準備します。自動生成された構成ファイルを使用して他のノードの準備を行うこともできます。詳細については、「構成ファイルを使用して SQL Server 2008 をインストールする方法」を参照してください。

高度/エンタープライズ フェールオーバー クラスタのインストール手順 2: 完了

  1. 準備手順に示されたとおりにすべてのノードの準備を終えたら、準備したノードのいずれかでセットアップを実行します。可能であれば、共有ディスクを所有するノードで実行します。SQL Server インストール センターの [詳細設定] ページで、[高度なクラスタ構成の完了] をクリックします。

  2. システム構成チェッカーにより、コンピュータで検出処理が実行されます。続行するには、[OK] をクリックします。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  3. [セットアップ サポート ファイル] ページで [インストール] をクリックして、セットアップ サポート ファイルをインストールします。

  4. セットアップを続行する前に、システム構成チェッカーによってコンピュータのシステムの状態が確認されます。確認が完了したら、[次へ] をクリックして続行します。画面に詳細を表示するには、[詳細の表示] をクリックするか、または [詳細レポートの表示] をクリックして HTML レポートを表示します。

  5. [クラスタ ノードの構成] ページを使用して、クラスタリングに対して準備されたインスタンス名を選択し、新しい SQL Server フェールオーバー クラスタのネットワーク名を指定します。これは、ネットワーク上でフェールオーバー クラスタを識別するために使用される名前です。

    注意注意

    以前のバージョンの SQL Server フェールオーバー クラスタでは、仮想 SQL Server 名と呼ばれていました。

  6. [クラスタ リソース グループ] ページを使用して、SQL Server 仮想サーバー リソースが配置されるクラスタ リソース グループ名を指定します。SQL Server クラスタ リソース グループ名を指定するには、次の 2 つの方法があります。

    • リストを使用して、使用する既存のグループを指定します。

    • 作成する新しいグループの名前を入力します。"使用可能記憶域" という名前はグループ名として有効ではないことに注意してください。

  7. [クラスタ ディスクの選択] ページで、SQL Server フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク リソースを選択します。クラスタ ディスクは、SQL Server データが配置される場所です。複数のディスクを指定できます。[使用可能な共有ディスク] グリッドには、使用可能なディスクの一覧、各ディスクが共有ディスクに適しているかどうか、および各ディスク リソースの説明が表示されます。[次へ] をクリックして次に進みます。

    注意注意

    最初のドライブがすべてのデータベースに対して既定のドライブとして使用されますが、これはデータベース エンジンまたは Analysis Services の構成ページで変更できます。

  8. [クラスタ ネットワークの選択] ページで、次のように、フェールオーバー クラスタ インスタンスのネットワーク リソースを指定します。

    • [ネットワークの設定] : フェールオーバー クラスタ インスタンスの IP の種類と IP アドレスを指定します。

    [次へ] をクリックして次に進みます。

  9. このトピックの残りの部分のワーク フローは、インストールするように指定した機能によって異なります。選択した機能によっては、表示されないページもあります。

  10. [データベース エンジンの構成 - アカウントの準備] ページを使用して、次の項目を指定します。

    • [セキュリティ モード] : SQL Server のインスタンス用に Windows 認証または混合モード認証を選択します。混合モード認証を選択した場合は、組み込みの SQL Server システム管理者アカウントの強力なパスワードを入力する必要があります。

      デバイスが SQL Server との接続を正常に確立した後のセキュリティ メカニズムは Windows 認証モード、混合モードのどちらの場合も同じです。詳細については、「データベース エンジンの構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    • [SQL Server 管理者] - SQL Server のインスタンスの 1 人以上のシステム管理者を指定する必要があります。SQL Server セットアップを実行しているアカウントを追加するには、[現在のユーザーの追加] をクリックします。システム管理者の一覧に対してアカウントを追加または削除するには、[追加] または [削除] をクリックし、SQL Server のインスタンスについて管理者特権を持っているユーザー、グループ、またはコンピュータの一覧を編集します。詳細については、「データベース エンジンの構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    一覧の編集が完了したら、[OK] をクリックします。構成ダイアログ ボックスの管理者の一覧を確認します。一覧が完成したら、[次へ] をクリックします。

  11. [データベース エンジンの構成 - データ ディレクトリ] ページを使用して、既定以外のインストール ディレクトリを指定します。既定のディレクトリにインストールする場合は、[次へ] をクリックします。

    重要な注意事項重要

    既定以外のインストール ディレクトリを指定する場合は、個々のインストール フォルダがこの SQL Server インスタンスに対して一意であることを確認します。このダイアログ ボックスのディレクトリは、SQL Server の他のインスタンスのディレクトリと共有できません。データ ディレクトリは、フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク上に配置されるようにしてください。

    詳細については、「データベース エンジンの構成 - データ ディレクトリ」を参照してください。

  12. [Analysis Services の構成 - アカウントの準備] ページを使用して、Analysis Services の管理者権限を持つユーザーまたはアカウントを指定します。Analysis Services のシステム管理者を少なくても 1 人指定する必要があります。SQL Server セットアップを実行しているアカウントを追加するには、[現在のユーザーの追加] をクリックします。システム管理者の一覧に対してアカウントを追加または削除するには、[追加] または [削除] をクリックし、Analysis Services の管理者権限を持つユーザー、グループ、またはコンピュータの一覧を編集します。詳細については、「Analysis Services の構成 - アカウントの準備」を参照してください。

    一覧の編集が完了したら、[OK] をクリックします。構成ダイアログ ボックスの管理者の一覧を確認します。一覧が完成したら、[次へ] をクリックします。

  13. [Analysis Services の構成 - データ ディレクトリ] ページを使用して、既定以外のインストール ディレクトリを指定します。既定のディレクトリにインストールする場合は、[次へ] をクリックします。

    重要な注意事項重要

    既定以外のインストール ディレクトリを指定する場合は、個々のインストール フォルダがこの SQL Server インスタンスに対して一意であることを確認します。このダイアログ ボックスのディレクトリは、SQL Server の他のインスタンスのディレクトリと共有できません。データ ディレクトリは、フェールオーバー クラスタの共有クラスタ ディスク上に配置されるようにしてください。

    詳細については、「Analysis Services の構成 - データ ディレクトリ」を参照してください。

  14. システム構成チェッカーによって別のルール セットが実行され、構成と指定した SQL Server 機能が検証されます。

  15. [インストールの準備完了] ページには、セットアップで指定したインストール オプションのツリー ビューが表示されます。続行するには、[インストール] をクリックします。

  16. インストール中は、セットアップの進行に合わせてインストールの進行状況を監視できるように、[インストールの進行状況] ページに状態が表示されます。

  17. インストールが終了すると、[完了] ページにインストールの概要ログ ファイルへのリンクと、その他の重要な注意事項が表示されます。SQL Server のインストール プロセスを完了するには、[閉じる] をクリックします。この手順により、同じフェールオーバー クラスタに対して準備されたすべてのノードが、完成した SQL Server フェールオーバー クラスタの一部となります。

次の手順

新しい SQL Server のインストール内容の構成 : システムのセキュリティを向上するため、SQL Server では、主要なサービスと機能を個別にインストールし、有効化できるようになっています。詳細については、MSDN の「セキュリティ構成について」を参照してください。

ログ ファイルの場所の詳細については、「SQL Server セットアップ ログ ファイルを表示して確認する方法」を参照してください。