新しい Exchange 組織の展開のベスト プラクティス

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2007-08-31

Microsoft Exchange Server 2007 のセットアップ、または Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) のセットアップは、グラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) (Setup.exe) またはコマンドライン インターフェイス (Setup.com) のどちらかを使用して実行できます。どちらのインターフェイスを使用するかに関係なく、Exchange 2007 を展開する前に満たしておく必要のある要件がいくつかあります。以下のトピックを読んで Exchange 2007 について十分に理解しておくことをお勧めします。

新機能

Exchange Server 2007 SP1 の新機能

概要

サーバーの役割

よく寄せられる質問

トポロジ

用語集

トランスポートのアーキテクチャ

また、以下のトピックを読んで、自分の環境およびインフラストラクチャが Exchange 2007 展開の要件を満たしていることを確認しておくこともお勧めします。

計画チェックリスト

Active Directory とドメインを準備する方法

展開計画

Exchange 2007 サーバーの DNS 設定の構成

サーバーおよびストレージ アーキテクチャの計画

サーバーの役割の展開

Exchange 2007 のシステム要件

インストール後の作業

展開方法の計画

Exchange 2007 組織を展開する前に、まず展開するモデルを識別する必要があります。サポートされている Exchange 組織モデルには、次の 4 つがあります。

  • 単純な Exchange 組織   単純な Exchange 組織は、すべての Exchange サービスを提供し、すべての Exchange データを保存する単一の Exchange サーバーを持つか、または境界ネットワーク内のエッジ トランスポート サーバーと冗長化されたディレクトリ サーバーを持つトポロジでの複数の Exchange サーバーを持ちます。詳細については、「単純な Exchange 組織の計画」を参照してください。
  • 標準 Exchange 組織   標準 Exchange 組織は、Exchange を実行する複数のコンピュータを展開することにより、単純な Exchange 組織を基盤に構築されます。詳細については、「標準 Exchange 組織の計画」を参照してください。
  • 大規模 Exchange 組織   大規模 Exchange 組織は、単一の Active Directory ディレクトリ サービス フォレストに展開できる最も規模の大きい組織モデルです。詳細については、「大規模な Exchange 組織の計画」を参照してください。
  • 複雑な Exchange 組織   複雑な Exchange 組織は、複数の Active Directory フォレストを含むか、または同期テクノロジを使用する唯一のモデルです。詳細については、「複雑な Exchange 組織の計画」を参照してください。

推奨される展開プロセス

単一サーバーの単純な Exchange 組織を新しく展開することをお勧めするのは、Microsoft Windows Small Business Server 2003 を使用している場合のみです。複数のサーバーを持つ単純な Exchange 組織を新しく展開することをお勧めするのは、Centro を使用している場合のみです。

標準、大規模、または複雑な Exchange 組織を展開する場合は、次のプロセスを使用することをお勧めします。

  • Active Directory が Exchange 組織に対して正しく構成されていることを確認します。満たしている必要のある要件は次のとおりです。

    • スキーマ マスタであるドメイン コントローラに Windows Server 2003 Service Pack 2 (SP2)、Windows Server 2003 Service Pack 1 (SP1)、または Windows Server 2003 R2 がインストールされている。どのドメイン コントローラが現在のスキーマ操作マスタであるかを調べるには、スキーマ マスタの特定に関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
    • Exchange 2007 を含むことになる各 Active Directory サイト内で、少なくとも 1 つのドメイン コントローラが Windows Server 2003 SP2 または Windows Server 2003 SP1 を実行している。SP1 のダウンロードと注文のリンクを含む SP1 の詳細については、Windows Server 2003 SP1 のロードマップに関するページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。Windows Server 2003 向けに推奨されるオペレーティング システムの Service Pack は Windows Server 2003 SP2 であることに注意してください。
    • Exchange 2007 をインストールする Active Directory フォレスト内のすべてのドメインは、Active Directory ドメインの機能レベルが Microsoft Windows 2000 Server ネイティブまたはそれ以降である。Active Directory ドメインの機能レベルを上げる方法の詳細については、ドメインの機能レベルを上げる方法についてのページを参照してください (このサイトは英語の場合があります)。
  • ネットワークとその名前解決サービスが Exchange 組織用に正しく構成されていることを確認します。満たしている必要のある要件は次のとおりです。

    • ドメイン ネーム システム (DNS) は、単一の統一された名前空間を使用して、Active Directory フォレストで正常に構成されている。Exchange 2007 で使用するための DNS の構成の詳細については、「Exchange 2007 サーバーの DNS 設定の構成」を参照してください。
    • Exchange 2007 を含むことになる分散したサイト間の接続ポイントで、少なくとも 64 Kbps の帯域幅が利用可能になっている。
    • Active Directory サイトがメッセージ ルーティングに対応できるように正しく構成されていることを確認します。Active Directory サイトを使用したメッセージ ルーティングの計画を立てる手順の詳細については、「電子メールのルーティング用に Active Directory サイトを使用する計画」を参照してください。
  • Exchange 2007 のための Active Directory フォレストとドメインを準備します。Exchange 2007 をサポートするために Active Directory スキーマを拡張する必要があります。Exchange 2007 のための Active Directory フォレストとドメインを準備する手順の詳細については、「Active Directory とドメインを準備する方法」を参照してください。

    note注 :
    Exchange 2007 SP1 に基づいて新しい Exchange 組織を展開し、Windows Server 2008 を実行するコンピュータを使用して、Active Directory のスキーマとドメインを準備する場合は、ServerManagerCmd -i RSAT-ADDS コマンドを使用してスキーマまたはドメインを準備する前に Active Directory の管理ツールを Windows Server 2008 に先にインストールします。

    Active Directory のスキーマとドメインの準備の詳細については、「Active Directory とドメインを準備する方法」を参照してください。

  • クライアント アクセス サーバーを展開して構成します。組織に導入する必要がある最初の Exchange 2007 サーバーの役割は、クライアント アクセス サーバーです。クライアント アクセス サーバーは、POP3 (Post Office Protocol Version 3)、IMAP4 (Internet Message Access Protocol Version 4)、Microsoft Outlook Anywhere、および ActiveSync を使用してクライアントにアクセスを提供します。また、クライアント アクセス サーバーの役割は、Microsoft Office Outlook 2007 などのクライアントのための可用性サービス、自動検出サービスなどの Web サービスも提供します。クライアント アクセス サーバーの役割は、メールボックス サーバーを含む予定の各 Active Directory サイトに展開する必要があります。クライアント アクセス サーバーの役割を展開する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」および「展開タスクの完成」を参照してください。

  • エッジ トランスポート サーバーを展開して構成します。エッジ トランスポート サーバーは、境界ネットワーク内の Exchange 組織の外側に展開されます。このサーバーの役割は、アップグレード プロセスのどの段階でも展開できます。エッジ トランスポート サーバーは、特定のメッセージングまたはディレクトリ構成に依存しません。エッジ トランスポート サーバーは、Exchange サーバーをアップグレードしなくても、既存の Exchange 組織に追加できます。エッジ トランスポート サーバーを使用するために組織の変更を行う必要はありません。エッジ トランスポート サーバーは、構成と受信者情報の保存に Active Directory Application Mode (ADAM) を使用します。ADAM スキーマには、エッジ トランスポート サーバーの構成を実行するために必要なすべてのオブジェクト クラスおよび属性が含まれています。エッジ トランスポート サーバーの役割を展開する方法および ADAM を Active Directory と同期する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」および「展開タスクの完成」を参照してください。

  • ハブ トランスポート サーバーを展開して構成します。メールボックス サーバーおよびユニファイド メッセージング サーバーには、ハブ トランスポート サーバーが必要です。メール フローは、ハブ トランスポート サーバーをインストールして構成してからでないと確立できません。ハブ トランスポート サーバーの役割を展開する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」および「展開タスクの完成」を参照してください。

  • メールボックス サーバーを展開して構成します。メールボックス サーバーの役割を展開する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」および「展開タスクの完成」を参照してください。

  • ユニファイド メッセージング サーバーを展開して構成します。ユニファイド メッセージング サーバーは、Exchange 2007 の新機能です。ユニファイド メッセージング サーバーは、以前のバージョンの Exchange Server とは相互運用できません。ユニファイド メッセージング サーバーのインストールと構成は、ハブ トランスポート サーバーとメールボックス サーバーを展開して構成するまで行うことはできません。これらが必要になるのは、ユニファイド メッセージング サーバーによって生成されるメッセージは、ハブ トランスポート サーバーにしか送信できず、Exchange 2007 サーバー上にメールボックスを持っている受信者しかユニファイド メッセージングを使用できないためです。ユニファイド メッセージング サーバーをインストールした後、さらに別の展開作業を行うことで、組織へのユニファイド メッセージングの展開を正常に完了することができます。ユニファイド メッセージング サーバーの役割を展開する方法の詳細については、「サーバーの役割の展開」および「展開タスクの完成」を参照してください。

  • インストール後の作業を実行します。サーバーの役割の展開が完了した後、インストールが正常に行われたことを確認したり、展開を終了したりするなど、インストール後の作業をいくつか実行する必要があります。Exchange 2007 が正常にインストールされたことを確認する方法の詳細については、「Exchange 2007 のインストールの確認」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。